【23卒向け】対面・Web面接対策法をプロがどこよりもわかりやすく解説
2022年5月10日
コロナウイルスの影響からオンラインによる面接が普及されました。もともとは非接触を目的にオンラインが用いられていましたが、今では学生企業共にメリットが多いことから今後もオンライン面接は起用され続けます。そのため学生も対面式だけでなく、Web式の面接の対策が必須となりますが、あなたはしっかりと対策できていますか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Bさん
正直Web式だけでなく、対面式の面接の対策もあまりできていません…。どう対策していけばいいのかわからず、手つかずの状態です。
そうなんですね。わかりました、今回はそんなあなたのために対面・Web両方の面接対策をご紹介していきましょう。どちらも対策が欠かせないものですので、両方ともしっかりと対策して、内定獲得を狙いましょう。
キャリアプランナー 岡田
23卒の面接対策はいつからやるべき?
冒頭にも述べたように、面接は就活の中で最も重視される大事な肝です。それなのに23卒の場合は対面面接とWeb面接の両方が混在する就活となるため、その分やらなければならない対策がたくさんあり、時間がかかります。しかも経団連の就活ルール廃止以来、企業の採用活動は年々早まっていますから、23卒生もそれに合わせ、早めに面接対策を始めなければなりません。
では具体的に、23卒生はいったいいつから面接対策を始め、いつ頃までに面接を受けられる状態へと整えておけば良いのでしょうか。コラムの初めに、23卒生が面接対策を始めるべき具体的な時期とその理由について解説します。
面接対策は1月から始めよう
23卒生が面接対策を始めるべき時期は、年明け早々、大学3年の1月です。くり返しになりますが経団連の就活ルール廃止以来、企業の採用活動は年々早期化していますので、1月頃には面接対策を始めないと出遅れてしまいます。皆さんも知っての通り、就活ルールの先導役が経団連から政府へと移っても、基本的なスケジュールは「3月に採用情報開示→6月に面接開始→10月に内定式」のまま変わっていません。
しかし残念ながらそのスケジュールはあくまで目安でしかなく、実際にはもっと前倒しで採用活動が行われているのが現実です。もともと経団連に所属しない企業はもっと早い時期に採用活動を行っていますし、経団連に所属する企業も経団連からの締め付けがなくなったことで、規制が緩んでいます。3月よりも前倒しで採用活動を始める企業がたくさんありますし、たとえ情報開示が3月でも、もっと前倒しで面接を始める企業が多いのです。
実際、株式会社ディスコが行ったモニター調査でも、本来なら面接が開始されるはずの6/1時点で、22卒生の実に71.8%がすでに内定を持っていると答えています(6月1日時点での就職活動調査)。もっと言えば、本来なら採用情報が開示され始める時期である3/1の時点ですでに、64.7%の就活生が面接を受けた経験があり、21.1%が内定まで獲得済みでした(3月1日時点の就職活動調査)。それを踏まえると面接が開始されるはずの6/1どころか、情報解禁日である3/1には、すでに面接が本格化していることになります。
つまり2月ごろには内定をもらえるくらいの面接力を身に付けておかないと、ライバルたちに実力差をつけられ、出遅れてしまうと言えるでしょう。しかも面接の約8割をWeb面接が占めていた22卒と違い、コロナが小康状態にある23卒では、志望企業からWeb面接を指定されるか対面面接を指定されるか五分五分です。企業ごとの考え方の違いやコロナの状況次第で、どちらの場合も十分あり得ます。
ところがWeb面接と対面面接ではマナーもコツも異なるため、23卒生はどちらか一方の対策をするだけでは不十分で、両方の面接に向けた異なる対策が必要です。そして当然ですが、どちらの面接方式にしろやり方を知っているだけではダメで、上手にこなせるようになるには時間をかけた反復練習による慣れが不可欠となります。それらを2月中に内定が得られるくらいのレベルまで上げると考えると、Web面接と対面面接のどちらも、遅くとも1月には面接対策を始めなければならないわけです。
面接対策を行ううえで必要な準備は年内までに
具体的な面接対策を始めるのは1月からでも間に合いますが、それ以前に、面接対策を行う上で必要となる下準備を年内に済ませておきましょう。一口に面接対策を始めると言っても、何の準備もしていない23卒生が、いきなりすぐに対策を始められるわけではないです。面接対策を行うには、それに必要な準備があります。
たとえば面接では自分の強みや志望の動機など「自分のこと」と「志望企業への思い」を聞かれますから、そうした質問に回答するには、それ以前に自分のことと企業のことをよく理解していなければならないわけです。面接対策を始めようにも、そうした下準備の段階が済んでいないと、面接本番を想定した質疑応答のシミュレーションを行えません。
そんな状態では、模擬面接などを受けてみたところで何も答えられませんし、何かしらの答えがなければ、自分が何をどう対策すべきなのかも分からないです。ですから面接対策を始める前に、面接本番の質疑応答に答えるのに不可欠な自分や企業に関する情報を集めて、整理しておく必要があります。
また、いくら情報がたくさんあっても話し方が下手だと面接官に主旨が伝わりませんから、自分が伝えたいことを上手に伝えられる話し方について知っておく必要もあるでしょう。そうした情報収集や、上手な話し方について学ぶことが、本格的な面接対策を始める前の下準備です。先程も述べたように就活は年々早期化されていて、2月頃にはボチボチ面接が始まってしまいますので、1月になってからやるべきこと全てに取りかかるのでは遅すぎます。
面接が本格化する3月に間に合うように面接対策を進めるには、1月には面接本番を想定した本格的な面接対策を始め、2月には実際に本物の面接を経験しながら、3月に向けて万全な状態となるよう面接力を高めていくのが理想です。そのためには、本格的な面接対策を始めるための下準備を、年内に済ませておいてください。
面接対策を行ううえで必要な準備
先程も述べたように、面接が本格化する時期に出遅れないよう万全の態勢を整えるには、1月になったらすぐにでも本格的な面接対策を始められる状態にしておく必要があります。そのためにはまず年内のうちに、面接対策を始めるのに必要な下準備の段階を済ませておかなければなりません。その下準備が、自分や企業に関する情報収集と情報整理、面接での上手な話し方を学んでおくことになります。
しかしそうは言っても23卒生はまだ就活初期ですから、就活についてよく知らず、具体的に何をすればいいのか分からない人も多いですよね。そこでここからは、面接対策を行う上で必要な準備について解説します。この部分にも意外と時間がかかりますので、しっかり読んで何をすべきか把握したら、すぐにも取りかかりましょう。
「自分」と「就活軸」を明確にする
面接対策を始める前の準備としてまず最初にすべきことは、「自分」という人間についての理解を深め、今後の就活における自分の「就活軸」を明確にすることです。前述のように面接では、自分がどのような人間であるのかといった自分に関する質問と、自分がその企業に対して抱いている熱意や志望理由に関する質問を受けます。なぜなら企業は、その就活生が自社の利益に貢献できる人物かどうか、求めている人物像に当てはまる”自社と相性の良い人物”かどうかを知りたいからです。
つまり面接の質疑応答で好印象を得るには、自分と志望企業との相性の良さを示し、自分がその企業の利益に貢献できる人物だと思わせる回答をする必要があります。その相性の良さの証明となるのが、自分の持っている強みや思い描いている将来像が、企業の求めている強みや目指す方向性と合致することです。「就活生の強み=企業の求める強み」で、なおかつ「就活生の望む方向性(将来像)=企業の目指す方向性(理念やビジョン)」なら、相性の良い人物だと判断されます。
それらを面接でアピールできるようにするために、23卒生はまず十分な自己分析を行って自分についての理解を深め、自分がどんな強みをもっているのか明確にしておく必要があるわけです。また就活軸は自分の就活の方針であり、どんな将来像を望んでいるかが反映されるため、面接では「あなたの就活軸は?」などとダイレクトに聞かれることもあります。これから面接対策への準備をする23卒生は、そうした質問に答えるためにも、自分の望む将来像と企業の方向性が合致することを示すためにも、自分の就活軸を明確にしておかなければなりません。
ただし就活軸は、どんな強みや価値観を持っているのか、どんな性格なのかといった自分に関する情報だけでは決められないです。自分が目指す将来像(就活の方向性)を決める前提として、そもそも世の中にどんな仕事や業界・企業があるのか、ある程度知っている必要があります。そこで欠かせないのが、業界・企業研究です。
ネットや書籍に掲載されている情報を調べるのはもちろんですが、もっと自分の五感を駆使してダイレクトに情報収集できる、23卒向けの説明会(1dayインターン)や就活イベントもすでに始まっています。合同説明会や就活フェアなどに参加すれば、一度に様々な業界・企業の情報を掴むことができるので、これから情報収集をする23卒生は積極的に参加すると良いです。それらの仕事や業界・企業の情報と自分に関する情報を照らし合わせ、自分にはどんな仕事や業界・企業が向いていそうか考えて、就活軸を定めてください。それを基に、今後の就活でどんな業界・企業を志望するのか目星をつけていきます。
その会社でなくてはならない理由を明確にする
志望業界・志望企業の目星をつけたら、面接対策を始める前の準備として次にやるべきことは、志望する1社1社に対し「その会社でなくてはならない理由」を明確にすることです。前述のように面接の中で企業は、その就活生がどんな人物であるかだけでなく、自社に対する思い入れや志望の理由について聞きます。それは単に自社の仕事で役立つ強みを持っているだけの人よりも、その会社の理念やビジョンに共感し強い思い入れを抱いている人の方が、会社への貢献度が高いからです。
その会社の理念やビジョンに共感し、会社に対して思い入れを持っている人は、自分のキャリアだけでなく会社全体の利益を考えて仕事をしてくれます。また、そもそも理念やビジョンに共感していて、会社の目指す方向と就活生の目指す方向が一致しているため、必然的に会社の利益につながる行動を取るともいえるでしょう。それにその企業に対して特に思い入れがない就活生は、せっかく内定を出しても、もっと条件の良い企業から内定をもらえたら他社へ入社してしまう可能性が高いです。
当然ですが採用活動において企業は自社で働いてくれる人材を探しているのですから、そんな風に結局辞退されてしまうのでは、企業にとって内定を出す意味がありません。入社後の貢献度を探るためにも内定を出した場合に実際入社する可能性を探るためにも、企業はその就活生が自社にどんな思いを抱いているか、どんな動機で自社を志望しているのかを知りたいと思っています。そこでどの企業も重視するのが、他にも似たような企業がたくさんある中で、なぜ自社を志望するのかという”その会社でなくてはならない理由”です。
面接で志望動機などを聞かれた時に、”その会社でなくてはならない理由”が述べられていないと、「似たような仕事や条件があれば他社でもいいんだな」と判断されてしまいます。そして「その程度の思い入れしかないなら入社後さして会社に貢献できないし、内定辞退する可能性も高いからこれ以上選考する価値はない」と判断されて、面接を通過できないわけです。ですから当然、どこの企業にも当てはまるような使い回しの志望動機は通用しません。どんな面接においても、他ではなく”その会社でなくてはならない理由”を伝えることが大事です。
そのためには入念な業界・企業研究による志望企業への深い理解に基づき、その企業の理念や実際の業務、求める人物像などに沿った志望動機を語る必要があります。もちろん志望する企業の中には本命もあれば滑り止めもあるとは思いますが、その1社1社に対してきちんと研究を行い、それぞれに”その1社のためだけの志望動機”を考えることが大切です。1月から始める本格的な面接対策への準備として、志望企業の洗い出しとより深い企業研究を行い、それぞれに”その会社でなくてはならない理由”を明確にしておいてください。
端的に話せるようにしておく
1月から始める本格的な面接対策への下準備として、質疑応答において面接官に分かりやすく回答できるよう、論理的かつ端的な話し方を身に付けておくことも大事です。どんなに企業との相性が良く、どんなにその企業に入社したいという熱意を持っていても、話が分かりにくくてそれが伝わらないのでは、やはり面接を通過できないでしょう。相性の良さや熱意にも気付いてもらえませんし、社会人として働く上で不可欠なコミュニケーション能力がないと思われて、「採用の価値なし」と判断されてしまいます。
ですから面接では、自分の言いたいことが回答を聞いている面接官に分かりやすいように、論理的かつ端的に話さなければなりません。その方法としてオススメなのが、面接での回答にPREP法という文章構成を用いることです。PREP法は、聞いている人に分かりやすく説得力のある主張を展開できる論法として、ビジネスのプレゼンなどのほか面接の質疑応答でも広く用いられています。その特徴は、話の主旨となる結論を最初に述べ、後から説明を加えていくことです。具体的には、以下の通り①~④の順序で話を展開していきます。
- P(point)=話の主旨となる最初の結論
- R(reason)=その結論に至る理由
- E(example)=結論と理由を裏付ける具体例
- P(point)=最終的な結論
【PREP法】
これを面接での質疑応答に用いる場合、最初に述べるべきことは、聞かれた質問に対するダイレクトな答えです。強みは何かと聞かれたのなら「私の強みは○○です」、志望動機を聞かれたのなら「私が御社を志望したのは、○○だからです」という風に、端的かつ明解に言い切ります。起承転結の文章構成に慣れ親しんでいる23卒生は、「そんな風に質問へのダイレクトな答えを最初に言ったら、そこで話は終わりなのでは?」と思うかもしれません。
しかし聞かれた質問に対して「○○です」と答えるだけでは、相手はなぜその結論になるか理解できず、自分がどのような人間なのか企業に説明したことにならないです。それどころか紙に書かれた文章と違って口頭の質疑応答では、前に述べられたことを振り返れないので、起承転結のように結論を最後にすると話の主旨が分かりにくくなり、こちらの意図とは違う解釈をされる恐れもあります。
そのためPREP法では結論を先に述べることで、これから自分がどんな話をしようとしているのか主旨を最初に明示し、自分の言いたいことが面接官に伝わりやすくするわけです。それからPREP法では最初の結論の次に、自分がその結論に至った理由を説明します。
強みを聞かれたのなら自分の強みが○○だと思う理由、志望動機を聞かれたのなら先の結論で述べたことが、自分の価値観にフィットすると思った理由を述べてください。ただし口では何とでも言えますので、理由を説明してもまだ不十分、話に信ぴょう性が足りないです。そこで次に、結論や理由の部分で述べた自分の人柄を証明するような具体的な事例を出し、その前の話を補強します。
そして最後はそこまでの話を総括し、どんな質問に対する答えも自分とその企業との相性の良さや志望度の高さを示すようなアピールへとつなげて、話を締めくくるのです。中には一部例外的にPREP法が上手く当てはまらない質問もあるにはあるものの、面接での質疑応答はほとんど、このPREP法を用いれば端的かつ論理的な回答ができます。1月から始める面接対策で実際にPREP法を用いて回答する練習をしていくことになりますが、その準備として年内には面接でよくある定番質問を調べ、どのように回答すればいいのか考えておきましょう。
対面式面接の対策法
最初に述べたように、23卒の就活では企業から対面面接を指定されるかWeb面接を指定されるか五分五分です。どの企業がどの段階でどちらの面接方式を採用するか分からない以上、いつどちらを指定されても面接に合格できるような対策をしておく必要があります。しかしどちらかと言えば23卒生が不安に思っているのは、対面式の面接の方ではないでしょうか。
対面式の面接では、学生生活の中ではまず経験することのない独特な作法やマナーが決められていますし、自分のテリトリーではないアウェイな場所で、面接官もすぐ目の前にいるため大変緊張するはずです。そこでまずは、そんな苦手意識を持つ23卒生が多い対面式の面接における対策法について説明していきます。
面接の基本的な流れを把握する
これから面接対策を始める23卒生はまず、対面式の面接の基本的な流れを把握しましょう。先程も述べたように、対面式の面接には独特な作法・マナーがあります。それをを分かっていないと本番で戸惑いますし、「しまった間違えた」「これで合っていたかな?」なんて気になっていては、不安や焦りで質疑応答どころではないです。同じ対面面接でも個人面接と集団面接で若干流れが異なりますので、別々に説明していきます。
◆個人面接
- 3回ノック
- 中から応答があってから「失礼します」と言ってドアを開ける
- 部屋に入り、ドアの方を向いて静かに閉める
- 面接官の方を向いて、挨拶をしてから一礼
- 椅子の横に立って、着席の許可が出てから席に座る
- 面接が終わったら立ち上がってお礼を述べ、お辞儀
- ドアの前で面接官に一礼してからドアを開ける
- 退出して静かにドアを閉める
【入室】
【退室】
個人面接の場合は、上記のような流れで入退室を行います。ポイントとなるのはノックの回数です。コココンと連打するのではなく、コン、コン、コンと3つの音がはっきり聞き取れるくらいの速度で軽く叩き、中からの応答を待ちます。応答がない場合は数秒待って、もう一度3回ノックしてください。入室を促されたら、「失礼します」と言ってからドアを開けて入室し、静かにドアを閉めます(後ろ手に閉めるのはNG)。
その場で面接官へ向って「○○大学の××××です。よろしくお願いします」などと挨拶し、面接官へ一礼してから席の横(ドアに近い側)へ行って、指示があるまで立って待ちます。もとからドアが開いている場合はノックは不要なので、入り口で「失礼します」と言ってから入室し、同様に挨拶・一礼して席へ向かえばOKです。「どうぞお座りください」などと言われてから着席します(カバンは椅子の横の床に立てて置き、コート類は畳んでその上に置く)。
面接中は背筋を伸ばして浅く座り、男性は軽く拳を握った状態で両ひざの上、女性は足を開かないように気を付け両手を重ねて太ももの上に置くのがマナーです。面接が終わったら、立ち上がって「本日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございました」などと面接へのお礼を述べ、感謝を込めてお辞儀をします。退出の際もドアの前で面接官へ振り返り、「失礼します」と言って一礼してからドアを開けましょう。部屋から出た後も最後まで気を抜かず、静かにドアを閉めます。
- 先頭が3回ノックし、入室
- 全員そろい、声をかけられたら着席
- カバンとコートを置く場所を確認
- 自分が回答するときは「端的」に話す
- 他の人の回答に対してリアクションする
- 逆質問は積極的に
- 起立後に挨拶する
- ドアに近い人から退出
【入室】
【面接】
【退出】
集団面接の場合も基本マナーは同じですが、細かな違いがあります。まず、入室の際ドアをノックするのは列の先頭に当たった人、ドアを閉めるのは最後尾の人の役目です。先頭の人は個人面接と同様にドアを3回ノックし、中から「どうぞ」と言われたら「失礼します」と声をかけてからドアを開けます。ドアは開けたまま一歩中に入って一礼し、横一列に並んだ一番奥の席の横(間隔が狭い場合は席の前)に立って、着席の合図を待ちましょう。
後の人はそれに続いて「失礼します」と一礼してから入室し、前の人にならって奥から順に詰め、席の横または前に立って待ちます。最後尾の人は同様に「失礼します」と一礼して入室し、静かにドアを閉めて、もう一度面接官に一礼してから席へ向かうのがマナーです(まだ座らない)。全員の入室が済み、面接官から着席を促されたら、「失礼します」などと会釈をして全員一緒に着席します。
このときカバンなどの荷物は席の横に置きますが、他の人と置き場所がかぶって互いの邪魔にならないよう配慮し合わなければなりません。自分が先頭か最後尾で両サイドになった場合には、できれば隣に人がいない側へ荷物を置くようにすると、間の人もさほど置き場に困らず、面接もスムーズに始められるはずです。集団面接ではそうした周囲の人への配慮や協調性も見られていますので、注意してください。
面接の中でも、自分ばかりが面接時間を独占しないよう端的な回答を心がけるとともに、他の人が回答している際には知らん顔をせず、それに耳をちゃんと傾けておきます。声に出して相づちは打たないまでも回答している人の方へやや顔を向けて、表情を変える、小さくうなづくといった、聞いていることが分かるようなリアクションは必要です。ただし企業への関心が薄いと思われないよう、面接の最後に質問を求められたら、他の人に遠慮せず積極的に質問しましょう(質問は一人1つ)。
退室の際も、ドアを開けるのは先頭の人、閉めるのは最後尾の人の役目です。面接が終わったら全員起立し、「本日はありがとうございました」などと挨拶とお辞儀をして、ドアに近い人から順に退室します。先頭の人の退室方法は、個人面接の場合と同じです(ドアは開けたまま)。後の人は順に開いたドアの前で向き直って「失礼します」と一礼してから退室し、最後尾の人が静かにドアを閉めます。
本番を想定した“緊張感ある雰囲気”を作り出す
23卒生が対面面接への対策を行うにあたっては、本番を想定した”緊張感のある雰囲気”を作り出して、くり返し面接練習することが大切です。対面面接の練習は、本番さながらの緊張感の中で行ってこそ高い練習効果が得られます。なぜなら対面面接の難しさは、面接官を目の前にした過度の緊張によって、上手く話せなくなることにあるからです。対面式の面接では例年、緊張感に飲まれて頭が真っ白になり、言葉に詰まってしまったり、しどろもどろになってしまったりといった就活生がたくさんいます。
いくら事前に好印象を狙えそうな回答を考え、覚えておいても、緊張のせいでそれを発揮できないわけです。23卒生の場合は、コロナ対策のせいで普段から社会人と相対する機会が少ないため、なおさら緊張すると思われます。そうした事態を防ぐには、本番さながらの緊張感を事前に何度も経験し、慣れておくしかありません。そのためにオススメなのが、”就活エージェント”を面接官役とした対面面接の練習です。家族や友人といった気心の知れた人を相手にいくら面接練習を重ねても、本番のような緊張感は得られず、ちっとも対面面接への慣れにはつながらないでしょう。
しかし就活エージェントは良い意味で”自分の良く知らない他人”なので、本番の面接に近い緊張感を生み出してくれて、事前に緊張に慣れておくことができます。しかも就活エージェントは、面接を行う企業側が23卒生のどんなポイントを見ているかも、どんな就活生が好まれるかも知り尽くした就活のプロです。就活エージェントを面接官役にすれば、緊張状態での弱点や回答の問題点を洗い出し、改善を図るための適切な対策をアドバイスしてくれます。
ですから就活エージェントと練習すれば、対面面接で上手に自分をアピールし、好印象を勝ち取るための実力を、効率よく上げられるのです。緊張感に慣れておく意味でも、上手なアピール方法を身に付けるためにも、対面面接に自信のない23卒生は就活エージェントと練習するのがベストだと言えます。
練習の時からスーツ着用
23卒生が対面面接で好印象を勝ち取るための対策としては、面接練習の時からスーツを着用し、面接時の身だしなみに慣れておくことも大事です。練習の際にスーツを着用しておくと、練習でも気が引き締まり、より本番に近い緊張感が得られます。スーツというのはご存知の通り、堅苦しくて窮屈で着心地が悪いうえ、シワや汚れにも気を付けなければならず、着ているだけで何だか気の休まらないものです。それでも本番では、それを着た状態で面接を受けなければなりません。
いくら面接相手や環境を本番に近づけても、普段から着慣れた気楽な衣服を着ていたらリラックスしてしまい、”本番を想定した雰囲気”にならないです。面接練習の目的である「本番と同様の緊張を経験し、慣れておく」という効果が、薄くなってしまいます。練習の時からスーツを着用しておけば、より本番に近い緊張感が得られ、練習効果が高まるわけです。
また普段からスーツを着用し、スーツを着用した状態に慣れておくことで、逆に面接の本番では緊張感が和らぎます。それと同じ理由で、スーツのほかにも髭そりや化粧、髪型などの身だしなみも、練習の時からしっかり整えてください。本番の対面面接を成功させるためには、練習の時からとにかく本番に近い雰囲気を作り出すことが重要です。
それにスーツも身だしなみも、こなれていないと不思議と違和感があり、あまり見栄えが良くなりません。スーツはまるで借りてきたみたいに見えますし、髪型や化粧も上手くいかないのです。練習の時から身だしなみを整え、慣れているほど違和感なくこなせるようになり、まだ面接に不慣れな23卒生もしっかりとした社会人らしく見えるようになります。
Web式面接の対策法
ここのところコロナの感染者数も減り、落ち着きを取り戻しつつあるように見えるので、もうWeb面接への対策は必要ないと思っている23卒生もいるかもしれません。しかし残念ながら、Web面接はすでにコロナへの対応で仕方なく行われている臨時対策ではなくなっているので、23卒においてもなくならないです。Web面接にはコロナの感染予防対策になるという以外にも、面接会場を用意する手間やコストを削減できる、遠方の就活生とも容易に面接できるなど、様々なメリットがあります。
たとえこのままコロナが完全に終息しても全面的に対面面接に切り替える企業は少なく、多くの企業は「一次面接だけはWeb面接」「最終面接以外はWeb面接」といった部分的な形でWeb面接を行う見込みです。そこでここからは、Web形式の面接への対策法について解説します。23卒においても対策必須だということを念頭に、しっかり読んで実践してください。
オンライン環境を整える
23卒生がWeb面接への対策としてまず初めにやらなければならないことは、Web面接を受けるためのオンライン環境を整えることです。事前に録画したデータを提出させる方法も一部ありますが、一般的にWeb面接といえば、zoomなどのビデオ通話アプリを使って直に会話する方法が主流となっています。しかしビデオ通話は、互いに動画を撮影しながらリアルタイムに配信し合うやり取りであるため、大きなデータを高速で処理できる端末と、安定した通信環境が必要です。
それらが用意できていないと、Web面接の最中に突然端末がフリーズしたり、通信が切断されたり、動画や音声がスムーズに届かず会話しにくくなったりする恐れがあります。ビデオ通話自体はスマホやタブレットでも可能ですが、データの処理能力や電波の不安定さを考えると、Web面接で使用する端末はパソコンの方が良いです。より高い処理能力を発揮させるために、不要なデータは削除し、空きメモリーを増やしておきます。端末付属のカメラやマイクの動作を確認し、必要であればマイク付きイヤホンなどの周辺機器を別途用意しましょう。
Webカメラには自分の顔だけでなく後ろの背景も映り込みますので、余計なものが映らないよう部屋を片付け、ポスターなどもはがしておきます。通信環境としては、できるだけ通信速度の速い個人回線を使用し、ルーターにLANケーブルで有線接続するのがベストです。有線接続が難しく、Wi-Fiなどの無線接続となる場合でも、ルーターとの距離や障害物を極力なくすといった電波状況を良くする工夫はしておきます。特にWi-Fiの場合、他の端末と同時に回線を使用すると影響を受けて接続が不安定となりやすいので、不特定多数の人が回線をシェアするフリーWi-Fiは避けるべきです。
そして当然、ビデオ通話をするには専用のアプリを事前にダウンロードする必要があります。ビデオ通話には色々なアプリがあるので、どのアプリを使用するかは企業に指定されるまで分かりませんが、現在23卒で最も主流となっているのはzoomです。使用する端末や通信状況がWeb面接に耐えうるか確認するためにも、Web面接のやり方に慣れておくためにも、まずは実際zoomをダウンロードし、使ってみてください。Web面接の直前になって不具合に気づくなんてことになったら目も当てられません。本番で他のアプリを指定された場合にも、アプリのダウンロードや設定に時間がかかる場合がありますので、それらを早めに済ませ、早めにスタンバイするようにします。
いつもより大きな声で話し、話す内容を意識する
実際のWeb面接で好印象を勝ち取るための対策としては、いつもより大きな声でハッキリ発音することと、内容そのものから人柄や熱意が伝わるよう回答を工夫することです。Web面接の難しさは、オンラインを介した画面越しの面接であるために、23卒生の声も雰囲気も伝わりにくいことにあります。実際のWeb面接でいつも通りに話してしまうと、面接官には声が聞こえにくく、何を言っているのか理解してもらえなかったり、ボソボソ喋って元気がない人物だと誤解されたりするのです。
ですからWeb面接では、意識していつもより声を大きくし、ハキハキと滑舌よく発音するようにします。逆に言うと、面接官の方も23卒生がちゃんと話を聞いているのか、話が通じているのか分かりにくいはずです。しっかりとカメラ目線を意識し、”聞いている””理解している”ということを態度で示すとともに、適度に相槌を打つなどリアクションも取るようにしてください。初めは気恥ずかしく感じるかもしれませんが、声も態度も「ちょっと大袈裟かな?」と思うくらいがちょうどよいです。そうした対策に慣れ、上手くこなせるようになるためにも、事前の練習が不可欠となります。
またオンラインを介した画面越しの面接では、23卒生の持っている「人当たりがよさそう」「やる気がありそう」といった雰囲気も伝わりません。つまり対面面接と違い、Web面接では自分の雰囲気から人柄や熱意をアピールできませんから、必然的に面接官の材料は23卒生の回答そのものとなります。そのためWeb面接では、1つ1つの質疑応答で話す回答の中身が重要になるわけです。
これからWeb面接対策を行う23卒生は、そのことを理解し、1つ1つの回答の質を上げるよう意識しましょう。雰囲気ではなく自分の語る言葉から人柄や熱意を伝えられるよう、イメージの湧きやすい具体的な内容を盛り込むと同時に、対面面接以上に端的かつ論理的な話し方を練習しておくことが大切です。
トラブルに対応できるようにしておく
これから行うWeb面接対策としては、Web面接特有のトラブルに対応できるようにしておくことも重要となります。なぜならWeb面接では、「通信が切断された」「声が聞き取りにくい・聞こえなかった」「端末がフリーズした」といったトラブルが付き物だからです。そうしたトラブルに上手く対処できず、慌てているようだと、面接官に対応力のない人物だと判断されて、評価が下がってしまいます。そんな風に思われないためには、どんなトラブルが起こり得るか事前に把握し、備えておくことが大切です。
面接中いきなり通信が切断されてしまうような通信障害は主にインターネット環境にありますから、前述のような安定した通信環境を整えておくことが最大の対策だと言えます。端末がフリーズするトラブルは、端末の処理能力に負荷がかかり過ぎていることが原因なので、処理能力の高い端末を使用し、空き容量も増やしておくべきです。しかし残念ながらいくら事前対策を講じても、Web面接がネット回線や精密機器を使用している以上、そうした通信障害・機器トラブルはある程度起こり得ます。
それは企業側も承知していますので、大切なことは万一そうしたトラブルが起こったときに慌てず落ち着いて、とにもかくにも早急に面接官と連絡を取ることです。状況を説明して謝罪し、アプリや端末の再起動などで面接を続行するのか、日を改めてもらうかといった対策を話し合う必要があります。ですからWeb面接に望む際は、事前に連絡先を登録したスマホなどを手元に用意し、いつでも面接官へ連絡を取れる体制にしておいてください。
面接中に着信して音や電波が邪魔になるといけませんから、マナーモードにするとともに、Wi-Fiを切って4G・5Gにしておくと良いです。間違っても、無断で端末の前からいなくなったり、ログアウトや再起動をしたりしてはいけません。またWeb面接では、音が割れたり声が小さかったりで聞き取りにくい、通信が途切れ途切れで部分的に聞き取れないというトラブルもよくあります。そういう時は面倒でも聞こえたふりをせず、きちんと面接官に聞き返すのが正解です。
勝手な推測で受け答えすると話が食い違い、反って印象を悪くしてしまいます。あまり多発するようなら他のトラブルと同様、面接官に連絡して対策を相談しましょう。因みに「バッテリー切れで端末の電源が落ちてしまった」という就活生もたまにいますが、それはトラブルというより、電源ケーブルをつなげてさえいれば防げるミスです。面接官に迷惑をかけて印象が悪いだけでなく、面接を継続してもらえるかどうかも企業によりますので、そんなことにならないよう電源を確保できる場所を選んでください。
おわりに
23卒生が本格的な面接対策を始めるべき時期は1月です。対面面接ではマナーや作法を把握して緊張感に慣れておくこと、Web面接では回答の質を上げて上手な話し方を習得しておくことが重要になります。ただしそうした面接対策を行うには、それ以前に自己分析や業界・企業研究で自分と企業についての理解を深め、志望先の目星をつけておかなければなりません。
それら面接対策への下準備は、年内に済ませておく必要があります。もし面接対策や面接対策への下準備に自信がない場合は、ぜひキャリchに相談してください。キャリchでは、就活に関する様々な悩みを抱える23卒生のために「就活相談サポート」を開催しています。
相談内容は「分析・研究のやり方が分からない」「就活軸ってどうやって決める?」「対面面接の相手をして欲しい」などなど、就活に関することなら何でもOKです。プロのキャリアプランナーがマンツーマンで、あらゆる就活の悩みに答え、解決へと導きます。対面式の面談にもzoomによるオンライン面談にも対応していますので、一足先に面接の練習ができて一石二鳥です。
相談後は就活軸に基づいた企業紹介や、その企業で内定を取るための重点的な対策も受けられます。それらも含めて完全無料ですので、まずは気軽に相談してみましょう!
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。