御社と貴社の違いは?就職活動で使える例文やビジネス表現を解説

 2022年10月28日

ESでも面接でも、志望先の企業を表す敬称として必ず使用することになる「御社」と「貴社」。それに志望先によっては、他の表現を使うこともあります。誤って使用すると、非常識な学生だと思われてしまうので注意が必要です。
あなたは「御社」、「貴社」、そのほかの表現について、正確に使い分けができていますか?

キャリアプランナー 岡田

就活生 Aさん

正直、使い分けのタイミングがいまいち分かりません。同じ意味の言葉なのに、どこが違うんでしょう。御社と貴社以外って、どんな時にどんな言い回しをするんですか?

このコラムでは、企業を表す敬称である御社と貴社の違いやビジネス文章を書く際の注意点、御社・貴社を使った例文や使用例を解説しています。就職活動中に恥ずかしい思いをしないためにも、事前に正しい知識を付けておきましょう。

キャリアプランナー 岡田

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貴社と御社の違いとは

貴社と御社の違いとは

御社・貴社以外にも企業を表す敬称は多くありますが、就職活動をするうえで最も使用する機会が多いのが御社と貴社という表現です。敬称を誤って使用しても、就職活動に影響が大きく出るわけではないですが、社会人にとって必要な知識です。

この二つの表現は、1990年頃から生まれました。元は貴社のみを使用していましたが、同音異義語が多いことから、御社・貴社のふたつの表現が一般化されています。

コラムの初めに、この二つの表現の使い分けについて解説します。

御社は話し言葉

「御社」という表現は、面接相手と対面している時や、OB・OG訪問で先輩社員に会う時、通話で会話をしている時に使用する表現です。会話をする時に使う表現なので、文字を書いている時には使用しません。

しかし就活生は「御社」「貴社」という言葉の使用そのものに慣れていないため、頭ではそれらの違いを理解しても実際の面接やOB・OG訪問では緊張してしまって、うっかり言い間違えてしまうことが多々あります。そうした事態を避けるには、家族や友人ではなく緊張状態を保てる他人を相手に面接練習を繰り返し、緊張下での言葉の使い分けに慣れていくのが一番です。

キャリchでも、プロのキャリアプランナーがマンツーマンで面接練習や面接対策をお手伝いするイベント「面接サポート」を行っています。利用は無料、オンラインでも参加できますので、気軽に参加してみてください。

貴社は書き言葉

「貴社」という表現は、履歴書やエントリーシート(ES)など就職希望先に提出する書類に使用する表現です。御社と違い書き言葉なので、面接時に「貴社」という表現は使用しません。履歴書やESを書き終えたら、作成した文書で御社を使用していないか再確認してみましょう。

ただし誤字脱字というのは、自分で文章を読み返しても結構気付けないことがあります。とくに「御社」と「貴社」は意味合いとしては間違っていない言葉なので、なおさら気付きにくいものです。そうしたミスを生まないためには、書類を書き終えた後に、第三者の目でチェックしてもらう必要があります。それには、就活エージェントなどのプロの力を頼るのがオススメです。

普通の誤字脱字なら家族や友人でもチェックできますが、「御社」と「貴社」の書き間違いは意味が同じで案外気付きにくいものなので、プロの目で見てもらった方が確実です。それに就活エージェントなら誤字脱字だけでなく、内容が適切かどうかもチェックしてもらえます。キャリchでも、就活のことなら何でも相談できる無料の「就活相談サポート」を開催していますので、ぜひ活用してください。

その他の似たような言葉

御社・貴社以外にも、企業を表す表現は数多くあります。それは主に、企業側の視点で見た「自分の会社」を表す言葉です。

  • 弊社

    「弊社」は自身が所属している企業を謙って表した言葉なので、謙譲語にあたります。取引先との打ち合わせや商談などでよく使われる表現です。 弊社は 謙遜する表現であるため、社内で自分の会社のことを指す場合は弊社という表現は使われることはありません。

  • 当社

    「当社」は対等な関係を表現しており、社内で使用することが多い表現です。 また、広告や報告書に使う場合や自分の会社の正当性や立場の強さを示す時にも使われます。書類での使用頻度が高いことから、書き言葉として使用することが多い敬称です。

  • 自社

    当社と同じく、対等な関係を表す敬称の一つで、「自社製品」「自社株」など名詞が後ろに付くことが多いです。

これらは就活生自身が使う言葉ではありませんが、就活の中ではよく耳にする言葉です。社会人になれば必ず使用する表現ですので、それぞれの違いや使い分けを覚えておきましょう。

別の表現を使う企業の場合

貴社、御社以外の表現とは

学校や病院などの一般企業以外の団体では、御社・貴社の表現を使用しない場合もあります。下記の表にあるような団体・企業に就職を希望している学生は、しっかり覚えておきましょう。

医療関係

医療機関で使用する敬称は下記の表をご覧ください。

機関名 敬称 例文
病院 貴院 私が貴院を志望した理由は〇〇です。
診療所 貴院・貴診療所 私が貴院(貴診療所)を志望した理由は〇〇です。
治療所 貴院・貴治療所 私が貴院(貴治療所)を志望した理由は〇〇です。
整骨院・鍼灸院 貴院 私が貴院を志望した理由は〇〇です。

貴社と違い、同音異義語が少ないことから、一般的に書き言葉でも話し言葉でも同じ表現を使用します。

金融機関

金融機関は一般企業に属しますが、御社・貴社の敬称は使用しません。金融機関の敬称は下記の表のとおりです。

機関名 敬称 例文
銀行 貴行 私が貴行を志望した理由は〇〇です。
信用金庫 貴庫 私が貴庫を志望した理由は〇〇です。

証券会社は金融機関ですが、企業名が〇〇証券会社となっていることが多いので、御社・貴社の表現を使用します。

公共団体

公共団体とは市役所や区役所、各省庁など自治体や国が管轄している期間を指します。各団体の敬称は下記の表のとおりです。

機関名 敬称 例文
市役所・区役所 貴所 私が貴所を志望した理由は〇〇です。
各省庁 貴省(御省)・貴庁(御庁) 私が貴省(御省)を志望した理由は〇〇です。
各労働局 貴局(御局) 私が貴局(御局)を志望した理由は〇〇です。

ここで注意しておきたいのが、役所の敬称です。役所を敬称で表すときは、「貴所」を使用します。これは、御所が「ごしょ」と読めてしまうことに由来します。御所は、天皇陛下のお住まいの意味があるため、混同を防ぐためにビジネスシーンにおいては使用を避けるのが一般的です。

教育機関

教育機関には、学校や大学がありこちらも一般企業とは敬称が異なります。教育機関の敬称は下記の表のとおりです。

機関名 敬称 例文
学校 貴校(御校) 私が貴校を志望した理由は〇〇です。
大学 貴大学(御大学) 私が貴大学(御大学)を志望した理由は〇〇です。

知っておくべき宛先の表現方法

知っておくべき宛先の表現方法

宛先の表現は、就職活動中だけでなく会社に就職してからも使用する頻度が高いです。企業や団体の敬称の使い分けと一緒に、宛先の表現方法も覚えておきましょう。

宛先が個人の場合とそうでない場合で表現方法が違うので、混同しないように注意してください。

宛先が個人の場合

書類やメールなどを送る担当者が分かっている場合は、「様」を使用します。使用する機会は少ないですが、企業や組織に様を使用することもあります。

担当者が決まっている場合は、「〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様」と書きます。

一方、役職が付いている担当者を表す表現には注意が必要です。役職が付いている担当者の場合の宛先は「〇〇株式会社 〇〇部 課長 〇〇様」と書きます。役職に敬称を付けると、二重表現になるので個人名の後ろに敬称を付けましょう。

宛先が企業や部署の場合

書類やメールを送る相手が個人名でなく、企業や担当部署の場合の敬称は「御中」を使います。「御中」という敬称は、就職してからも頻繁に使用する表現なので覚えておくと便利です。

御中を使用する場合は、「〇〇株式会社 〇〇部 御中」と書きます。間違いやすい表現に「〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様御中」があります。この場合は、個人名が分かっているので「様」を使用してください。

ビジネス文書を作成する際の注意点

貴社と御社を使う時の注意点

就職活動中にビジネス文書は必要ないのではないかと疑問に思う学生も少なくありません。実は、就職活動中に記入している書類に書いている文章のほとんどがビジネス文書です。

ビジネス文書には、作成をするにあたって多くのルールがあります。ここでは、ビジネス文書を作成する際の注意点について解説します。

二重敬語にしない

貴社と御社を使う上で注意しなければならないのが二重敬語です。二重敬語とは敬語表現を二つ重ねて使うことで、重複表現とも言われます。

二重表現になっている文書は、「貴社の事業に貢献させていただきます」のように「〜させていただく」という表現です。一般的に多く使用されている表現ですが、ビジネス文書を作成するときには、使用しないようにしましょう。

正しい表現は、「貴社の事業に貢献します」や「貴社の事業に貢献致します」のような表現です。また、「御社様」や「貴社様」といった表現も二重表現となるので注意しましょう。

敬称を多用しない

ビジネス文書では、企業や役職の敬称の多用は好ましくありません。

敬称が多用された文書は、まわりくどい印象を与えやすくなります。敬称を使用して履歴書やエントリーシートを作成する場合は、一度作成した文書を読み返し適切な箇所で敬称を使用するといいでしょう。

語尾を統一させる

ビジネス文書の基本的な表現方法のひとつとして、語尾の統一があります。一般的にはです・ます調、である調の二種類があり、文書の種類によって使い分けることが必要です。

就職活動で使用するエントリーシートや履歴書では、一般的にです・ます調を使用します。である調を使用する場合は、稟議書や報告書を作成する際に使用することが多いです。

語尾の統一は、自分では気づかないうちに混同していることがあるので文書を作成したあとの見直しが重要です。

略称や話し言葉で文章を書かない

略称とは、正式な名称を略して表現したものをいいます。ビジネス文書では、略称は使わず、正式名称を使いましょう。

特に、就職を希望している企業の商品名や事業名を略称で記載することは、失礼に当たります。

正式名称はインターネット上で調べることで判明することが多いので、事前に調べておくとスムーズです。正式名称が分からない場合は、企業に連絡をして正式名称を教えてもらうようにしましょう。

迷ったら就活のプロに相談しよう

ここまで企業を表す敬称やビジネス文書の注意点について説明してきましたが、そうした言葉の用法で迷ったら、就活のプロに直接相談するのが一番です。ビジネス用語や引用方法は調べればある程度分かることではありますが、細かい用法については調べきれず、「こういう場合はどうするの?」と悩んでしまうことも少なくありません。自己判断でミスを犯しては元も子もないですから、就活エージェントなどのプロに直接聞いて、確実に正しい用法を用いましょう。

キャリchでも、就活のことなら何でも相談できる無料の「就活相談サポート」を開催しています。プロのキャリアプランナーがマンツーマンで相談に応じますので、提出書類のこと、面接のこと、企業へ送るメールのことなど気軽に相談してください。疑問や不安に思うことがあると、就活はスムーズに進められなくなります。私たちプロと一緒に二人三脚で就活を進めれば、内定獲得へ向けて迷うことなく進んでいけますよ。

御社と貴社を使った例文・使用例

企業が使う敬称とは

ここからは、実際に敬称を使った例文や使用例を紹介します。履歴書やエントリーシートの作成に役立ててください。

御社の使用例

まず、御社の使用例を3つ紹介します。御社は話し言葉なので、主に面接や企業説明会、OB・OG訪問での会話の中で使用します。

  • 御社で働くやりがいは、どのようなときに感じられますか?
  • 御社を志望した理由は、英会話という自分のスキルを最大限活かせると感じたからです。
  • 御社の短期的な経営方針に共感しました。

以上のように会話の中で相手の会社の話をするときは、御社を使いましょう。

貴社の例文

次に、貴社を使った例文を紹介します。貴社は御社と異なり、書き言葉なので履歴書やエントリーシートを作成する際に使用します。

  • 貴社を志望した理由は、自分の長所である分析力を活かせると確信しているからです。
  • 貴社の製品に対する情熱・企業努力に感銘を受けました。
  • グローバル展開を目指す貴社でなら、私の英語力が事業に貢献できると考えております。

以上のように、応募書類で企業を表現するときは貴社を使います。

正しい文章表現で質の高い文章を作成しよう

ビジネス文書を作成するスキルは、ビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルです。学生のうちに身に着けておくことで、高評価を得ることもできるかもしれません。

文書の作成が苦手だという学生もまだまだ多くいます。キャリchでは、キャリアカウンセラーとの個別面談を通し、就活生一人ひとりのお悩みを解決する「就活相談サポート」を連日開催しています。2022年卒は12,000人を超える就活生のお悩みを解決してきました。 就活に関してのお悩みや不安のある方はぜひお気軽に就活相談サポートにお越しください。

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この記事の監修者

監修者:岡田章吾

岡田 章吾

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。

就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。

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