【就活生必見】ブラック企業の特徴と見極め方を就活のプロが徹底解説
2023年3月20日
就活生は「とりあえずブラック企業だけは避けたい!」と思っていますよね?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
はい!!絶対にブラック企業だけは避けたいです!
もちろん、ブラック企業は嫌ですよね。では、どのような企業がブラック企業だと思いますか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
う〜ん、やはり給料や休日などの待遇面ですかね?!
いろいろありますが、待遇面だけではありませんね。 間違ってブラック企業へ入社しないためにも、ブラック企業の特徴を知る必要がありますね!今回は、ブラック企業の特徴と見極め方法を解説します。
キャリアプランナー 岡田
目次
そもそもブラック企業とは?
誰しもが耳にしたことのある「ブラック企業」。そもそもブラック企業とは一体何なのでしょうか?どのような定義をもとにブラック企業と言うのか。
ブラック企業の定義、そしてブラック企業が多いと言われる企業規模や業界などと合わせて解説します。
ブラック企業の定義
ブラック企業(ブラックきぎょう)またはブラック会社(ブラックがいしゃ)とは、「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」を指す。(Wikipediaより参照)
ブラック企業は厚生労働省において明確な定義は定められていませんが、過重労働やパワハラ、企業全体のコンプライアンス意識が低く、社員を使い捨てるような企業のことを「ブラック企業」と呼んでいます。
細かな特徴などはのちほどご紹介しますが、特徴に当てはまるような企業には注意しておいた方が良いでしょう。
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ブラック企業が多いとされる企業規模や業界
ブラック企業に企業規模は基本的に関係ありませんが、しいていうなら中小企業やベンチャー企業に多いと言われています。理由は労働組合が作られていないケースが多いからです。
労働組合がないということは、労働者が労働に対する申し立てをする場がないため、雇用者による圧倒的な権力からブラック企業に染まってしまう可能性があるということです。
ただ、労働組合の有無だけでブラック企業かどうかを判断しきれるわけではありませんし、大手企業でもブラック企業と呼ばれる企業はたくさんありますので、実際は企業規模の大きさはさほど関係ないといるでしょう。
しかし、ブラック企業が多いとされる業界はあります。代表的なのが飲食業界やタクシー業界、建築業界やマスコミ業界などです。
これらの業界は人手不足や拘束時間が長いことから、休憩時間がなくなってしまったり、残業を強いられてしまうことから、「ブラック企業」と呼ばれるケースが多いです。
こればかりは仕事の特性のため、これら業界を目指す以上は多少の残業などを覚悟しておかなくてはならないかもしれません。しかし、あまりにも休みが取れない、残業時間が長すぎる場合は危険ですので、事前にチェックしておきましょう。
就活のプロが解説!ブラック企業の特徴12選を紹介
「ブラック企業」と呼ばれる企業にはいくつか特徴があります。ブラック企業には明確な定義はないものの、これら特徴に当てはまる場合は注意が必要です。
ブラック企業と呼ばれる企業にはどのような特徴があるのか、解説します。
特徴1:長時間労働・過重労働
ブラック企業の代表的特徴ともいえるのが「長時間労働・過重労働」です。労働行政によると、1日の残業時間が4時間を超える、2ヵ月にわたって1ヵ月の残業平均が80時間を超える場合は注意が必要だとしています。さらに、月80時間の残業時間を超えると、従業員の命の問題になってくるラインとして「過労死ライン」というものも定められています。
過労死ラインは、健康障害の発症2~6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をしている場合、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安でもあります。他にも、発症1ヵ月間に平均100時間を超える労働時間外をしている場合も、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいです。
そもそも一般的な労働時間は原則1日8時間、週40時間と法律によって定められていますが、「サブロク協定」と呼ばれる労働基準法を締結している企業は、残業させることが可能としているため、残業自体があるのは仕方ないことです。
ただ、「サブロク協定」を締結している企業でも、月の残業時間は45時間と定められているため、それを超える場合は注意が必要ですし、健康障害が出るほどの残業がある場合は「ブラック企業」として一線を引くべきです。
「残業時間が月45時間を超えるのはNG」「80時間を超える場合はブラック企業確定」として認識しておきましょう。
特徴2:休日も出社させる
休日出社が多い企業も注意が必要です。もちろん仕事の納期によって休日も出社しなければいけない状況もあるでしょう。しかし、必要以上に休日も出社させるような企業は「ブラック企業」として一線引くべきです。
また、実際に会社に出社しなくても、休日に電話やメールが鳴りっぱなしなども注意が必要です。自分も休んだ気がしませんし、休みの日も仕事が頭から離れない生活はストレスになります。
休日のはずなのに選考の連絡がきたり、休日に面接を設定してくるような企業には注意しておきましょう。
特徴3:休日が少ない・有給が取れない
休日に出社させる以外に、そもそも休日が少ない場合も注意が必要です。カレンダー通りに休んだとすると、1年間の休日は120日前後、平均的な休日数も120日前後とされているため、それ以下だと少ないかもしれません。
一つの基準として、年間80日(月に約6日、週1日程度の休み)を下回る場合はブラック企業として疑った方がよいでしょう。
また、有給休暇が取れない場合も注意が必要です。会社は労働者に対して有給を付与するのは義務ですし、労働者は有給の消化が自由です。さらに4月からも有給消化は義務化されましたし、「有給が取れない」というのは違法になります。
有給が取れないだけでなく、本来休日であるべき日を出社日にしたうえで「休みたいなら有給扱いになる」と悪質なやり方で会社が有給をコントロールしている場合もありますので、口コミサイトや四季報などから有給消化率をチェックしておきましょう。
特徴4:給料が最低賃金を下回っている
給料が最低賃金を下回る場合は注意が必要です。現在、厚生労働省が定めている東京の最低賃金は「985円」ですので、東京で働く女性を例に実際に計算してみましょう。
- 年間所定労働日数:250日
- 労働時間:8時間
- 基本給:170,000円
- 通勤手当:5,000円
- 時間外手当:10,000円
- 住宅手当:25,000円
=210,000円 - (1)最低賃金の対象にならない「通勤手当」「時間外手当」「住宅手当」を排除
=210,000-(5,000+10,000+25,000)=170,000 - (2)時間額に換算
=(170,000円×12ヵ月)÷(250日×8時間)
=192万÷2000=960円<985円
[女性の労働と月給内訳]
労働省に支払われる賃金は最低賃金よりも上回っていないといけないのに対し、上記の計算結果では25円も下回っていました。このように給料が最低賃金よりも下回っているような企業はブラック企業として疑った方がよいです。
ちなみに東京以外の最低賃金は「地域別最低賃金の全国一覧」よりご覧ください。
特徴5:給料や残業代の未払いがある
給料や残業代の未払いがある場合は注意が必要です。経営不振の他にも、「会社に迷惑をかけたから」「売上を出さなかったから」などといった感情的な理由から給料や残業代が支払われないケースがあります。
他にも、小規模なワンマン経営にありがちなのが、管理不足から支払う給料が足りなかったという理由からの未払いが発生することもありますが、どんな理由であれ給料や残業代の未払いをするような企業には注意してください。これらは労基法違反で罰則の対象にもなります。
また、そもそも残業代を出すことがない、みなし残業以上の労働を課せられる場合もブラック企業として疑った方が良いでしょう。
特徴6:不当な理由による給料の減額がある
こちらも先ほどの「給料未払い」と同じような理由から、不当な理由で給料が減額させるような企業には注意が必要です。
経営悪化によりやむを得ない理由から減額を申しだされる場合もあるかも知れませんが、給料は入社時に企業側と労働契約書や就業規則で定められているはずですので、“会社が一方的”に給料を下げることはできません。
どんな理由であれ、企業は社員に対して減額の旨を伝える必要がありますので、勝手に減額している企業には近づかないようにしましょう。
特徴7:勤務時間にカウントされない時間がある
始業前の掃除の時間、着替え時間、研修時間などを労働時間にカウントさせないような企業は注意が必要です。また、休憩時間などに何かと理由をつけて働かせてくる企業も注意です。
本来、一日の労働時間は8時間と決まっているため、この時間内の作業であれば給料が発生する時間としてカウントされないとおかしいのです。反対に、休憩時間に仕事を押し付けるようなことも労働8時間を超えることになるためNGです。
ですがブラック企業では、このように労働時間にカウントされない時間を当たり前のように共有し、「会社の指示ではなく、自主的に行っている」という空間を作り上げることで、給料の発生しない時間外労働をさせているのです。
細かなことかもしれませんが、このような少しの時間や出来事も見逃さないようにしましょう。
特徴8:パワハラ・セクハラが横行している
- [パワハラ(パワーハラスメント)]
→地位関係において優位にある者が従業員に対して精神的・身体的苦痛を与える行為 - [セクハラ(セクシャルハラスメント)]
→相手の意に反した性的言動によって不利益を破ったり、就業環境を妨げる行為
パワハラ、セクハラが横行している企業もブラック企業を代表する特徴です。「お前は無能だ」「できないなら朝まで残って仕事しろ」などといったパワハラ発言や、「いつ結婚するの?」「恋人はいるの?」などといったセクハラ発言が当たり前のように飛び交う企業は気をつけた方がいいでしょう。
給料をもらう以上、企業の指示に従う必要があるのは確かです。ただこのような過剰な発言は問題です。「これぐらい社会人なら仕方ない」と耐えるのではなく、おかしいと思ったら企業の選び直しも検討しましょう。
特徴9:社員が退職を希望してもやめさせない
社員が退職を希望しても受け入れてもらえないような企業はブラック企業です。どんな社員にも「会社を辞める権利」がありますので、退職が認められないということはありえないのです。
単純に「やめるのは認めない」というだけでなく、「君がいなくなると会社が厳しくなる」「君だけが頼りなんだ」などと上手に退職を辞めさせるようなことを言ってくるケースもあるので、注意です。
確かに繁忙期に「今やめられるのは困る」という場合もありますが、基本的には労働者の自由で退職できるので、止めてくるような企業には近づかないようにしましょう。
特徴10:社員の入れ替えが激しく離職率が高い
社員の入れ替えが激しい企業も注意しましょう。ブラック企業は過酷な条件のもと仕事をしているため、やめていく人が多いのは当然です。
そしてブラック企業はそんな事情もよくわかっているため、求人票などには「給料〇〇万以上!」「年間休日125日!」など、魅力的なことを記載し、人を集めています。
しかし、実際に入社したら過酷な条件へと変わるため、すぐにやめることになる。そして企業はまた人を集める、の繰り返しをしているため、社員の入れ替えが激しい企業は「ブラック企業」であるケースが多いのです。
特徴11:社内で精神論をたたきつけられる
「やればできる」「仲間」「成長」などといった精神論をたたきつけてくるような企業はブラック企業の可能性が高いです。
「お前ならできる」などといって社員を盛り上げたり、「一緒に成長していこう」「夢をあきらめないで」などといって仕事と自分の頑張りを結び付けようとすることで、気合とやる気を盛り上げ、精神的にコントロールしようとしているのです。
「社長が“頑張ればなんとかなる精神”の人」なのか、それとも「お前ならできる(=文句を言わずにとりあえず働いてくれ)」という内心が隠れているのか。
企業によってどのような考えがあるのかはわかりませんが、精神論ばかりを語る企業には気をつけた方がよいでしょう。
特徴12:論理的ではなく精神論のみでノルマを強制させる
精神論をたたきつけることで、論理的ではなく、精神論のみでノルマを強制させようとする企業もブラック企業の特徴です。
「お前ならできる」「やればできる」「夢をあきらめるな」「やる気を出せ」など、確かに精神論も大切ではありますが、精神論だけで何かを成し遂げることはできないのです。なぜなら、いくら精神論をたたきつけたとしても、できることとできないことがあるからです。
たとえば、海外企業と取引をしてこいと言われても、誰一人英語を話せなければ仕事を進めることできないですよね?「やる気で乗り越えろ」「お前ならできる」と言われても、できないことはできないですよね?
つまり「やる気」だけではどうすることもできないこともあるのが現実なのです。しかし、ブラック企業は社員を使い捨てるかのように働かせているため、できるできない関係なしに仕事を押し付けるのです。
普通ならできないことはできないと言えますが、精神論をたたきつけられているブラック企業では「とりあえず仕事をする」しかないのです。
「やる気」「情熱」「やればできる」「夢」「仲間」「感謝」「成長」などはブラック企業が好むフレーズです。求人票やHPなどに書かれていないかチェックしてみましょう。
ブラック企業かどうかを応募段階で見極めるための手段
ブラック企業は実際に入社してから気づくことがほとんどですが、ここではブラック企業かどうかを応募段階で見極めるための手段と方法をご紹介します。下記からどのように手段で見極めればいいのか、確認していきましょう。
(下記をタップするとそれぞれの説明へ移動します)
- 2012年より始まった、問題視されている企業の頂点を決める企画「ブラック企業大賞」を確認することで、ブラック企業と認識されている企業が分かります。さらに、ブラック企業大賞にはそれぞれノミネートされた理由・実例なども記載されているため、どのような理由からブラック企業として認定されているのかが分かります。
- 「カイシャの評判」や「みん就」などの口コミサイトを見ることでブラック企業かどうかを確認することができます。カイシャの評判は実際にその企業で働いている(もしくは働いていた)人が口コミを書いているため、情報がとてもリアルです。また、みん就では面接などをした時の感想や感じたことなどが書かれているため、参考になります。
- 企業に関する情報が掲載されている就職四季報から、「離職率」をチェックすることで、ブラック企業かどうかを見極めることができます。ブラック企業の特徴でもお話ししたように、離職率が高い場合は過酷な労働環境のもとで働いている可能性があるため注意が必要です。また、有給消化年平均なども記載されていますので、数値からブラック企業どうかを見極められます。
ここまで読んでみて、「内定をもらっている会社はブラック企業かも……」と不安になった人はいませんか?入社前の企業をブラック企業か判断するのは、難しいところでもあります。ひとりで悩んでいる場合は、キャリchの「再就活サポート」を利用してくださいね!プロのキャリアプランナーが詳細を聞き、内定を辞退すべき企業か、個別にアドバイスします。
ブラック企業に引っかからないためにはどうすればいい?
ブラック企業かどうかを応募段階で確認することも大切ですが、その前にブラック企業に引っかからないためにしておくべきことがあります。前項の確認と合わせて行えばブラック企業に引っかからずに済むので、しっかりとチェックしていきましょう。
(下記をタップするとそれぞれの説明へ移動します)
- ブラック企業に引っかからないためには、「求人票を鵜呑みにしないこと」が大切です。残念ながらどの企業もいろんな学生に興味を持ってもらうために、多少条件を盛って記載していることがほとんどなのです。とくにブラック企業は人手不足から、人が集まりやすいような好条件を記載する傾向があります。なので、求人票を鵜呑みにしないようにしてください。
- ブラック企業に引っかからないためには「企業研究を細かく行う」ことも大切です。なぜならブラック企業かどうかを見極めるためには、その会社の中身を知る必要があるからです。どの企業も会社イメージを守るために表面上はよくしているものです。ですので、実際の中身の部分をしっかりとチェックしていきましょう。
- 「OBOG訪問」をすることでブラック企業に引っかかるリスクを軽減することができます。OBOG訪問は会社の中身の部分を知るのに持って来いの手段ですし、情報もとてもリアルです。またOBOG訪問時の社員の態度や発言からブラック企業どうかも見極められます。ですので、可能であれば興味を持った企業に対しては積極的にOBOG訪問を行いましょう。
- ブラック企業の特徴として挙げた「長時間労働・過重労働」かどうかをチェックするために、「夜中に会社をチェック」するのも一つの手です。夜中まで電気がついていたら黒でしょう。ましてや何日も電気がついているようであれば、深夜までの残業は当たり前の会社なのかもしれません…。
- ブラック企業に引っかからないための最適や手段として「就活エージェントに頼る」ことをオススメします。就活エージェントなら企業に関する詳しい情報を知っていますし、独自のルートから細かな情報を聞き出してくれるので、リアルで正確な情報を手に入れることができます。就活全般のサポートもしてくれるので心強い味方です。
おわりに
企業を選ぶうえで「ブラック企業かどうか」を確認することはとても重要なことです。せっかく時間をかけて就活をしてもブラック企業に入社してしまい、長時間労働、パワハラなどによって早期退社へとつながってしまえば、すべてが水の泡となってしまいます。
そうならないためにも、どのような企業がブラック企業と呼ばれているのか、応募段階でどのように見極めればいいのかなど、ブラック企業に引っかからないために万全な準備をしてください。
とくに、内定がなかなかもらえない中でやっと内定をもらえると、たとえその企業がブラック企業だとしても、今まで内定がもらえていなかった分、初めて自分が認められたような気持になってしまい、安易に承諾してしまうというケースがありますが、これは危険です。
焦った気持ちなどからつい、ブラック企業などが脳裏から消えてしまうこともあるかもしれませんが、これで入社後すぐに退社してしまえば意味がないということを忘れずにいてください。
また、初めからブラック企業を選んでしまわぬよう、企業選びにも気をつけましょう。キャリchでは、、”ホワイト企業”をご紹介しているイベント「就活相談サポート」を開催しています。ブラック企業を避けられるだけでなく、あなたに合った企業に出会えます。さらに内定獲得のためのサポートも行いますので、ぜひ気楽にご参加ください!
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。