面接で丸暗記はNG!暗記に合否との関係性と上手に話すコツを紹介
2023年3月20日
実は就活の面接において、回答を丸暗記して面接に挑むのはNGって知っていますか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
そうなんですか?回答をすべて用意しておけば緊張していても何とか回答できるので、いつも丸暗記していました……。
確かに回答を丸暗記しておけばその場はしのげますが、内定がもらえるかは別の話になってきます。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
確かに、まだ1つも内定が出ていません……。ただ丸暗記がダメなら、どんな対策をすればいいのかわからなくなってきました。
悩みますよね。そこでこのコラムでは「面接の回答を丸暗記するのがダメな理由」や「暗記を上手に使いこなす方法」を紹介します。面接対策の参考にしてください。
キャリアプランナー 岡田
暗記NG?面接で「丸暗記」がダメな理由
面接は、何度やっても緊張するものです。緊張しすぎて何を聞かれていたのか、自分が何を話しているのか、わからなくなってしまう人もいるでしょう。
学生の相談に乗っているとときどき、面接でしどろもどろにならないように、よくある質問への回答を事前に考え、暗記するという人がいます。気持ちはよくわかりますし、本人なりに考えた苦肉の策なのでしょうが、残念ながら、面接の回答を暗記するのはNGです。
しかしこのコラムを読み始めたあなたは、なぜ面接での暗記がNGなのかと、不思議に思っているかもしれません。そこでまず初めに、面接で回答を暗記するのがNGな理由と、暗記がバレるタイミングや面接官が抱く印象について解説します。
面接で丸暗記はNG!暗記は意外と簡単にバレる
面接でよくある質問への回答を考えておくのは大切ですが、いくら準備を万全にしたいからといって、考えた回答を丸暗記するのはいけません。回答を「考えておくこと」や「準備しておくこと」と、回答を「丸暗記すること」は違います。
考えた回答を丸暗記してしまうと、面接で答えた際に以下のようなデメリットがあるので、暗記はNGなのです。
- 棒読みになってしまう
- 感情が伝わりにくい
- 思い出しながら話すので、言葉が詰まりやすい
- 言葉が出なかったときパニックになる
- 考えてきたこと以外の質問に答えられない
[暗記NGの理由]
丸暗記した回答を述べるのは、紙に書いた文章を読み上げるのと同じで、どうしても棒読みになります。棒読みなると気持ちがこもっていないので、回答に説得力がありません。
たとえば「一番つらかったこと」や「感動したこと」などを答えているのに、感情が伝わらなければ、なんだか空々しく聞こえるでしょう。棒読みの回答では、あなたの企業や仕事への熱意も伝わりにくくなるのです。
また、丸暗記した回答を述べようとすると、緊張している中で思い出しながら話すため、言葉に詰まりやすくもなります。たった一つの単語が思い出せないだけで、話が先へ進まなくなり、パニックになる恐れがあるのです。
さらに、回答を丸暗記していたのでは、暗記した内容以上に話を広げられなくなります。回答した内容に対して、面接官が想定外の追加質問を投げかけてきたとき、答えられないのです。
面接官は回答の内容によって学生の人となりを判断しているのと同時に、その学生と会話することで、話し方や表情、人と会話する際の態度なども総合的に見ています。暗記した回答を読み上げるのは、人との会話・コミュニケーションをはかろうとする姿勢とはいえません。
面接官が話しかけ、理解しようと努めているのに、学生がそのコミュニケーションを拒否しているようなものです。ですから回答の中身に関わらず、暗記した回答を述べるという行為自体が、面接官に対して失礼でもあり、悪印象を与えることにもなります。
棒読みの回答であれば暗記してきたのは一目瞭然ですが、よほどバレないように練習を重ねたとしても面接官は人を見るプロですので、たちまち見透かされてしまうでしょう。
暗記している学生に対して抱く面接官の印象
回答を暗記している学生に対して、面接官は以下のような印象を持ちます。
[面接官が抱く印象]
- コミュニケーション能力がない
- 臨機応変な対応が苦手
- 熱意が伝わらない
- 仕事を任せるのが不安
先ほどもお話ししたように、学生の回答が棒読みだったら、面接官には暗記してきたことが一目瞭然です。暗記した回答を朗読することは相手と会話しているとは言えませんから、「コミュニケーションを取る意志がない」「コミュニケーションを取る能力がない」と思われても仕方がありません。
回答を暗記することで、面接官からの追加質問に答えられなければ、「臨機応変な対応が苦手な人」という印象も与えます。感情のこもっていない棒読みの回答では、企業や仕事への熱意も伝わらないので、とてもやる気があるようには見えないでしょう。
暗記したはずの回答に詰まってパニックになれば、「些細なことで焦ってしまう人」だと思われますし、そんな人に仕事を任せるのはとても不安です。
暗記した回答を述べることで、面接官にそういったさまざまなマイナスの印象を与えてしまうので、選考の合否にも当然影響が出てきます。
「暗記」を上手に使いこなす方法
面接での回答を丸暗記するのはいけませんが、かといって、何も考えておかずに面接に臨んで、まともな回答ができる学生もほとんどいないでしょう。場合によっては「準備不足」と捉えられ、志望度が低いと判断される恐れもありますので、面接でよくある質問に対して回答を考えておく必要はあります。
しかし面接では、よくある質問に回答を考えたうえで、それを丸暗記するのではなく、上手に暗記を使いこなすことが大切です。ここからは面接への準備として、暗記を上手に使いこなす方法について解説します。
「要点」だけを暗記するのがコツ
面接でよくある質問への回答は、回答全部を丸暗記するのでなく、要点(キーワード)だけを暗記するのがオススメです。
これまで述べてきたように、質問への回答を丸暗記するとさまざまなデメリットがあるのでNGですが、回答を考えておかないのもよくありません。質問への回答は考えたうえで、最小限の言葉を暗記しましょう。
具体的には、それぞれの質問に対して、どんなキーワードを使って話すのかということを覚えておくのです。
面接やプレゼンなどのビジネスシーンにおいては、ほとんどの場合PREP法という論法を使って話を進めます。PREP法とは、簡潔で説得力のある文章構成法として、ビジネスシーンでよく用いられる論法です。
「結論→理由→具体例(エピソード)→結論」という順序で、主張を展開します。PREP法では初めに結論を述べることで、話し手がこれから話す内容を、聞き手が理解しやすくなるのです。
面接でよくある質問へはそれぞれこのPREP法に則り、どんなキーワードを使って回答するのか考え、覚えておきましょう。初めの結論には何を述べるのか、その理由は何か、具体的エピソードとして何を話すのか、結びの言葉はどうするかといったキーワードを、単語や短いフレーズで覚えてください。
たとえば、「好きな食べ物」を質問されるとすると、このように覚えておきます。
- 結論 → 手作りコロッケ
- 理由 → 素材の甘味
- 具体例 → 近所にあった肉屋の話
- 結論 → 食品製造の仕事で手作りの味を再現したい!
実際に回答する際は、順番通りそれらのキーワードをつなげるように、その場で考えて説明すると、暗記してきた感じにならず説得力が出ます。
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暗記した言葉をわざと崩すのも効果的
実際に回答する際、暗記したキーワードをそのままの単語で述べる必要はありません。キーワードとなる単語はあくまで何を話すか覚えておくために決めただけですので、単語をつなげるのが難しければ似たような単語で置き換えたり、違う表現に変えたりしてもよいのです。
暗記した言葉をわざと崩して話すのも、臨機応変に対応している感じが出て、効果的な手段になります。
また、多少の間を開けたり、考えている様子を見せたりすると、なおよいでしょう。その場で受けた質問にその場で対応しているのなら、次から次へとよどみなく言葉が続くなどということはないはずです。
原稿を読み上げるロボットのようにスラスラ話してしまうと、回答を暗記してきた感じが丸出しですので、注意してください。
面接での回答は暗記した文章を読み上げるのではなく、自分が考えた「自分の言葉」として話すイメージが大切です。
とにかく「事前の準備」を念入りに!
よくある質問へは、まずそれぞれの質問の意図をきちんと把握したうえで、回答の要点を考え、覚えましょう。しかし、それだけでは面接で上手に回答することはできません。
覚えたキーワードを使って回答するためには、考えた文章を単に丸暗記するのと違って、念入りな事前準備が不可欠なのです。
要点を考えてあるとはいえ、それをつなげて自然な回答にするためには、何度も練習を重ねる必要があります。しかも本番では、面接という緊張状態の中でそれを行わなければならないので、ただ自分でシミュレーションしたり、知り合いを相手に練習したりするだけでは不十分です。
本番と同じような環境でくり返し練習することで、面接の雰囲気や丸暗記せずに話すことにも、少しずつ慣れていきます。自然な回答ができるようにするためには、本番さながらの緊張感を得られる面接練習を繰り返すことが大切です。
本番を想定した緊張感のある面接練習をするには、知り合いではない社会人を相手に練習するのが、最も効果的な手段になります。しかし、そうした機会を学生が自力で作るのは難しいですから、就活イベントへ参加したり、就活エージェントを活用したりするのがオススメです。
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就活エージェントを活用すれば本番さながらの面接練習ができるだけでなく、あなたの回答や面接マナーに対して、プロの目から見た客観的なアドバイスも受けられます。ですから単純な反復練習を行うよりも、ずっと効果的なのです。
キャリchでも、学生が無料で参加できる就活イベント「面接サポート」を行っています。プロによる面接練習を受けれるだけでなく、「どんな回答をしたらよいか悩んでいる」といった相談にも乗ります。希望者には内定獲得までのサポートも行いますので、ぜひ気楽にご参加ください。
「暗記」しておいた方がいい回答はある?
くり返し述べてきたように、面接において回答の丸暗記はNGです。暗記するのは回答の要点だけにして、具体的な話はその場で言葉をつなぎましょう。
しかし面接でよくある質問の中には、要点だけでなく回答そのものを準備し、暗記してしまった方がよいものもあります。事前に暗記してしまった方がいい回答や、暗記しておくべき事柄について解説しますので、参考にしてください。
自己紹介やガクチカなどの定番質問
どの企業の面接でも必ずといっていいほど聞かれる定番の質問に関しては、ある程度回答を用意して、暗記しておいた方が安心です。たとえば、「自己紹介」「自己PR」「志望動機」「ガクチカ」などが、それに当たります。
なぜなら、これらの質問は即答できて当然であり、考えながら話すような内容ではないからです。これから企業の面接を受けようというのに自分を紹介できず、なぜその企業を志望したのか説明できない方が不自然でしょう。
むしろ、そんな基本的な質問にスラスラ回答できないようでは、「準備不足」「志望度が低い」と思われる恐れもあります。もちろん、どの質問にも要点だけを覚えて回答できるのが理想ではありますが、即答できて当然の質問には、回答を暗記していても問題ありません。
ただし、定番質問への回答を暗記するにしても、どこの企業にも通用する回答を用意して、使いまわすのは止めてください。たとえ「自己紹介」といった「自分」を説明するような質問であっても、面接を受ける企業によって、アピールすべきポイントや表現方法は変わってくるはずです。
定番質問への回答は暗記しても構いませんが、面接を受ける一社一社に対して、“その企業のためだけの回答”を用意します。
面接対策がうまくいかなくて、次の選考に進めない状況が続いている人は、キャリchが開催している「面接サポート」を活用してください。
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企業についてはしっかり暗記しておこう
暗記すべき回答は多くありませんが、企業の情報についてはしっかり覚えておきましょう。
定番質問も含め、面接での質問に答える際は、企業の求める人物像に沿った回答をすることが重要です。そのためには、その企業の社風や事業内容を把握し、きちんと理解しておく必要があります。
回答の際は事前に考えたキーワードをある程度使いながらも、企業の求める人物像に近づくように、表現を工夫してください。
また、企業理解が浅いと、企業研究不足だと思われる恐れがあります。その企業の基本情報や社長の名前といった企業概要も、確実に暗記しておきましょう。
おわりに
緊張から話せなくなることを恐れ、面接で話すことを丸暗記したいと考える気持ちもわかりますが、丸暗記すると面接官に良くない印象を抱かれてしまいますし、合否に影響を及ぼす恐れもありますので、丸暗記は避けた方が良いでしょう。
また回答を丸暗記していると用意していた回答と異なった質問をされた時に頭が真っ白になってしまい、答えられなくなってしまうため余計に内定を遠ざける結果となってしまいます。
ですので、面接で答えるためにはすべてを丸暗記するのではなく、要点だけを暗記し、その要点から話を広げるような語りで答えられるようにしましょう。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。