【22卒5月の就活事情】コロナによって変わる就職観と学生の思考
2022年3月24日
早期化の影響から5月時点ですでに大きく動きを見せています。
本来であれば焦る時期でもないですが、22卒の場合そうはいきません。常に変わる就活事情をしっかりと把握していないとあっという間に置いてきぼりになってしまうのです。
21卒よりコロナの影響は受け続けていますが、22卒は21卒とは異なった影響や変化がありますので、その変化について5月に起きたニュースからチェックしていきましょう。
22卒5月はもう中盤に差し掛かったといっても過言ではありません。まだまだ就活を行っている人は今起きていることをしっかりと把握し、これからの就活への挑みましょう。
目次
【5/6】インターンシップを選ぶ基準を学生の思考
就活を行ううえで欠かせないのがインターンシップへの参加です。インターンシップは学生にとっても企業にとっても有益なものとなることから、必ず参加すべきだといえます。
そんなインターンシップですが、コロナ禍によって学生側の参加目的に少し変化が起きているようです。では具体的に学生にとってインターンシップとはどのようなものになっているのでしょうか。
インターンシップ先を選ぶ基準
PR TIMESが、株式会社学情が行ったアンケート結果についてまとめた記事を掲載しました。このアンケートでは、「希望するインターンシップ」についてまとめています。(出典:【2023年卒】インターンシップ先を選ぶ基準は、「志望業界である」が82.3%で最多。「就職活動を有利に進めるために、志望業界や志望企業の仕事を体験したい」の声。)
具体的には、インターンシップに参加する企業を選ぶ基準とは何かというものです。このアンケートでは、「志望業界である」が82.3%と最多で次いで、「インターンシップの内容が面白そう」61.8%、「入社したい企業である」57.6%、「インターンシップ参加により、その後の選考などで優遇される」56.8%という結果となりました。
なかには、「仕事体験や、実際に働く社員との交流を通して、志望理由を作りたい」「就職活動を有利に進めるために、志望業界や志望企業の仕事を体験したい」という声が挙がっており、このことからインターンシップ参加は就活を有利に進めるためのツールと考えている学生がいることが推測されます。
結果からみる22卒のインターンシップ
コロナ禍真っ最中の22卒の就活。インターンシップを含め、説明会などの情報を得る機会が少ないということで、インターンシップ参加の目的が少しこれまでとは変わったように思えます。
具体的には、情報を得る機会が少ないからこそ参加できるインターンシップからはしっかりと情報を得たいと考える学生が多いことです。インターンシップに参加する企業を選ぶ基準1位である「志望業界である」という結果からもわかるように、インターンシップ参加には“情報収集”という目的が大きなものとなっているのです。
「インターンシップ参加により、その後の選考などで優遇される」「仕事体験や、実際に働く社員との交流を通して、志望理由を作りたい」「就職活動を有利に進めるために、志望業界や志望企業の仕事を体験したい」という意見もあるように、もともとは就活を有利に進めるためを目的に参加する学生の方が多くいましたが、22卒の就活においてはそれらの結果が減少傾向にあります。
このように、コロナによってインターンシップに参加する目的などの変化もみられる結果がアンケートよりわかります。実際にインターンシップでは様々な情報を得られるため、しっかりと参加し、有益な時間を過ごしましょう。
【5/7】5月の内定率が21卒よりも上昇
コロナ禍で難しい就活ですが、22卒5月時点の内定率は21卒よりも高いそうです。では具体的な上昇率と内定率が上がった原因についてひも解いていきましょう。
5月1日時点の内定状況
PR TIMESが株式会社ディスコの行った22卒3月卒業対象にを対象に、5月1日時点での就職活動に関する調査について掲載しました。(出典:<速報>5月1日時点の内定率は58.4% )
この調査からは、22卒の5月1日時点での内定率は58.4%。前年同期実績(50.2%)を8.2%上回る結果ということがわかります。これはコロナ流行前の20卒の数字を上回る結果となっており、就活の早期化や企業側の採用に対する積極性がうかがえます。
21卒より経団連が定める就活ルールは廃止され、さらにコロナの影響から「早くに人材を確保しておきたい」と考える企業が多くありました。しかし21卒ではコロナ禍における企業側の採用活動や学生側の就活に苦戦したことから、5割ほどの結果となりました。
これらから、22卒でその数値が上昇したということは企業側・学生側共にコロナ禍における状況変化に慣れてきたことがわかります。さらに今年はオリンピック開催もありますので、「オリンピック前に採用活動を終えておきたい」と考える企業もあることも内定率上昇につながったと考えられます。
採用活動を行う業種にバラつきはある
この記事では内定率と合わせて、「現時点での就活難易度」についての調査結果も掲載しています。この調査からも21卒と22卒とでは就活の見方に変化が出ていることがわかります。
具体的な結果ですが、自身の就職活動が「厳しい」と答えた22卒は54.3%、21卒では64.9%と10.6%も違いがありました。もちろんそれ以前はさらに低い数値ではありますが、コロナ禍における就活の中で、これでの数値に縮めることができたのには驚きを隠せません。
そしてこれもまた、コロナ禍における就活・採用活動に学生と企業とが慣れたことが理由となっており、決して環境が緩和したわけではありませんので、しっかりと対策していきましょう。
【5/12】コロナ禍で「Uターン就職」増加傾向
自分の字もとに戻って就職を目指す「Uターン就職」。大学進学のために地元を離れた人は地元に戻って就職したいと考える人が多くいます。
しかしUターン就職は面接時などに地元に戻る必要があり、経済的にも負担が大きく、さらにこのご時世ですので難しいと感じる人も多くいるでしょう。ただそんなUターン就職、コロナ禍だからこそ大きな変化があったようです。
Uターン就活増加!理由はコロナ禍による「オンライン化」
JCASTニュースが大手人材企業マイナビが22年3月卒業見込みの学生に対して「Uターン就職」についてのアンケート結果を掲載しました。(出典:「Uターン就職」希望学生5年ぶり増加 コロナ禍の「オンライン就活」が一因か)
このアンケートでは5年ぶりにUターン就職を希望する学生が増加しているというのです。その主な要因は、コロナ禍によってオンライン就活が主流化されていることにあります。
これまでのUターン就職は面接や説明会のたびに地元に戻らないといけないため簡単に説明会に参加できず情報を十分に得ることができなかったり、渡航費がかかることで様々な負担が生じました。
しかしコロナによって多くの企業がオンラインを取り入れたことで離れた場所からでも説明会や面接に参加できるようになり、その結果多くの学生がUターン就職を志望する傾向へとなったのです。
Uターン就職をするのは就活エージェントを頼るべき
オンラインが主流化されることでUターン就職がしやすくなりましたが、やはりオンラインだけでは企業に対する情報不足や直接会えないまま入社という不安を抱える人も多いでしょう。
ですので、Uターン就職を目指す際にはプロの手を借りるようにしましょう。就活エージェントを間に挟むことで、確実な情報を効率的に得ることができますし、離れた場所からでも確実なサポートを受けられるため心強いです。
コロナ禍によってオンラインが主流化されているということは環境自体が大きく変わっているということですので、プロのサポートを受けた方がより難しいUターン就職を確実に成功させることができるでしょう。
【5/20】「安定」を求める22卒の就活生
就活を始めるうえで重要視される“企業に求める条件”ですが、そんな条件にも変化が起きているそうです。もちろん変化した原因は新型コロナウイルスです。では具体的にコロナ禍において就職観はどのように変化していったのでしょうか。
コロナ禍で変わる企業選択のポイント
NHKが「マイナビ2022年卒大学生就職意識調査」より、22卒の学生たちにどんな企業に入りたいかを尋ねたアンケート結果を掲載しました。(出典:「安定 ↑」「やりがい ↓」!? 2022年卒 学生たちの就職観は)
このアンケート結果では、1位「安定している企業」42.8%(↑4.5P)、2位「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」「34.6%(↓1.3P)、3位「給料の良い会社」17.5%(↓2.3P)となりました。このアンケートを見ると、「安定」を求める学生が増えたことがわかります。
これまでは自分のやりたい仕事ができる企業や、生活面を配慮して給料などを重視する学生が多かったですが、22卒においては変化が見られました。その主な原因は“新型コロナウイルス”です。
劣る気配のないコロナによって倒産・リストラ回避のため、企業選びの段階から安定を求めるようになりました。つまり、自分の願望よりも安定を重視するようになったのです。
実際にコロナによって倒産・リストラがあった会社は多くあります。採用活動においても採用枠の減少や採用取り消しなどがあったことから、22卒ではより「安定」が重要視されるようになったというわけです。
企業選びをする上で「コロナ」の影響は重要になる
アンケート結果から「安定」に対する考えが変わったことがわかると思いますが、実際に企業選びをする絵でもコロナによる影響には配慮しなくてはなりません。これは安定している企業を選ぶというよりも、今受けているコロナの影響から今後の会社の経営状況などを予測したうえで、働くことに対するリスクがないかを考えて選ぶということです。
安定ばかりを求めていても、自分がしたい仕事ができなければ自ら退職してしまう恐れがありますし、内定にも結びつきません。ですので、気になる企業から今後の成長やコロナによる影響を考慮し、見定めていきましょう。
おわりに
22卒の就活は早期化されており、5月時点で既に就活は大きく変化しています。その変化や流れについていけないとどんどん出遅れてしまいますので、“今”起きていることはしっかりと把握していきましょう。
そしてコロナ禍で難しく、変化の多いコロナ禍では就活エージェントやキャリアセンターの存在は大変重宝されます。彼らは常に就活への変化を敏感に感じ取っていますので、利用して就活を円滑に進めていきましょう。
弊社でも様々なイベントから学生をサポートしています。必ずあなたの力となりますので、ぜひともご参加ください。
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。