【面接対策】「集団の中での役割はなんですか?」に上手に答えるコツ
2022年6月3日
学生が組織内(会社内)でどのような立ち位置になるのか、どのような活躍が見込めるかを判断するために「集団の中での役割は何ですか?」と質問する企業が近年増えています。しかしこの質問、学生にとっては答えにくい質問の1つのようですね。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
はい。正直どう答えればいいのかわからず困っていました。役割によって評価も異なるんじゃないか、答え方で印象が変わるんじゃないかと考えると、より答えに困ります。
わかりました。今回はそんなあなたのために「集団の中での役割」を上手にこう答える方法をご紹介しましょう。印象の良い回答をして内定獲得を目指しましょう。
キャリアプランナー 平崎
目次
面接で「集団の中での役割」を聞く意図
就活では学生を見極めるために様々な質問をしますが、その質問1つ1つにはしっかりと意味がありますので、回答する側としては企業側の意図をくみ取ったうえで答えられるようにしておきましょう。
ここではそんな、「あなたは集団の中での役割はなんですか?」と聞く面接官の意図や目的について解説しています。意味を知り、企業が望む回答ができるようにしましょう。
学生が組織でどう活躍できるのかを知りたい
面接官が面接で「あなたは集団の中での役割はなんですか?」と聞く意図は、学生が組織でどう活躍できるかを知るためです。集団における役割は学生の個性となりますので、会社においてどう活躍できるのかを知るための1つの指数となります。
会社は大きな組織で、たくさんの人と関わりながら仕事を行っていきます。その中においてそれぞれの役割は異なり、その異なった役割こそが組織として成り立たすことができるのです。
そしてこの質問をすることであらかじめ学生の立ち位置を知り、具体的に企業においてどのような働きが期待できるのかを見極めていくというわけです。組織ではチームで行動すること、自分の力をどうチームのための発揮していくことが大切で、その基準となるものは役割なのです。
そして企業における活躍はもちろん、学生の役割からどの部署に配属させるべきなのか、どうような仕事を任せるべきなのかも合わせて見極めていくことができるため、企業側にとって都合のよい質問となるのです。
一人一人の個性も大切ですが、何度もいうように会社は組織ですので、その中におけるポジションや学生自身のポテンシャルは面接の段階で見極めていくこととなります。
自分の立ち位置や能力を分かっているかを確かめたい
企業における活躍のほかにも、学生自身が自分の立ち位置や能力を分かっているかを知ることも目的とさせています。これは簡単にいうと、“自分についての理解を深めているかどうか”をチェックしているということになります。
集団の中での役割ということで、客観的な自分の見え方がポイントとなる質問ですが、面接官は会社との相性を図ることが一番の目的となりますので、学生自身の個性が見えないと評価することができません。
これは「自分の役割は○○だ」という結論に対する裏付けができるかどうか、つまり自分自身のことをしっかりと把握したうえでその役割を全うできるかどうかを確認することが面接官の目的ということです。
これは「自分の役割は○○だ」という結論に対する裏付けができるかどうか、つまり自分自身のことをしっかりと把握したうえでその役割を全うできるかどうかを確認することが面接官の目的ということです。
面接で「集団の中での役割」を上手に答えるコツ
面接官では客観的な自分の見え方から組織における活躍、そして自分自身への理解度の深さなどを企業側はチェックするためにこのような質問をしています。ですので学生自身も企業側が望む回答ができるよう、答えをしっかりと用意しておきましょう。
ここではそんな面接で「あなたは集団の中での役割はなんですか?」という質問を上手に答えるためのコツをご紹介しています。企業側にとって重要視されている質問の1つですので、しっかりとチェックしていきましょう。
役割によって評価は異なるのか?
「あなたは集団の中での役割はなんですか」という質問に対して、「どの役割だと高評価なのか?」「やっぱりリーダーが良い評価へとつながるのか?」という疑問を抱くと思いますが、実際は役割によって評価が変わるといったことはありません。なぜなら役割自体に優劣があるというよりも、“その役割によってどう貢献しているか”の方が大切だからです。
組織というものは様々な役割が存在するからこそ成り立つものです。そのため、リーダーばかり揃っても会社として成り立つことはできません。それにどの役割も欠かすことができない仕事をしていますので、そもそも役割そのものに優劣をつけることはできないのです。
大切なのはその中身なのです。その役割を担うことで自分は会社にどう貢献できるのか、その役割を自分が全うすることで何を得られるのかといった中身の部分が重要となるのです。
ですから、「この役割を述べると良い」というものはなく、また役割による自分の価値についても合わせて回答できないと、この質問に対する回答としては成立しませんので注意しましょう。
まずは自分の役割を明確にしよう
面接で集団の中での役割を回答するうえでまずすべきは、自分の役割を明確にすることです。自分の役割は何かを知ること、そしてその役割を裏付けるエピソードを明確にしていくことが面接対策の第一段階となります。
そんな自分の役割ですが、自分の中で判断するのと合わせて“他者”からの見え方も参考にしてください。集団の中での役割は自分自身の意思が一番ですが、周りからどう見えているかも重要になりますので、他己分析から自分はどの役割を担っているかを確認しましょう。
そして自分の中で思う自分の役割と他者からの見え方を参考に、自分の役割を明確にしたらその役割を担っていることが裏付けられるエピソードを掘り下げていきましょう。
なぜ自分はその役割を担うことが多いのか、またその役割に対する自分の適性など、自分のこれまでのエピソードを振り返りながら自分のことについての理解を深めていきます。ここで合わせて自己分析を行い、自分の強みなどを把握したうえで掘り下げていくと、自分の役割がより明確になります。
「仕事に対する価値観と必要性」を意識して述べる
自分の中で役割がハッキリしたら次は、企業に対して自分の必要性をアピールするための準備を行います。そのために意識すべきは“仕事に対する価値観と必要性”を伝えることです。
会社が求める役割はそれぞれですので、ただ単に自分の役割を述べるではなく、企業が求めている役割や人物像を意識して語ることで自分が企業にとって必要だと示す必要があります。
そのため、企業研究から企業が目指す方向や求めている人物像などを把握し、そのうえで自分の仕事に対する価値観を明確にしましょう。そしてそれらがリンクする部分を意識し、自分の役割が企業のために役立つことを述べていきましょう。
面接官は学生が企業にとって必要な人材かどうかを質問を通して見極めており、その中で役割は組織における立ち位置や存在価値を知ることができるため、学生の企業に対する存在価値が重要なポイントとなります。それらをしっかりと把握したうえで、自分の役割を明確にし、また企業が求める人物像へと自分を近づけた発言ができるようになると、高い評価を得ることができるでしょう。
役割ごとに意識して述べることを考える
どの役割を面接で述べるかを決めたら、その役割を述べるうえで意識すべきことをチェックしていきましょう。役割にはそれぞれアッピールすべきことがありますのでそれらを意識して答えられるようにしましょう。
- リーダー
→「仲間の意見を汲み取りながら慎重に仲間を引っ張るリーダー」もいれば、「積極的にメンバーに働きかけながら仲間をモチベートし、チームをまとめるリーダー」もいますので、自分がどの立ち位置のリーダータイプなのかを明確にしたうえで、具体的に述べる。 - ムードメーカー
→これまで具体的にどう盛り上げてきたのか、また盛り上げることで集団がどう変わったのか、どのようなメリットをもたらしたのかなどを考え、それらが具体的に仕事でどう活かせるのかを述べる。 - サポート
→自分がサポートすることで人を助けられること、仕事に貢献出来ることに喜びを感じることを述べる。陰ながらの仕事になるが、それでも全力で仕事に取り組む姿勢を示すと好印象。 - 相談役
→問題解決能力があることをアピールすると好印象。相談に乗るだけでなく、一緒に解決法を考えられることを仕事にも活かせることを述べるようにしましょう。
上記のように、役割によってアピールすべき内容は異なってきますので、それらを把握したうえで自分の能力や強みと合わせて語れるようにしましょう。
【例文】「集団の中での役割」回答例
「あなたは集団の中での役割はなんですか?」という質問に対する回答例についてご紹介していきます。今回は“サポート”を題材に例文をご紹介していきます。
私は陰ながら人を支え、チームに貢献していくことが多いことから「サポート」を担うことが多いです。
私は学生時代バスケットボール部に所属していました。大学3年生の時に膝を壊してしまい、試合に出れない時期が続きました。その間、私の代わりに後輩が試合に出ていたこともあり、けがをしたことへの悔いや後輩が活躍することへの嫉妬にかられる時期もありました。
しかし、試合に出れないからこそ自分にできることはないかと考えるようになりました。そこで私は私の代わりに試合に出た後輩が思い詰めていることに気づき、相談に乗りました。そこで私は後輩の動きや周りの人のプレイを確認するようになり、後輩だけでなく一緒にプレイする同級生にもアドバイスをしました。
その結果、試合では後輩がより活躍できるようになり、チーム全体の強さにもつながりました。私は結果的に最後まで試合に出ることはできませんでしたが、それでも自分がサポートすることで後輩が成長すること、チーム全体が強くなることに喜びを感じるようになりました。
そこから私は様々な場面でサポート役に回ることが増え、またそこで人をよく見ることの大切さなども知りました。仕事においても周りの人をよく見て、会社の人が働きやすい環境作りと売り上げ貢献のために努めていきたいと思います。
まず自分はどんな役割なのかをはじめに述べます。そこからサポート役を務めた経緯や流れ、経験を述べることで自分はサポート役だと裏付ける具体的なエピソードを述べていきましょう。
上記の例文では、ケガをきっかけにサポート役になったことが語られています。そして自分がサポート役に回ることで得た効果やサポート役を担うことでの自分の成長や感性などを合わせて語っています。また、最後にはどのような思いから仕事に貢献していくのかを述べ、締めています。
「集団の中での役割」を答える際の注意点
集団の中での役割は企業側にとって学生を見極めやすい質問ということで、多くの企業で用いられる質問です。そしてその重要性から間違った回答は命取りとなります。では面接で「集団の中での役割」を語る際はどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
ここではそんな面接で集団の中での役割を答える際の注意点についてご紹介していきます。間違った回答をしてしまわぬよう、注意点をしっかりと把握しておきましょう。
企業にとって必要じゃない役割はNG
自分の役割を答えるうえで、企業に取って必要じゃない役割を述べても評価につながらないため注意が必要です。企業が求める人材はそれぞれで、それらと同様に求められる役割も異なってきます。
たとえば、人材マーケティングのように人をまとめる力が求められる企業の場合、リーダータイプが好まれるでしょう。反対にサポートなどは人のまとめる人材としては少し心細いポジションかもしれません。ただ、サポートは事務職などで重宝されます。
このように職種や企業によって重宝される役割はそれぞれ異なりますので、その企業・職種で求められる役割に当てはまるものを述べるようにしてください。
時には自分を最もアピールできる役割がその企業にとっては重宝されない場合もあるでしょう。しかし、企業としては企業に適応する人材が最も魅力的ですので、企業が求める人物像に自分を近づけて述べていきましょう。
「オールラウンダー」は答えとしてNG
「あなたの集団の中での役割はなんですか?」という質問に対して「どの役割でもできます」という答えはあまり好まれません。なぜなら、そのような答えでは「自分のことを分かっていない」「企業が求める人材を把握していない」といっているのと同じようなものだからです。
確かにどの役割も担える人は器用ですし、様々な場面で活躍できます。しかし新卒就活においては会社の一として個人の働きが求められることから、仕事経験のない学生を“将来性を見込んでの判断”となります。
そのため、オールラウンダーとして働ける人よりも、個人の力をどう発揮できるかで学生を判断する新卒採用においては個人の力を自分でハッキリとわかっていることが大切なのです。そうでないと、「自分のことをわかっていない」と判断されてしまい、自分の可能性を自分でつぶす結果となります。
また、ここでハッキリと自分の役割が伝えられないと、企業が求めている人物像を把握していない=企業研究不足と判断され、学生の熱意や志望度を疑われてしまいます。ですので、オールラウンダーという曖昧な答えをしないようにしてください。
おわり
「あなたは集団の中での役割はなんですか?」という質問は学生の組織での立ち位置や自分自身の理解度の深さを知ることができるため、多くの企業で取り入れられ、重要視される質問の1つです。
ですので、学生自身も質問の意図を把握し、どのように答えればいいのかをしっかりと把握したうえで自分を存分にアピールできるように対策をしていきましょう。
また、自分を存分にできる回答を用意したら最後は“伝え方”を意識してください。いくら内容が良くても伝え方が悪いと自分を存分にアピールできませんので、練習を通して上手に伝えられるようにしましょう。
練習は気の知れた人とではなく、本番同様の緊張感を演出できる相手と行うようにしてください。たとえば就活エージェントです。就活エージェントは学生にとって“他人”となりますので、面接官に見立てることで本番同様の空気感を作り出すことができます。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。