ソーシャルリクルーティングとは?企業が利用する4つの理由
2023年3月9日
ソーシャルリクルーティングを取り入れる企業が増えているようですね
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
ソーシャルリクルーティング?どこかで聞いたことはあるんだけど……どんな意味なのかよくわかっていません。
ソーシャルリクルーティングとはSNSを活用した採用のことです。SNSが身近な現代の学生の就活に欠かせないものとなりつつあります。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
本当ですか?自分もSNSをやっているので、それで就活できたら嬉しいです。もっと詳しく教えてください!
それでは、ソーシャルリクルーティングとはどういうものか、企業が取り入れる理由や学生が活用するメリット・デメリットを踏まえて紹介します。一緒に新しい内定獲得のチャンスをチェックしましょう!
キャリアプランナー 岡田
目次
ソーシャルリクルーティングとは
ソーシャルリクルーティングとは、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を利用した採用活動のことです。 略して「ソー活」と呼ぶこともあります。 Facebook、LINE、インスタグラムなど、現在は学生のほとんどが何らかのSNSを利用しているので、それを利用して効率的に採用活動を行おうとする企業が近年急激に増えています。 採用情報の告知や募集の窓口として利用する企業もあれば、有望な学生のスカウトに利用する企業もあります。 また、応募者の人柄をリサーチするために利用する企業などもあり、ソーシャルリクルーティングの取り入れ方は企業により様々です。
企業がソーシャルリクルーティングを取り入れる4つの理由
企業がソーシャルリクルーティングを取り入れる理由について解説します。
理由1:採用活動のコストを下げられる
SNSの多くは基本的に無料で利用できるので、ソーシャルリクルーティングを使えば採用にかかるコストを大幅に削減できます。 最近ではほとんどの企業がSNSのアカウントを持っており、日頃からブランドイメージの発信場所として利用しています。 そのアカウントを利用して採用情報も発信することで、就職情報サイトなどに採用情報を掲載する費用を削減できます。
理由2:効果的な情報発信と拡散
SNSでは「20歳」「理学部」「男子」「友達50人以上」などといった条件を指定して、限定した人だけに情報を発信することができます。 また、Facebookの「いいね!」やWantedlyの「応援する」など、SNSには利用者によって情報を拡散する機能がついています。 これを利用すれば企業は大規模な広告を打たなくても、希望する人物像に近い学生と、その学生に近い人物を広く募集することが可能となります。
理由3:応募者との双方向コミュニケーション
SNSのコメントやチャット機能を活用すれば、HPや就職情報サイトなどの一方向的なコミュニケーションとは異なり、応募者と双方向のコミュニケーションを取ることができます。これを利用して、SNS上で公開セミナーや質問会を開催する企業もあります。 応募者からの質問に直接答えることもできますし、「いいね!」といったユーザーの反応を確認することもでき、自社に興味を持ってくれる学生を探す手段にもなります。
理由4:応募者のリサーチ
応募者の人柄や交友関係をリサーチするために、SNSを利用することがあります。 FacebookやLINEなど学生がプライベートで使っているSNSを閲覧して、どのような投稿をしているかチェックし、問題のある人物かどうか確認しています。 また、リンクしている友人や企業、団体なども確認して、過激な人物や団体との繋がりがないかも見ています。
ソーシャルリクルーティングを活用している企業例
ニトリホールディングス、ライオン株式会社、NTTドコモ、住友不動産、アマゾンジャパンなど大手の企業は、Facebookを積極的に活用しています。 また中小企業では、Wantedlyなどのビジネス専用SNSを採用の窓口として利用して、採用活動を行う企業が増えています。 以前はTwitterを利用する企業も多くありましたが、その他のSNSに比べて管理が難しいため、現在はIT系の一部企業が利用しています。
ソーシャルリクルーティングに利用されているメディア
ソーシャルリクルーティングに利用されているSNSにはどのようなものがあるのか解説します。
既存のSNS
Facebook、LINE、Twitter、Instagramなど、就職活動と関係なく、学生が普段から利用しているSNSを使ったソーシャルリクルーティングです。 応募者の人柄や繋がりをリサーチしたい企業や、幅広く募集を行いたい企業が利用しています。 また、採用活動に限らず自社の広告手段としてFacebookやLINEを利用している企業が、連絡手段の1つとして用いている場合もあります。
ビジネス用SNS
Wantedly、Linkedinなど、採用を行いたい企業と就職や転職を行いたいユーザーが登録する、ビジネス専用のSNSです。 企業側は自社の理念や採用情報などを登録し、ユーザー側は自己紹介や学歴、資格、これまでの実績といった、自己PRを登録します。 学生はSNSを通じて人事担当者とコンタクトを取り直接質問ができるほか、企業訪問の申し込みや、就活エントリーもこのSNSを介して行います。 企業側は登録者のエントリー情報を検索することができ、求める人材に直接アプローチすることができます。 そのため、学生が特にアプローチしていなくても、企業側からスカウトを受けることがあります。
ダイレクトリクルーティング専用のSNS
OfferBox、キミスカなど、企業から学生をスカウトする専用のSNSがあります。 学生は自己PRや適性検査の結果を登録、公開し、企業からの接触を待ちます。 他のSNSでもスカウトを受けることはありますが、こちらはダイレクトリクルーティングを行いたい企業、受けたい学生が多く登録しています。 応募したい企業を迷っている人も、とりあえず登録しておけば企業の方から声をかけてもらえる可能性があります。
このようにソーシャルリクルーティングに利用されるSNSは複数あり、普段使い慣れているSNSとの違いに驚くかもしれません。
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学生がソーシャルリクルーティングを活用する3つのメリット
学生がソーシャルリクルーティングを活用するメリットについて解説します。
メリット1:企業の採用担当者と直接やり取りできる
求人情報や企業に対する質問を、企業の採用担当者に直接聞いて、対応してもらうことができます。 SNSはメッセージのやり取りをチャット形式で行うこともあり、その場合は冒頭のあいさつ文などは簡略化され、メールでやり取りするより更にスムーズで効率的です。 担当者がログインしていればリアルタイムで返信されることもあり、就職活動のスピードが格段に上がります。
メリット2:企業のことをよく知れる
SNS上のコンテンツは常に更新され、様々な情報が発信されているので、志望する企業についてより深く知ることができます。 企業理念や採用情報はもちろんですが、職場の様子を公開したり、実際に働いている社員のインタビューなどを発信したりしている企業もあります。 また、SNSを介した企業説明会、質問会などを開催している企業もあり、企業のHPを閲覧するより詳しい情報を得ることができます。
メリット3:就職活動の幅が広がる
ソーシャルリクルーティングを利用すると、就職活動の幅が広がります。 理由は、SNSには企業側がいくつかの条件を指定して、ターゲットを絞った情報発信をする機能があるからです。 自分がアクセスした企業の求人情報だけでなく、企業の方から求人情報が送られてくるので、これまで見逃していた魅力的な企業を発見するチャンスがあります。 ビジネス専用のSNSでは、1つの企業に応募するとそれに類似する企業の採用情報を受け取る機能もあり、効率的に企業を探すことができます。
学生がソーシャルリクルーティングを活用する3つのデメリット
学生がソーシャルリクルーティングを活用するデメリットについて解説します。
デメリット1:SNSへの登録が面倒
企業によってソーシャルリクルーティングに利用しているSNSは異なります。 複数のメディアを利用している企業もありますが、単一のSNSのみで募集を行っている企業もあります。 志望している複数の企業がそれぞれ異なるSNSを利用していた場合、そのたびに新しくアカウントを取得しなければなりません。 新しくアカウントを取得するたびに自己PRなどの情報を入力する必要があるため、時間と手間がかかります。
デメリット2:プライバシーを見られる
FacebookやLINEなど普段から利用しているSNSで就職活動をした場合、仕事とは関係のないプライベートな情報も閲覧されてしまいます。 恋人や友人との思い出や、過去につぶやいた冗談なども、必然的に見られてしまいます。 採用担当者の興味は個人的なゴシップではありませんが、仕事関係の人に知られたくないと思う情報は公開しない方がよいでしょう。
デメリット3:個人的な投稿が採用に影響することがある
企業の採用担当者の約3割が、SNSの情報を不採用の理由としたことがあると言われています。 未成年者の飲酒や喫煙、薬物その他の違法行為はもちろんですが、ひわいな写真や発言といった社会的なマナーや常識に欠ける投稿などがその理由です。 政治や思想、他者への誹謗中傷などの過激な発言も対象となる場合があります。 人事担当者が見て、「この人とは一緒に働きたくないな」と思われれば、不採用の理由となるので注意が必要です。
「SNSを利用しているけれど、今までの自分の発信は大丈夫かな?」「どんな使い方をすれば企業の目に留まるのかな?」と悩んでいる人は、就活のプロである就活エージェントへの相談も考えてみましょう。
キャリchではプロのキャリアプランナーが無料でアドバイスする「就活相談サポート」を開催中。ソーシャルリクルーティングに関する悩み相談も受けつけているので、ぜひ活用してくださいね。
ソーシャルリクルーティングの注意点
SNSではある程度の条件を絞って情報発信することができるので、条件が当てはまる人物全員に、自動的にスカウトメールを送る企業があります。 過去に不採用となった企業からスカウトメールが届いたり、辞退した企業から何度もスカウトメールが送られてきたりすることがあります。 混乱しますが、条件検索で自動的に送られてくるものなので、気にせず無視しましょう。
ソーシャルリクルーティングが接触してくる時期
企業説明会の案内や採用情報など、ダイレクトリクルーティングによる具体的なスカウトメールが送られるのは大学3年生の10月~3月頃が一般的です。 しかし、ダイレクトリクルーティングを行う企業は3年生だけをターゲットに探しているわけではありません。 優秀な学生を早期に確保しておきたいと考える企業も少なくないので、採用担当者の目に留まれば、1・2年生でもインターン情報などが送られてくることがあります。
おわりに
ソーシャルリクルーティングと聞くと、なにか難しいことのように思えて、構えてしまう人もいるかもしれません。 プライバシーを侵害されたくない、企業に自分の内面を見られるようで怖い、と思う人もいるでしょう。 でも最近では、SNS上でしか応募を受け付けていない企業もあり、望まなくても避けて通れなくなってきています。 しっかり準備して、ソーシャルリクルーティングを活用しましょう。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。