【例文あり】面接で好印象を与える「感動したこと」の答え方
2019年11月18日
面接で苦手な質問はありますか?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
「感動したこと」に関する質問が苦手です。感動したといえるほど大きな出来事なんて思いつかなくて。
確かに、何を答えればいいか悩みますよね。
でも、そんなに大げさなエピソードじゃなくても大丈夫。コツさえつかめば、誰でも簡単に「感動したこと」を答えられるようになりますよ。
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
そうなんですか?
そうなんです!
このコラムでは、面接で好印象を与える「感動したこと」の答え方を解説します。例文も紹介するので、回答を考える際の参考にしてください。
キャリアアドバイザー 平崎
目次
面接で「感動したこと」を聞く面接官の意図
面接官はなぜ、就活生に「感動したこと」なんて聞くのでしょうか。冒頭にも述べたように、就活生が何に感動しようと、仕事とは何の関係もないように思えます。しかし面接官の意図が分からないことには、回答を通して適切なアピールを行えないですよね。
面接には意味のない質問など1つもありません。コラムの初めに「感動したこと」を尋ねる面接官の意図について解説しますので、きちんと理解し、面接対策に役立ててください。
学生の対応力のチェック
面接で「感動したこと」を聞く目的の1つは、学生の対応力を見るためです。
たいていの学生は、定番の質問に対してはあらかじめ回答を用意しています。それは企業側もわかっているので、面接官はあえて変わった質問をすることにより、面接の場で学生にとっての「アクシデント」を引き起こし、学生の対応力を見ているのです。
仕事では、思いがけないアクシデントが起こることがよくあります。面接官は学生がそうした緊急時にしっかりと対応できる人物なのか、どのように対応するのか知りたいのです。
「感動したこと」という変わった質問に対して、すぐに答えられなければアクシデントに対する対応力が低いと見なされます。
また、慌てて雑な回答をする学生は、「仕事に対しても雑なのでは?」と思われてしまうので、注意しましょう。慌てず論理的に自分を伝えられるかどうかが、この質問に対する回答のポイントです。
学生の人柄のチェック
面接で「感動したこと」を聞くのには、回答の内容からその就活生の人柄を知りたいという意図もあります。なぜなら、どのような出来事に心動かされるのかには、その就活生の価値観や感性が出るからです。
たとえば本や映画の好みが人それぞれ異なるように、同じ話を見たり聞いたり、あるいは同じ出来事を経験したとしても、それに感動する人としない人が必ずいます。
自分の価値観や感性に合った物事であるほど強く心を動かされますし、逆に自分の価値観や感性に合わなければ、何も感じないので特に記憶にも残らないわけです。
そして企業にはそれぞれ、その会社独自の価値観(=社風)というものがあります。何が「良いこと」で何が「悪いこと」なのか、どんなことが「喜ばしい」のかが、企業によって異なるのです。
そうした価値観や感性を共有できる人の方が、同じ会社の仲間として受け入れられやすいですし、違和感を感じることなく会社の方針に沿って働いてくれるので仕事もはかどります。そのため面接官は学生の「感動したこと」を聞き、その価値観や感性から人柄を推し量って、自社の社風や仕事と相性が良いかどうかを見極めようとしているのです。
ですから面接官にとって重要なのは、学生がその出来事になぜ感動したのか、どのように感じたのかで、基本的に「感動したこと」として語る出来事の大小は関係ありません。「感動したと言えるような大きな出来事が思いつかない」と悩む就活生が多いですが、たとえ日常の小さな出来事でも、「それは感動するね」と面接官を納得させられればOKです。
アイスブレイクや話題作りで聞く場合もある
面接で「感動したこと」を聞く目的は、面接者の緊張をほぐすための「アイスブレイク」や話題作りという場合もあります。
「アイスブレイク」とは面接官が行う面接テクニックの1つで、面接の場を和ませ、学生が本心・本音を話しやすい環境を作り出すために行われるものです。
雑談に近い、仕事とはあまり関係なさそうな話しをすることで、緊張で凝り固まっている学生に安心感を与え、学生の心を開かせるテクニックです。学生が本音で話しやすい雰囲気を作ることで、その学生の人柄を見極めやすくなります。
アイスブレイクの場合は面接の場を和ませることが目的なので、話の内容はあまり関係なく、「感動したこと」以外にも、趣味の話や食べ物の話が出ることもあります。
そんなテクニックを使ってもらっても緊張してうまく話せそうもない就活生には、キャリチャンの就活支援サービス「面接サポート」の利用がオススメです。面接が苦手な人にも理解のある企業を紹介し、面接対策のお手伝いもします。完全無料のサービスなので、ぜひ活用してください!
面接で「感動したこと」を上手に答えるコツ
就活生の中には、スポーツの試合などを観て、戦う選手たちの姿に感動した人もたくさんいるのではないでしょうか?しかし面接で「感動したこと」を聞かれたとき、そうした「見た話」「聞いた話」をしてもよいものなのか、迷う人もいると思います。
ここからは、面接で話す「感動したこと」はどのようなエピソードが適しているのか、どのような流れで、何を重視し、何を中心に話せばよいのかなど、「感動したこと」に回答するための4つのポイントを解説していきます。
まずは面接で話す「感動したこと」を見つけよう
「感動したこと」の回答を考える際はまず、身近な出来事や学生時代を振り返って、面接で話すネタを見つけてください。
前述のように、面接官が知りたいのは就活生の価値観や感性なので、「感動したこと」として語る出来事の大小は関係ないです。「感動したことなんて思いつかない」と悩んでしまう就活生が多いですが、別に大袈裟な感動体験を見つけようとする必要はありません。
むしろ面接官は普通の人ですから、面接官自身の学生時代と照らし合わせて考えるはずです。そこであまりに壮大な体験を語ってしまうと面接官の共感を呼べず、「二十歳そこそこで本当にそんなすごい体験をしたのかな?」と、何だか嘘臭く思われてしまう恐れもあります。
ですから、どちらかと言えば身近な日常の中で起きた小ネタの方が、話に信ぴょう性があって面接官の共感を呼びやすいのです。
「感動したこと」を探そうと思うと難しく感じるかもしれませんが、「嬉しかったこと」「すごいと思ったこと」「感心したこと」などと考えると見つけやすくなります。その内容は、自分がやった実体験の方が望ましいですが、それがなければスポーツ観戦のように他人がやっているのを見たという外的な体験でもOKです。
ただし面接で「感動したこと」を回答する際には、自分の人柄を面接官に理解してもらえるように、自分の価値観を説明する必要があります。そのため、いずれにしても自分がそれに感動した理由をしっかりと述べられる出来事を選ぶことが大切です。そうした日常の感動体験を紙に書き出していき、面接で話すネタを絞り込んでいきます。
面接で話すべき内容は “仕事への貢献”と“人との関り”
面接で「感動したこと」を回答する際、その話の中で表現すべき内容は、”仕事への貢献”と”人との関わり”です。
前述のように「感動したこと」という質問で面接官は、その学生の人柄を推し量り、自社の仕事や社風との相性が良いかどうかを判断しようとしています。もう少し簡単に言えば、自社の仕事で活躍できて、なおかつ会社に馴染める人物かどうかを見極めようとしているわけです。
ですから「感動したこと」への回答では、自分が仕事の上で会社に貢献できることと、周りの人間と上手に関わっていけることを表現する必要があります。そのため「感動したこと」として語るエピソードは、その企業での仕事に直接活かせるような、自分の強みや人柄をアピールできるものが良いです。
「感動したこと」への回答では基本的に、直接的にせよ間接的にせよ他人の行動を見たり聞いたりして自分が感じたことを話すケースが多く、自分自身が強みや人柄を発揮したエピソードを披露するわけではない場合もあります。
しかし結局のところ人間の強みや人柄というのは、持って生まれた才能というより、その人の価値観によって養われる部分が大きいです。他人がその強みや人柄を発揮したエピソードに感動したと述べれば、自分がそれらを重視する人間だということを表現でき、結果的に企業との相性の良さを示すことにつながります。
また「感動したこと」の中で語る内容が、サークル活動やボランティア活動など多くの人と関わりを持った感動エピソードだと、自分の社交性も表現しやすいです。会社での仕事は一人で行うものではありませんから、人と上手に関わることができると示せれば、なおさら面接官の印象が良くなるでしょう。
感動したことから何を学んだのかを述べよう
面接で「感動したこと」を回答する際は、単純に何に感動したのか語るだけでなく、その出来事から何を学んで、仕事へどう活かすのかを中心に述べることが大切です。
先程も述べたように、「感動したこと」の回答の中では、自分がその企業の仕事に活かせる強みや人柄を重視する人間であると示す必要があります。しかし単純に感動した出来事を述べただけでは、そのエピソードが自分にとって何を象徴しているから感動したのかが、面接官に伝わりにくいです。
たとえば一口に「ふらふらになっても走り続ける駅伝選手を見て感動した」などと述べても、不屈の精神が素晴らしいと思ったのか、チームを思う自己犠牲の精神に感銘を受けたのか分かりません。ですから「感動から何を学んだのか」をはっきり言葉にすることで、そのエピソードに対する自分の解釈を明確化し、自分が何を重視している人間なのかを表現するわけです。
そして最終的には、それを仕事でどう活かすのかを語り、自分が仕事で貢献できるというアピールへつなげて話を締めくくります。
ただし、どんな強みや人柄が役立つかは業界・企業ごとに異なりますから、自分の志望先に合ったアピールを行うことが、面接官の好印象を獲得するコツです。下記には、業界別に好まれやすいスキルをまとめましたので、自分なりの回答を考える際の参考にしてください。
- 商社は「積極性やリーダーシップ」
海外や大規模な取引の多い商社では、積極性やリーダーシップが評価されます。 - 金融は「正確性」
1円の誤差、1字の誤字脱字も許されない金融では、堅実で正確な業務を遂行できる人物が評価されます。 - サービスは「配慮、サービス精神」
販売職やホテルなど一般ユーザーとの接点が多いサービス業では、他者への配慮やサービス精神が評価されます。 - 営業は「積極性、コミュニケーション能力」
営業職の場合、積極性や粘り強さのほか、人とのコミュニケーションがうまい人物が評価されます。 - ITは「コミュニケーション能力」
依頼された内容を正しく理解し、他者と連携して仕事を進めるため、IT系ではITスキルだけでなくコミュニケーション能力も重視されます。 - 旅行は「対応力」
旅先でのアクシデントや顧客の急な要望など、想定外の事態に柔軟に対応する能力が求められます。
一人で考えても効果的なアピールにつながる感動エピソードが思い浮かばない人は、客観的な意見を述べてくれる第三者に頼るのも手です。
大学のキャリアセンターや就活エージェントに頼れば、プロが一緒に考えてくれるので、小さな感動体験を上手なアピールへと変えることができるでしょう。
話す際は結論から!裏付けるエピソードと合わせて話す
「感動したこと」を面接で話す際のポイントは、PREP法を使って結論から、裏付けるエピソードと合わせて話すことです。
PREP法はビジネスでよく使われる文章構成法で、簡潔で説得力のある文章を作るのに効果的です。
何に感動したのかという結論から始まり、次になぜ感動したのかという理由を話しましょう。
また「学んだこと」が中心になるので、それを裏付けるエピソードを用意し、最後にそれをどう活かすかという結論を述べて話を結びます。裏付けるエピソードは実体験を盛り込むと、話に信ぴょう性が出るのでオススメです。
実際に話す際は丸暗記でなく、自分の言葉で自然に話せるよう練習しましょう。その方が面接官に与える印象も良いですし、話も伝わりやすくなります。
【例文】面接における「感動したこと」の答え方
これまでに説明したコツとPREP法を踏まえたうえで、実際に面接で回答するための「感動したこと」を作っていきます。面接で話す感動エピソードを選ぶ際に大切なことは、感動した理由がはっきり説明できて、そこから学んだことを仕事で役立てられる強みとしてアピールできる点です。
今回は例として、「踏切を渡り切れないおばあさんを助けるため線路に飛び込んだ学生」のニュースを題材に選びました。話はPREP法に基づき、3分程度にまとめていきます。
PREP法 | 感動したこと | 例 |
---|---|---|
P(結論) | 自分が感動した出来事 | 踏切を渡り切れないおばあさんを助けるため線路に飛び込んだ学生のニュース |
R(理由) | なぜその出来事に感動したのか | その人が自分と同じ普通の学生だったから |
E(事例) | 自分がどう感じ、何を学んだか | 普通の人も積極的に行動すれば、すごいことができる→積極的に行動することの大切さ |
P(結論) | 学んだことを仕事への貢献とつなげてアピール | 自分も仕事の上で積極的に行動していく |
これらをまとめると、以下のような例文になります。
「私は先週見た、踏切を渡り切れないおばあちゃんを助けるため線路内に飛び込み、助けた人のニュースに感動しました。
その場には大勢の人がいたそうですが、踏切の鐘が鳴り響く中、線路内に飛び込んだのは、私と同じ普通の学生だったのです。自分と同じくらいの歳の人が、こんなにも勇気を持って積極的に行動したことに、とても感動しました。
そのニュースを見て私は、躊躇せず積極的に行動することの大切さを感じました。人命を助けるような出来事には出会わないと思いますが、私も入社後は、自らどんな仕事にも積極的に取り組み、大きな成果を得るような人材になりたいと思いました。」
感動した体験について上手く話すコツについては理解できたら、あとは実践あるのみです。
もし上記を読んで練習してもうまく答えられるようになる自信がない場合は、キャリチャンの就活支援サービス「面接サポート」を利用するのがオススメです。難しい質問を行わず、面接が苦手な人でも受かりやすい企業を紹介します。
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「今まで」と「最近」では面接での回答が異なる
面接で「感動したこと」を聞かれる際には、「”今まで”に一番感動したことは何ですか?」と聞かれる場合と「”最近”感動したことは何ですか?」と聞かれる場合の、2つのパターンがあります。
どちらも同じく「感動したこと」を問う質問ですから、基本的に面接官が見極めたいことや回答のポイントはだいたい同じで、ここまでに説明した通りです。
しかし「今までに一番感動したこと」と「最近感動したこと」では、質問の対象としている時期が異なるため、答え方も微妙に変えていかなければなりません。ここからは、2つの質問を区別して答える方法を説明しますので、それぞれ質問の意味に合った回答ができるようにしましょう。
“今まで”で一番感動したことの意味と答え方
面接で「”今まで”で一番感動したこと」を聞かれた際には、できれば高校~大学時代くらいまでの、実体験による感動エピソードを答えると良いです。人の価値観や感性というのは経験の積み重ねによって変わってくるものなので、あまりに昔の感動エピソードだと、面接官の意図に沿った回答とは言えません。
この質問は文字通りに受け取れば、「今まで=生まれてから現在までの間」で、「一番感動した=最も強く感動した」ことは何かという意味になります。つまり時期は限定されていませんから、子供時代に体験した感動エピソードを答えたとしても、日本語のやり取りとしては決して間違いではないです。
しかし前述のように、面接官は”現在の”就活生が自社に合った価値観や感性を持っているかどうかを判断するために、この質問を投げかけています。それを考えると、あまりに古い感動エピソードでは現在の自分の人柄を表現できず、「感動したこと」への回答から面接官の知りたい情報を提供できないのです。
ですから面接で「”今まで”で一番感動したこと」を答える際には、現在の自分の価値観や感性とあまり変わらない、高校~大学時代のエピソードの方が適しています。ただし「今までで”一番”」と限定されていますので、自分の人生で”一番”感動したと言えるほど、強く印象に残っているエピソードを選ぶべきです。
そのため「今までで一番感動したこと」への回答では、どちらかというと先の例のような間接的な話より、直接的に自分が体験したエピソードの方が良いでしょう。自分自身が直接その出来事に関わっていたり、自分がその出来事が起こった場所にいて直接的に見たり聞いたりした感動体験の方が、自分にとって強く印象に残るはずです。
また実際に回答する際には、なぜその出来事が人生で最も感動したことだと言えるのか、”一番”である理由をハッキリ述べてください。
“最近”感動したことの意味と答え方
面接で「”最近”感動したこと」を聞かれた際には、直接的な感動にせよ間接的な感動にせよ、直近2カ月以内くらいの中で感動エピソードを探しましょう。”最近”という言葉に具体的な時期の定めはないので、基本的には大学時代のエピソードであれば、特に問題はないです。
ただし一般的には”最近”というと、その時点からさかのぼって、数ヶ月以内くらいのイメージを持つ人が多いと思われます。しかもほとんどの就活生は現在まだ20代前半ですから、2年も3年も前の出来事を”最近”と言えるかどうか、疑問に感じる面接官もいるかもしれません。
そのため「”最近”感動したこと」という質問に対しては、できればもう少し直近の出来事を答えたいところです。しかし直接的な感動体験を探そうとしても、2ヶ月くらいの短いスパンでは、そう都合よく見つからない人が多いと思います。
そんな時は、自分が直接関わっていない、スポーツ観戦やニュースといった間接的な感動でもOKです。「”最近”感動したことは何か」という質問では、「今までで”一番”感動したこと」のような強い感動を求められてはいませんから、無理に直接的な感動体験を探して過去へさかのぼるより、間接的でも近々の話題の方が適しています。
実際「感動したこと」から面接官が知りたいのは、エピソードそのものではなく就活生の人柄ですから、直接的であれ間接的であれ自分の価値観や感性が伝われば良いわけです。ですから面接で「”最近”感動したこと」を回答する際は、なぜそのエピソードに感動したのかをしっかり考え、自分の価値観や感性が伝わるようにしてください。
面接で「感動したこと」を答える際の注意点
ここまでは「感動したこと」という質問の意図や、面接での答え方について説明してきました。しかし日常生活の中で感動するような出来事なんてそうそう起こりませんし、そもそも「感動」という言葉は大袈裟すぎて、普通の学生はあまり使いませんよね。
そのため「感動したこと」のネタ探しに悩んでしまい、実際の面接では結局、本来の目的にそぐわない回答をしてしまう就活生も少なくないです。そこで最後のポイントとして、面接で「感動したこと」を答える際に、やってはいけない注意点について説明しておきます。
ウソのエピソードはNG
面接で「感動したこと」を答える際、実際には体験していない作り話や嘘のエピソードを語るのはNGです。嘘をつくと面接官の信用を失い、結果として自ら内定を遠ざけることになります。
就活生の中には、「感動」という言葉にドラマみたいに心揺さぶられる物語を思い描き、それに匹敵するような体験を語らなければならないと思い込んでいる人が少なくないです。ところが普通の学生の日常にドラマみたいなすごい体験などあるはずもないので、そんな風に思い込んでいると、面接で話すべき感動体験を見つけられないでしょう。
そこで「ないものは作ればいい」という発想になり、面接官の評価を得るために、作り話や嘘のエピソードをでっち上げてしまう人が時々いるのです。しかし面接官は就活生の回答から本質的な人柄を見抜くプロなので、作り話や嘘を語っても、すぐに見破られてしまいます。しかも「本質的な人柄=平気で嘘を吐く人間=仕事でも嘘やごまかしを行う」と思われ、高評価どころか、逆に面接官の信用を失ってしまうわけです。
くり返しになりますが面接官は、就活生がどんなエピソードに感動したのかではなく、その感動エピソードから学んだことを重視しています。なぜなら面接官が自社との相性をはかるために知りたい就活生の価値観や感性は、感動エピソードそのものでなく、そこから「学んだこと」に表れるからです。
ですから面接で「感動したこと」を答えるのに、エピソードの大小や感動の大小など、全く気にする必要はありません。たとえ小さなエピソードでも、嘘を吐くより事実を話した方がリアリティがありますし、そこから学んだことにも実感がこもっているので、面接官に伝わりやすくなります。
仕事に直結しないエピソードは響かない
面接で「感動したこと」を答える際、エピソードの大小や感動の大小は関係ありませんが、そこから学んだことが仕事に直結しない話では面接官に響かないです。
しつこいようですが面接官がは、「感動したこと」から学んだ強みなどに表れる就活生の価値観や感性を材料として、自社との相性を判断しようとしています。それなのに、大きな感動エピソードを語るのに気を取られている就活生は、ただ感動エピソードを述べるだけで、学んだことや仕事に役立つことまで説明するのを忘れがちです。
そんな回答では就活生の価値観や感性が伝わらないので、企業の方も相性を判断する材料がなく、もちろん高評価にはつながりません。それどころか、質問の意図を理解していないと思われて、反って評価を下げてしまう恐れすらあります。
また感動エピソードから学んだ強みなどを語ってはいても、それがその企業の仕事につながらないものなら、同様に高評価は得られないです。質問の意図を理解していないか、企業の仕事を理解していないか、そもそも相性が悪いかのどれかだと判断されてしまうでしょう。
面接で「感動したこと」を答える際は、そこから学んだ強みなどが仕事に直結するところまで語って初めて相性の良さを証明でき、自分を採用する価値をアピールできるのです。
エピソードの大小や感動の大小は、面接官の評価と全く関係ないですから、そんなことより志望企業との相性の良さを示せるエピソードを語るようにしてください。業界・企業研究に基づき、その企業の仕事や社風を意識して、求められる人物像に沿った人柄をアピールすることが大切です。
面接で「感動したこと」を答えるには練習あるのみ!
新卒の面接ではときどき、「今までで一番感動したこと」や「最近感動したこと」について聞かれることがあります。主な目的は、予想外の質問に対する対応力をチェックしたり、感動したことからの学びに表れる人柄が自社とマッチするかをチェックしたりするためです。ですから面接で「感動したこと」を回答する際は、ドラマのようなすごい物語を語る必要はありません。
些細な感動エピソードで構わないので、予想外の質問にも慌てず論理的に説明することと、企業の仕事に役立てられる学びを語ることがポイントです。ただし「感動したこと」なんて学生生活ではなかなか見つけにくいですし、そのうえ仕事と関連付けて語るとなると、難しいと感じる就活生が多いと思います。
そんな時は、就活エージェントのようなプロに頼って、質問対策や質疑応答の練習を手伝ってもらうと良いです。就活エージェントなら、就活生一人では難しい感動エピソードを一緒に探して、そこから上手にアピールへとつなげられるよう適切なアドバイスをしてくれます。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。