【例文あり】面接で聞かれる「苦労したこと」への回答のポイントは?
2023年3月23日
就活の面接で「苦労したこと」について聞かれた経験はありますか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
何回かありますが、面接官の意図がよく分からないし、答え方も分からないので困った記憶しかありません……。
そうですよね。実は苦労したエピソードは、うまく回答できればアピール材料になり高評価につながるんです。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
そうなんですか?答え方がわからず、いつも止まってしまうので「苦労したこと」に関する質問の回答例を教えてください。
わかりました。このコラムでは面接官が「苦労したことを聞く理由」や「答え方のポイント・回答例」を紹介します。面接対策の参考にしてください。
キャリアプランナー 岡田
目次
面接官が「苦労したこと」を聞く理由を把握する
面接で「苦労したことは何ですか?」に対して適切に回答するためには、まずは質問の理由を把握しましょう。面接官は、質問から以下のポイントを把握しようとしています。
- 困難との向き合い方
- 状況把握・分析能力
- 課題解決能力
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
社会人として必要な「困難との向き合い方」を知るため
面接官は、「苦労したこと」を聞くことで、学生が苦難に対してどう向き合い、どう乗り越えていく人間なのかを知ろうとしています。これまでの経験から、困難とどう向き合い、挫折からどう這い上がってきたのかを知り、仕事に対するモチベーションや熱意などを推し量ろうとしているのです。
社会人になるとさまざまな困難に向き合う機会が増えます。困難に対して向き合わず、逃げてしまう人材は会社として魅力的ではありません。それゆえ面接官は質問を通して、その人物が困難から逃げないか、困難を乗り越えられる人材であるかを確認しています。
そのため、面接では自身が困難を乗り越えられる人材であるとアピールし、困難との向き合い方を具体的なエピソードを交えて説明する必要があるのです。
状況把握・分析能力を把握するため
面接官は「苦労したこと」を質問して、置かれている状況を適切に把握し、分析できる能力を持っているかを見極めようとしています。
困難を乗り越えるためには、まずは冷静に状況を把握・分析し、課題の解決方法を考える必要があります。これらの能力は、社会人にとって必須のスキルです。苦労した経験を聞けば、応募者が持つ状況把握能力や分析能力を理解できます。
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課題解決に対する思考力・工夫を見極めるため
面接で「苦労したこと」を聞くのには、課題解決に対する思考力・工夫を見極めるためという意図もあります。「苦労したこと」を乗り越えた方法を知れば、応募者が持つ課題解決能力の度合いを推し量れるからです。
苦労を乗り越えるためには、まずは置かれている状況を分析する必要があります。そして、解決のためにさまざまな工夫が必要です。面接官は質問を通して、社会人に必須の課題解決能力を質問を通して推し量り、活躍できる人材かどうかを見極めています。
「苦労したこと」に的確に答える5つのポイント
「苦労したこと」に対して適切に回答するためには、以下の5つのポイントを押さえましょう。
- 結論ファーストで伝える
- 面接官が状況をイメージできるよう伝える
- 「苦労したこと」の乗り越え方を丁寧に説明する
- 苦労から何を学んだかを伝える
- 学んだことを仕事にどう活かせるかをアピールする
これらを意識すれば、面接官の質問の意図を捉えた回答が完成します。
結論ファーストで要点をわかりやすく伝える
「苦労したこと」に適切に回答するためには、内容だけでなく伝え方も工夫してください。いくら良いエピソードを持っていたとしても、面接官に十分に伝わらなければ意味がありません。回答する際は、結論ファーストで要点がわかりやすくなるよう心がけましょう。
そんな伝え方としてオススメなのが、PREP法です。PREP法はビジネスでよく使われる文章構成法で、簡潔で説得力のある文章を作るのに向いています。
- P=point(結論)
- R=reason(理由)
- E=example(具体例)
- P=point(結論)
つまり、はじめに「苦労したこと」は何かを簡潔に述べてから、なぜ苦労したかを説明し、具体的なエピソードを伝えます。最後に、要点がわかりやすくなるよう結論をまとめてください。
ただし最初と全く同じ言葉を繰り返しても意味がないので、最後の結論では「苦労したこと」を自分のアピールへとつなげるのがベストです。
状況をイメージしやすくなるよう苦労した理由を話す
「苦労したこと」を伝えるためには、なぜ苦労したかを詳しく説明しましょう。面接官はそのエピソードを経験していません。わかりにくい説明では、苦労の度合いが伝わらず、説得力のある回答にならないのです。
そのため、面接官に理解してもらうためには、状況が伝わるよう具体的に説明し、その課題になぜ苦労したか、苦労した理由も説明する必要があります。
「苦労したこと」をどう乗り越えたかを丁寧に説明する
面接では特に、「苦労したこと」をどう乗り越えたかについて、具体的かつ丁寧に説明することが大切です。
面接では、「苦労したこと」の内容だけでなく、それをどう乗り越えたかが重視されます。面接官は、乗り越え方から応募者の人柄や成長性を見ているため、具体的に丁寧に説明しましょう。「困難をどう乗り越えたか」を十分に整理しないまま回答すると、自分の強みをアピールしきれず、質問の意図を理解していないと判断されてしまう可能性があります。
そのためには、まずは、どのような経験に対してどう苦労を感じたのかを考えます。そして、どのような工夫で乗り越えたのか、当時の過程や気づきに焦点を当てて答えると、自分の良さをアピールできるのです。
苦労から得た学びを分析してアピールにつなげる
どんなことに苦労し、その苦労をどう乗り越えたのかをまとめたら、最後に「苦労を乗り越えた経験から学んだこと」を忘れずにアピールしましょう。
苦労したことに関する回答はどうしてもネガティブになりがちですが、何を学んだかを伝えると、話の方向性をポジティブに持って行けます。ここは自分をアピールする最大のポイントで、ネガティブな話から、ポジティブな終わり方をするために不可欠です。
そのためには苦労したエピソードを振り返り、そこから得た学びについての十分な分析が必要となります。
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「苦労したこと」から得た学びの仕事への活かし方も忘れずに説明する
苦労から得た学びを分析・アピールしたら、さらにそれをどのように仕事に活かせるかを説明します。この時、その企業が求めているものを述べられると好印象です。苦労から得た学びが、その企業で役立つものであるとアピールしましょう。
企業のニーズを捉えた回答をするためには、企業が求める人物像やスキルについて、採用ホームページや説明会などを通して的確に把握してください。
自分をアピールできる「苦労したこと」への回答例
これまでの回答のポイントをまとめ、「部活動」を題材に例文をご紹介します。
私が最も苦労した経験は、所属していたサッカー部の部員のモチベーションを保つことです。
私がキャプテンを務めていたサッカー部は、決して強いチームではありませんでした。試合に負ける場合がほとんどで、大きな大会への出場経験もありません。そのため、部員のやる気はどんどん下がっていき、「辞めたい」と言い出す部員が多くいました。
私自身も、チームメイトのモチベーションが低いことでチーム全体を取りまとめるのに苦労し、身体的にも精神的にも疲れを感じていました。しかし私は誰一人欠けずに引退したいと思い、諦めることなく説得を続けた結果、しぶしぶではありましたが、最終的に誰一人辞めることなく引退を迎えられたのです。
この経験から私は、どんなにつらくても諦めてはいけないということを学びました。結局その後も試合にはなかなか勝つことはできませんでしたが、全員で引退するという目標を達成できたことを考えると、諦めなくて本当によかったと思っています。私は今後も、たとえ良い結果が出ないときも最後まで諦めずに取り組んでいくつもりです。もし御社に入社できましたら、目標に向かって何事も諦めず、真摯に向き合っていきたいと思います。
まず初めの結論として、どんなことが「苦労したこと」なのかを述べます。そしてサッカー部員のモチベーションを維持するのが大変だったという結論に対し、なぜそれらが苦労した経験なのかを述べていきます。
次に、苦労したことをどう乗り越えたのかを述べていきます。ここでは一人一人と最後まで向き合い、説得したことで無事に誰一人欠けることなく引退できたと述べています。
そして最後に「苦労したことを乗り越え、何を得たのか」そして「それらを仕事でどう活かしていくのか」を述べていきましょう。ここでは諦めないことの大切さを知り、仕事においても、たとえ結果がでなくても諦めないという意思を伝えています。
「苦労したこと」へのNG回答の2つの特徴と注意点
面接官に十分に魅力を売り込めない回答には、以下のような特徴があります。
- 回答が曖昧でわかりにくい
- 他責思考でネガティブなイメージを受ける
回答を作成したら、これらの特徴に当てはまっていないかをチェックしましょう。以下では、NG回答と意識すべき点について詳しく説明します。
エピソードや乗り越え方が曖昧な回答
曖昧な言葉では、エピソードや苦労した度合いが伝わりにくく、自身の採用メリットを十分に伝えられません。
そのため、課題解決にかかった日数や努力した期間など、具体的な数値を用いて説明したり、解像度の高い言葉を使ったりしましょう。また、エピソードを話すときは、相手がわかっている前提で話してしまう場合が多いです。初めてエピソードを聞く面接官にも伝わるよう、わかりやすい具体的な説明を心がけてください。
他責思考やネガティブな印象を与える回答
苦労したことを回答する際は、悪口やネガティブな内容にならないように注意してください。もともとネガティブな印象になりやすい題材ではありますが、愚痴っぽくなってしまうと、暗い印象を与えてしまうだけです。特に、「〇〇のせいで苦労した」のように、苦労を相手のせいにする回答は、他責思考の持ち主との印象を与え、マイナスなイメージにつながります。
また、この質問では「苦労をどう乗り越えたのか」「乗り越えて何を得たのか」「学びを仕事でどう活かせるのか」といったポジティブな内容も期待されています。ネガティブになりやすいですが、最後はポジティブな内容で締めくくれるよう、意識して回答してください。
苦労したエピソードがない場合の対処法
エピソードとして話せる「苦労したこと」がなくて困っている方は多いです。その場合の対処法は以下のとおりです。
- エピソードの質にこだわりすぎない
- モチベーショングラフを作成して振り返る
以下では、苦労したエピソードがない場合の対処法について詳しく解説します。
エピソードの質にこだわりすぎない
苦労したエピソードが思いつかない人は、苦労の度合いや目覚ましい成果を上げたといった、エピソードの質にこだわり過ぎないようにしましょう。
「苦労したことがない」就活生の多くが、エピソードの質にこだわりすぎています。「苦労したこと」は大袈裟なエピソードである必要はなく、あくまでも「つまづいた」「苦い経験だった」程度でも問題ありません。重要なのはエピソードの質ではなく、それをどのように乗り越え、何を得て、どう活かすかです。
過去を振り返って少しでも苦労した経験があれば、それらをピックアップし、掘り下げていきましょう。
モチベーショングラフを作成して振り返る
エピソードがなかなか思いつかない場合は、生まれた時から現在に至るまでのライフイベントとモチベーショングラフを書き出してください。モチベーショングラフとは、過去の出来事を振り返り、自身のモチベーションの変化をグラフで表したものです。
具体的には、モチベーショングラフを作成し、比較的大きなライフイベントにおいて自分のモチベーションが下がった出来事を振り返ります。その出来事を中心に分析すると、苦労したエピソードが見つかる場合が多いです。
「苦労したこと」に対する魅力的な回答で面接を攻略する!
この記事では、面接でよく聞かれる「苦労したことは何か」の答え方について、質問の意図やポイント・回答例とともに解説しました。
社会人として必要なスキル・考え方を推し量るこの質問では、苦労したエピソードだけでなく、そこから得た学びや仕事への活かし方を説明することが大切です。回答を通して、自身の採用メリットをアピールする必要があります。質問の意図を把握し、ポイントを押さえて面接官に刺さる魅力的な回答を作りましょう。
しかし「苦労したこと」はもともとネガティブな題材なので、話が暗くなりがちで、好印象を与えることが難しい質問です。面接に慣れていない人は、なかなか上手にアピールできません。面接で上手に話すためには、普段からの練習と対策が不可欠なのです。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。