【23卒の旅行業界】予想される業界動向と内定獲得のための対策法

 2022年5月10日

コロナウイルスは落ち着きを見せませんが、少しずつコロナと上手に付き合えるようになったことで景気が回復しています。その影響から2,3年前まで採用活動を行っていなかった業界・企業も、最近では少しずつそれら業界・企業も復活してきています。

キャリアプランナー 廣瀬

就活生 Bさん

そうなんですね!実は旅行業界を志望しているのですが、コロナの影響から厳しいかなと思っていたのですが、23卒の旅行業界はどうなっていますか?

わかりました、今回はそんな23卒の旅行業界について解説していきましょう。人気業界の1つでもある旅行業界ですが、コロナの影響を大きく受けたことでしばらく就活市場から姿を消していましたが、23卒の就活ではどうなっているのか、確認していきましょう。

キャリアプランナー 廣瀬

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まずは「旅行業界」について知ろう

まずは「旅行業界」について知ろう

「好きな旅行を仕事にしたい」と考える就活生は多いものの、実はその仕事について具体的に把握できていない23卒生も多いのではないでしょうか。旅行業界ではコロナのパンデミック以降、仕事の内容について理解を深めるためのインターンや説明会がほとんど行われていませんから、それも無理のないことです。しかし具体的に仕事のイメージが湧いていない状態では志望先を探しにくいですし、選考で自分の活躍イメージを語ることができず、企業の評価を得られません。

憧れの旅行業界への就活を成功させるには、まず業界への理解を深めることが大切です。そこでコラムの初めにまずは、旅行業界の仕組みとどんな職種があるのかについて解説します。既に多少知っている23卒生もいると思いますが、ミスマッチを防ぐためにも選択肢を増やすためにも今一度おさらいし、旅行業界の全体像をしっかり把握しておいてください。

旅行業界は「旅行業」と「旅行代理業」に分かれる

旅行業界には大きく分けて、「旅行業」という業務形態の企業(旅行業者)と、「旅行業者代理業」という業務形態の企業(旅行代理店)の2種類があります。普通の人はあまり両社を意識せずひとまとめに「旅行会社」と呼んでしまうのですが、本来旅行業と旅行業者代理業は、旅行業法という法律によって厳密に区別される別の業種です。

どう区別されているかというと、法律上許されている業務の範囲が違います。旅行業には旅行の企画・実施(添乗など)・販売が許されていますが、旅行業者代理業に許されているのは、契約している旅行業者から委託された旅行の販売のみです。つまり旅行業者代理業の企業(旅行代理店)は旅行の企画も添乗もせず、旅行業の企業(旅行業者)が企画・添乗する旅行を、その企業の代理で販売するのが仕事となります。

旅行の企画や添乗がしたいのに、旅行業者代理業の企業(旅行代理店)に入社しても、その夢は実現できないです。将来的に旅行の企画や添乗をしたいと考えている23卒生の場合は、「旅行業」の企業を志望すべきでしょう。しかも「旅行業」の中にも、第1種、第2種、第3種、地域限定と4種類の種別があり、自社で企画・実施できる業務の範囲が異なります。

【旅行業の種別と業務範囲】

旅行業の種別と業務範囲

募集型企画旅行は旅行業者側が内容を決めて参加者を募るパッケージツアー、受注型企画旅行は顧客のニーズに応じて設計するカスタムツアーです。旅行手配は旅程全体を取らず、必要に応じて指定された旅先の宿泊施設や交通機関を手配するだけとなります。

志望する企業を間違えてしまうと自分の思い描く将来像が実現できず、ミスマッチを感じる可能性がありますので注意が必要です。

旅行業界の具体的な職種

旅行業者にせよ旅行業者代理業の企業(旅行代理店)にせよ、旅行を扱うという点では同じですが、そこには様々な仕事を担当する職種が存在します。具体的にどんな職種があり、どんな仕事を担当するのか下記に紹介しておきますので、入社後のイメージを掴むための参考にしてください。

【ツアーオペレーター】

ツアーの骨組みとなる材料を集める仕事です。旅行の材料とは具体的に、宿泊施設や食事、観光スポットや飛行機・新幹線などの交通機関。これらの材料確保によってツアーは成り立ち、またいかに安く良い素材を集められるかによって利益も変わってきます。

【ツアープランニング】

ツアーオペレーターが集めてきた基盤となる材料を「ツアーの企画」として構成していく仕事です。旅行会社での仕事といえばこのイメージが強いでしょう。お客様に素敵なプランを提供すべく、実際に足を運んで視察などしながら企画していきます。

【アウトセールス】

一般企業でいう「営業」的な役割を担う仕事です。一般企業や各種団体、学校などを訪問し、商品プランや手配、販売などを行い、主に社員旅行や修学旅行などの比較的大人数の案件を担当します。

【カウンターセールス】

店舗にて旅行販売を行います。アウトセールスのように外に出て営業をかけるのではなく、店舗に来たお客様に対してプランを紹介する仕事です。カウンターセールスは「窓口営業」とも言われています。

【ツアーコンダクター】

直接旅行に同行する「乗務員」です。プランに従って参加者が楽しめるよう、スケジュールの管理や案内などを行います。最近では外国人対応として、語学力のある学生を採用する企業も増えてきています。

【メディアセールス】

旅行サイトの運営やネット・紙媒体などを通して宣伝活動を行う仕事です。最近ではこのメディアセールスの成長が凄まじく、力を入れる企業も増えてきています。

23卒における旅行業界事情

23卒における旅行業界事情

21卒・22卒においては、旅行業界に対する就活は大変厳しい状況でした。コロナ禍で移動が制限される中では旅行ができず、そのあおりが直撃した旅行業界には、新卒採用を行わない企業が多かったのです。そのため21卒・22卒には、希望するような企業の募集を見つけられなかったり、あまりに高い競争率で受からなかったりして、旅行業界を諦めざるを得なかった人もたくさんいました。

これから就活シーズンを迎える23卒の皆さんはそんな風にならないよう、予測される就活事情を事前に把握して、しっかりと備えておくことが大切です。そこでここからは、23卒における旅行業界の就活事情について解説します。今後の企業選びや就活方針を定める際の参考にしてください。

少しずつ回復する可能性あり

23卒においては21卒・22卒に比べ、旅行業界の募集枠が少しずつ回復する可能性があります。ここ数か月を見る限り、日本国内ではコロナの流行がかなり沈静化していることから、旅行需要も高まりつつあるためです。その背景には、2021年に入ってコロナに対するワクチンの供給が世界的に行きわたりつつあることや、日本政府が出入国を厳しく制限し、国外からの新たなコロナ流入を予防していることなどがあります。

この2年の間コロナ対策でほとんどの外出を自粛し、旅行もレジャーも我慢していましたから、これをチャンスにあちこち出かけたいと考える人が出始めているわけです。実際これに伴って年明けの1月末ごろを目指し、補助金や割引などで国内旅行を喚起する施策”Go To トラベル事業”も再開が検討されています。そうなれば旅行需要もいっそう盛り上がり、ここまで厳しい経営を迫られていた旅行業界の企業も業績が回復して、新卒採用を再開する可能性があるのです。

ただし旅行業界の景気が回復し、それぞれの企業の業績が改善しても、新卒採用を行えるほど企業体力を取り戻すまでにはタイムラグがあります。それに、世界的にはまだまだ新種のコロナ株が流行中の国も多いので、海外旅行ができるようになる目途も立たない状況です。海外旅行を主軸とする企業にとっては、まだまだ厳しい経営状態が続くでしょう。

それらを考慮すると23卒における旅行業界の募集枠は、21卒や22卒に比べれば回復傾向にはあるものの、パンデミック以前の状態には程遠いはずです。これから23卒生が挑む旅行業界の就活環境は、まだまだ緩やかな回復基調の途中にあります。21卒や22卒よりは募集企業・募集人数が増えるものの、その数はまだまだ限られたものであると同時に、募集企業にも偏りがあるということは覚悟しておくべきです。

とはいえ23卒の場合は21・22卒と違い、募集企業がほぼゼロという状況ではないですから、初めから諦めてしまう必要はありません。上手に企業を選び、しっかりと対策を行えば、高い競争率の中でも採用枠を勝ち取れる可能性は十分あります。

狙い目は“EC・通販を用いた業種”

旅行業界を目指す23卒生の狙い目となるのは、”EC(電子商取引、いわゆるオンライン販売)やその他の通販を活用している業種・企業”です。ECサイトや、テレビショッピング・カタログ販売・電話セールスといった通販事業では、現地に出向かなくても購入できるため、コロナ禍に強い傾向があります。いわゆる”巣ごもり需要”というものです。そしてそれは、外へ出かけることを目的とする旅行商品の購入においても、決して例外ではありません。消費者はコロナの流行中に買い物をECサイトやその他の通販で行うことに慣れているため、今後は旅行についても、そうしたものを利用する人がますます増えると思われます。

そもそもパンデミック以前から旅行業界には近年、EC化の波が押し寄せていました。”じゃらんnet””楽天トラベル””Yahoo!トラベル”といった、従来型の旅行業者・旅行業者代理業者と違い、店舗を持たずにネット・雑誌の等の通信手段を駆使して旅行を販売する企業(OTA:Online Travel Agency)が現れたのです。OTAの多くは当初、異業種からの参入であったために、消費者自身の選んだ宿泊先や交通機関の手配をする手配旅行を中心とした単なる個別施設の予約サイトでした。これに伴って消費者にも、自分で旅程を考えて必要な施設を予約するという旅行スタイルが浸透してきたわけです。

この動きに対抗する形で、従来の旅行業者・旅行業者代理業者(TTA:Traditional Travel Agency)も、自前のECサイトを充実させ始めました。もともと持っていた従来の募集型企画旅行や手配旅行に加え、選択肢の中から消費者が組み合わせてプランニングできるツアー(ダイナミックパッケージ)まで通信販売できるようにしたのです。それらOTAやECを活用したTTAは、コロナの間もある程度の売り上げを維持していただけでなく、観光地の現地業者と消費者をつないで顧客として取り込んでいます。

そのためOTAも含めてECやその他通販を活用した業種の企業は、それ以外の企業に比べて今後に向けた見通しも立ちやすく、経営状態の回復も早い見込みです。その分、23卒の採用においても他社より採用枠の回復が早く、募集企業を探しやすいと同時に、競争率も幾分マシなものになるでしょう。

ただし、そのようにして特に募集が増えるのは、ECやその他通販の活用を念頭に置いた、メディアセールスのできる人材です。23卒生もそれを前提とした企業選びとアピールを行えば、厳しい状況と言われる旅行業界の中でも、内定を獲得できる可能性は十分あります。

“旅行代理店”は厳しい

回復基調にある旅行業界の中でも、店舗でカウンターセールスを行う従来型の”旅行代理店での勤務”は、23卒でも厳しい状況が続くでしょう。日本人の旅行需要そのものは回復傾向にあるものの、それでも残念ながらパンデミック以前の状態には戻せないものもあります。それはコロナの流行によって変わってしまった、消費者の”消費スタイル”です。今もコロナへの不安が完全にはぬぐえない中で、わざわざ旅行代理店へ直接出向き、店頭で旅行の相談をする人は今後も少ないですが、それは今後も変わりません。

消費者は既に”通販”という消費スタイルに慣れているので、たとえコロナが完全に終息したとしても、ネットを使って自分で予約する人の方が多くなります。それに伴い、旅行代理店の実店舗を構える必要性は薄くなって、カウンターセールスなどの店舗勤務の職種は就活市場での需要が減っていく見込みです。先程も述べたように、OTAだけでなく既存の旅行業者・旅行業者代理業者も、現在は店舗販売ではなくECなどの通販事業に力を入れています。

実際、旅行代理店大手のH.I.Sも、既に3店舗の閉鎖を発表しているそうです。選考で店舗勤務を前提とした志望動機や将来像を語った場合、旅行業界の現状を把握していない、あるいは企業の求める人物像と合致しないという判断になる可能性があります。たとえそのような判断にならず店舗業務職を募集する企業があったとしても、志望する人に対して採用需要が少ないわけですから、極端に高い競争率となってしまうでしょう。

またカウンターセールス職や旅行業者の実店舗だけでなく、「店頭で他社の旅行販売を代行する」という従来型の旅行業者代理業(旅行代理店)は今、存在意義が薄れつつあります。ネットを利用して自分で予約する消費者が増えたことで、これまで他社に販売を委託していた旅行業の企業はもちろん個々のホテルや交通機関なども、自前のECサイトによる独自の集客が可能になりました。そうすると余程の集客力がある旅行業者代理業者でなければ、わざわざ販売を委託する意味がないので、ECを活用できていない店舗販売主体の”旅行代理店”は不要となるわけです。

加えてこれまで主に手配旅行のみを行っていたOTAも、ECを活用するTTAに対抗するパッケージツアーを販売できよう、旅行の企画・添乗のみ行う旅行業者を買収するなどして取り込みを行っています。そうした販売材料となる契約先の独自EC化やOTAによる取り込みで近年、従来型の店頭販売主体の旅行業者代理業者(旅行代理店)は激減しているそうです。これから志望先を就活する23卒生は、その辺りも踏まえた企業選びとアピール方法を考える必要があります。

23卒が旅行業界に受かるための対策法

23卒が旅行業界に受かるための対策法

初めにも述べたように、21卒や22卒よりは回復傾向にあるとはいえ、23卒においても旅行業界の募集枠はまだまだ少なく、選考倍率の高い状態です。そんな厳しい採用枠の争奪戦で23卒生が内定を勝ち取るには、賢明な企業選びと、万全の対策が必要となります。就活事情と企業選びのポイントについては、ここまでの話の中で既に触れてきました。

そこでここからは、実際23卒が旅行業界に受かるために、具体的にどのような対策を行えばよいのかについて解説します。今のうちから対策法を把握し、23卒の選考に向けてしっかり準備していきましょう。

“なぜ旅行業界なのか”を明確にする

まだまだ厳しい旅行業界の就活に挑む23卒生はまず、自分の中で「なぜ他ではなく、あえて”旅行業界”を志望するのか」を明確にしてください。くり返し述べているように、コロナ禍が直撃している旅行業界は、若干明るい兆しが見えてきたとはいえ、現在もまだまだ厳しい状況にあります。出入国制限で海外旅行が再開できる目途は立ちませんし、国内旅行をする人が増えてもコロナへの対応でソーシャルディスタンスやその他の対策が必要なので、以前ほど利益率は上がらないでしょう。

えてこの2年で企業体力が落ちているため、旅行業界のほとんどの企業が、当面は厳しい経営を迫られると予想されます。そんな状況にもかかわらず、なぜわざわざ旅行業界を志望するのかということを企業は気にするはずです。旅行業界には、「繁忙期は忙しく休みが少ない」「休日出勤が多い」「景気によって給料が変動する」といったデメリットもあります。

未だ厳しい状況にある旅行業界の企業側からすれば、パンデミック以前と同じように「安定した成長業界」「趣味が仕事にできて楽しい」「割引もあるしお得」といった甘いイメージをもって志望してくる人物では困るわけです。そんな人は今の厳しい旅行業界の状況に耐えきれず、入社したとたん「こんなはずじゃなかった」などと不平を述べ、あっという間に退職してしまうかもしれません。今の旅行業界には、この厳しい状況とデメリットをきちんと理解し、その中でも共に苦境を乗り越えていく覚悟を持った人材が必要です。

ですから旅行業界の就活に挑む23卒生は、そうした問いに答えられるよう、業界を志望する理由や旅行業界への熱意を自分の中で明確にしておく必要があります。具体的は「旅行業界に興味を持ったきっかけ」「旅行業界を目指したいと思った理由」「他の業界との違い」「旅行業界でなくてはならない理由」などを、過去の出来事や自己分析から考えていくと良いです。

ただし、もちろん旅行業界に対する思いだけでなく、自分の志望している”その一社”に対する熱意も重要になります。それでなくても募集枠に対して志願者がたくさんおり、選び放題の状況なのに、その中からわざわざ「旅行業界ならどこでもいい」という人を採用する企業はありません。旅行業界ならどこでもいい人では、その会社の社風や方針に共感しているわけではないので、入社しても会社に馴染めず周囲と連携が図れないばかりか、求められているような働き方をしてくれない恐れがあります。

ですから旅行業界の就活に挑む23卒生は、数ある旅行業界の企業の中で、”なぜこの企業を志望するのか”も、合わせて明確にしてください。企業理解を深めて”その企業”に他と比べてどんな特色があるかしっかり把握し、どんな部分に共感して志望に至ったのかを説明できるようにしておくことが大切です。

旅行業界に有利な資格を取得する

選考倍率の高い旅行業界の就活に挑む23卒生には、旅行業界の仕事で役立つ資格を取得しておくと、選考で有利になります。資格があれば既に旅行業界での仕事に関する知識や熱意が本物だと示すことができるため、即戦力となり得る人材として、他の候補者に差をつけられる就活の武器になるわけです。旅行業界の仕事で役立つ資格としては、以下のようなものがあります。

【旅行業務取扱管理者】

「旅行業務取扱管理者」は、旅行業界ゆいいつの国家資格です。旅行業法より旅行会社や旅行代理店では、1つの営業所に対して1人以上の旅行業務取扱管理者を置かなければならないと定められています。資格の種類は、国内旅行のみ取り扱い可能な「国内旅行業務取扱管理者」と、国内・海外の旅行どちらも扱える「総合旅行業務取扱管理者」2種類です。

どちらも試験は年1回。令和3年度の実績によると、「国内旅行業務取扱管理者」は9月に試験を実施、受験料5,800円、合格率は42.6%でした。「総合旅行業務取扱管理者」は10月に試験を実施、受験料6,200円、合格率25.0%(前年合格している科目は受験免除あり、免除なし全科目受験の合格率は6.2%)となっています。

【旅行管理主任者資格】

ツアーの主任添乗員として乗務するための資格です。1ツアーにつき、最低一人は「旅程管理主任者資格」を持っていなくてはならないと定められています。資格の種類は、国内のみ添乗ができる『国内旅程管理主任者』と国内・海外ともに添乗できる『総合旅程管理主任者』の2種類です。

資格と取るには、基礎添乗業務研修および国内または総合旅程管理研修を受講し、実地による添乗実務試験に受からなければならないため、在学中の資格取得は難しいでしょう。ただし日本添乗サービス協会では、このうち基礎添乗業務研修をパソコンなどで受けられ、在学中に修了しておくことができます(受講料10,000円)。

【旅行地理検定試験】

「旅行地理検定試験」は、旅先の地理や観光情報の知識を評価する試験です。試験内容は日本旅行地理と世界旅行地理の2種類で、それぞれに初級・中級・上級の3つのレベルがあります。どんな職種に就くにせよ、旅行業界で働くなら役に立つ知識です。

試験は概ね6月と12月の年2回。試験は自宅などのパソコンから行うインターネット受験か、テストセンターでのCBT受験のどちらかが選べます(上級の試験はCBT受験のみ)。受験料は2021年現在いずれも初級3,500円、中級4,500円、上級5,500円です。

試験内容や実施時期などを考えると、23卒の場合、採用選考を受けるころまでに資格を取得しておくのは難しいでしょう。しかし次回の試験に向けて勉強を始めておけば、旅行業界の仕事や企業について理解しやすくなると同時に、履歴書の資格欄にも「勉強中」「取得予定」などと書くことができます。

選考においてもより具体的な将来像を語ることができ、業界への熱意が伝わるはずです。ただし、面接で突っ込まれた際に答えられないと嘘はすぐに見破られ、反って評価が下がってしまいます。履歴書などの資格欄に書くのは、あくまで実際に勉強を始めた資格だけにしてください。

“旅行が好き”だけでなく、プラスαの気持ちも伝える

23卒生がまだまだ厳しい旅行業界の選考に受かるには、”旅行が好き”だけでなく、プラスαの気持ちを伝えることが大切です。旅行業界を志望する23卒生のほとんど全員が旅行好きなわけですから、それをいくらアピールしても、激しい採用枠の取り合いに勝てません。旅行業界の企業からすれば、”旅行が好き”というのはもはや大前提であり、選考でのアピールとしてちっとも響かないのです。

他の23卒生と差別化を図り、旅行業界の企業に「ぜひこの学生が欲しいな」と思ってもらうためには、”旅行が好き”以外の部分でアピールする必要があります。具体的には、”旅行が好き”だけではなくて、旅行業界の仕事に対して自分がどう関わっていきたいのかを伝えるようにしましょう。そこで重要となるのが、旅行業界の仕事における自分の強みの活かし方です。旅行業界に限らず、どんな業界のどんな企業も、自社の仕事で活躍してくれて、会社の利益に貢献してくれる人を求めています。

ですから「自分は○○が得意で、それを仕事でこんな風に活かして行きたい」と述べれば、企業側もその人の活躍と会社への貢献をイメージし、評価が高まるわけです。ただし、口では何とでも言えますから単に「得意だ」というだけではダメですし、またその活躍図が実際の業務とかけ離れていては意味がありません。実際に発揮した事例を挙げられるような自分のもともと持っている強みの中から、旅行業界およびその企業が求めている強みの合致する部分を挙げ、それが仕事でどう活かせるのか具体的に説明する必要があります。

そうすれば、企業側に「まさに求めている相性の良い人材だ」と思ってもらえて、強いアピールとなるはずです。そのためには、自己分析と業界・企業研究をしっかり行い、自分と旅行業界および志望企業について理解を深め、相性を見極めておいてください。求める人物像は企業や職種によっても異なりますが、旅行業界に共通するのは旅行好きの”自分”ではなく、「旅行好きの”お客様”が満足する最適な旅を提供する仕事」だということです。その仕事を考えれば必然的に、コミュニケーション能力やホスピタリティ、企画力・提案力、対応力といったものが必要とされるでしょう。

就活エージェントを頼る

まだまだ募集枠が少なく、高い選考倍率が予想される旅行業界を狙う23卒生には、就活エージェントなどのプロの力を借りることをオススメします。旅行業界にも若干明るい兆しが見えてきたとはいえ、今の状況で新卒採用を再開する企業はまだまだ少なく、選考は相当な高倍率となる見込みです。当然の結果として23卒では、エントリーできる募集中の企業を探すのも大変なら、その激しい競争の中で内定を勝ち取るのも容易ではありません。

少しばかり旅行業界向きの資質を持っていたり、旅行経験が豊富だったり、志望度が高かったりといった程度では、とても内定を勝ち取れないでしょう。激しい倍率の中で23卒生が旅行業界の内定を勝ち取るには、その企業が求めているものピッタリ合ったドンピシャのアピールと、それを企業に納得させられるだけのES・面接スキルが必要になります。それを行えるようにするには、就活エージェントなどのプロの手助けが不可欠です。

就活エージェントに頼れば、23卒生自身が血眼になって少ない募集企業を探したり、業界・企業研究や選考対策に途方もない時間を費やしたりしなくても済みます。就活エージェントは、企業側が求めるものと就活生が求めるものとをマッチングさせるプロフェッショナルです。23卒生はただエージェントに自分の人柄や将来の希望について話をするだけで、それにピッタリ合った、相性の良い企業の求人(受かる可能性の高い求人)を紹介してくれます。

そして、既に把握しているその企業の求める人物像と就活生の持っている強みを基に、ドンピシャのアピールができるようESや面接の対策を手伝ってくれるのです。ですから就活エージェントに頼れば、23卒生が自力で旅行業界に挑むより、ずっと効率よく就活力を上げることができ、受かる可能性も高くなります。

キャリchでも、厳しい状況だからと言って旅行業界を諦めたくない23卒生を応援するイベント「再就活サポート」を開催していますので、ぜひ活用してください。このイベントでは、プロのキャリアプランナーが23卒生一人一人に専任でつき、準備段階から最終的に納得のいく就職先を決めるまで、二人三脚で就活を進めていきます。もちろん参加は無料、費用は一切かかりません。

単に希望に沿った旅行業界の企業を紹介するだけでなく、激しい倍率の中でも内定を勝ち取れるよう、就活力の向上をサポートします。こんな厳しい状況だからこそ一人悩んでいないで、私たちプロ一緒に納得の内定を目指しましょう!

おわりに

23卒における旅行業界の採用枠は、21卒・22卒よりは回復傾向にあるものの、まだまだ例年通りには程遠い状況です。新卒採用を再開した企業も中にはありますが、少ない募集企業を探し出すのにも、高い倍率の選考を勝ち抜いていくのにも、苦労するのは目に見えています。

しかしそれでも憧れの旅行業界に挑むのであれば、就活事情をきちんと把握し、相当しっかりとした選考対策をすることが大切です。そんな過酷な就活に、一人で立ち向かうなんて心元ありません。23卒生がまだまだコロナ禍が続く旅行業界の就活を成功させたいなら、本格的な就活シーズンを迎えて出遅れる前に、就活エージェントなどのプロを味方につけることをオススメします。

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この記事の監修者

監修者:廣瀬舞

廣瀬 舞

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

大学卒業後、教育機関を経て入社。7年間、キャリアカウンセラーとして新卒・中途・既卒求職者の就職を支援し、これまでに4000名以上の求職者を担当し内定まで導いている。女性ならではの親切丁寧な対応が定評を呼んでおり信頼度が厚い。

就活支援の得意分野は「面接対策」。特に現代ならではの動画面接、オンライン面接の対策実績は1000社以上、2000名以上を支援してきた実績がある。

また、これらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している

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