【例文あり】内定を断る理由を聞かれたら?トラブルを避け適切に答えるコツ教えます!

 2022年5月31日

せっかくもらった内定だけれど、やっぱり断りたいと思うことあると思います。しかし断る際には企業側に内定を断る理由を伝える必要がありますが、ちゃんと理由を伝えられそうですか?

キャリアプランナー 平崎

就活生 Bさん

いいえ、断りたいと思いつつも内定を断るのに理由を述べなくてはならないと考えると、どうも連絡しづらくて…。やっぱり内定を断るうえでは理由が必要ですか?

わかりました、今回はそんな悩めるあなたのために「内定を断るうえで理由を述べるべきかどうか」について解説していきましょう。真相を知ることで、取るべき正しい対処をしてください。

キャリアプランナー 平崎

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そもそも内定を断る理由は必要なのか?

そもそも内定を断る理由は必要なのか?

結論から申し上げますと、基本的には内定を断る際に自ら理由を伝える必要性は特にないです。内定は一種の労働契約ではありますが、入社日の2週間前までに申し出れば解除できると民法で定められています。それに職業選択の自由は憲法で保障された権利ですから、どの企業を選びどの企業を断ろうと本人の自由であり、そこに理由の説明も先方の同意も必要としません。

つまり内定を断るなら法律上は、入社予定日の2週間前までに「辞退する」という旨が先方へ伝わってさえいれば問題ないわけです。ただし「内定を断る」と伝えると、たいていの企業はその理由を聞いてきます。何と言っても企業はその就活生に入社してほしいからこそ内定を出したのですし、理由によっては企業側が改善を行い、妥協点を見いだせるかもしれないと考えるためです。

また今後の採用活動に向けた参考のために、就活生が自社の内定を断る理由を知りたいという企業もあります。法律上は内定を断る理由を説明する義務はないものの、先方の方から聞かれれば、それに答えないというわけにもいかないです。

そこで「言う必要はない」などと自分の権利を振りかざせば、相手ともめて非常に後味の悪い結末になり、今後の就活や社会人生活に向けた気分が盛り下がってしまうでしょう。これまでの内定を断る就活生の中には、その企業に何かしらの不満を感じて他社を希望する人もいるかもしれませんが、そうした本音をぶちまけた場合も同様です。

ですから内定を断る理由を聞かれたら、気持ちよくその企業との関係を終わらせるような回答をできるように用意しておく必要があります。しかし就活生に内定を断る理由を説明する義務がないことは企業の方も知っていますから、それほど詳しく本音を語る必要はないです。内定を断る理由を伝えるときは、相手の気分を害したりアレコレ突っ込まれたりしないように当たり障りなく、要点だけをシンプルに答えるようにしてください。

内定を断る理由おすすめ4選

内定を断る理由おすすめ4選

先程も述べたように内定を断る理由は、先方から聞かれたら簡単に答えるだけでOKです。しかし簡単に答えると言っても、何だか難しく感じる就活生もいますよね。余計なことを言って先方の怒りを買い、もめるのもイヤですし、かといって柔らかく伝え過ぎ、もう決まっている気持ちを変えようと説得されるのも面倒です。

一体どんな理由だったら、先方の感情を逆なでしたりしつこく引き止められたりせずに、あっさり納得してもらえるのでしょうか。ここからは内定を断る理由として納得してもらいやすい言い回しを4つ、例文を交えて紹介します。

より志望度の高い企業から内定が出た

内定を断る理由として一番ストレートで自然なのは、「より志望度の高い企業から内定が出た」と述べることです。他に入りたい企業があるなら、引き止めても仕方がないと諦めてもらえるでしょう。ただし、たとえそれが真実であっても決して「もともと御社は第二志望だった」「滑り止めだった」などと言ってはいけません。

その企業の選考の中では、さんざん「御社に入りたい」とアピールしてきたはずです。それなのに初めから志望度が低かったと今さら述べたら、「これまでの話は嘘だったのか?」「だったら他の学生に内定を出したのに」などと余計な怒りを買ってしまいます。「別の企業から内定をいただいた」と言えば、他社に入社したいという意思は十分伝わりますので、もっと柔らかい言い回しにしてください。

【例文】内定を断る理由を聞かれたら…

「実は同時に選考を進めていた他社様からも内定をいただきまして、最後まで悩んだ末、そちらの企業への入社を決めました。せっかく内定をいただきましたのにこのような結果となり、誠に申し訳ございません。」

希望の職種ではなかった

内定を断る理由としては、その企業から提示された配属先が、自分の希望する職種ではなかったと述べるのも妥当です。新卒採用の場合、大抵の企業は入社後の部署や職種を指定せずに一括で新入社員を募集するため、自分の希望とは程遠い部署に回されるということはよくあります。

「ここでは自分のやりたい仕事ができない」「自分のやりたい仕事ができる企業に就職したい」というのは、内定を断ることを角を立てずに納得してもらいやすい理由となるでしょう。ただし提示された配属先が希望に合わないという理由を言えるのは、配属先が既に明らかになっているか、希望に沿った配属が難しいと言われていることが前提となります。

【例文】内定を断る理由を聞かれたら…

「先日配属先を伺ったところ、残念ながら私の希望していた職種ではありませんでした。御社の内定をいただけたことは大変光栄でしたが、やはり元来の夢を諦めきれず、希望の職種での就職を目指すことにいたします。」

志望業界・志望条件が変わった

就活を続けるうちに、自分の志望業界・志望条件が変わってしまったというのも、内定を断る理由としては悪くないです。新卒の学生は就活自体が初めての経験ですから、自分が働くことや仕事に対するイメージが漠然としていて、はっきりと固まっていません。

長い就活期間の中で様々な企業を見ていくうちに、だんだんとそれらが見えてきて、志望の方向性が変わってくることはよくあります。それを責めても仕方のないことなので、素直にそう答えても問題ないでしょう。

【例文】内定を断る理由を聞かれたら…

「当初は○○を軸に志望していたのですが、就職活動を通してさまざまな企業のお話を聞いていく中で、自分には△△の方が向いていると感じるようになりました。せっかく選考にお時間を割いていただきましたのに、誠に申し訳ございません。」

自分に合っていないと感じた

内定を断る理由としては、その企業が「自分に合っていないと感じた」というのもよくあります。内定をもらった後に企業を訪問したり深く関わったりするようになり、実情を知って「この企業で働いていく自信がない」「やっぱり合わないかも」と感じることは珍しくないです。

ただし「社風が合わない」などとストレートに答えるのは、あまり良くありません。その企業の社風を否定していると思われると、余計に感情を逆なでしてしまいます。そういう時は「自分には適性がないと感じた」という言い方にすれば、内定を断る旨を角を立てずに伝えられるでしょう。

【例文】内定を断る理由を聞かれたら…

「御社への入社を希望し選考に参加したのですが、その後自分の適性について慎重に考え直した結果、こちらで働くことは難しいと感じるようになりました。せっかく内定をいただきましたのにこのような結論になり、誠に申し訳ございません。」

内定を断る理由としてNGなもの

内定を断る理由としてNGなもの

ここまでは内定を断る理由として適切な例を挙げてきましたが、そのどれにも当てはまらないと感じた就活生もいますよね。内定を断る状況は一人一人違いますので、他人の言葉をそのまま借りるよりも、自分の事情に合わせて自分の言葉で語った方が誠意は伝わるでしょう。

ただし下手なことを言うと反って相手の感情を逆なでし、トラブルとなる恐れもあるので注意が必要です。ここからは内定を断る理由として不適切と思われるNG例を紹介しますので、覚えておいてください。

給料が低いからなどといった条件面に対する不満

内定を断る理由を述べる際は基本的に、その企業の雇用環境・雇用条件に対する不満を口にするのはNGです。たとえば「給料が低い」「社風が気に入らない」「残業が多い」「転勤がある」など、内定を断る理由として相手企業の欠点を挙げるのは失礼に当たります。誰だって、自分の所属するチームのことを悪く言われるのは気分の良いものではないですし、その会社の人たちは入社からこれまでその条件のもとで働いてきたわけです。

人によっては、社会人経験のない若者がそれに不平不満を言うことに対して生意気だと感じたり、馬鹿にされたというような憤りを感じたりするかもしれません。例えて言うなら、部活に勧誘した新入生が断る際に、自分の所属するクラブのことをけなすようなものです。言えば無駄に先方の感情を刺激し、トラブルにつながる恐れがあります。

直接的にその会社の気に入らない部分に文句を言うのでなくても、内定を断る理由として「他社の方が条件が良い」などと述べるのも同様に失礼です。たとえそれが自分の本音だとしても、社会人の礼儀として口に出すべきでないこともあります。

新卒の学生はこれから社会へ出ていくわけですから、そういう時は失礼にならないよう、別の理由を考えてください。

口コミサイトを鵜呑みにした内容

内定を断る理由としては、ネットの口コミサイトなどで見聞きした悪い評判を挙げるのもNGです。内定を断ろうと思い始めたきっかけが何にせよ、自分で確かめたわけでもない不確実な批判を理由にしてはいけません。口コミサイトなどでの悪評が正確な情報とは限らないのに、それを理由に内定を断られるなんて、先方としては納得いかないはずです。

それに企業は自社のイメージを大切にしているため、先方としても就活生にブラック企業のように思われたまま、「はい、そうですか」と引き下がるわけにはいかなくなります。ですからそんなことを言えば必ず、その悪評を否定するために企業側から反論を受けることになり、なぜ決断する前に確認してこなかったんだという話にもなるでしょう。

そうなれば内定を断るという話がそこで終わらずに長引き、長引けば長引くほど問題が大きくなって、トラブルへと発展してしまう可能性も高くなります。入社する気のない企業とはいえ、世間は広いようで案外狭いので、社会に出ればその企業ともどのような形で関わることになるか分からないです。

その企業の同業他社や関連業界に入社することにでもなれば、仕事の上で関わることも十分あり得ますから、現段階でトラブルの種をまくことは避けてください。内定を断る理由は、相手企業を批判するようなネガティブな内容ではなくて、あくまでも自分の都合というスタンスを取るべきです。

断る理由以外に守るべき辞退マナー

断る理由以外に守るべき辞退マナー

ここまでは、内定を断る理由において守るべきマナーについて述べてきました。基本的に自分の都合による内定辞退である旨を述べ、相手企業を批判するような内容は避けましょう。

しかし内定を辞退する際に失礼な印象を与えるのは、断る理由だけとは限りません。ここからは無用なトラブルを避けるために、断る理由以外の守るべき辞退マナーについて紹介します。

断る際は誠意をもって!謝罪も忘れずに

内定を断る際には誠意ある対応を心がけ、相手企業に対する感謝や謝罪の言葉も不可欠です。内定を断ること自体は就活生が持つ当然の権利とはいえ、元はと言えば自分がその企業に入ることを希望していたわけですし、先方はその選考に手間とコストをかけています。自分が内定を断ることによってその全てが無駄になるばかりか、先方は再募集などを行うことになり、更なる手間とコストがかかるということを忘れてはいけません。

間違ったことをしているわけでなくても、相手の事情に配慮して失礼のないよう注意するとともに、謝罪の言葉を述べるのが礼儀というものです。辞退の連絡が遅くなればなるほど相手企業は再募集が難しくなりますので、内定を断ると決めたら、電話かメールでなるべく早く辞退の連絡をしましょう。

その際は自分のことを評価してくれた企業でもありますから、まず初めに内定をいただいたことに対する感謝を述べるべきです。それから「申し訳ありませんが」などと丁寧に前置きしたうえで、内定辞退の連絡である旨を伝えます。

そして最後に、せっかく内定をいただいたにもかかわらず、それを断ることに対する謝罪の言葉も忘れずに述べてください。

内定承諾後の場合はマナーを守った辞退の連絡を

すでに内定承諾の意思を伝えた後に断る場合には、なおさら誠心誠意マナーを守った、丁寧な内定辞退の連絡が必須です。一度は内定承諾の意思を伝えたのに内定を断るということは、法的には問題なくても、自分が企業と交わした約束を破ることに他なりません。

それに内定承諾後に断る場合には選考にかかった手間やコストが無駄になるだけでなく、すでに入社へ向けた準備が始められていて、相手企業にかかる迷惑が大きくなります。その分、内定を断ると伝えた際の先方の抵抗や怒りも大きくなるわけです。そのため内定承諾後に辞退する場合は、なおさらマナーに則った丁寧で誠意ある対応が不可欠となります。

具体的には、内定承諾後の辞退の際は「電話」→「メール」→「手紙」と、三度にわたり重ねて謝罪を行うのが一般的なマナーです。まずは可能な限り早く相手に断る意向を伝えるとともに、「申し訳ない」という気持ちが直に伝わるように、電話で内定辞退の連絡を入れましょう。

しかし電話の場合は記録が残らないので、電話の後にメールでも同じく内定への感謝と断る旨、謝罪の気持ちを伝えます。加えて、手紙で謝罪文を提出すると一層誠実に対応している印象を与え、先方の怒りを鎮めるのに効果的です。

同じ内容で何度も連絡するのは面倒と感じるかもしれませんが、少し手をかけるだけで先方の印象はずいぶん違ってきます。トラブルを防いで気持ちよく次のステップへ進むために、ここは手を抜かないようにしてください。

時間や言葉使い、ビジネスマナーも守る

内定を断る際には、連絡する時間や言葉遣い、メールや手紙の書式など、基本的なビジネスマナーを守ることも大切です。せっかく謝罪の気持ちを伝えても、基本的なマナーができていなければ失礼な印象を与えてしまって、余計に相手を怒らせてしまいます。無駄な怒りを買わないために、正しい敬語・言葉遣いに気を付けるとともに、その他の基本的なビジネスマナーも守らなければなりません。

たとえば電話で内定を断る際には、連絡を入れる時間帯に注意が必要です。先方の就業時間内(9:00~18:00が一般的)に連絡することはもちろん、始業直後や終業直前、昼休みの時間帯は避けます。

またメールで内定を断る場合は、すぐに気づいてもらえるよう「内定辞退のご連絡(氏名)」などの分かりやすい件名をつけ、宛名→本文→署名の書式を守りましょう。本文中は「お世話になっております」などで始まり、内定への感謝・辞退の旨・謝罪を述べた後に、「貴社ますますのご発展をお祈り申し上げます」といった結びの挨拶も必須です。

手紙で謝罪文を送る際は、拝啓→本文→敬具という正しい書式を守るとともに、適切な時候の挨拶と結びの挨拶も忘れずに入れます。詳しくは下記のコラムで例文を紹介していますので、参考にしてください。

【内定者必見】内定承諾後に辞退は可能!円満に辞退するコツ

おわりに

内定辞退の際に断る理由を述べる必要性はありませんが、聞かれることも多いので、その場で慌てないようきちんと考えておきましょう。入社するつもりのない企業とはいえ、内定辞退が余計なトラブルを招かないように、断る理由にも相手企業への配慮が必要です。理由の説明は概要だけで構いませんが、相手企業を批判するようなネガティブな理由は避け、あくまで自分の都合で内定を断るというスタンスにします。

失礼のないよう正しいビジネスマナーを守り、誠意をもって内定への感謝や謝罪を伝えることも大切です。そうした気遣いが何だか難しそうだと感じる就活生には、就活エージェントなどのプロに頼ることをオススメします。就活エージェントなら内定辞退の経験も豊富ですから、どのように断るのが適切かアドバイスをしてくれますし、万一のトラブルの際にも頼りになるはずです。

キャリchでも、就活生のさまざまな悩みに対応するための無料イベント「就活相談サポート」を開催していますので、ぜひ活用してください。相談内容は「内定を断る理由をうまく説明できる自信がない」でも「実際トラブルになりそうで困っている」でも、就活に関することなら何でもOKです。プロのキャリアプランナーが、マンツーマンで悩める就活生の相談に乗り、問題の解決に当たります。

それだけでなくキャリchに相談してもらえれば、今後の就活ではプロのキャリアプランナーが企業と学生の間に入りますので、そうしたトラブルの心配はなくなるのです。実際に入社できる企業は1社だけですから、今後も就活を続けるのなら、どうしたって内定を断る場面が何度も出てきます。

しかし、それを恐れて躊躇していては納得のいく形で就活を終えられません。自分の代わりに面倒を引き受けてくれる就活エージェントを味方につけ、納得の内定を得ることだけに集中できる環境にするべきです。

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この記事の監修者

監修者:平崎泰典

平崎 泰典

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。

主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。

就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。

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