面接で褒められるのになぜ落ちる…?手ごたえを感じた面接で落ちる理由とは

 2022年4月28日

「面接でめちゃくちゃ褒められたにもかかわらず、なぜか結果は不合格」そんな経験ありませんか?

23卒の場合すでに面接が始まっている人も、まだ始まっていない人もいると思いますが、実は面接では「褒められたのに落ちる」という不思議な現象がときどき起こります。普通に考えると、「褒められる」=「好印象」ということですから、当然その面接には合格しそうなものです。それなのに一体なぜ、「褒められる」から「落ちる」という結果につながるのでしょうか。

面接で褒められたのに落ちると、なぜ褒められ、なぜ落ちたか腑に落ちないモヤモヤした気持ちが残ります。そしてどうアピールしていくのが正解か分からなくなり、面接対策のやり方に迷ったり、自分自身に対する自信を失ってしまったりする人が多いです。そんな気持ちを抱えたままでは、今後の就活も上手くいくとは思えませんよね。

今後の面接に迷いなく全力を注ぐためには、その原因を解明し、スッキリしておく必要があります。それにもし、好印象を持たれたのにあと一歩のところで合格に届かなかったのだとしたら、その一歩を埋めるための手だてが必要です。

そこでこのコラムでは、面接で褒められたのに落ちる原因とその前兆となるサイン、合格へとつなげる秘策などについて解説します。今後の就活に集中するためにも、面接官のサインを正しく読み取り、確実に合格をつかみ取れるようになりましょう!

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面接で褒められたのに落ちるのはなぜ?

面接で褒められたのに落ちるのはなぜ?

冒頭で述べたように、就活では面接でさんざん褒められたにもかかわらず結果として落ちるという、不思議な現象がときどき起こります。もちろん褒められるのは相手の好意を示すジェスチャーであり、不合格サインではないですが、褒められるのに落ちるケースも決して珍しくはないのです。しかし面接でさんざん褒められたのに落ちると、好印象を得られたと思って合格への期待が高まる分ショックが大きいですし、納得のいかない気持ちも残りますよね。

一体なぜ企業はそんな風に、思わせぶりな態度を取るのでしょう。それとも好印象を得られたにもかかわらず、あと一歩のところだったのでしょうか?

コラムの初めにまずは、面接で褒められるのに落ちるパターンについて解説します。モヤモヤを抱えたままだと面接の方針にも迷いが出て、今後の就活に悪影響を及ぼしかねません。褒められるのに落ちる原因を知り、スッキリさせておいてください。

学生の回答に準備不足が露呈したため

褒められるのに落ちる原因の1つは、面接の場では気づかなかった学生の良くない部分が、後々の検討過程で露呈するパターンです。面接では良い部分にばかり気を取られていたから褒めたのだけれど、のちのち冷静になって再評価してみると、自社とは合わないと思われる部分に気づくことがあります。それは例えるなら、買い物の際の”衝動買い”と似たようなものです。就活生の皆さんも、その場ではすごく気に入って購入したのに、家に帰って冷静にそれを振り返ると全然良い買い物には思えず、後悔した経験が1度や2度はあると思います。

おまけや割引など他のメリットに気を取られていたり、買い物を早く終わらせたいという思いや店員との会話に流されたりして、自分にとって重要なポイントを見逃したわけです。それと同様、面接官も人間ですから、いつでも冷静な判断ができるとは限りません。故意に思わせぶりな態度を取ったのではなく、面接の場では学生の欠点に気づかないまま、良い部分ばかりを見て心から褒めている時もあります。

ところが面接の合否を決めるのは、面接官がその場で感じる心象だけではないです。状況によっては即決即断するケースもなくはないですが、大抵は面接の場である程度の評価をした後、他の要素を加味して回答の内容を振り返り、慎重に選考が進められます。そして面接後の再検討過程で、学生の回答の中に矛盾や粗さ、自社にフィットするとは思えない発言が含まれていることに気づき、のちのち評価が覆る場合もあるのです。

その場合、少なくとも部分的には評価を得られる回答ができたわけですから、あと一歩で合格という”惜しい”ところまできていたと考えられます。もう少し念入りに対策し、全ての回答の質を上げられていたら、きっと面接を通過できたはずです。

どの学生に対しても褒めているだけ

面接で褒められるのに落ちるケースには、学生の回答から面接官自身がどんな印象を抱いたかに関係なく、どの学生に対しても一様に褒めているだけという場合もあります。簡単に言えば、本音と建て前は別物だということです。表面的には学生のことをべた褒めしていても、それが必ずしも本心とは限らず、実際は頭の中で「イマイチだな」などと感じているかもしれません。面接官は、実際にその就活生をどう思っているかという本音を隠すために就活生を褒め、あたかも好印象を持っているかのような態度で誰にでも接していると言えます。

ただし当然ながら、そんなことをするのは何も悪気があってのことではないです。面接官は就活生の緊張を解きほぐし、もっと心を開いてもらって、就活生の人柄をよく見極めたいために”褒める”という形で好意的な態度を示しています。面接には自分の将来がかかっていますから、就活生は誰でも緊張して身構え、面接官の顔色をうかがってしまうものです。

そんな殻に閉じこもったような防御体勢のままでは、就活生の本音が引き出せず、人柄をきちんと見極めにくくなります。そのうえ、もし面接官が就活生の回答を「イマイチだな」と感じたとして、その思いが顔や態度にありありと表れていたら、なおさら就活生を委縮させてしまうはずです。

人によってはどうにか挽回しようと焦り、何を話せばいいか分からなくなったり、言いたいことが言えなくなったりする就活生もいます。そんな風にならずに円滑に面接を進めていくためにも、面接官は褒めることによって就活生に自信を持たせ、言いたいことを自由に言いやすい雰囲気を作ろうとしているわけです。

企業イメージを悪くしないようにしている

企業側が自社のイメージを悪くしたくないと考え、不合格による衝撃を和らげようと就活生を気遣ったことで、結果として「褒められたのに落ちた」と見えることもあります。恋愛で言えば、「いい人だけど」「カッコイイ(可愛い)けど」などと好意的な前置きをしたうえで、「でもお付き合いはできません」と断られるようなものです。そういう場合、その人にとっての恋愛基準は、「いい人」「カッコイイ(可愛い)」といったこととは別のところにあります。

前置きとして述べられている好意的な言葉は、その後の断りの文句による衝撃を和らげようとしている社交辞令に過ぎません。面接もそれと同様、就活生のことを褒めてはいても、合否基準とは関係ない社交辞令であって、実際には不合格による衝撃を和らげようとしているだけという場合があります。面接官がそんなことをする理由は、不合格を出されたことによって、就活生に自社に対する悪感情を持たれたくないからです。

世の中には、この企業で働きたいという自分の思いが通じなかったことに腹を立て、SNSなどに会社に対する恨みつらみを書き連ねる就活生もいます。面接官としては「この就活生には採用する価値がないな」と思っても、それを表に出すことで逆恨みされ、ネット上にあることないこと悪口を言いふらされて、自社のイメージを損なうのが怖いわけです。

それに就活生は、選考対象である前に一人の消費者であり、そのうち社会に出て一人の会社員になります。今後も自社の商品やサービスを利用したり取引先として仕事で絡んだりする可能性があることを思えば、不合格を出すにせよ少しでも良い印象を残しておきたいのです。

褒めているけど落ちてしまうサインは?

ここまで述べてきたように、就活では面接官に褒められても、残念ながら結果として面接に落ちる場合があります。褒められているからといって、それが必ずしも合格のサインとは限らないわけです。しかし褒められるのは一般的に好意の証ですから、合格への期待を持つ分、落ちた時のショックも大きくなりますよね。

できれば、そうした紛らわしいサインを見分け、心の準備と挽回の努力をしたいところです。そこでここからは、褒められているけど落ちてしまう場合のサインについて解説します。面接官の意図を正しく読み取り、”期待はずれ”を失くしましょう。

褒めてるけど、目が合わない

褒められているのに面接官と目が合わない、視線をそらされていると感じる場合には、結果として落ちる場合が多いです。その褒め言葉は本心から出たものではなく、口先だけで、心がこもっていない可能性があります。人は心から相手を褒めるとき、大抵は驚きや喜び、憧れ、好意などの感情を伴い、それらのこもった眼差しで相手を見つめるものです。

それはこれまでの学校生活で誰かから褒められる場面、あるいは自分が誰かを褒める時にどうするか考えれば、何となく想像がつくと思います。思ったより成績が伸びたといった時には、親や先生はあなたの目を見て「よくやった」と褒めてくれるはずですし、あなたが相手の服装や髪形を本当にオシャレだと思ったときは、相手の目を見てその気持ちを伝えるはずです。

逆に、本当はそう思っていないけど社交辞令で相手を褒めるときは、何となく嘘を吐くみたいで気が咎め、無意識に視線をそらすのではないでしょうか。その褒め言葉が自分の感情から自然に生まれるものでなく作りものであるために、嘘を吐く時と同様、瞳の奥にある本心を見透かされないよう警戒するわけです。

あるいは、そもそも口先だけなのでその褒め言葉は自分にとってどうでもよく、相手がどう受け取るかも大して気にしていない場合もあります。驚きや喜び、憧れ、好意といった感情を伝える気がない、相手とそれを分かち合おうという気がないために、褒めた相手とは関係ないところに気を取られ、そちらを見ているのです。自然な感情表現として本心から褒めているわけではない面接官の心理も、それらと似ています。

本心を見透かされないようにしているか、または感情のこもらないどうでもいい言葉であるために、褒めている相手の就活生と視線が合いません。もちろん様々なシチュエーションがあるので一概に断定はできませんが、褒められているのに面接官と視線が合わない場合は、落ちるサインかもしれないと覚えておいてください。

褒めてるけど、面接時間が短い

褒められるのに落ちる前兆としては、褒めている割に面接時間が短いという特徴があります。企業の事情やどの面接段階かにもよりますが、平均的な面接時間は30分~1時間程度です。そして一般的には、その面接に合格するときほど面接時間は長めになる傾向があります。その理由は、面接官がその就活生に興味をそそられているとき、つまり自社に迎え入れるべき人材かもしれないと思っているときには、人柄をもっとよく見極めるために追加の質問が多くなるからです。

逆に面接官がその就活生に対する興味を失った場合、つまり合格の可能性はないと判断した場合には、それ以上聞きたいことはないので、早々に面接を切り上げる傾向があります。入社させる可能性がない就活生に無駄な時間を費やすくらいなら、さっさと終わらせて、そのぶん入社の可能性がある他の就活生の面接に多くの時間をかけたいわけです。面接官は限られた時間の中で、来年入社させる優秀な人材を効率よく発掘したいのですから、それに該当しない人の面接を早く終わらせようとするのは当然のことと言えます。

ですから、褒められた割に平均的な面接時間より短時間で面接が終了した場合、その褒め言葉は社交辞令だった可能性が高いです。言葉の上では褒められていても、内心ではすでに「不合格だからこれ以上時間をかける必要はない」と判断されていて、落ちる可能性が高いと覚悟しておくべきでしょう。

しかし前述のように、通常は面接官がその場で感じる心象だけでなく、面接後に質疑応答の内容を振り返って他の候補者と比較検討する企業が多いです。それなのに面接の最中に不合格を決断させたということは、質疑応答の中で「他の候補者と比べるまでもなく採用の可能性はゼロ」と思わせるほど、よほど致命的な失敗をしたと考えられます。残念ながらそのサインに気づいても後から打つ手はありませんから、そんな風に思われないよう、事前にしっかりと準備して面接に挑むべきです。

褒めてるけど、メモなどを取らない

褒められてはいるのだけど、自分の回答に対して面接官がメモを取っている節がない場合には、落ちるサインかもしれません。面接官は大抵の場合、就活生の回答を聞きながら次に聞くべき質問を考え、メモを取ります。いま就活生が回答している話の中に、より詳しく自社との相性を見極められそうなポイントを見つけ、次の質問で深く掘り下げようとしているためです。また、面接官は就活生の回答を聞きながら、面接後に振り返って比較検討するのに必要となる良い情報や良い印象=本心から褒めた部分などもメモします。

それを本心から褒めた良いメモだと言い切れる理由は、落ちる方に傾いたマイナス評価ならわざわざ言葉を書き記すまでもなく、斜線を引くといった一瞬の仕草で終わるからです。つまり一般的には、面接官がその就活生の回答に強い興味をそそられていればいるほど、書き込むメモの量が多くなります。逆に、自分が回答している最中に面接官がメモを取っていないということは、その回答によって面接官の興味を引きつけられていない可能性が高いです。

言葉の上では褒めていても、その回答には採用か不採用かを考える面接官にとって掘り下げるべき重要な要素がなく、後で振り返るべき比較要素もないのだと思われます。少なくともその回答には、メモに値するような特筆すべき中身がなかった、ESに記載した以上の期待値を面接官に何も与えられなかったということです。

どの質問に対してもメモを取らない状況が続けば、深堀する追加質問もされず、それに伴う加点も得られないまま短時間で面接が終了します。表面上は褒められていても悪感情を抱かせないための社交辞令で、実際には後で他の就活生と比較検討された際に勝ち目がなく、結果的に落ちる可能性が高いと言えるでしょう。

褒めてるけど、仕事に関係のない話が多い

褒められている部分や会話の内容が、その企業の仕事に対する能力・相性と無関係な話ばかりといった場合には、落ちるサインであることが多いです。他にも、褒めてはいるけど実際の仕事内容や入社に関する話はそらされる、褒めてはいるけど入社を想定した話はしないといった場合には、落ちる可能性が高いと考えられます。たとえ面接官から何かしらの点において褒められても、それが仕事や企業との相性を左右しない能力の話であれば、採用選考には少しも有利になりません。

つまりその褒められている話題は、選考とは全く関係のない世間話なのです。褒められていても、それが必ずしも好評価を得られた証とは限らないので注意してください。面接官は就活生の心を開かせ、人柄を見極めやすくするために、そのような選考の評価とは無関係の世間話を挟むことがあります。ただし面接はあくまで自社で働いてくれる人材を見つける場ですから、多少の世間話を挟んだとしても、最終的には仕事に関わる話や入社を想定した話が多くなるものです。

それなのに、世間話ばかりで具体的な仕事内容や入社後の話が少ないのは、面接官の中でその就活生はすでに選考対象から外れているからだと考えられます。しかしあからさまに興味のない顔をし、余りにもさっさと面接を切り上げると、就活生に与える印象が良くないです。

「あの会社はろくに面接もしてくれなかった」「きっと学歴やコネで決まる出来レースなんだ」といった誤解を与え、それをSNSなどで拡散される恐れがあります。そこで面接官は、たわいない世間話で場をつなぎ、当たり障りなくやり過ごそうとしているわけです。特に、あえて仕事や入社後の話題を避けているように見える場合は、落とすつもりの人物に余計な社内情報を与えたくないと考えている可能性があります。

褒めてるけど、逆質問をさせてもらえない

面接官に褒められたけれど、そのまま話が終わり、逆質問をさせてもらえないうちに面接が終了してしまった場合にも、その面接には落ちる可能性が高いです。逆質問は、就活生に自社への理解を深めてもらう機会であると同時に、面接官が就活生のことをより深く知る最後のチャンスでもあります。逆質問は面接官の方から提供された話題に答える形ではなく、就活生の側が話題を考えるので、そこに就活生の個性や価値観が色濃く反映されているはずです。勤務体制について質問する就活生は、入社後の勤務状況を重視していると考えられますし、キャリアアップについて質問する就活生は、成長意欲・上昇志向の強い人だと考えられます。

そのため逆質問を受け付ければ、これまでの質疑応答の中では見えなかった部分が見えてくる可能性があるわけです。それなのに、そんな貴重なチャンスを棒に振れば、それ以上自社への理解も深めてもらえませんし、就活生への理解を深めることもできません。つまり逆質問の機会を与えないのは、その就活生に自社への理解を深めてもらいたいと思っていないし、就活生に対する理解を深める必要性も感じない=それ以上選考を進めるつもりがない=合格させるつもりがないと考えられます。

もちろん企業には色々な事情や考え方があるので、逆質問の機会がないからと言って、一概に落ちるとも言い切れないです。企業や面接段階によっては専任の人事担当者でなく、他の仕事を抱えている社員・役員が、忙しい合間を縫って面接している場合もあります。

それまでの質疑応答だけでも面接時間が大幅にオーバーしているうえ、その後に遅れるわけにはいかない重要な予定が控えている時には、泣く泣く逆質問の時間を省略せざるを得ないこともあるでしょう。しかし逆質問を受け付ける時間がない風にも見えないし、次回の面接も含めてその代わりとなるやり取りについて何の言及もないまま、ただ褒められて面接が終わった場合には、合格させるつもりがなく、落ちる可能性が高いと覚悟しておくべきです。

「褒め」から合格に繋げるための秘訣

「褒め」から合格に繋げるための秘訣

就活生の側から見ると褒められるのに落ちるなんてとても不思議なことに思えますが、就活の面接ではそれも、決して珍しいことではありません。しかもこれまで述べてきたように、褒められるのに落ちるパターンにも様々なバリエーションがあります。

部分的には評価を得られたのにあと一歩で合格に届かなかった場合もあれば、全然興味を引けていない場合もありますし、対応次第で挽回の余地がある場合もあれば、すでに手遅れという場合もあるわけです。しかしいずれにせよ、面接官に褒められれば就活生は合格を期待してしまいますから、落ちた時のショックは大きくなります。

そんな悲しい思いをせず、確実に合格を勝ち取るにはどうしたらよいのでしょうか。ここからは、褒め言葉を合格につなげるための秘策について紹介していきます。

面接官が掘り下げたくなる回答を用意する

褒め言葉を確実に合格へと結びつけるためには、面接官がもっと掘り下げたくなる質の高い回答を用意してください。面接に合格するには、面接後に内容を振り返って他の候補者と比較された際、負けないような良い情報・良い印象をできるだけ多く面接官に与えておく必要があります。それにはまず聞かれた質問に対する回答で面接官の興味を引きつけ、それをもっと掘り下げたい=あなたのことをもっとよく知りたいと思わせなければなりません。

そのように思わせることができ、深掘りする質問の回数が多くなればなるほど、面接官のメモ用紙はあなたに関する良い情報・心から褒めた良い印象についての書き込みでいっぱいになっていきます。それと同時に、面接時間が伸びて面接官との会話が増える分、面接官にはあなたを心から褒めた時の良い印象を鮮明な記憶として残せるはずです。そして面接後に他の候補者と比較したとき、それらの良いメモと本心で褒めた記憶が多ければ多いほど、勝ち抜ける可能性が高まります。

逆にそれができていないと深掘りする質問は少なく、面接時間も短くなって、あなたに対する良いメモも記憶もない→他の候補者に競り負け面接に落ちるというわけです。ですからまずは、面接官に「もっと掘り下げて聞きたい」と思ってもらえるような、興味を引く回答を用意しましょう。面接官の興味を引き付ける回答とは、自分がその企業で必要とされる能力や人柄を持っていることを示し、求める人物像に当てはまる人材だとにおわせる回答です。

そういう回答をすれば、面接官は心からその就活生を褒めると同時に、本当に自社の求める人物像に当てはまるのか確認しようとし、自然とその回答で述べられた中身を掘り下げようとします。それによって就活生に対する良いメモと心から褒めた記憶が増え、面接を勝ち抜ける可能性が高まるのです。

そのためには当然それ以前に、しっかりと企業研究して企業理解を深め、その企業が求めている人物像を正確に把握しておくことが大前提となります。そのうえで面接では、自分の持っている能力や人柄の中から、その企業が喜ぶもの・必要としているものに焦点を当てた回答をし、自分こそ企業の求める人物像に近い人材だとアピールすることが大切です。

褒められた後も印象の良い姿を残せるように意識する

面接官の褒め言葉を確実に合格へと結びつけるためには、褒められた後も気を抜かず、最後まで印象の良い姿を見せるよう意識して、高評価を得る努力を続けましょう。面接に合格するには、社交辞令や方便でなく、高評価をともなう本気の褒め言葉を勝ち取らないと意味がないです。前述のように面接官から褒められても、それが本気の褒め言葉とは限りません。どの就活生に対しても述べられる社交辞令だったり、企業イメージを損ねたくないがための方便だったりと、口では褒めていても実際には評価が低い場合があります。

それに気づかず、社交辞令や方便の褒め言葉で油断してしまえば、その後の質問で挽回することが不可能です。それどころか社交辞令や方便で褒められた部分を、面接官の評価を上げられる狙い目だと勘違いし、見当違いな方向性でアピールを続けてしてしまう危険性もあります。そうなれば自分に対する面接官の興味を引きつけられないばかりか、なおさら評価を下げ、確実に落ちる結果となるでしょう。

そんな風にならないためには、本気かどうか定かでない面接官の褒め言葉にいちいち振り回されてはダメです。事前にしっかり企業研究を行ってその企業で求められる人物像を正確に把握し、どんな質問をされても効果的なアピールができるよう、回答方針を固めておいてください。そして面接当日は、最初から最後まで「高い評価をともなう本気の褒め言葉」を狙い続け、どの質問に対しても自分を採用するメリットを全力でアピールするべきです。

1つ1つの質問に率直に答えながらも、その中で自分がいかに企業の求める人物像に近い能力や人柄を持った人物か、相性の良い人物かを語ることが重要になります。ただしそれだけではまだ、面接官の興味を引き付けられたというだけの段階です。面接官は言葉では就活生を褒めながら、頭の中では自身の褒め言葉と同様に、口先だけなら何とでも言えると考えています。

そして「求める人物像に近い」「相性が良い」というその回答を裏付けられる証拠を見つけようと、さらに深く掘り下げるような追加の質問を投げかけてくるはずです。ですから就活生の方は、事前にアピール内容を裏付ける過去のエピソードや能力・人柄を活かした働き方を考えておき、深堀り質問に答えられるよう備える必要があります。その結果として深堀り質問にも適切に答えられて初めて、高評価をともなう面接官からの本気の褒め言葉を引き出すことができ、合格へと一歩近づけるのです。

事前の面接準備が重要!

合格へと結びつける本気の褒め言葉を引き出すためには、事前の面接対策が重要になります。先程も述べたように、面接では自分が志望企業の求める人物像に近く、相性の良い人物だとアピールすることが大切です。ただしそれだけでは不十分で、面接官の深掘り質問に対してアピール内容を裏付ける具体的な証拠を提示し、その信ぴょう性を証明できて初めて合格へと近づくことができます。その証拠となるのが、求められる能力や人柄を確かに持っていると示せる過去のエピソードであり、それらを志望企業での仕事に役立てることを想定した入社後の活躍ビジョンです。

そうしたアピールや裏付けをしっかり面接官に伝えるには、事前に十分な企業研究と自己分析を行ってその素材となる情報を集め、効果的な回答方針を立てるとともに、伝わりやすい適切な回答方法も練習しておく必要があります。要するに、面接当日の回答は事前の面接対策に裏打ちされたものであり、その準備段階を万全に行うことが、高評価をともなう本気の褒め言葉を引き出す秘訣なのです。しかしコロナ禍で就活する23卒生は詳細な企業情報を集めにくい状況ですし、どうすれば効果的にアピールできるのか迷い、面接対策に自信のない就活生もいますよね。

アピール方針は立てられても、上手く回答を組み立てられず、面接力に自信がないという就活生もいるかもしれません。そうした面接への不安を抱える就活生には、就活エージェントに頼ることをオススメします。就活エージェントなら効果的な面接ノウハウを熟知していますし、詳細な企業情報を集めるのも、就活生の向き不向きを見極め、相性の良い企業を探すのもお手の物です。それぞれの企業に対しどうすれば効果的なアピールができるか一緒に考え、回答をまとめるのを手伝うだけでなく、面接練習に付き合い、面接力を上げるための具体的なアドバイスをしてくれます。

就活エージェントが味方についていれば、面接が苦手な人でも効果的なアピールができるようになり、高評価のともなう本気の褒め言葉を引き出せるようになるはずです。キャリchでも、就活生の面接力アップを図る無料オンラインサービス「面接サポート」を開催していますので、ぜひ活用してください。

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おわりに

面接で褒められると高評価を得られたと思い、合格の可能性が高いと期待しがちですが、実際には褒められても落ちることが多々あります。面接官は本気で褒めるとき以外にも、社交辞令や方便で褒め言葉を口にする場合があり、褒められることと高評価とは必ずしもイコールでないのです。たとえば褒められているのに面接官と目が合わない、褒められているのに面接官がメモを取らない、褒められているけど仕事には関係ない雑談ばかりといったときは、面接官の興味を引けておらず、不合格の方向へ判断が傾きつつあります。

また褒められたのに面接時間が短い、褒められたけど逆質問のチャンスをもらえなかったといったときは、残念ながら不合格の可能性が高く、すでに手遅れです。ですから褒められたからといって油断していると、後から落ちたと知らせる不合格通知が届き、余計に落ち込むことになります。

そんな悲しい思いをせず合格につなげるためには、社交辞令でも方便でもない、本気の褒め言葉を引き出さなくてはいけません。そのためには事前の面接対策を万全に行って、面接官の興味を引く回答ができ、深堀り質問にも答えられるよう準備してください。そのうえで、面接当日はどの質問に対しても最初から最後まで、自分がその企業の求める人物像に近い人材だと全力でアピールを続けることが大切です。

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この記事の監修者

監修者:岡田章吾

岡田 章吾

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。

就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。

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