業界を絞れてないけど就活はできる?絞れない時の就活法と絞る際の適正数
2023年3月23日
志望する企業はだいたい絞れてきましたか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Bさん
希望する職種は決まっています。でも業界の決め方がわからなくて。どこにでもあるような職種の場合でも、業界は決めないといけないんですか?
職種が決まっているなら、無理に業界を絞らなくても就活はできますよ!
キャリアプランナー 岡田
就活生 Bさん
そうなんだ。早く相談してみればよかったな。大丈夫なら安心しました!
今回は、業界を絞ってなくても就活できるのかどうかや、絞らない場合の就活法と絞る場合の適性数について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
キャリアプランナー 岡田
業界を絞らずに就活してもいいのか?
まずは志望する業界を絞って、そこからさらに志望する企業を絞っていくというのが、一般的に言われている就活のやり方です。けれども冒頭でもお話ししたように、業界は企業全体としての仕事の種類を区分するもので個人の働き方を限定するものではないため、同じ業界の中に様々な職種が存在します。
これといって憧れの業界がない就活生からすれば、自分のやりたい仕事ができて社風が合うのなら働く上で何ら問題はなく、企業自体の業務形態は何でもいいわけです。果たして一般的に言われているような業界を絞っていく方法を取らなければ、就活できないものなのでしょうか。
まずはコラムの初めに、現在志望業界を絞ってない人が、絞らずに就活してもいいのかという疑問についてお答えしていきます。
業界以外の何かで絞る場合には業界を絞らなくてもOK
結論から言うと、業界以外の別の基準で志望企業を絞っていけるのなら、無理に業界を絞る必要はありません。就活の上でまず業界を絞るというやり方が一般的になっているのは、日本企業の採用活動が職種限定ではなく、企業全体の募集として行われることが多いためです。
企業の中には様々な職種があるのですが、ほとんどの企業では新卒の採用枠を細かく区分しておらず、どの仕事に回されるか分からない状態で採用されます。そのため入社後どうなるか分からない個人の仕事ではなく、企業全体の仕事=業界から志望企業を絞っていくのが、一般的となっているのです。
しかし近年は採用枠をある程度区分する企業も一部ありますし、個人の希望を考慮して採用する企業や、どのような人材を求めているのか開示している企業も増えています。業界から絞っていたのは、あくまで無数にある企業の中から志望企業を絞る(選ぶ)ための手段に過ぎませんので、他の方法で志望企業を絞れるのならそれでも構わないわけです。
たとえば「○○の仕事がしたい」といった就活軸から志望企業を絞る場合は、業界を絞らずに就活軸だけを意識して企業選びをしても、適切に企業を絞っていくことができます。そのように業界以外に何を基準として志望企業を絞るのかが明確で、それに対する自分の就活軸が明確になっているのなら、無理に業界を絞らなくても就活は可能です。
業界を絞らずに説明会に参加するのが不安な人は、「事務系・非営業職 求人紹介イベント」のように職種で求人紹介してもらえる、特化型のイベントに参加するのはいかがでしょうか。キャリアプランナーとの面談のなかで、自分に合った新しい企業に出会えるかもしれませんよ。
業界を絞らないことによるメリットもある
業界を絞らずに企業選びをするというやり方には、就活へのメリットもあります。業界を絞らないことで選択肢が増え、希望する条件に当てはまる企業を見つけやすくなりますし、視野も広がるため自分の可能性を見出しやすいのです。また業界を絞らずに就活することで、様々な業界の仕事や業種、企業などを知ることができます。
その分情報量が増えるため精査するのは大変かもしれませんが、幅広い角度から情報を集めることが可能です。一方特定の業界に強い憧れなどを持っていて志望業界を絞り過ぎてしまう就活生は、視野が狭くなってそれ以外の業界に目を向けられず、企業選びに失敗することが多々あります。
働いたこともない段階で思い描くイメージは現実とは一致しない場合があるのに、思い込みによって一点だけを見ているため、そうした情報に気づくことができないわけです。しかし業界を絞らず広く情報を集めている就活生は、様々な業界の仕事や企業を比較して見ることができますから、良い情報も悪い情報も含めて気付きやすくなります。
業界を絞らずに企業選びをすることで様々な観点から比較検討することができ、最終的にどこが自分に合った企業なのかも、冷静に判断しやすくなるでしょう。
業界を絞らずに就活する際に意識すべきこと
先程は業界を絞らずに就活するメリットについて説明しましたが、もちろんデメリットもないわけではないです。業界から絞っていかないとすると選択肢が無限にあることになりますから、下手をすると企業選びに迷い、就活方針がブレてしまう恐れもあります。
そんなことにならないよう適切に就活を進めていくためには、以下のことに注意しなければなりません。ここからは業界を絞らず就活する場合において意識すべきこと、守らなければいけないことについてご説明します。
業界以外で絞る軸を明確にする
志望業界を絞らずに就活する場合は、業界以外で志望企業を絞る軸を明確にしなければなりません。先程も述べたように業界で絞らないとなると、志望企業の選択肢が無限にあることになり、下手をすると企業選びに迷ってしまう恐れがあります。色々見ているうちにどんな企業に入りたかったのか分からなくなり、誤った企業を選んでしまう危険性があるのです。
そんなことにならないためには、自分が志望企業を絞るための基準が明確で、揺るぎないものになっている必要があります。業界から絞らない場合、主には就活軸から志望企業を絞り込んでいくことになるはずです。
ですから自己分析などを徹底して行い、自分という人間への理解を深めたうえで、就活軸を明確にしておいてください。就活軸は自分が就職先の企業に求める条件ですから、業界以外に就職において何を大事にしたいのか、自分の中でハッキリさせておくことが大切です。
また就活を進める中では、面接などで「あなたの志望業界はどこ?」「志望業界はどのように決めた?」など、志望業界にまつわる質問をされることがあります。そのため自信を持って「業界ではなく就活軸から選びました」と答えられるよう、自分の就活軸が明確で、しっかりとした考えに基づいたものだと説明できるようにしておきましょう。
自分の就活の軸を明確にして、しっかりした考えをもって内定獲得を目指すのなら、就活イベント「再就活サポート」への参加がオススメです。内定獲得のための徹底サポートから、内定後のフォローアップまでおこなっています。内定をいくつかもらったあとの相談にものってもらえますよ。
選んだ企業の業界について理解を深める
業界で絞らずに企業選びをする場合は、自分の選んだ企業が属する業界について、理解を深める必要があります。一般的なやり方で業界から志望企業を絞り込んでいく人の場合は、企業を選ぶ前に業界を絞って研究していますから、その時点ですでに業界への理解が深い状態です。
しかし業界を絞らずに志望企業を選ぶ場合には、企業・業界研究の段階で対象となる業界がたくさんあるため、業界への理解が広く浅い状態になります。つまりその企業の属する業界について、よく知らない状態で志望企業を選ぶことになるわけです。
ただし業界というのは個人ではなく会社単位で考えた場合の仕事の種類ですから、そのままだと業界への理解が浅く、ひいては企業の仕事への理解が十分でない状態でエントリーすることになってしまいます。業界の特徴や業界内での企業の立ち位置、業界の求める人物像などを把握していないので、志望動機を含めてESの内容が薄っぺらいものになってしまうでしょう。
それでなくてもオンラインを中心とした就活を行っているコロナ禍の就活生は、直に企業と接触する機会が少ないため入社の意思が固まりにくく、のちのちになって内定を辞退するケースが増えています。そうした現状では採用活動におけるリスクを回避するため、企業は学生の志望動機に注目し、志望度を確認しているのです。
そんな中でES選考を突破しその後の面接を勝ち抜いていくためには、十分な理解に基づいた内容の濃い志望動機を書いて、その企業への熱意を伝えることが不可欠となります。ですから就活軸などを基準として志望企業を選んだら、その企業が属する業界について十分に研究を行い、理解を深めておかなくてはなりません。
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業界を絞る際の絞り方と適正数
くり返し述べているように、無理に業界を絞ってなくても就活は可能です。しかしここまでの説明を読んで、「やっぱり多少なりとも業界を絞っておこうかな」と考えた人もいると思います。
けれども今まで業界を絞らずに志望を検討してきたわけですから、どのように業界を絞ればいいのか、またどの程度業界を絞ればいいのかよく分からないかもしれません。そこで、ここからは業界を絞って就活する場合の適切な絞り方と適正数についてご説明します。注意事項も合わせて掲載しておきますので、業界を絞る時の参考にしてください。
業界は3~5つ程度に絞るのが良い
企業選びの前に業界を絞っておく場合は、1つに限定するのではなく、3~5つ程度に絞るのが適正です。確かに志望する業界を少なく絞り込んだ方が研究を深めやすいとは思いますが、だからといって何も1つの業界だけに絞る必要はありません。
むしろ複数の業界があった方が業界同士を比較でき、業界の特徴を掴みやすいですし、そこから自分に合った業界・企業を見極めやすくなります。特に初めのうちはどの業界についてもよく知らず、就活の方針がまだ固まっていない状態です。
ですから初めのうちはやや多めに業界を絞っておいて、業界・企業研究を深めていきながら、徐々に絞り込んでいった方が良いでしょう。その方が視野を広く保つことができ、多角的な角度からの情報が集まって、本当に自分に合った業界・企業を見つけやすくなります。
ESの提出が本格化する4月頃までを目安に、自分に合った業界はどこなのか考えながら研究を深め、志望する業界を3~5つに絞っていってください。
【パターン1】「就活軸」からの絞り方
志望業界を絞っていくための具体的な方法としては、自分の就活軸から絞るというやり方があります。まずは自分の就活軸を明確にして、その軸に当てはまる業界を3~5つ探すわけです。
たとえば「自分の○○という強みが活かせる仕事がしたい」のような就活軸だとしたら、まずはその強みが活かせそうな業界を、思いつくままたくさんピックアップします。そしてその中でも、特に活かせそうな業界はどこかと考えて志望業界を絞り込んでいくのです。
それを知るには業界の仕事や今後の展望について調べ、何となくのイメージではなく正確に理解しなければなりません。
その業界で、どのような能力を持った人物が必要とされているのか把握するためです。業界が求める人物像に自分がマッチしているか考えながら、志望業界を絞っていく方法だと言えます。
【パターン2】「業界」からの絞り方
志望業界を絞っていく方法のもう1つは、初めに自分の興味の持てそうな業界を見つけ、それが就活軸に当てはまるのか後から確認するやり方です。具体的に言うと、まずは合同説明会などに参加して業界を知り、そこから自分の気になる業界をピックアップします。
しかしそれだけでは、好き嫌いやイメージで志望業界を選んでしまう恐れがあり、うっかり自分には合わない業界を選んでしまうかもしれません。
そこで自分の気になった業界が自分の就活軸に当てはまるのか、業界が求める人物像と自分がマッチするのかを後から考え、合わないものを排除して絞り込むわけです。そのためには、なぜその業界が気になったのか自分の中で理由を明確にする必要があります。
業界を絞りながら自分の気持ちを整理し、志望動機を明らかにしていく方法だと言えるでしょう。
業界を絞るうえで活用すべきもの
3月の時点でまだ志望業界を絞っていない就活生が、今から業界を絞るうえで活用すべきツールは以下のようなものです。これまで志望業界を絞る発想がなかった就活生には、何を参考にすればいいのか分からない人もいると思いますので、ここにまとめておきます。
- 合同説明会
- OB訪問
- 1dayインターン
- 業界マップなど
今から業界を絞るなら、一度に多くの業界を見て比較できる合同説明会が便利です。個別の企業説明会でももちろん業界の情報は得られますが、1社ずつ説明会を探すと時間がかかります。そのため業界選びについて白紙の人は本格的に絞り込む前の第一段階として、まずは合同説明会で様々な業界の企業を見て、志望業界の目星を多めに絞っておくのが効率的です。
合同説明会である程度目星をつけたら、そこでピックアップした業界についてさらに詳しく調べていきます。ここではOB訪問や1dayインターンを利用すると良いです。OB訪問ではその業界で働く人と直接会話ができるので、活字の情報からは分からない業界のリアルな部分を聞き出すことができます。
1dayインターンは個別の企業説明会に近いものの、もう少し会社の雰囲気が分かりやすいよう工夫している企業が多いです。現在企業説明会は録画再生形式で行う企業が多いのに対し、1dayインターンではビデオ会議ツールなどを用いてリアルタイムで説明したり、座談会などを実施したりしています。
短期インターンや長期インターンと違って実際の業務体験などはほとんどありませんが、1日のみなのでたくさん参加し、比較検討してください。さらに業界マップや業界四季報などの書籍を利用すると、業界同士のつながりが分かり、より比較しやすいです。それらの手段を使って業界の理解を深め、自分に合った業界はどこなのか考えながら、徐々に志望業界を絞り込んでいきましょう。
固定概念や好き嫌いで選ばないように
志望業界を絞っていく際は、固定概念や好き嫌いで選んではいけません。固定概念や好き嫌いで志望業界を絞ると、自分には合わない業界・企業を選んでしまう危険性が高いです。
学生時代は社会と接点を持つ機会が少ないため、就活生が何となく「こういう業界だろう」と思い描くイメージは、実際とは食い違っていることが多々あります。志望業界を絞るということは人生の可能性を取捨選択することですから、間違ったイメージや固定概念で本来自分に合っている業界を排除し、自分には合わない人生の選択をしてしまったらもったいないです。
採用活動において企業は自社との相性の良い学生を探しているため、就活では学生の方も自分との相性を見極めて業界・企業を選ぶ必要があります。固定概念や好き嫌いで自分に合わない業界の企業を選んでも、内定をもらえることはほとんどないでしょう。
万一内定をもらえて入社できたとしても、仕事は今後何十年にもわたって携わっていくものなので、自分が持っている資質と業界・企業との相性が良くないと長続きしないです。就活を成功させて就職後も長続きするためには、イメージではなくきちんと実情について調べ、自分との相性を計って業界を絞ることが大事になります。
「この業界は厳しそう」「この業界は印象が良くない」「この業界は自分には無理」などといった、固定概念や好き嫌いで志望業界を絞らないように注意が必要です。固定概念を捨て、自分と業界との相性を意識しながら志望業界を絞っていくようにしてください。
就活エージェントを頼ると心強い
「志望業界が上手く絞れない」「どうすればいいのか分からない」という就活生は、就活エージェントに頼ると大変心強いです。オンラインを中心とした就活では、業界・企業と直接的な接触が図れないため理解を深めにくく、業界選びが難しくなっています。
ただし24卒のエントリーはすでに始まっていますので、あまりのんびりはしていられません。就活エージェントは学生と企業とをマッチングさせるプロなので、そんな中でもプロならではの情報と経験に基づき、あなたに合った業界を提案してくれます。
今から業界を絞るなら正規の方法でじっくり時間をかけるより、プロの提案を参考に目星をつけてから自分でもそれを確認するというやり方で、業界選びにかかる時間を短縮するのがオススメです。そこで節約できた時間をES対策や面接対策に使えば、就活成功の可能性がぐっと高くなるでしょう。就活エージェントに頼れば、そうしたES対策や面接対策も手伝ってくれるので一石二鳥です。
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おわりに
まずは業界を絞ってから志望企業を選ぶのが一般的ですが、業界以外で志望企業を絞る基準があるなら、無理に業界を絞る必要はないです。ただし業界を絞ってないと企業選びに迷い、就活の方針がブレやすいので、その分企業選びのための就活軸が明確になっていなければなりません。
業界を絞らずに就活する場合は、エントリーの前に自分の選んだ企業の所属する業界について、きちんと理解を深めてください。
やはり業界を絞って就活する場合には、様々な手段で業界研究をしながら自分との相性を考え、4月を目安に志望業界を3~5つに絞りましょう。どちらにしてもプロのサポートを受け、適切な業界・企業選びをするのが就活成功のコツです。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。