初任給が30万超えの企業リスト公開!高給の理由と企業の見分け方をプロが解説
2023年3月22日
突然ですが、企業選びで重要視している項目はありますか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
私は「初任給」を一番見ています。働いてお金をもらうんだから、多い方が嬉しいですよね。
確かに初任給は、重要ポイントの1つですよね。でも、初任給として掲示されてる金額と実際にもらえる給与が違う場合もあるので注意してくださいね。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
え!初めて知りました…。頑張って内定を取ったのに、提示された額と違う金額を渡されたら納得いきません!
初任給について誤解している可能性もありますね。今回は、初任給の仕組みについて紹介します。さらに初任給が高い企業もリストアップしたので、一緒に確認しましょう。
キャリアプランナー 平崎
初任給が高い企業の仕組み
初任給が高ければ高いほど魅力的に感じるのは当然ですし、そんな企業に入社したいと思う人もたくさんいるでしょう。ではそんな初任給、「高い」と言われるラインはどれぐらいなのでしょうか?
「高い」と言われるラインに合わせ、初任給が高い業界や企業の特徴。さらに初任給を高く設定する企業の狙いなどを解説します。
「初任給が高い」と言われるライン
初任給が高いと言われるラインは25万以上です。経団連の「新規学卒者決定初任給調査結果」より、2018年大卒事務系の初任給は約21.3万、技術系は21.5万のため、約4万の差があることになります。
高額ラインは25万ですが、調査結果より年々初任給は上昇傾向にあるため、このラインも上がっていくことが予想されます。そのため、25~30万前後であれば高額初任給という認識でよいでしょう。
また、なかには30万を超える企業もあれば、50万前後と超高額設定をしている企業もあります。ではなぜ企業はこんなにも高額な初任給を設定するのでしょうか?次項で解説します。
初任給を高くする企業の狙い
企業が初任給を高く設定する主な理由は「優秀な人材の確保」です。初任給を高く設定することで多くの学生を集め、その中から選りすぐりの優秀な学生を確保することが目的です。
とくに「スキルや能力面が特化した学生が欲しい」という理由から高額初任給を設定し、学生を集めているベンチャー企業やIT業界などに多いです。ベンチャー企業やIT業界は「実力主義」を取り入れていることが多いため、このスキルや能力面を特に重視しているのです。
中には、「大手や有名企業にばかり人が集まってしまう」「創立年数が浅いため名が知られていないから」などといった“宣伝”が目的で、高額初任給により学生を呼び寄せる企業もあります。
高額初任給の仕組み
初任給が高くなる仕組みは2パターン考えられます。まず1つ目は、「優秀な学生のためならお金を惜しまない」としているケースです。スキルや能力面のためなら高いお金を払うのは当然と考えている企業の場合は、高額な初任給設定をしています。
そして他に考えられるのが、「諸手当」が含まれた金額が提示されているケースです。基本的に採用情報などには諸手当が含まれていない「基本給」のみが記載されています。ただ、実際にもらえるのはこの「基本給+諸手当」ということになるため、下記のような仕組みになります。(※諸手当=残業代・住宅手当・通勤手当・資格手当など)
しかし、高額な初任給が設定されている企業はあらかじめ、「基本給+諸手当」を含んだ金額を記載していることになるため、初任給が高く感じるのです。
「基本給」としてその金額が提示されていればいいですが、何も書いていない場合は残業代や各種手当なども含まれた金額の可能性もあるので、しっかり確認しましょう。
初任給が高い企業ランキング
「優秀な学生の確保」という目的から高額な初任給を設定する企業が近年増え続けています。では実際にどのような企業があるのでしょうか。
ここからはそんな初任給が高い企業をランキング方式でご紹介していきます。また、上位企業の特徴なども合わせて記載するので、ぜひ参考にしてみてください。
高額初任給ランキング
東洋経済より、「初任給が高い企業」と「初任給が高い未上場企業」をご紹介します。特徴などを見極めやすくするために今回は15社ずつご紹介します。
■初任給が高い企業トップ15
上記情報は2017年のものです。
(東洋経済「最新!これが「初任給の高い」トップ500だ」より引用)
■未上場企業トップ15
上記情報は2019年のものです。
(東洋経済「「初任給」が高い未上場企業250社ランキング」より引用)
近年は企業が給与の見直しをすることも多く、初任給の情報も最新のものをチェックする必要があります。「初任給を意識した就活をしたい」と考える学生は、ぜひ希望条件から企業を見つけられる「再就活サポート」に参加ください。キャリアプランナーが、あなたが理想とする給料をもとに企業を紹介します。
初任給が高い企業の特徴
IT業界やコンサルティング業界、ベンチャー企業や外資系企業などが多くランクインしていることから、これらの業界・企業は高額初任給である傾向だということが分かります。そしてこれらの業界・企業は「実力主義」を取り入れている企業が多いという共通点があります。
初任給を高くする理由でも述べたように、高額初任給に設定する企業は優秀な学生の確保が目的で、その中でも「スキルや能力面」を重視している傾向があります。なぜなら学歴よりも戦力となる学生を欲しているからです。
つまり、多くの学生を集め、その中からスキルや能力面を重視したうえで優秀な学生を欲しいと思っている「実力主義」の企業こそが、初任給を高く設定している傾向があるのです。
現に、初任給が高い企業ランキング1位「日本商業開発」の代表取締役社長の松岡哲也氏は、「優秀な人材を求めるならばそれに見合った報酬がないとならない。」と話しているそうです。また、ベンチャー企業などの実力主義の企業は能力が認められれば20代のうちに出世できますし、高収入も夢ではありません。
他にもランクインしている企業の多くは「従業員の数が少ない」「採用予定人数が少ない」といった特徴もあるため、新入社員にかける人件費を高くすることができる=初任給を高く提示できるということも考えられます。(一部企業は除く)
もちろん、すべての企業でこのような特徴が当てはまるわけではありません。先ほども述べたように、名が知られていないことから初任給を高く設定し、宣伝している企業もあれば、人の入れ替わりの激しさから高い金額を提示し、人を集めておきたい企業など、理由は様々です。
ですので、「ベンチャーだから」「ITだから」という理由だけで初任給が高いと認識するのではなく、あくまでのこのような傾向があるということを覚えておきましょう。
初任給が高い企業の探し方
初任給が高い企業を志望したいという人は上記の「初任給が高い企業ランキング」を参考にしてみてください。先ほども述べたように「ベンチャーだから」「ITだから」という理由だけで初任給が高いとは限らないため、ランキングを参考にすることがベストな探し方だといえます。
また、他の手段として「就活エージェント」に聞くという方法もあります。就活エージェントなら企業の内部情報まで知っているので、初任給の実態はもちろん、残業時間や有給消化率など面接では聞きにくいようなことも聞き出すことができます。さらに就活エージェントは、企業探しや面接対策のお手伝い、さらに内定獲得までのサポートを行ってくれる強い味方です。
初任給が企業を選ぶ際に注意すべきこと
実は初任給が高いからといっていいことばかりではありません。高額な初任給だからこそ注意しなくてはならないこともあるのです。
では、具体的にどのようなことを注意しなくてはならないのか。「高額初任給=ブラック企業」と言われる噂とともに解説します。
生涯年収を考える
残念ながら「初任給が高い=生涯年収が高い」という方程式が必ずしも成り立つとは限りません。実際に先ほどご紹介したランキングより、3位の「グリーンランドリゾート」は初任給34万円と高額ですが、平均年収は398万と、同じ36歳の平均年収474万円よりも約76万も低いことになります。
1位の「日本商業開発」は初任給だけでなく、平均年収も高いので、一概にも「初任給が高い=生涯年収が高い」が成立しないとは言い切れませんが、「グリーンランドリゾート」のように平均年収で考えると低い可能性もあります。
ですので、高い金額に飛びつきたく気持ちもわかりますが、初任給だけで判断するのではなく、平均年収や生涯年収などもしっかりと考えたうえで企業選びをしましょう。
ブラック企業か見極める
皆さんも一度は耳にしたことあるであろう「初任給が高い企業はブラック企業」という噂。残念ながらこの噂に当てはまる企業が存在することは確かです。
具体的にブラック企業として当てはまる事例は、「見込み残業代が高い」「労働環境が悪く、初任給を高く設定しないと人が集まらない」「なかなか昇給しない」などです。 特に、基本給ではなく「諸手当」が高いとイメージが悪いです。下記の例より、よくあるブラック企業の仕組みを解説していきます。
通常企業は基本給が高く、諸手当が別に設けられているため、税金などを差し引いた金額にプラスして残業代が給与として支払われます。
しかしブラック企業は基本給が15万と低く、その分諸手当が高いです。この諸手当には通勤や住宅手当なども含まれていますが、金額が高くなる要因は主に「見込み残業代」です。
見込み残業代がすでに含まれているということは、時間外労働をしたり、休日出社をしてもその手当はすでに含まれていることになるため、加算されないということになります。つまり、労働環境として過酷であるということが予想できるのです。
さらに企業が見込んでいた残業時間よりも少なかった場合、その分の見込み残業代を支払わないという悪徳企業も存在します。
このような悪徳企業に入社しないためにも、給与額の内訳、とくに「基本給」をしっかりと確認しましょう。基本給は残業の有無に関係なく、必ず毎月支払われる最低給与額ですので、高ければ高いほど安定した収入が見込めます。
求人を出す企業は多いため、初任給が高い企業を探すのは簡単ではありません。さらにそこから志望を絞るには、情報を正確に読み取り判断する力が必要です。
「気になる企業がブラック企業がどうか判断がつかない」と悩む就活生は、キャリchが無料で開催する「就活相談サポート」の活用もぜひ選択肢に入れてくださいね。プロのキャリアプランナーがあなたの企業選びをしっかりサポートします。
おわりに
優秀な学生の確保を目的に、「実力主義」を取り入れている企業が毎年高額な初任給を提示してきています。そしてその数字は年々上昇傾向にあります。
しかし、ただ数字に惹かれているばかりではいけません。しっかりと仕組みを理解していないと入社後「思っていた金額よりもはるかに低い」という事態に陥ってしまうかもしれません。また “ブラック企業”に入社してしまう恐れもあるのです。
ですので、数字だけで企業を決めるのではなく、採用情報に記載されている初任給額は基本給なのか、それとも諸手当が含まれた金額なのか、基本給はどれぐらいなのかなどをしっかりと確認してください。
また、キャリchではあなたの条件に合った企業をご紹介していくイベント「就活相談サポート」を開催しています。あなたの条件に沿った企業のご紹介から内定獲得のためのサポートまで行っています。表には出ていないような求人情報もありますので、ぜひ気楽にご参加ください。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。