上場企業とは?非上場企業との違いや市場区分をわかりやすく解説
2023年1月17日
テレビなどで耳にする機会が多い「上場企業」「非上場企業」という言葉。就活を始めるにあたり、さらに身近な言葉になってきていると思いますが、実際のところ正しい意味を理解できているでしょうか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
うーん。そう言われてみると、あまり自信がないかも。
有名企業とか大手企業はみんな上場企業、そうじゃない企業が非上場企業なのかなっていうイメージです。優良企業かどうかの目印のように考えていたんですが、違うんですか?
確かに株式のことをよく知らない学生にとっては、その程度のイメージかもしれません。しかし就活するにあたっては、上場企業とは何かや、上場企業と非上場企業の違いについてもう少し理解を深めておく必要があります。
このコラムでは、「上場企業」にまつわる情報をどこよりもわかりやすくまとめました!
「上場企業とは?」といった基本的な情報から、上場企業と非上場企業との違い、それぞれで働くメリット・デメリットの違いについて解説します。あえて上場しない非上場企業の狙いについても説明しますので、企業理解を深める上での参考にしてください。
キャリアプランナー 岡田
目次
上場企業とは?非上場企業との違いについて
テレビやネットニュースなどで一度は耳にする、目にする言葉「上場」。意味はわからないけど、大手企業=上場しているといったイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
しかし、大手企業=上場というわけでなく、上場には別の意味が込められています。では一体、上場とはどういう意味なんでしょう。「非上場企業」との違いも含めて解説します。
上場とは
「上場」とは、株式や債券などの有価証券や商品先物取引の対象となる商品(石油、砂糖など)を取引所(市場)において売買可能にすること。(引用:Wikipedia)
つまり、証券取引所で株式が自由に売買できるようになることを「上場」と呼び、その株式を発行できる企業を「上場企業」と言います。上場企業が発行している株式は証券取引所で公開されています。
反対に、株式を公開していない企業のことを「非上場企業」といいます。詳しい上場企業との違いについては下記よりご紹介していきます。
ちなみにテレビやニュースなどで耳にする企業の多くが上場していることから、日本にはたくさん上場企業があるように感じるかもしれませんが、実が3,787社(2021年9月2日時点)しかありません。その割合は実に約0.1%です。テレビやニュースで耳にするような企業は身近な企業ばかりなため、この上場企業の割合にはびっくりですよね。
また、コロナによって経済状況は大きく変わってきましたが、上場する企業の割合や変化なども特にありませんでした。上場するのには条件がありますので、多少の変化がみられるかと思いましたが、実際のところ大きな変化はなかったのです。
上場企業と非上場企業の違い
上場企業と非上場企業の大きな違いは、“株式が公開しているか、していないか”です。それに伴い、以下のような違いが発生します。
上場企業 | 非上場企業 |
---|---|
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|
先ほども述べたように、上場企業は証券取引所で株式を公開し、投資家が自由に売買することが可能になります。一方、非上場企業は株式を公開せず、証券取引所でその会社の株を買うことはできません。
そのように株式市場で公開していない株式のことを、「未公開株」と言います。その場合は主に役員や社員、関連会社などが株を保有しているケースがほとんどです。
ちなみに「株式」とは資金を集めるために発行する証明書のようなもので、その株式を発行し、資金調達をして事情活動を行う形態の企業を「株式会社」といいます。
企業が資金を調達する方法は、主に「株式を買ってもらう」か「金融機関から借りる」かの2つです。金融機関から借りると利息を含めた返済が必要になりますが、株式からの資金には返済の必要はありません。
そのため、株式を公開することで会社は資金を調達しやすくなるのです。しかし株式を公開することで、その会社の株を買い占められてしまうリスクも出てきます。
つまり、上場企業は株式から資金を集めやすい一方、株式を買い占められ、会社を買収される可能性があります。それに対して非上場企業は株を公開しないことから、資金は集めにくいものの、会社を買収されるリスクが少ないのです。
ちなみに「株」に関することを下記にまとめました。上場はこの「株」が重要になるため、一緒に覚えておきましょう。
- 株式→資金集めのために発行する証明書のようなもの(企業の資金調達の手段の1つ)
- 株価→株式銘柄の一株あたりの値段
- 株主→株式を保有している人
[株主の権利]
- 経営に意見できる(オーナーの1人のような権力を持てる)
- 株主総会に参加できる
- 配当金を受け取ることができる
- 株を売ることができる
- 株主優待をもらうことができる
もし、これを読んでも「上場企業とは何なのか?」「非上場企業との違いがイマイチ分からない」と感じてしまう人は、ぜひキャリchを頼ってください。
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上場するための条件|株式市場の種類と主な上場企業
上場企業=大手企業というイメージがあると思いますが、大手企業だからといって必ずしも上場しているとは限りません。上場にはメリットだけでなく、デメリットも伴うからです。
また、株式市場には種類があり、どの市場に上場するかで上場基準も違います。つまり上場している市場によって企業規模は全く違うので、上場企業だからといって必ずしも大手企業とは限らないわけです。
その辺りを整理するために、まずは日本にはどのような株式市場があるのか、それぞれの種類と上場するための条件(上場基準)を解説していきます。
日本にある株式市場(マーケット)
日本には2023年1月現在、「東京証券取引所」「名古屋証券取引所」「札幌証券取引所」「福岡証券取引所」の4つの証券取引所があります。
証券取引所 | 株式市場 |
---|---|
東京証券取引所 (東証) |
|
名古屋証券取引所 (名証) |
|
札幌証券証券所 (札証) |
|
福岡証券取引所 (福証) |
|
上記のように、取引所によって取り扱っている株式が違います。ただし2022年4月、日本の株式市場では以下に示す2点の大きな改変がありました。
【東京証券取引所】
「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「JASDAQ」の4市場
↓
「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場へ
【名古屋証券取引所】
「市場一部」「市場二部」「セントレックス」の3市場
↓
「プレミア」「メイン」「ネクスト」の3市場へ
この市場改変に伴い、それぞれの市場に上場している企業や上場基準も新しくなりました。次項からは現行の上場基準とその市場で上場している企業例を、証券取引所ごとに解説します。
東京証券取引所(東証)
■プライム市場
日本証券取引所グループによるとプライム市場のコンセプトは、「多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」です。
プライム市場は、株式市場の中でもっとも厳しい上場条件が定められています。プライム市場の具体的な上場基準は以下の通りです。
株主数 | 800人以上 |
---|---|
流通株式数 | 2万単位以上 |
流通株式時価総額 | 100億円以上 |
売買代金 | 時価総額250億円以上 |
流通株式比率 | 35%以上 |
収益基盤 | 最近2年間の利益合計が25億円以上 または 売上高100億円以上かつ時価総額1千億円以上 |
財政状態 | 純資産50億円以上 |
上記からわかるようにプライム市場の上場基準は厳しく、上場は狭き門です。そのためプライム市場には大企業や有名企業が数多く、そのほとんどは改変以前に東証一部で上場していた企業となっています。
【プライム市場 企業例】
- トヨタ自動車
- 日本郵政
- ソフトバンクグループ
- 三菱商事
- 三井住友トラスト・ホールディングス
- カシオ計算機
- キッコーマン
- イオン
- TOYO TIRE
- KDDI etc…
■スタンダード市場
日本証券取引所グループ によると、スタンダード市場のコンセプトは「公開された市場における投資対象として一定の時価総額(流動性)を持ち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備えつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」だそうです。
スタンダード市場の上場基準は、以下のように設定されています。
株主数 | 400人以上 |
---|---|
流通株式数 | 2千単位以上 |
流通株式時価総額 | 10億円以上 |
売買代金 | ー |
流通株式比率 | 25%以上 |
収益基盤 | 最近1年間の利益が1億円以上 |
財政状態 | 純資産が正であること |
上記のように、スタンダード市場はプライム市場に比べて上場基準が緩和されることから、上場している企業は中堅企業が中心です。市場改変前は東証一部で上場していた企業もあれば、東証二部、JASDAQスタンダードで上場していた企業など、様々な企業が含まれています。
【スタンダード市場 企業例】
- フマキラー
- 昭文社ホールディングス
- マックスバリュ東海
- 千代田化工建設
- 日本精機
- ハイレックスコーポレーション
- 新生銀行
- オリコン
- シダックス etc…
■グロース市場
グロース市場のコンセプトは、「高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適時・適切な開示が行われ一定の市場評価が得られる一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場(引用:日本証券取引所グループ)」です。
成長性の高い企業が上場できるよう、具体的には以下のような上場基準が設定されています。
株主数 | 150人以上 |
---|---|
流通株式数 | 1千単位以上 |
流通株式時価総額 | 5億円以上 |
売買代金 | ー |
流通株式比率 | 25%以上 |
収益基盤 | ー |
財政状態 | ー |
上記を見ても、上場するために課せられている基準が緩やかであるだけでなく、基準となる項目が少ないことが分かります。2023年1月現在グロース市場で上場している企業は、改変前JASDAQグロースやマザーズで上場していた企業が多いです。
【グロース市場 企業例】
- SBIインシュアランスグループ
- メルカリ
- GA technologies
- アドベンチャー
- トライステージ
- ティーケーピー
- バリュエンスホールディングス
- BRUNO
- ジェイテック etc…
名古屋証券取引所(名証)
■プレミア市場
プレミア市場のコンセプトは、「優れた収益基盤・財務状態に基づく高い市場評価を有し、個人投資家をはじめとする多くの投資家の継続的な保有対象となりうる企業向けの市場(引用:名古屋証券取引所)」です。
具体的な上場基準は東証のプライム市場と似ていますが、若干の違いもあります。
株主数 | 800人以上 |
---|---|
流通株式数 | 2万単位以上 |
流通株式時価総額 | 250億円以上 |
売買代金 | ー |
流通株式比率 | 35%以上 |
収益基盤 | 最近2年間の利益合計が25億円以上 または 売上高100億円以上かつ時価総額1千億円以上 |
財政状態 | 純資産50億円以上 |
プレミア市場では、主に名古屋周辺に本社がある企業が上場しています。
【プレミア市場 企業例】
- 大成建設
- 井村屋グループ
- リゾートトラスト
- 武田薬品工業
- ENEOSホールディングス
- 神戸製鋼所 etc…
■メイン市場
メイン市場のコンセプトは「安定した経営基盤が確立され、一定の事業実績に基づく市場評価を有し、個人投資家をはじめとする多くの投資家の継続的な保有対象となりうる企業向けの市場(引用:名古屋証券取引所)」です。
メイン市場の具体的な上場基準は、以下のように定められています。
株主数 | 300人以上 |
---|---|
流通株式数 | 2千単位以上かつ25%以上 または 公募等の実施 (※1千単位以上又は上場株式数の10%の多い方の数以上) |
流通株式時価総額 | 10億円以上 |
売買代金 | ー |
流通株式比率 | ー |
収益基盤 | 最近1年間の利益が1億円以上 |
財政状態 | 純資産が正であること |
【メイン市場 企業例】
- 名工建設
- 東洋電機
- コメ兵ホールディングス
- J-MAX
- ワシントンホテル
- 太陽化学 etc
■ネクスト市場
ネクスト市場のコンセプトは、「将来のステップアップを見据えた事業計画及び進捗の適時・適切な開示が行われ、一定の市場評価を得ながら成長を目指す企業向けの市場(引用:名古屋証券取引所)」です。
具体的な上場基準は、以下のように設定されています。
株主数 | 150人以上 |
---|---|
流通株式数 | 公募500単位以上 |
流通株式時価総額 | 3億円以上 |
売買代金 | ー |
流通株式比率 | ー |
収益基盤 | ー |
財政状態 | ー |
【ネクスト市場 企業例】
- コムシード
- ガイアックス
- 21LADY
- アークコア
- バルクホールディングス etc…
札幌証券取引所(札証)
■本則市場
本則市場とは札幌証券取引所でメインとなる市場のことです。上場基準は、以下のように定められています。
株主数 | 300人以上 |
---|---|
流通株式数 | 2千単位以上かつ上場株式数の25%以上 または 上場日の前日までに公募または売り出しを行うこと (※1千単位又は上場株式数の10%のいずれか多い方の数以上) |
流通株式時価総額 | 10億円以上 |
収益基盤 | 最近1年間の利益が5千万円以上 |
財政状態 | 純資産3億円以上 |
事業継続年数 | 3年以上 |
【札幌本則市場 企業例】
- メグミルク
- サッポロホールディングス
- キリンホールディングス
- 武田薬品工業
- 三菱重工業 etc…
■アンビシャス
アンビシャスとは、“北海道に関連のある企業”を対象として株式市場です。詳しいアンビシャスの詳細は、札幌証券所よりご覧ください。
株主数 | a.500単位以上の公募または売り出し b.100人以上 |
---|---|
流通株式数 | ー |
流通株式時価総額 | ー |
収益基盤 | 最近1年間の利益が正 |
財政状態 | 純資産1億円以上 |
事業継続年数 | 1年以上 |
【アンビシャス 企業例】
- RIZAP
- 日本テクノ・ラボ
- FUJIジャパン
- 日本テクノ・ラボ
- エコノス
- エコミック etc…
福岡証券取引(福証)
■本則市場
福岡証券取引の本則市場の条件を一部抜粋、紹介します。全ての条件は福岡証券取引より、ご覧ください。
株主数 | 300人以上 |
---|---|
流通株式数 | 2千単位以上かつ上場株式数の25%以上 または 上場日の前日までに公募または売り出しを行うこと (※1千単位又は上場株式数の10%のいずれか多い方の数以上) |
流通株式時価総額 | 10億円以上 |
収益基盤 | 最近1年間の利益が5千万円以上 |
財政状態 | 純資産3億円以上 |
事業継続年数 | 3年以上 |
【福岡本則市場 企業例】
- タマホーム
- 三越伊勢丹ホールディングス
- 西日本フィナンシャルホールディングス
- マルタイ
- Joyfull
- 福岡中央銀行
- 昭和鉄工 etc…
■Q-Board
Q-Boardとは、“九州周辺に本社がある”または“九州周辺で事業実績・計画がある”企業を対象にした株式市場です。Q-Boardの詳細福岡証券取引より、ご覧ください。
株主数 | 200人以上 |
---|---|
流通株式数 | 500単位以上の公募 |
流通株式時価総額 | 3億円以上 |
収益基盤 | ー |
財政状態 | 連結・単体純資産が正 |
事業継続年数 | 1年以上 |
【Q-Board 企業例】
- TRUCK-ONE
- メディアファイブ
- ハウスフリーダム
- ビジネス・ワンホールディングス etc…
実はあの有名企業も非上場!あえて上場しない企業の狙いとは?
上場することで株式により資金調達がしやすくなるというメリットがあるにもかかわらず、あえて上場しない大手企業もたくさんあります。大手企業なら上場のための条件も簡単にクリアできるはずなのに、なぜ上場しないのでしょうか。
ここではそんな、あえて上場しない企業の狙いについてご紹介していきます。合わせて有名な非上場企業もご紹介していくのでチェックしましょう。
あえて上場しない企業の狙い
十分に上場できる条件を満たしているにも関わらず、あえて上場をしない企業には大きく4つの理由が挙げられます。
1,株主から経営に対して口出しされるのが嫌
上場企業は株式を公開することで資金を調達しているため、株主総会にて株主が自由に発言することができます。そのため、経営に対して口出しされることも十分にあることから、それらを嫌う企業はあえて上場していません。
2,株を買い占められることでの買収リスク
上場企業は株式から資金を集めやすい一方、株式を買い占められ、会社を買収されるリスクがあります。このようなリスクを恐れる企業はあえて上場していません。
3,実行に移す機動力を損なわないため
顧客のニーズを掴んだらすぐに実行に移すという機動力を損なわないため、あえて上場しない企業も多くあります。上場すると株主から口出しされてしまい、すぐに実行に移せなくなるリスクを排除しているのです。
4,上場維持のためのコストがかかるため
上場を維持するためにはコストがかかり、新興企業向けの東証マザーズであっても、約4~5000万円が必要とされていることから、それらのコストをかけないために上場しない企業もあります。
上記のように、上場できるにも関わらず、あえて上場しない企業はたくさんあります。実際に上場企業の割合を考えると、このような理由から上場していない企業が多くあることがわかるでしょう。
有名な非上場企業を紹介
ここでは上場できる条件を満たしているにも関わらず、あえて上場しない大手企業をいくつかご紹介していきます。
- 第一生命保険株式会社
- パーソルテンプスタッフ株式会社
- 株式会社WOW GROUP
- 日清医療食品株式会社
- JFEスチール株式会社
- 株式会社東邦カード
- 明治安田生命保険相互会社
- ダイハツ工業株式会社
- 住友生命保険相互会社
- サントリーホールディングス株式会社
- 株式会社ニチイ学館
- 日立Astemo株式会社
- 合同会社西友
- 株式会社イトーヨーカ堂
- 株式会社三菱UFJ銀行 etc…
上場しない理由は企業によって異なりますが、誰しもが知る企業も上場しないわけですから、「上場企業の方がいい」「非上場企業はよくない」といったことはありません。大切なのは自分はどちらの働き方が合っているかを見極めることです。
もし、どちらの企業が自分に合っているのかわからないということであれば、プロのキャリアカウンセラーに相談してみましょう。キャリchでも、「就活相談サポート」で専属のカウンセラーがマンツーマンで対応しますので、お気軽にご相談ください。
上場/非上場企業では働く上でのメリット・デメリットにも違いが
上場企業・非上場企業それぞれにメリット・デメリットがあるように、働くうえでのメリット・デメリットもあります。ここではそんな上場企業・非上場企業で働くメリットとデメリットについてご紹介していきます。
先ほどもお話ししたように企業はどっちがいいかではなく、どっちの働き方が自分に合っているかの方が大切ですので、それぞれで働くメリット・デメリットをしっかりとチェックしていきましょう。
上場企業で働くメリット・デメリット
- 安定していて倒産のリスクが低い
- 社会的信用性が高い
上場企業で働くメリットとしてまず挙げられるのが「安定していて倒産のリスクが低い」ことです。上場できる条件を満たしている企業は会社として安定していますし、株主から資金を調達しやすいことから倒産のリスクが低いのです。
また、安定した業績と資金を集められるほどの社会的信用性があることもメリットといえるでしょう。「入社した企業は上場している」といえば、「おお~!」となるため、鼻が高いでしょう。
【デメリット】
- 一人の影響度と自由度が低い
- 社会的知名度の高さによる責任感の重さ
上場企業で働くデメリットとしてまず挙げられるのが「一人の影響度と自由度の低さ」です。上場企業している企業は業務体制が整っており、会社の規模も大きいことから自分一人の影響度が低いです。また希望が大きいゆえに自由度も低く、規律が厳しいこともあります。
また、上場企業している企業は知名度が高く、社会的信用性もあることから、個人の責任が会社の責任となります。わかりやすく言うと、何か事件を起こした際、ニュースでは個人の名前だけでなく、企業の名前も出てしまうということです。
上場企業は上場するための条件を満たしているということで、業績の安定性や社会的信用性を確保できます。しかしその反面、会社で働く自由度は低くなり、責任感の重さがあります。
ですので、安定した企業で働きたい人は上場企業が向いていますが、働きやすさに自由を求める人は上場企業は向かないかもしれません。
非上場企業で働くメリット・デメリット
- 会社の自由度が高い(株主の意見に左右されない)
- 従業員の意見が通りやすい
非上場企業で働くメリットとして挙げられるのが「会社の自由度が高い」ことです。非上場企業の多くは中小企業、ベンチャー企業ですので大手企業のような縛りはありません。またたとえ大手企業でも株主の意見に左右されることがないため、比較的自由に働くことができます。
また自由度が高く、株主からの意見もないことから、従業員の意見が通りやすいのもメリットだといえるでしょう。意見の通りやすさから窮屈さがないのもメリットです。
- 上場企業よりも待遇が劣る可能性がある
- 上場企業よりも社会的信用性が少し劣る
非上場企業は比較的上場企業よりも規模が小さい傾向にあることから、待遇が劣る可能性があります。また、上場企業のようなネームバリューがないため、社会的信用性も少し劣る傾向にあります。
非上場企業の中にはあえて上場しない企業もありますが、条件のための条件を満たせていない企業もたくさんありますので、待遇や社会的信用性は少し劣ってしまいます。
しかし株主からの意見に左右されることのない自由な経営ができることから、個人の意見が通りやすく、仕事の自由もあるため働き甲斐を感じたい人にとっては非上場企業の方が向いているでしょう。
もし、世間的に有名ではないけれども、福利厚生がしっかりしていたり、企業経営が安定している企業を知りたい場合は、「就活相談サポート」にご予約ください。多数の取り扱い求人の中から、あなたに合った優良企業を紹介します。
おわりに
「上場している企業(上場企業)」「上場していない企業(非上場企業)」には企業にとってそれぞれメリット・デメリットがあり、また働き手にとってもメリット・デメリットがあります。
さらに大手企業だから必ずしも上場しているということはなく、あえて上場しない大手企業も多く存在するのです。つまり「上場しているからいい」「上場していないからよくない」といったことは一概にはいえないのです。
大切なのは“いかに自分に合った企業と出会えるか”なのです。いくら社会的信用性が高い上場企業へ入社したとしても、自分が求めていた働き方と異なれば早期退職へと繋がりかねません。
「上場」「非上場」も企業を選ぶうえで大切な要素になることは確かです。しかし、それだけにとらわれず、自分に合った企業を見極めるように心がけましょう。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。