就活しないとどうなる?メリット・デメリットや就職以外の進路
2023年4月27日
就活したくないって聞きましたが、何か悩んでますか?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Bさん
はい。なんかやりたいことがなくて、うまく志望動機が書けません。面接でもうまく答える自信がなくて。就活しない選択肢もありかなって考えています。
なるほど。就活しないとして、どのようなことをしたいですか?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Bさん
それも漠然としています。就活しないで就職できたらいいなとか、就活しなかったらどんな選択肢があるのかなって思っています。自分に向いている方法があったら、それを選んでもいいかなって……。
確かに、就活しないでほかの道を選ぶこともできますよね。 今回のコラムでは、就活しないで就職できる方法や、就活しない場合にどのような選択肢があるのか説明します。ぜひ参考にしてください。
キャリアアドバイザー 平崎
就活しないという選択肢はある?
「就活の時期を迎えるけど、就活したくない」「働きたくない」と考える学生もいるかと思います。
学生は必ず就活しなければならないわけではなく、就活しないという選択も間違いとは言えません。ただし、就活しないことでどのようなメリット・デメリットがあるのかを把握し、自分にとってどちらが適しているかを考えておく必要があります。
就活しないことのメリット・デメリットを紹介します。
就活しないメリット
就活しないことで、大きく以下の3つのメリットがあります。
- 自由に使える時間がある
- 人間関係の悩みが少ない
- 行動の決定権がある
就職をして正社員で働く場合、勤務時間に拘束され自由な時間が限られてしまいます。就職に対し、自宅で家事を手伝う、フリーターになるといった選択であれば、比較的自由な時間を作れます。働きたいときに働き、遊びたいときは遊べるといった生活ができます。
就活をせず、就職をしないと会社という組織に属さないため、上下関係や組織のルールにも縛られません。人間関係の悩みが減るのもメリットです。人間関係で悩む人は多く、せっかく志望する企業に入社できても、人間関係が原因で離職してしまう人もいます。
ただし、就職しなければすべての人間関係の悩みがなくなるというわけではありません。アルバイト先やサークルなど、どこに行っても誰かと関わります。場所が変われば人間関係がよくなるとは限らず、悩みが発生する可能性はあります。
就職しない場合、自分に決定権があることもメリットです。就職して組織に属した場合は自分が何かを決める機会は少なく、基本的に与えられた場所で指示通りに働きます。しかし、就職しない場合、何事も自分で判断し、決断していく生き方ができます。
就活しないデメリット
メリットとは反対に就活しないことで、大きく以下の3つのデメリットがあります。
- 安定した収入を得にくい
- 福利厚生が受けられない
- 社会的信用が得られない場合がある
就職することで毎月の給与が保証されますが、就活しないことで収入は不安定になります。アルバイトやパートでも収入は入りますが、正社員の給与基準よりは基本的に少ないです。賞与はもらえないケースがほとんどで、正社員のような充実した福利厚生は期待できません。
フリーターやフリーランス、無職の場合、社会的信用も得にくくなります。個人で社会的信用が直接関わるのは、クレジットカードやローンの申し込みです。収入が安定していないなどの理由で、審査に通らない可能性があります。
就活しないことによるデメリットを避けたいと思いましたら、まずはキャリアアドバイザーに相談してみてください。キャリチャンでは「24卒就活サポート」があります。24卒の就活生を完全無料でサポートしています。
また、「就活のスケジュール」や「就活は何から始めるべきか」を紹介した就活対策資料「就活まるわかりガイド」も用意しています。無料でダウンロードできるため、ぜひ活用してください。
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就活しないで就職する方法
就職はしたいけど「就活はしたくない」という人もいるかと思います。就活はエントリーシートの作成や面接対策などが大変で、面接の自信がないなど就活を苦手とする人もいるでしょう。
就活しないで就職する方法としては、知り合いの紹介で入社する、長期インターンで内定を獲得するといった方法があります。
ここでは、就活しないで就職できる方法を3つ紹介します。
知り合いの紹介で入社する
就活しないで就職する方法に、親族や友人など個人的な関係(コネクション)を活用し、企業に入社する方法があげられます。コネ入社や縁故採用と呼ばれるものです。エントリーシートの提出や面接の一部が省略されるなど、一般的に就活生が行っている就活のプロセスを経ることなく採用されることもあります。
コネ入社を利用することで就活にかける時間を減らせるだけでなく、紹介者の立場によっては、入社後に希望する部署へ配属してもらえる可能性もあるでしょう。
「入りたい企業にコネがなければ利用できない」と思うかもしれませんが、コネは作ることもできます。
一例として、以下のような方法があります。
- 志望企業の社員と知り合いになる
- 親族、友人、先輩等を通じて社員とつながる
- 大学教授の推薦を受ける
企業説明会や就活イベントなどで志望企業の担当者と知り合いになれば、紹介してもらえる可能性はあります。また、大きな企業であれば親族や友人、先輩などが社員とつながりがあるかもしれません。つながりがないか、試しに確認してみてください。
また、理系の大学では教授推薦が行われることもあり、選考プロセスが省略されて就活をしないで済む可能性があります。
インターンからそのまま就職する
長期インターンに参加し、そのまま内定をもらえる場合もあります。インターンは企業で一定期間行う就業体験のことです。主に、就業体験を通して学生に企業・仕事への理解を深めてもらうことを目的に実施しています。
企業によっては優秀な人材を確保するために、インターンで適性があると判断した学生にそのまま内定を出すのです。
インターンから内定をもらうまでの流れは、以下のようなパターンがあります。
- インターンで本選考のような面接を行う
- インターンに参加した学生を優先して早期選考を伝える
- 本選考のプロセスを一部省略する
はじめから採用目的でインターンを実施する企業もあります。希望する企業がインターンを募集していないかチェックし、積極的に参加してみてください。就活をしないで就職することも可能です。
公務員を目指す
就活しないで就職する方法として、公務員もあげられます。公務員は採用試験を受けて合格し、面接を受けて内定をもらうという流れであり、完全に就活がないわけではありません。しかし、一般的な就活のような書類選考を経て複数の面接を受けるというプロセスを避けたい場合はひとつの選択肢になるでしょう。
公務員は、国家公務員と地方公務員があります。国家公務員の場合は職種ごとの公務員試験に合格したのち、採用試験を受けて内定をもらうという手順です。地方公務員は、都道府県で実施する地方公務員試験に合格する必要があります。
就活しない人の心理
就活しない人の心理はさまざまです。やりたいことが見つからず、将来の夢や目標がないと就活しないという選択になりやすくなります。働きたくない場合も、就活しない方向になりやすいです。
また、選考書類の作成や面接対策が面倒で就活しないという人や、不採用になってショックを受けたくないという人もいます。
ここでは、就活しない人の心理について、解説します。
やりたいことが見つからない
やりたいことが見つからず、将来の目標がないと就活へのモチベーションが上がりません。その結果、就活しないという選択をする人もいます。やり
たいことがなければエントリーシートをうまく作成できず、面接でも志望動機をうまく伝えられないでしょう。就活がうまく進められず、就活しないというよりは就活ができない状態になってしまいます。やりたいことが見つからないのは、自己分析ができていないことがひとつの原因です。自己分析が十分にできていないと、自分の強みがわからず「自分の適性がわからない」「やりたい仕事がない」という状態になりやすくなります。自分の強みがわかればそれを活かす仕事は何か考えるようになり、活躍できる業界や企業を見つけることが可能です。
自己分析で自分の強みを知ることは、やりたいことを見つけるだけでなく、説得力のある自己PRを書くのにも役立ちます。自分の強みが企業の仕事に貢献することをアピールすることで、効果的な自己PRを書くことが可能です。
働きたくない
就活しない人には、「働きたくない」「企業や組織へ所属することに抵抗を感じる」という心理もあります。働くことに消極的だったり組織に属すること自体に抵抗があったりすると、就活をする気にはなれないでしょう。
働きたくないと感じる理由には、職場の人間関係への煩わしさや、就職への漠然とした不安があげられます。学生時代の友人関係は、嫌なことがあれば関係を切ることで対処が可能です。しかし、会社組織ではそのようなことは通用しません。協調性や適切なコミュニケーションが求められます。
また、「会社員は大変そう」などネガティブなイメージがあり、社会に出ることに漠然とした不安を抱いている人もいるかもしれません。しかし、このような不安は多くの就活生が感じていることで、いずれは社会に出て解消しなければならないことです。
働きたくないという心理はネガティブなものだけでなく、「ほかにやりたいことがある」という前向きな理由もあります。研究のために大学院に進学するなど、まだ働かずにやりたい夢があるのであれば、やりたいことを優先すのもよいです。
「働きたくない」と思う人の就活への対処法については、以下の記事が参考になります。
関連コラム
そもそも働きたくない!と悩む人の就活への向き合い方を紹介します
就活が面倒
就活そのものが面倒という気持ちで就活しない人もいます。履歴書の記入方法や面接のマナーがわからず、苦手意識があるためです。また、不採用になってショックを受けたくないという心理が働いている場合もあります。
面接では就活生らしい身だしなみが要求されますが、就活生らしい身だしなみの要求に煩わしさを感じる人もいます。採用されるには企業が求める人材にならなければならず、自分をよりよく見せるようにアピールしなければなりません。このようなシステムに馴染むことができず、就活したくないと感じる人もいます。
面接が苦手で就活したくないという人は、キャリチャンの「面接サポート」がオススメです。経験豊富なキャリアアドバイザーがオンラインでの1対1面談で、苦手な面接についてサポートをします。
就活しない場合に選択できること
就活しない場合、選ぶ道はさまざまです。今年は就活しないで来年に備える就職留年や、卒業して就職浪人になる選択肢もあります。
大学院進学や、アルバイト・フリーランスで生計を立てていく道を選ぶ人もいるでしょう。また、近年は事業を立ち上げて起業する学生もいます。
就職留年する
就職留年とは、翌年度に新卒として就活するために留年することです。新卒しか採用しないという企業も多く、就職留年することで来年度も新卒として就活できるというメリットがあります。ただし、留年して大学に授業料を払うというデメリットがあり、家族の理解が必要です。
また、就職留年は就活の際、企業側にマイナスのイメージを与えることも多く、留年の理由を聞かれたときにどのように答えるかの準備もしておく必要があります。内定がひとつももらえなかったなど、ネガティブな理由を隠す必要はありません。内定をもらえるために改善を行ってきたことなど、ポジティブな取り組みを伝えることが大切です。
就職浪人になる
就職浪人とは、既卒となって次年度以降に就活することです。新卒しか採用しない企業も多いことから、採用枠が減るというデメリットがあります。
ただし、卒業して時間ができ、学費もかからないのがメリットです。就活に時間をかけられるほか、資格を取得したり留学したりする選択肢もあります。資格や語学力を身につければ、就職に活かすことができるでしょう。
就職浪人も就職留年と同じく、選考ではどうしても企業側にマイナスのイメージを持たれやすくなります。面接ではほぼ「なぜ就職しなかったのか」という質問をされるため、回答を考えておくことが必要です。
就職留年や就職浪人の人には、やり直し就活をサポートする「出直れ&やり直し就活」がオススメです。「就活をやり直したい」という思いにプロのキャリアアドバイザーが、マンツーマンで応えます。
大学院に進学する
就活しないで大学院に進学するという道もあります。より専門的な知識を身につけたい、あるいは新しい分野を学びたいという場合の選択肢です。大学時代よりもさらに学ぶ量が増えることになり、「就活がうまくいかないから大学院に進もう」といった動機では続けるのが難しくなるでしょう。
大学院に進学することで、就活の際に専門性が求められる業種にも応募しやすくなります。初任給も大学卒と比べて高くなりやすいのがメリットです。
一方、大学院進学は在学期間が長くなるので学費がかかるというデメリットがあります。また、研究で忙しくなるため、就活にかける時間の確保が難しくなるのもデメリットの1つです。
アルバイトをする
就活しないで、非正規雇用のアルバイトをする選択もあります。勤務時間や日数などを自由に選べるのがメリットです。今後どのような道に進むか、アルバイトをしながら考える人もいます。
アルバイトは収入が不安定で福利厚生も十分でないことから、いつまでもこのままではいられないと考える人もいるでしょう。
アルバイトから正社員になるのは難しいと思うかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。これまで働いて積み重ねたスキル・経験を自己PRにまとめ、働く意欲をアピールすることでプラスの評価が得られます。
フリーランスになる
自分で独立して収入を得る方法がある場合、フリーランス(個人事業主)として働く道もあります。フリーランスとは、会社や団体などに所属せず、業務を請け負って収入を得る人のことです。プログラマーやWebデザイナー、ライターなどがあげられます。
フリーランスは最低賃金や労働時間、休日など、企業で働く人を保護する労働基準法の保護はありません。独立した事業主として、自己責任のもとに働きます。確定申告や経理などの事務作業も自分で行わなければならず、自己管理が必要です。
実力があれば高い収入を得ることがありますが、仕事がなく収入を得られないという可能性もあります。
プログラミングが得意など収入を得るスキルがあり、自分の好きなことで収入を得たいという人は、就活しないでフリーランスを選ぶのもひとつの方法です。
起業する
事業のアイデアがある場合、起業するという選択肢もあります。大学時代に起業して、成功をおさめている起業家も少なくありません。
大学生は授業時間をコントロールして自由な時間を確保することができ、学生を対象にした商品・サービスを展開することも可能です。また、大学構内には学生の企業をサポートするセンターが置かれているところもあり、学生起業を支援する仕組みが存在します。
大学の研究をビジネスに活かす大学発ベンチャーも年々増加している傾向にあり、研究していることがビジネスに結びつく場合は起業を検討するのもオススメです。
また、会社員が独立して起業するのと比較して、学生起業は失敗のリスクが少ないというメリットがあります。起業がうまくいかなくても就職するという選択肢があり、起業の経験は高いアピールポイントになります。
しっかり事業計画を作成すれば、起業で成功するのも夢ではありません。ただし、在学中に起業する場合は、学業と両立させるための計画を事前に立てておくことが大切です。
就活しないかどうかは慎重に考えよう
就活するかしないかは、人それぞれの判断になります。大学生は必ず就活しなければならないわけではなく、ほかに進みたい道があれば就活をせず別の道を目指すのも1つの選択肢です。
就活しないことで自分の自由な時間ができ、行動が縛られることもないというメリットがあります。一方、収入は不安定になり、社会的信用も得にくいのがデメリットです。今の気持ちだけでなく将来も見据えて、自分は何がしたいのかを慎重に考えることが大切です。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。