面接で録音は違法なのか?気になる真相をプロがわかりやすく解説します
2023年3月17日
面接は緊張しますし、自分で練習していても実際の場面ではうまくいかない場合もありますよね。そんな時、自分がどのような受け答えをしていたか確認したいと思いませんか。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
そう!実際の面接で自分にはどんな癖や傾向があったかや、受け答えに対して面接官がどのような反応だったかを知りたいです。
面接を録音すれば、それを振り返りに使って、次の面接の対策にできるのでとても有益ですよ。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
え?そうなんですか?それって犯罪になったり、訴えられたりしないのでしょうか。
法的には録音自体はまったく問題ありませんよ。ただし、その録音をどのように利用するかには注意が必要です。録音の疑問点、注意点について詳しくみていきましょう。
キャリアプランナー 岡田
面接で録音するのはOK?違法にはならない?
「自分の成果を確認したい」「今日の反省を次に活かしたい」このような理由から、面接で“録音”をしたいと考えている人も多いと思います。しかし、内緒で録音するにしろ、許可を取るにしろ、面接という場において録音はダメなのでは?と不安を抱いているのではないでしょうか。
ここではそんな、面接で録音をするのはOKなのか、また違法に当たる場合もあるのか?そんな疑問を解消していきます。
基本的に面接で録音してもOK
基本的に面接で録音をすることは全く問題ないとされています。面接官に内緒で無断録音をしても違法には当たりません。これは面接に限らず、企業の担当者とのやりとりなども該当します。
録音することによって、正確に記録された面接内容を今後の参考にできたり、オワハラなどを受けた場合には証拠にもなりますので、録音することでのメリット自体も多いです。
しかし、これはあくまで“録音自体は違法にならない”だけで、録音からさらにアクションを起こせば違法になる場合があります。
次節より、どのような場合に「違法」となるのか解説します。
『SNS』に公開すると法的NGになる場合がある
無断録音したものをSNSなどに公開すると、法的にNGとなる場合があります。法的にNGとなる場合は下記の二通りです。
- 「名誉棄損」
企業や社員の悪口、評価を低下させるような内容の場合「名誉棄損」が成立する余地がある - 「プライバシーの侵害」
社会的評価を定差させるような場合「プライバシーの侵害」に当たる余地がある
このように、企業の特定や評価に影響が出るようなことがあれば、名誉棄損やプライバシーの侵害などと言った不法行為が成立する可能性があります。
近年ではSNSの普及が急速に拡大されていることから、影響力も大変大きいですし、多くの企業も採用活動の一環としてSNSをチェックする傾向がありますので、十分な注意が必要となます。
しかし、録音自体はOKですので、“自分だけが聞く”という正しい管理方法であれば何の問題もありません。
面接は緊張しますし、自分の思うようにはなかなか進めることができないものです。でも、面接後の振り返りができれば、自分の経験を次に生かすことができますよね。また、他の人の良いところを自分のものにもしていけます。そんな面接の振り返りを録音して行う人も増えてるのです。ただし、録音の取り扱いには注意しなければなりません。
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面接で録音をする3つのメリット
場合によって違法となる場合があるものの、“自分だけ”が聞く分には問題ありませんし、録音自体にはメリットがとても多いので、活用次第で就活を有利に運ぶことができます。
ではそんな録音には具体的にどのようなメリットがあるんでしょうか。解説していきます。
面接の内容を振り返りやすく、次回の対策にもなる
面接の内容を録音しておくことで、面接内容を正確に振り返ることができるため、次回の対策にもなります。面接時は緊張しており、話した内容などを完璧に覚えておけないものですから、記録として残しておける録音は使い勝手が良いのです。
たとえば、「えーと」などといった余計な言葉を何回も言っていたり、質問に対して全く関係のない回答をしていたりなど、その場では気づけなったようなミスにも気づけたり、様々な質問を受けることから、次回のための回答をストックできたりなど、反省から次回の対策まで行う事ができます。
模擬面接ではその場で指摘してもらえますが、本番では誰も指摘をしてくれません。ミスをしたらそのまま評価へと影響してしまいますし、そのミスにすら気づけなければ次も失敗することは目に見えています。
録音はそのようなことを回避するのにとても有効な手段となりますので、面接内容を正確に記録として残しておけるのは大きなメリットだといえます。
優秀なライバルの思考を参考にできる
グループ面接やグループディスカッションなどを行うとなんとなく「この人は合格するだろうな」と感じる人っていますよね?できれば、自分のそう思われるような存在になりたいですよね。
そんな時録音をしておけば、「すごい学生」に一歩近づけるかもしれないのです。なぜなら、録音をしておけば、そのすごいと感じた学生の思考を参考にすることができるからです。
圧倒的に学歴などで負けているならともかく、同じようなスペックであれば望みはありますよね。そんなとき、すごいと感じた学生の思考を参考にできれば、自分の考え方とプラスして物事を考えられるようになるため、自信のスキルアップへとつながるのです。
いい意味で盗めるものは盗んだ方が、自分自身のスキルアップにつながりますし、視野や可能性も広げることができるため、就活においても有利に働くなります。
実際にどのような観点から、優秀な学生の思考を参考にすべきか、下記を参考にチェックしてみましょう。
- なぜその学生を優秀だと感じたのか?
- 自分とその学生との回答の違いとは?
- 自分とその学生との考え方の違いとは?
- 自分とその学生との回答時間の差は?
- 自分とその学生とが発言したの時の面接官の反応の違いは?
ハラスメントを受けたときの証拠となる
万が一、就活においてハラスメントを受けた際には録音したものが「証拠」となります。
近年では、「内定を出すから他社の選考を辞退して」「内定を辞退するなら訴えてやる」などといったオワハラ(就活終われハラスメント)が横行しており、毎年被害者も増え続けています。
さらに他にも、「彼氏はいるの?」「社内には独身が多いから結婚も安心だね」「君は仕事ができなさそう」「うち以外で君を採用する企業はないよ」といったセクハラやパワハラなどの被害報告も多くあります。
「採用する側の企業」と「採用される側の就活生」ということで、どうしても就活生の方が立場が弱くなり、これらのハラスメントが横行してしまい、また問題が解決されにくいのが現状です。
しかし録音をしておけば、決定的な証拠となりますので、立場などを気にせずに問題解決へと結び付けることができます。
面接対策の他にもこのような対策ができるということは、録音するうえでの大きなメリットだと言えるでしょう。
面接で録音をする3つのデメリット
録音をすることで様々なメリットがある一方、残念ながらいくつかデメリットも発生してしまいます。では、具体的にどのようなデメリットがあるのか。ここではそんな録音するデメリットについて解説していきます。
面接で録音をしたいと考えている人は録音するデメリットもしっかりと把握しておかないと、就活に悪影響を及ぼす可能性がありますので、必ず確認してください。
録音がバレると悪印象
内緒で録音する際、録音したことが企業側にバレると悪印象を与えてしまう可能性があります。
録音自体は問題ないものの、“内緒で”という行為に対してよい印象を抱かない人が多く、また「SNSで拡散されてしまうのではないか」と警戒してしまうことから、腹を割って話せなくもなります。
直接的に評価に影響するかどうかは企業側によって判断が異なりますが、はじめに受けた悪い印象はずっと残りますので、のちに影響が出ることも考えられます。
基本的に録画をする際は、わざわざ許可を取る必要はなく、内緒でしたほうが良いですので、絶対にばれないように注意をしましょう。
面接の集中力が切れる場合がある
「録音しているのがバレたらどうしよう」「間違えて再生されちゃったらどうしよう」「音などが鳴ったらどうしよう」などといった不安から、面接に集中できなくなってしまう可能性があります。
このような心配をしていると思うように発言ができなくなってしまったり、面接官にもソワソワしている態度が伝わり、結果として面接が失敗に終わってしまう可能性が高まります。
そもそも面接を受けている時点でだいぶ緊張しているはずですし、その中でうまく回答ができないだけでなく、他の心配事があるようでは面接がうまくいかないのはわかりきっていることです。
このように、録音による心配事から面接の集中力が切れてしまい、結果として不合格となる場合もありますので、注意しておきましょう。
SNSに公開すると人生を詰む
録音したものをSNSに公開し、犯罪だと判断されるようなことがあれば人生が終わります。先ほども述べたように、SNSに録音したものを公開することによって名誉棄損やプライバシーの侵害などに該当する場合があり、このように判断されれば、内定がもらえないだけでなく就職自体も難しくなります。
また、近年ではSNSの普及が急速に拡大されていますので、このようなことがあれば一生に名前が残ってしまいますし、様々なことで障害を感じることとなるでしょう。
最近では、定職チェーンの「大戸屋ホールディングス」の従業員による不適切な行為の動画がSNSに投稿され、原則として国内すべての店舗で一斉休業、投稿者(従業員)には多額な賠償金の発生が見込まれるという事例があるほど、SNSの影響力は大きなものとされています。
このようなことがあると就活だけでなく人生も終わることとなるので、注意しておきましょう。
面接で失敗すると落ち込みますよね。自分にはできそうもない!そんな風に考えていませんか。面接は振り返ることで質を上げられるのです。最近では面接の録音を使う人も増えています。でもその際にはいくつかのマナーを守らなければいけません。マナーを守って気持ちよく、そして自分の良さを最大限に伝えられる面接を目指しませんか。
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面接で録音する際のマナーと注意点
面接で録音をすることでデメリットも発生してしまうものの、今後の就活に役立つことも多いということで録音をしたいと考える人も多いと思います。しかし、録音がバレると印象が悪くなりますし、扱い方次第では「犯罪」となる場合もありますので、録音をする際には必ずマナーを守ってください。
ここではそんな、面接で録音をする際のマナーと注意点について解説していきます。
許可は基本的に要らないが、取る場合は面接前
面接で録音する際は、基本的に許可を取る必要はなく、内緒で行う方が良いとされています。なぜなら、企業側は録音する学生に対し、「SNSに公開されてしまうのでは?」と警戒してしまうことから、腹を割って話せなくなってしまうからです。
しかしそれでも「バレたら怖いから」「録音を気にしながら面接をしたくない」という理由から、直接許可を取りたいと考える人もいるでしょう。
そのような場合は、面接が始まる前に、「本日の面接が終わった後に振り返りを行いため、録音してもよろしいでしょうか?」と申し入れをしましょう。OKと言われたらお礼を述べ、セットが終わったら「ありがとうございます」といって面接をスタートしてもらいます。
もし、録音を断られた場合にはおとなしく録音はしないようにしてください。断られたにもかかわらず内緒で録音してしまうのはリスクが高すぎます。
バレると悪印象なので徹底してバレないように
繰り返しになりますが、録音は基本的に無断でしてもOKとされていますが、バレたときには印象が悪くなりますので、徹底的にバレないように行ってください。
先ほども述べたときに、“内緒で”という行為に対して不快感を抱く人は多いですし、「SNSに公開されるのでは?」という警戒から、腹を割って話せなくなり、お互いがお互いを十分に見極められなくなります。
そうなれば相性を図ることができなくなり、ミスマッチへとつながってしまう可能性も浮上してきてしまいます。また、悪い印象はなかなか消えることもないため、面接結果に影響してしまう場合もあります。
このように、「バレる」ことによって様々な悪影響をもたらす可能性がありますので、録音をする際には絶対にバレないようにしてください。
SNSへの公開はもちろんNG
こちらも繰り返しになりますが、録音したものをSNSに公開するのは絶対にNGです。名誉棄損やプライバシーの侵害となれば面接がもらえないだけでなく、就職自体も厳しくなり、社会的評価も落ちることとなります。
SNSをやっていない人も安易に友人などに送ってしまうと、その友人が公開をしてしまう場合もありますので、軽い気持ちで録音を取り扱わないようにしてください。
録音は無断でしてもOKだが、SNSなどには公開せず、“自分だけ”が聞くものという認識を忘れずに。
録音に慣れるための練習をしておく
「うまく録音できなかったらどうしよう」「録音の操作などが気になって面接に集中できない」「バレたらどうしよう」などと言った不安を解消するためにも、事前に録音をしながら面接を受ける練習をしておきましょう。
録音の操作や扱いがしっかりとできていれば、バレたらどうしようなどといった心配もなくなり、面接に集中することができます。
そのためにも、本番を想定して練習を行いましょう。ポイントは“緊張感”です。本番を想定して練習をすることで、ほどよい緊張感を持つことができますし、この緊張感を持つことこそが、本番に強くなるための秘訣です
緊張感のない面接練習で録音に成功しても、本番では緊張感に負けてしまい、うまくできなくなってしまうのは目に見えていますので、普段から緊張感に慣れておくことがポイントです。
ですから、面接練習も友人や家族などではなく、大学のキャリアセンターや就活エージェントなど、「他人」と行いましょう。
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おわりに
面接で録音すること自体はなんの問題もなく、基本的に許可を取ることなく無断で行ってOKです。録音することで正確に面接内容を記録しておけますし、今後の就活においても有利に運ぶことができるなど、メリットも多いです。
しかし、録音したものをSNSなどに公開してしまうと、場合によっては名誉棄損やプライバシーの侵害などに当たる場合もありますので、取り扱いには注意が必要です。
また、録音しているのがバレると悪印象を与えてしまったり、「SNSに公開されるのでは」と警戒されることから、腹を割って話せなくなり、お互いがお互いを満足に見極めることができなくなります。
このように、録音することで様々なリスクがあるということもしっかりと覚えておきましょう。万が一、録音の許可が下りなかったり、録音を気にして面接に集中できなさそうなどといった心配がある場合は、録音をするのはあきらめ、面接後すぐにノートに内容をまとめるようにしましょう。
面接後すぐであれば記憶も新しいので、録音まで正確に内容を記録できなくても、ある程度は記録できるはずです。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。