志望企業を福利厚生で決めるのはありなのか?正しい企業選びについて知ろう
2022年5月9日
こんにちは。皆さんは企業の「福利厚生」を重視していますか?
会社によって様々な制度があり、福利厚生の良い企業だけを探すのは結構大変ですよね。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
オリジナルの制度などもあって、福利厚生が充実している企業は魅力的に感じます。
ただ、説明会にも参加している人も多いし、やっぱり倍率高いんですか?
選考を進めようとしても受からないことが多いです。
福利厚生を重視して企業探しを進めている人は多いため、自然と倍率はあがります。
またそれだけではなく、企業側が求める人物像とズレがあることも考えられます。
今回は福利厚生だけで志望企業を決めるリスクや注意すべきポイントについて解説します。
キャリアプランナー 平崎
福利厚生で企業を選んでもいいのか?
志望企業を決めるうえでさまざまなことを基準にしていると思いますが、その中で「福利厚生」から企業を決めようとする人も多くいます。しかし福利厚生は“条件面”となるわけですから、「福利厚生だけで決めてもいいのかな?」と不安を抱いてしまいますよね。
では実際、福利厚生で企業を選んでもいいのでしょうか。その真相についての結論は、“福利厚生のみ”で選ぶのはNGです。仕事の内容や企業が求める人物像などを無視し、企業が設ける制度だけを企業選びの基準とするのはNGです。
なぜ福利厚生だけで企業を選ぶのがNGなのかというと、福利厚生は仕事を行ううえでの“おまけ”みたいなものだからです。企業は仕事を行ううえで充実した環境を作るための制度として福利厚生を設けているため、その条件面だけで企業を選んでも内定には結び付きません。
企業は企業の業績アップのために人材を集めており、そのために学生の伸びしろや可能性をチェックしています。その過程において学生が企業の仕事や仕組みなどについて全く理解しておらず、福利厚生という条件面だけで選んでいると判断されれば相性を図ることができず、内定は遠のいてしまうのです。
また学生側にとっても就活における企業選びは“自分の強みを活かせる職場を見つける”ことが大きな目的となりますので、そのうえで条件面という表面だけで企業を選んでいるようでは内定がもらえないのは当然です。もし仮に内定がもらえなくても仕事や働き方にギャップを感じてしまい、早期退職もあり得るでしょう。
そのため内定に結びつかない、内定がもらえても早期退職のリスクがあるといったことから福利厚生のみ(条件面だけ)で企業を選ぶのはNGといえます。しかし、福利厚生を重視して企業を選ぶことはOKです。福利厚生も企業を選ぶ条件の1つとなるのは確かですし、企業側も自社を売り込むために福利厚生をアピールしているケースもありますから、福利厚生を重視したうえで企業を選ぶことはOKです。
むしろ重視すべき福利厚生、チェックしておきたい条件などもありますので、企業が設ける制度をチェックすることは大切ですので覚えておきましょう。しかし、福利厚生を重視して企業を選ぶうえでは意識すべきことなどもありますので、次項より確認していきましょう。
福利厚生から企業を選ぶうえで意識すべきこと
福利厚生だけで企業を選ぶのはNGですが、福利厚生も企業を選ぶうえで大切な基準となりますし、福利厚生を重視して選ぶことも大切です。しかし、やり方を間違えると“福利厚生だけ”で企業を選んでしまう恐れがありますので、注意が必要です。
では企業選びに間違えないためにはどのようなことを意識すればよいのでしょうか。ここではそんな福利厚生から企業を選ぶうえで意識すべきことについて解説していきます。
自分の中での優先順位を明確にする
福利厚生から企業を選ぶ際に意識すべきことは、自分の中での優先順位を明確にすることです。自分にとって必要な条件は何なのか、自分を成長させるためにどのような環境が必要なのかなど、自分にとって重要な福利厚生・条件などを明確にし、優先順位をハッキリとさせてください。
福利厚生は仕事を行ううえでの“おまけ”みたいなものですが、仕事をする上で+αとなるものでもありますので、あるとないとでは仕事への向き合い方も変わってきます。そしてその条件が自分にとって良いものなのかどうかは人それぞれですので、まずは自分の中でどのような条件があると良いのかを明確にする必要があるのです。
福利厚生は企業が独自に設ける制度のため、その内容は様々です。企業側も働きやすい環境作りや業績アップのための環境作りとして必要な福利厚生を設けていますから、それらを参考にどのような条件が自分に必要なのかを考えていきましょう。
もちろんその際に意識すべきは、“仕事をする上で必要な条件は何か”ということです。福利厚生はあくまで仕事をより良いものにするためのおまけに過ぎませんから、その仕事を充実したものにするための条件は何かを意識しながら自分の中で優先順位を決めていくことが重要となります。
「仕事へのモチベーションは給料の高さで決まるから、給料が高い方がいい、ボーナスや手当が多くつくものがいい」「休みがたくさんあるとオンオフが切り替えやすくて仕事に取り組みやすい」「早く成長したいので教育環境が整っていると良い」など、仕事に対して自分を成長させることのできるおまけは何かを考えていくと、優先順位が決めやすいでしょう。
キャリchに福利厚生を紹介したコラムがありますので、参考にぜひご覧ください。
思わず「すごい」と言ってしまう!ユニークな福利厚生・社内制度70選を紹介
重視すべき福利厚生を把握する
福利厚生には様々な内容のものがあり、その中から自分にとって必要なものを見つけていくことが大切ですが、合わせて“重視すべき福利厚生”も把握する必要があります。つまり、企業選びをする上で大切にすべき福利厚生があり、それらがきちんと設けられているかをチェックする必要があるのです。
福利厚生には法律で定めなければならない「法定福利厚生」と、会社ごとに独自に定めることのできる「法定外福利厚生」とがあり、この「法定外福利厚生」から企業の色を把握できますので、しっかりチェックしていきましょう。
そして具体的に福利厚生の中で重視したいものは下記のとおりです。
- リモートワーク
→コロナの影響から需要が高まったリモートワーク制度。職種にもよりますが、コロナ禍においてリモートワークを導入しない企業は少し不安要素が残りますので、このご時世、リモートワークの有無はチェックすべき項目でしょう。 - 通勤・住宅手当
→交通費や家賃などを補助する制度。毎日の通勤にかかる交通費が負担されないと、出勤するたびにお金が掛かることになりますので、交通費支給は必須と言えるでしょう。住宅手当もあると職場選びの選択が広がるため、あると嬉しい制度です。 - 食事などの補助
→昼食・夜食の一部補助や、社食サービスを行う制度です。社員の健康を考えた制度で、最近導入する企業が増えています。栄養バランスの良い食事を職場で取れるのは大きなメリットといえるでしょう。 - 慶弔金
→結婚や出産、社員やその家族の死亡時などに給付金を支払う制度です。企業によって永年継続祝い金や新婚旅行代などを支給してくれる企業などもあり、これらは仕事を行ううえでのモチベーションとなりますので、あると良いでしょう。 - 特別休暇
→誕生日や結婚記念日、子供の誕生日などに休暇をもらえる制度。有給は消化せずに休むことができ、大切な日を過ごすことができるためプライベートが充実します。意外とこの制度を設ける企業は少ないので、あると嬉しい福利厚生の1つです。 - 資格や教育
→仕事で必要な資格取得にかかる金額の支援やセミナーなどを社内で行う制度です。仕事への貢献度も高く、そのうえお金や環境を提供してもらえるため大変重宝される福利厚生です。
必ず必須ではないですが、あると仕事での成長やプライベートの充実が見込めることから、企業を選ぶうえではチェックしておきたい福利厚生です。特にリモートワーク制度はこのご時世欠かせないものとなりますし、通勤手当もないとお金を稼ぎに行くはずなのにお金を消費する形となりますので、特に重要視しておきましょう。
ちなみに福利厚生には上記のような「法定外福利厚生」のほかに、法律で定めなければならない法定福利厚生というものがあり、具体的には「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」「子ども・子育て拠出金」「介護保険」を指します。これらは法律で定めなければいけないため、これらの制度が設けられていない企業はブラック企業の恐れがありますので注意しましょう。
企業を選ぶうえで福利厚生以外に大切にしたいこと
企業を選ぶうえで福利厚生は重要なものとなりますが、福利厚生だけで選んでしまうと企業選びに失敗してしまう恐れがありますので注意が必要です。企業選びに失敗しないためには、福利厚生だけになってしまわぬよう、他のことにも目を向け、しっかりと企業を判断していかなくてはなりません。
では具体的にどのようなことを意識しながら企業選びをしていけばよいのでしょうか。ここではそんな企業を選ぶうえで、福利厚生以外に大切にしたいことについて解説していきます。
企業との相性や企業への貢献度
企業を選ぶうえで福利厚生以外に大切にしたいことは、企業との相性や企業への貢献度です。学生と企業との相性が良いかどうか、自分の能力を活かすことができ、企業の業績に貢献できるかどうかを判断しながら企業を選んでいくことが大切です。
就活では学生が企業を選ぶように企業側も学生を選んでいます。そのためお互いにとって相性が良いと判断されないと内定に結びつくことができません。そしてそんな相性は、学生側は自分の持つ強みやスキルをその企業で活かせるかどうか、企業側は求める人物像に当てはまるかどうかから判断されます。
そのため、学生は企業側が求める人物像を把握し、企業が求める人物像に自分を近づけてアピールしていけば内定も獲得しやすくなるというわけです。そして内定に結びつくということは学生の強みを活かせる環境選びができたということになりますので、企業へ貢献できることも見込まれます。
相性が良い企業を選べれば内定にも結びつくことができますし、入社後にも企業に貢献することができるため、企業と共に一緒に成長していくことができます。就活の成功はもちろん、入社後にも安定した社会人生活を送ることができますので、自分との相性を第一に考えたうえで企業を選んでいきましょう。
自分の成長性が見込めるか
企業を選ぶうえで相性や企業への貢献度のほかに、自分の成長性が見込めるかどうかも大切にする必要があります。これから社会人として生活するうえで自分の成長が見込めないと昇進や昇給できませんし、転職するにしても失敗してしまう恐れがありますので、企業を選ぶ段階で「この会社で自分はちゃんと成長できるのか」を見極めていかなくてはなりません。
特に新卒として選ぶはじめての企業は、これからの長い社会人生活の基盤となりますので、選択を間違えるわけにはいきません。ここで選択を間違えると何の成長もできないまま無駄な時間を過ごしてしまう恐れがあります。成長スピードは人それぞれですが、全く成長することのできない環境にいるのは時間の無駄です。
成長ができないと仕事をしていても楽しくないでしょうし、生活をするためには昇進することで地位を上げ、給料も上げていかないといけません。そしてその全ては“自分の成長が見込める環境を選ぶ”ことが大切なのです。
自分の成長性が見込める環境とは具体的に、自分の強みを活かせること、自分を求めていることが整っていることです。前述からもわかるように、これらの環境が整っているということは相性が良いことも同時に示すこととなりますので、内定にも結びつきやすいです。
また自分のやりたいことよりも“自分にできること”を意識すると良いでしょう。仕事というのは自分がしたいことよりも、自分の能力を活かせることを前提とした“自分にできること”を意識したうえで選んだ方がうまくいきます。
これは結果的に自分の成長性が望める環境選びができていることになるからです。ですので相性と合わせ、自分が成長できる環境かどうか、自分にできることは何かなどを意識しながら企業選びをしていきましょう。
情報をたくさん得たうえで判断する
企業選びをする際に相性や自分の成長性を意識することが大切ですが、それらをより正確に見極めていくために、“たくさんの情報を得る”ことが非常に重要です。相性や自分の成長性を図るためには自己判断ではできません。なぜなら企業側にも考えがあるからです。
企業側にも考えがありますし、求めている人物像やそれら人物を求める理由や目的があります。そして採用活動を行う目的も企業にはありますから、それらを理解していかないと自分と相性の良い企業かどうかを判断することができません。
ですので自己分析などはもちろん、企業本や業界本などのツールを用いたり、説明会や就活イベント、OB訪問などを積極的に参加することでたくさんの情報を得ていきましょう。実際に働く社員と接触することで自分がその企業で働くことが想像しやすくなるでしょう。
また、就活エージェントを頼るのも良いです。就活エージェントは就活情報に精通しているため、他では知りえない情報をたくさん知ることができます。またプロの視点から学生と企業との相性を図ってくれるため、正しい選択ができるでしょう。
キャリchでも企業選びを行う際のサポートを行うイベント「就活相談サポート」を開催しています。このイベントでは福利厚生から企業選びをする際のサポートから、企業の紹介などを行っています。絶対に企業選びに失敗したくない人のためのイベントです。ぜひ気楽にご参加ください!
おわりに
企業を選ぶうえで福利厚生は重要なものとなりますが、“福利厚生だけ”で企業を選ぶのはNGです。福利厚生はいわば“おまけ”みないたようなものですので、それだけで企業を選ぶのにはあまりにもリスクが大きいです。
しかし福利厚生は仕事を充実させるために重要なものであることも確かですし、意識したい福利厚生もありますので、自分に必要な福利厚生と合わせて考えていきましょう。また福利厚生を重視するためには、それ以外の部分である相性や自分の成長性も考えていかなくてはなりません。
ですので説明会や就活イベントなどで積極的に参加し、就活エージェントなどを利用しながら自分に合った企業を見つけ出していきましょう。
就活相談サポートに参加しよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。