自己分析ツールを就活に活用しよう!就活向けツール一覧と活用法を紹介
2022年10月21日
就活を始める上での第一ステップは、自己分析です。自己分析は進んでいますか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
実は自己分析のやり方がわからず、進んでいません。手っ取り早く自己分析ができるツールがあるって聞いたんですが、それってアテになるんでしょうか?自己分析ツールにも色んな種類があるみたいだし、どれを選べばいいのか、どの程度信じていいのかわかりません。
確かに自己分析って、初めは難しいですよね。自己分析ツールは万能ではありませんが、使い方次第では結構役に立ちます。本格的な自己分析とその先の就活への入り口として、補助的に使うと良いでしょう。
このコラムでは、就活における自己分析の重要性とツールの役割、就活にオススメの自己分析ツール、ツール以外の自己分析法などについて解説します。自己分析は就活の要ですので、ぜひ参考にしてください。
キャリアプランナー 平崎
就活における自己分析の重要性とツールの役割
就活を始めるには自己分析が欠かせませんが、様々なやり方があり、時間がかかるものでもあるので、手っ取り早く自己分析ツールを使って取りかかる就活生が多いです。しかし残念ながら、せっかく自己分析ツールを使っても、うまく活用できていない就活生が少なくありません。
自己分析ツールをきちんと活用するために、まずは「自己分析」とはどういうものか、最終的な目的はどこにあるのか、どのようにツールを活用すべきかなどについて明確にしておきましょう。
そもそも自己分析とは
そもそも自己分析とは、自分のことを客観的に分析して、より深く正しく理解するための作業です。自分のことはよく知っているようで、知らないこともたくさんあります。自分の中の感情は漠然としたものなので、自分自身でも認識をあやっていることや、気付けないこと、明確な言葉に置き換えられないこともあるわけです。
しかし自分のことがよく分かっていない状態で就活に臨んでしまうと、長く勤めていけるような、相性の良い企業を選べません。志望先を選ぼうにも、どんな仕事がしたいかわからず迷ってしまいますし、就活の中で自分の何をアピールすればいいのかにも迷ってしまいます。就活をスムーズに進めるために、自分への理解を深めることは不可欠なのです。
そして企業側は採用活動において、自社の仕事で役立つ能力や人柄を持った「相性の良い人材」を探しています。ですから、もともと自分の持っている資質に合った企業を受けると同時に、志望企業と自分の相性の良さを上手にアピールできて初めて、内定へ近づけるのです。自分のことがよく分からず、企業選びやアピールの方向性に迷っていると、内定は遠のいてしまいます。
また、たとえそんな状態で運よく内定をもらえたとしても、入社してしまってから「やっぱり自分には合わないな」と感じて、後悔する可能性があります。自分の持っている能力と相性の良くない仕事を毎日こなすのは大変ですし、自分の人柄や価値観に合わない職場で毎日働くのは苦痛だからです。そのために早期退職につながり、早々に転職するのでは、新卒での就活の努力が水の泡になってしまいます。
就活の上では、そんな風にならないようあらかじめ自己分析をすることによって、自分の強みや弱み、志向性などを把握し、企業選びの軸を定めたり、就活でのアピールポイントを見出したりするのに役立てます。そうすることで自分自身も就活に迷いがなくなり、スムーズに進めやすくなると同時に、内定を得やすくなって、満足度の高い企業に入社できる可能性が高まるのです。
つまり自己分析は、就活を進める上での最も重要な基盤であり、就活の成否を左右するほど重要なものだと言えるでしょう。しかし人間の思考回路は複雑なものですから、大抵の場合、それを解き明かすのには結構な時間と労力が必要になります。これから就活に挑む人はそれを踏まえたうえで、できるだけ早く自己分析に取り掛かるべきです。
自己分析ツールはあくまで簡易的なもの
自己分析ツールは、本来なら大変時間のかかる自己分析の作業を、手っ取り早く簡単に済ませようとするアプリケーションです。心理学の理論や統計的なデータなどをもとに、その人の資質や思考回路を機械的に解き明かすことを目的として設計されています。
具体的に自己分析ツールを使って解明できることは、以下のような点です。
【自己分析ツールで分かること】
- 仕事で役立つ強みや弱み
- 自分の志向性
- 自分に適した業界・職種
自分のこととはいえ、新卒の就活生は基本的に一度も働いたことがないわけですから、上記のようなものを初めから明確に認識できている人は極めて少数で、それを解き明かすには結構な時間と手間がかかります。それをアプリケーションの選択問題に答えることで短時間かつ簡単に済ませられ、これまで知らなかった自分を発見できることを思えば、大変便利な就活ツールです。
ただし自己分析ツールは、人間性という複雑で簡単に数字では置き換えられないものを機械的に判定するプログラムですから、その制度にはある程度限界があります。分析結果が少々的外れになってしまうこともあれば、発見しきれない部分があることも事実です。全く同じ自己分析ツールを用いても、微妙な部分についてはその時々の気分で回答の選択が変わり、多少診断結果が異なってくる場合もあります。
ですから1つの自己分析ツールによって解析された診断結果をまるまる鵜呑みにし、それだけを頼りに就活を推し進めるのは危険です。自己分析ツールを利用する際は、複数の分析ツールを併用したり、ツール以外の分析方法も併用したりして、様々な角度からの診断結果を合わせ、総合的に判断しましょう。
複数の診断において重複する部分が、精度の高い診断だと考えられます。しかし重複しない部分についても、他のツールが見逃した資質を発掘できたのかもしれません。どちらの場合も頭から鵜呑みにしたり否定したりせず、あくまで自分の知らない自分を発見するための「参考」として利用することをオススメします。最終的には、実際にそういう傾向があるかどうか、自分の行動パターンなどと照らし合わせて検証することが大切です。また、先に自力で行った自己分析の結果が、正しく行えているかどうか後から判断する目安にもなります。
就活にオススメの自己分析ツール一覧
就活において自己分析は不可欠ですが、時間がかかる作業でもありますし、どこからどう取りかかればいいのか分からず、途方に暮れてしまう就活生も多いと思います。ツールだけで自己分析が完了するわけではありませんが、質問に答えていくだけである程度の目安を示してくれる自己分析ツールは、本格的な自己分析に向けた取っ掛かりや、自力で行った自己分析の確認方法として有用です。
しかし世の中には、「恋愛向き」「転職向き」「総合的な性格診断」といった様々な目的を目指した自己分析ツールがあふれているので、新卒の就活の方向性を考える上では、あまり参考にならない分析ツールも多々あります。診断結果を効果的に就活に役立てるためには、どの自己分析ツールでもよいわけではないのです。
そこでここからは、新卒の就活にオススメの自己分析ツールを一覧で紹介します。「短時間で手軽に就活向けの自己分析できる無料ツール」「就活サイト直結型の無料自己分析ツール」「就活に限らず一般的な自己分析ができる無料ツール」「有料の自己分析ツール」に分けて紹介しますので、ツール選びの参考にしてください。
- キャリch 適職診断
- ディスコ キャリタスクエスト
- dodaキャンパス 就活伸びしろ診断
- みん就 業界タイプ別就活診断
- ポケモン自己分析
- キャリアパーク My analytics
- 就活の教科書 LINE適職診断
- careerMine AI診断
- 適職診断NAVI
- OfferBox AnalyzeU+
- リクナビ診断
- マイナビ 適性診断MATCHplus
- キミスカ 適性検査
- ジェイック FutureFinder
- toiroworks 自己診断テスト
- CIY トーテム診断
- リンク・アイ BRIDGE
- COGRESS 自己分析ツール
- m-gram エムグラム診断
- ホイミー エニアグラム性格診断
- 16Personalities
- ストレングスファインダー
- ポクテト
短時間で手軽に就活向けの自己分析できる無料ツール
設問数が少なく、短時間で手軽に就活向けの診断結果が得られる自己分析ツールは、時間がない時や初めて自己分析を行う際の取っ掛かりとして便利です。まずは試しに自己分析ツールを使ってみたい、他の自己分析ツールで得られた診断を手早く確認したいといった時にも適しています。
今回、就活向けとして紹介する手軽な自己分析ツールは、以下の9つです。
10問、YES/NO式。約3分。
会員登録なしで10問の質問が受けられ、強みのタイプが診断でき、5つの性格的特徴を教えてくれる。質問数も選択肢も少ないため、気軽に利用できるのが便利。
キャリchは、就活エージェントであるジールコミュニケーションズが運営する就活情報サイト。会員登録をすると、長所や適職など詳しい診断結果が得られる。
【ディスコ キャリタスクエスト】
20問、3択式。約5分。
会員登録なしで20問の質問が受けられ、性格タイプが診断できる。RPG風のアプリケーションになっており、遊び感覚で利用できるのが面白い。診断結果も、RPG風のキャラクターとして紹介。
ディスコが運営するキャリタス就活に会員登録をすると、強みや適職、同じキャラタイプの先輩の声などが見られる。
【dodaキャンパス 就活伸びしろ診断】
18問、2択式。約5分。
会員登録なしで18問の質問が受けられ、自分の性格的な特徴と注意点が診断できる。また、現状の弱みを分析し、それを強みに変えるために簡単なアドバイスがもらえる。
dodaキャンパスは、インターンや採用選考のオファーが届く逆求人サイト。dodaキャンパスに登録すると、もっと詳しい診断が得られる無料の適性検査(GPS)を受けられ、より自分の適性に合った企業からオファーを受けやすくなる。
【みん就 業界タイプ別就活診断】
4問、2択式。約1分。
診断を受けるには、楽天グループが運営する「みんなの就職活動日記」への会員登録が必要。たった4つの質問に答えるだけで、適性のある業界・職種をサジェストしてくれる。
自己分析ツールとみん就の機能は直結していないものの、会員登録すると他の就活生からの口コミ情報を入手できるようになるので、登録しておいて損はない。
【ポケモン自己分析】
16問、4択式。約3分。
会員登録なしで16問の4択問題に答え、性格と適職のタイプ、相性の良い人物タイプが診断できる。質問は全部ひらがなで表示され、タイプ診断もポケモンのキャラクターに例えられるため、一見すると子供向けのように見えるが、診断結果の説明は真面目なもの。
就活サイトとは全く無関係だが、仕事上活かせそうな強みや向いている仕事をサジェストしてくれるので参考にはなる。また、相性の良い人物タイプを診断してくれる自己分析ツールは珍しいので、「どんな人と働きたいか」といった特殊な質問対策として参考にするのもよい。
【キャリアパーク My analytics】
36問、4択式。約10分。
診断には会員登録が必要。性格的特徴を「頼れるリーダー」「ガッツあふれる営業」「論理的なコンサル」「着想豊かな企画屋」「挑戦的な起業家」「創造的なデザイナー」「理知的なエンジニア」「冷静なディレクター」「数字に強い経理」など12タイプに分けて診断。仕事に役立つ強みと適職をサジェストしてくれる。
【就活の教科書 LINE適職診断】
20問、2択式。約5分。
診断には就活の教科書公式LINEへの登録が必要。性格を16タイプに分け、自分に合った適職をサジェストしてくれる。今後の就活対策へのアドバイスもあり。
また、公式LINEに登録するとアプリで適職診断を受けられるほかに、自己分析シートや就活マニュアルなどももらえるのが嬉しい。これから就活を始めるにあたって、就活のことをいろいろ知りたい場合に役立つ。
【careerMine AI診断】
5問、5択式。約1分。
診断には会員登録が必要。回答の傾向から、自分に合った就活の軸をAIが解析してくれる。就活の軸を決められない、決め方が分からないといったときに参考になる。
また、careerMineはannが運営する就活情報サイト。10万件の口コミ情報から企業の特徴を分析し、適性のある企業を具体的に紹介してくれる。
【適職診断NAVI】
5択15問、3択8問、2択12問、計35問。約5分。
会員登録不要。まずは最初の15問で「内向的か外向的か」「衝動的か統制的か」といった5つの性格的特徴を分析。次の8問で、「自主・自立志向」「スペシャリスト志向」「安定志向」などを含めた8つのキャリア志向性が分かる。最後の15問は、行動特性に関する質問。「論理」「直感」「感覚」「慣習」の4つの行動特性から、強み・弱みや職務適性を教えてくれる。それらを踏まえて、適性のある具体的な職種を表示。
就活サイト直結型の無料自己分析ツール
次は、就活サイト直結型の、詳しい無料自己分析ツールについて紹介します。設問数が多いので回答に時間はかかりますが、その分詳しい自己分析が可能です。また、サイト直結型なので、分析結果をダイレクトに就活に役立てられるよう工夫されています。
【OfferBox AnalyzeU+】
251問。
診断にはOfferBoxへの会員登録が必要。社会人基礎力(前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力)と次世代リーダー力(やり続ける力、周囲を牽引する力、⾼め合う⼒)を25項目に分けて詳しく分析。秀でている面・劣っている面を、偏差値形式で教えてくれる。
OfferBoxは逆求人サイトなので、診断結果を就活に役立てるサービスも充実。診断結果をもとに自己PR文を作成できるとともに、それを見た企業からオファーが届くこともある。
【リクナビ診断】
100問。
診断にはリクナビへの会員登録が必要。企業のインターンや採用情報が検索できる就活情報サイトの最大手の1つであり、いずれは利用することになるので、自己分析を機に登録しておいて損はない。
リクナビ診断では、適性のある3つの仕事タイプが診断でき、仕事探しへのアドバイスがもらえる。また、自分の強みや性格的特徴が分かる。
【マイナビ 適性診断MATCHplus】
162問。
マイナビの適性診断MATCHplusは、「CAB」「GAB」「玉手箱」といった適性検査を作成しているSHL社が設計。診断にはマイナビへの会員登録が必要になる。こちらも企業のインターンや採用情報が検索できる就活情報サイトの最大手なので、登録しておいて損はない。
適性診断MATCHplusでは、パーソナリティの特徴と、12項目に分けられた社会人基礎力を診断できる。それをもとに48の業界・95の職種への適合度を分析し、ランキング形式で表示。その業界・職種に該当する企業の情報にもリンクしているため、志望先の選定にも役立つ。また、キャリアプランニングへのアドバイスなどももらえる。
【キミスカ 適性検査】
150問。
診断にはキミスカへの会員登録および、自己PRと写真の登録が必要。性格、意欲、思考力、ストレス耐性、価値観の傾向のほか、職務上の短所となるネガティブな傾向についても分析してくれる。その上で、職務適性と戦闘力(社会人適性)、虚偽回答の傾向を加え、9つの視点から人物像を分析。自分を活かした就職をするためのアドバイスがもらえる。
キミスカは逆求人サイトなので、適性に合った企業からスカウトメールがくることも。ただし適性検査を受けられるのは1度だけ。きちんと時間を取って、真面目に回答を。
【ジェイック FutureFinder】
151問。
診断には会員登録が必要。心理統計学を用いた本格的な診断でき、仕事に活かせる強みや弱み、性格的な特性などが分かる。また、FutureFinderでは「挑戦・革新性」「慎重・綿密・完全性」「成果主義・競争性」「支持・相互援助性」などの項目に分けて企業風土を数値化。自分の特性と企業の特性とのマッチ度を測り、居心地が良くて活躍できる可能性の高い企業をサジェストしてくれるほか、企業からの逆求人オファーも受けられる。
【toiroworks 自己診断テスト】
100問。
toiroworksは、CUBICという適性検査をもとに開発された企業紹介サービス。診断には会員登録が必要になる。
積極性、指導性、共感性など自分の性格的特徴と、適性のある仕事環境、適性のある仕事内容などがわかる。それをもとに、一人一人に合った企業をAIが自動的に選定、サジェスト。企業側からのスカウトや、就活エージェントによるサポートもついてくる。
【CIY トーテム診断】
145問。
診断には生年月日の登録が必須。自分をRPG風のキャラクターに見立てて、ゲーム感覚で楽しめる性格診断。生まれた時間まで登録することになっているが、未登録でも診断は可能。質問に対する回答の完成度が高いほど、表示キャラクターの装備品が増える仕組み。
診断結果は12のトーテムと10のカラーに分類され、約27万通りの結果が存在する。診断結果から自動的に自己PRが作成できるのが嬉しい。
【リンク・アイ BRIDGE】
60分。
BRIDGEは、人材紹介会社のリンク・アイが経済産業省と共に作成をした公式な適性検査。時間はかかるが、信頼性は高い。診断には会員登録が必要。
ポータブルスキル(社会人基礎力)は、「対人力」「対課題力」「対自分力」の3分類に分けられた24項目で測定。モチベーションタイプ(価値観)は、「組織タイプ」「行動タイプ」「仕事タイプ」の3分類に分け、16項目で測定される。それぞれの診断項目がグラフによって可視化され、分かりやすい。
【COGRESS 自己分析ツール】
60分。
診断には会員登録が必要。株式会社ヒューマンロジック研究所が提供するFFS診断を受けることで、20~30ページにのぼる診断結果がメールで届く。強み・弱みが分かるだけでなく、自己PRやグループディスカッションなどに対する具体的なアドバイスが計5回にわたってもらえる。
COGRESSは就活エージェントなので、分析結果に基づく企業紹介や就活支援サービスを、継続的に受けられるのも利点。
就活に限らず一般的な自己分析ができる無料ツール
ここからは、就活サイトなどとは直結しておらず、心理学に基づいて一般的な性格診断ができる自己分析ツールを紹介します。掲載企業の利害に無関係な分析結果を得たい、これ以上登録サイトを増やしたくないといったときにオススメです。
【m-gram エムグラム診断】
105問。
診断にはニックネームとメールアドレスの登録が必要。自分の中の8つの性格的特徴が分かる。性格の要素を60種類のハッシュタグに分類しており、ひとりひとりの回答に合わせて結果を作成するため、ほかの人と全く同じ組み合わせの結果が出る確率は、7億人に1人の割合なのだとか。平均値と比較して特に異なる4つの性質が示されるので、自分の個性を把握するのに役立つ。更に詳しく分析したい場合には、有料コンテンツもあり。
【ホイミー エニアグラム性格診断】
90問。選択式の回答ではなく、リスト上から自分に当てはまる項目をチェックする。
会員登録は不要。社会に出た時にどういった分野で活躍できそうかを予想してくれる。9つの人物タイプに分類したうえで、それぞれのプラス面・マイナス面、リーダーシップの取り方、学ぶべき人物タイプなどを診断。
また、単純に1つのタイプにタイプ分けされるだけでなく、9つのタイプそれぞれに対する合致度を数値化してくれるので、自分の持つ複数の要素に対する診断を参照できる。
【16Personalities】
60問。7択式。
会員登録不要。MBTI(マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標)に基づいて作成された自己分析ツール。16タイプに分けられて、性格の特徴を診断してくれる。ただし、無料で閲覧できるのは診断全体の5%、概要のみ。今後の成長やキャリア形成に関するより詳しく具体的な分析結果を見るには、有料のパーソナルプロフィール登録が必要になる。
有料の自己分析ツール
就活サイトなどと連動していない自己分析ツールには、有料のアプリケーションが多いです。無料分析ツールより詳しい解説が得られるので、お金を出しても就活サイトなどと連動しないで詳細な分析を行いたい人は、検討してみてもいいでしょう。
【ストレングスファインダー】
177問。7択式。
ストレングスファインダーは文字通り、自分の強みを発見するための自己分析ツール。他の無料自己分析ツールよりも格段に解説が詳しく、最大で34種類の強み(資質)を発見できる。自分の強みが全く見つからず、無料ツールで分析してもピンとこない人にオススメ。
トム・ラスの著書「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう(1,980円)」を購入すると、ストレングスファンだーのWebテストが受けられるコードが付いてくる。ただし、この方法から分析できるのは、トップ5の強みのみ。さらに多くの強みを分析するには、ギャラップ社の公式サイトから直接、Webテストの有料アクセスコードを別途購入する必要がある。
【ポクテト】
適性検査:150問 + 自己分析:50問。
本格的な適性検査で癖・習慣・行動パターンを分析。強み・弱みもわかる。ライトプラン(SNSでシェアすれば無料)、ベーシックプラン(1,650円)、アドバイスプラン(3,300円)、仕事力分析プラン(3,850円)の4つのプランが用意されている。
ライトプランでは、自分の強みを含む資質の概要が記載された適性分析シート1枚と、それを掘り下げるためのワークシートが1枚もらえる。それ以外の有料コンテンツになると、値段に応じて「気質とストレスの分析」「強み・弱みへのアドバイス」「仕事力分析」など分析可能な項目が増え、より詳しい診断結果が得られる。
ツール以外の自己分析法
ここまでは無料と有料の自己分析ツールを紹介してきましたが、最初に述べたように自己分析ツールはあくまでも、複雑で時間のかかる自己分析を手っ取り早く済ませるための手段です。自己分析ツールだけでは分析が浅くなりますし、分析しきれない部分も多いので、手間と時間はかかりますが、従来通りの自力による自己分析手法も併用することをオススメします。
とはいえ、自力で自己分析する手段に、どんなやり方があるのか知らない就活生も多いですよね。ここからは、ツール以外の自力による自己分析手法について解説します。
自分史を作って自分の特徴を洗い出す
自己分析ツール以外の自己分析方法として一般的なのは、自分の過去から今までの経験などを洗い出し、時間軸に沿って年表を作る(自分史)ことです。自分史の作り方は1つではありませんが、「大学時代」「高校時代」「中学時代」「小学校時代」…という風に時代ごとに分け、自分の歴史を振り返って、どんな出来事があったか表に書き出すことが基本になります。
昔のことは忘れてしまってパッと思いつかない人もいると思いますが、各時代での出来事について、以下のような視点を手掛かりに振り返ってみると思い出しやすいです。
- 学校生活(勉強)はどうだった?
- それ以外の活動(バイトや習い事など)は?
- 趣味は?
- 交友関係は?
- 当時描いていた夢は?
それを以下のように、「楽しかったこと」「辛かったこと」「頑張ったこと」などに分けて記載し、そこで発揮された自分の性格的傾向について考えてみましょう。そうすることで自分の強み・弱みを見つけるだけでなく、それが発揮されたエピソードや学んだことを見つけるのにも役立ちます。
楽しかったこと | 辛かったこと | 頑張ったこと | 自分の性格 | |
---|---|---|---|---|
小学校 | ||||
中学校 | ||||
高校 | ||||
大学 |
ただし単純に何があったのか出来事を考えるだけでは、簡単に自分の特徴は見えてきません。楽しかったことであれば「なぜそれを楽しいと思うのか(どんなことが楽しいのか)」、辛かったことであれば「なぜそれが辛いのか(どんなことが嫌なのか)」、頑張ったことであれば「なぜそれを頑張ろうと思ったのか」という風に、1つ1つ自分に対して「なぜ」と問いかけることが大事です。
そうすると、自分の特徴や考え方の傾向が見えてきます。その中から、仕事に活かせそうな資質=強みは何か、自分に合いそうな職場とはどんな所かを考えていくわけです。
モチベーショングラフなどを用いてもよい
自分史を用いてもうまく過去の自分の姿が思い描けない場合は、時間軸に沿って幸福度の高低をグラフ化してみるのも1つの自己分析法です。これを、モチベーショングラフと言います。
モチベーショングラフを記載しようとすることで、その当時の出来事や自分の考えていたことなどを思い出すきっかけになります。
たとえば、初めは「小学校時代は幸福度が高くて、中学校は楽しくなかったな。高校は普通、大学は楽しかった」という大まかなものかもしれません。しかし、その波の上下動がなぜ発生しているのか考えると、「だって中学の時は部活が辛かったから」「高校は受験勉強で忙しかった」などと、だんだん当時を思い出してきます。
そして思い出す都度グラフを書き直し、その下にそのあった出来事を記載していくわけです。そのようにモチベーショングラフを用いると、前出の自分史も埋めやすくなります。できるだけ詳細なグラフを描いて、具体的なエピソードを思い出しましょう。
ただし、自分史にしてもモチベーショングラフにしても重要なのはエピソードそのものではなく、自分がどのような人間なのかを知ることです。そのエピソードによって幸福度が上下動した根本的な理由を考え、どんな要因が自分のモチベーションを左右するのか見極めてください。
自分の好きなこと・嫌いなことを明確にする
自分史とモチベーショングラフの他に、自分の好きなこと(得意なこと)と嫌いなこと(苦手なこと)を表に書き出すという自己分析法もあります。
上記のように、「プライベートな時間として好きなもの・嫌いなもの」と、「仕事や企業に関する好きなもの・嫌いなもの」の2つのパターンを書き出していきます。
プライベートな時間としての好きなもの・嫌いなものは、たとえば「家でゴロゴロするのが好き」「満員電車が嫌い」などで、仕事や企業に関連するものでは「アットホームな環境が好き」「力仕事は嫌い」などといったことです。
一見、仕事関連だけ書けばいいと思うかもしれませんが、私生活の状況と仕事の状況は互いに影響し合うものですから、それぞれの好き嫌いは切っても切り離せないものです。たとえば、プライベートな時間で家族や友人と過ごす時間を大切にしている人は、就職して地元を離れ、それらと離れ離れになることに抵抗を感じるかもしれません。その優先順位はのちのち考えるとしても、そういう価値観を持っているという自分の傾向自体は頭に入れておくべきです。
また、「満員電車が嫌い」という人はフレックスタイム制やリモートワークを設けている企業、電車を使わないで行ける距離の企業が条件になるといったことなどに気づくことができます。プライベートな時間からの好き嫌いも必ず書き出しましょう。
仕事関連では、「時間内に計画的に物事を進めていくのが好き(=残業をしたくない)」などといった願望も含め、できるだけたくさん挙げておきます。そうしたものが、最終的には仕事選び・企業選びの具体的な条件になってくるのです。
ワークシートなどにまとめて将来像について考える
ここまでに紹介した自分史やモチベーショングラフ、好き嫌いの表などは自分の特性や価値観を見出すために重要ですが、最終的にはそれらをワークシートにまとめてください。自分に関する基本情報をたくさん集めましたが、それだけだとバラバラな情報が散らばっているだけで、明確な形が見えてきません。そのため最終的には、集めた情報をワークシートを使ってまとめ、現在の自分の資質と目指すべき将来像について考えていきます。
自己分析ワークシートの形式にもいろいろなものがありますが、ここではハローワークで使用されているテンプレートと、キャリchが作成したテンプレートを紹介しておきます。
「やりたい仕事」に関しては、パッと埋められなくても構いません。志望先を選ぶうえでは、企業側から求められる(内定を得られる)ことと、自分が働く上で苦痛を感じない(早期退職につながらない)ことが絶対条件になります。ですから、すぐに思いつかない「やりたい仕事」を無理に探そうとするよりもまず、仕事に役立つ資質(=強み)を見出し、「自分にできる仕事(向いている仕事)」を把握する方が大事です。その中から、業界・企業研究を深めていきながら、自分が「やりたい」と思える仕事を見つけていきましょう。
分析精度を上げるには他己分析も必要
自己分析の精度を上げるには、他己分析も必要です。知りたいのは自分のことですが、自分の意見だけだと客観性に欠け、自分の資質を見誤ったり、本来持っている資質に気付けなかったりすることがあります。
自分のことを正しく理解するためにも、他人からの客観的な意見を求め、他己分析を行いましょう。ここからは、他己分析のやり方について説明しますので、参考にしてください。
周りの知人に自分への印象を聞く
他己分析とは、自分以外の他人に自分がどういう人間に見えるか聞いてみることです。しかし付き合いの浅い人に聞いても表面的な印象しか得られませんから、自分のことをよく知っている、家族や友人といった近しい人に聞いてみるとよいでしょう。
自己には「公開されている自己」と「隠されている自己」 があると共に、「自分は知らないが他人は知っている自己」 や「誰にも知られていない自己」もあると考えられています。それを窓のように格子状に組み合わせたものが、下記の「ジョハリの窓」と呼ばれる図解です。
他人から自分がどう見えるのか尋ねると、自分から見た自分の姿と比較することによって、自他ともに認める資質=「解放の窓」の精度を高められます。自分が強みだと思っている部分を他人も認めていることが分かれば自信を持てますし、主観による認識のズレも改めることができるわけです。
また、他人から自分がどう見えるのか尋ねると、自分では気づけないが他人には分かる資質=「盲点の窓」を発見できる可能性があります。自分がどういう人間に見えるかということだけでなく、その理由も聞いておくと、自分でも納得できる答えが返ってくるかもしれません。自分の強みが見つからず、自己分析ツールでもピンとこない人にとっては、非常に貴重な意見になるでしょう。
ただし家族や友人は分析のプロではないので、漠然と「どういう人間に見えるか」聞いても、うまく言語化できないことがあります。そういう場合は、さまざまな資質を記載した一覧表のようなものから、自分のイメージに当てはまるものを選んでもらうのも1つの手です。
就活エージェントの活用がオススメ
他己分析には、就活エージェントなど就活のプロの力を借りるのもオススメです。
就活エージェントは毎年たくさんの就活生を支援しているとともに、企業側から寄せられる意見も聞いています。そのため単に客観的であるというだけでなく、実際に仕事で役立つ強み、企業選考で好まれる強みを見極めることができます。それこそが、自分と相性の良い企業を見つけるためのヒントであり、就活においてアピールすべき強みです。
また、他己分析を就活エージェントに依頼すれば、その診断をもとに具体的な企業を紹介してもらえるので、企業探しの手間を短縮できます。それに加えて、弱みを克服するための対策や、ES・面接対策も手伝ってもらえるので、効率的に就活力を上げられ、内定を獲得できる可能性が高まるのです。
そんな効果的な就活法があるのに、活用しない手はありません。因みにキャリchでも、自己分析・他己分析のサポートのほか、就活のことなら何でも相談できる「就活相談サポート」を開催しています。面談はマンツーマンですから周りの目を気にする必要もないですし、学生の利用は完全無料ですので、気軽に参加してみてください。
おわりに
自己分析は就活の方向性を決める基盤であり、就活の成否を左右する要でもあります。ですから本来なら時間をかけ、じっくりと取り組むべきですが、「時間がない」「やり方が分からない」という就活生もいるでしょう。
そういう場合は、自己分析ツールを使うと短時間で手軽に自己分析を行うことができます。ただし、あくまで機械的なプログラムですので、自己分析ツールの診断結果は万能ではありません。複数のツールを併用したり、その他の自己分析方法や他己分析を併用したりなど、分析精度を高める工夫をするべきです。
また、自己分析ツールには、自分も他人も知らない「未知の窓」を開いてくれる可能性もあります。診断結果は鵜呑みにするのでも頭から否定するのでもなくて、多角的に行う自己分析のうちの1つとして参考にしてください。
就活相談サポートに参加しよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。