「志望動機なんてねーよ」の就活生必見!楽に作れる方法と逃げ道
2023年4月1日
『志望動機なんてねーよ』をキーワードにして調べる人が多いみたいですね。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
ええ、実は僕もそうなんです。結局仕事ってお金じゃないですか?でもそう答えるわけにはいかないし、応募する企業によって変えなきゃいけないし……。正直エントリーシートにどう書けばいいかわからないんです。
なるほど。それで『志望動機なんてねーよ』というわけですね?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
そうなんです。なんだか気持ちをまとめ切れないっていうか……。いろいろやってるうちに考える時間もなくなって、そもそも志望動機なんて必要なんだろうかとか思うようになってしまいました。
もしかしたら、少し難しく考えすぎかもしれませんね。実をいうと志望動機の作成は意外と簡単なんですよ。コツを教えましょう。それでも書けない人には、志望動機なしで楽に就活する方法も紹介します!
キャリアプランナー 平崎
目次
「志望動機なんてねーよ」と答えたくなる4つの理由
「志望動機なんてねーよ」と答えたくなる就活生は、どうしても入社したい企業ややりたい仕事があるわけでなく、仕事をお金と割り切って考えているようです。
就活生が「志望動機なんてねーよ」と答えたくなる理由を3つピックアップしてみました。
- 面接や志望動機なんてその場限りの「嘘つき大会」と思っている
- 応募企業が多すぎてすべての企業の志望動機なんて無理
- 就活で初めて知った企業ばかりで情報不足
それぞれについて解説します。
面接や志望動機なんてその場限りの「嘘つき大会」と思っている
「志望動機なんてねーよ」は、ほとんどの就活生が一度は思うことかもしれません。なぜなら、同じ業界や似たような仕事ができる企業の中から志望企業を選ぶきっかけは、お金や待遇などの条件であることが多いからです。
けれども面接で「給料が高いからです」「有給休暇が多いからです」とは、いえないでしょう。
企業側が就活生の志望度を重視する傾向にあるため、就活生は企業に気に入ってもらえるように答えようとします。その結果、エントリーしたすべての企業で「第一志望です」「憧れていました」と、まったくの嘘ではないにしても、うしろめたさを感じるような答えを返してしまうのです。
つまり「志望動機なんてねーよ」というつぶやきは、少しの嘘をつくのさえためらうほどの真面目さの裏返しともいえます。
応募企業が多すぎてすべての企業の志望動機なんて無理
「志望動機なんてねーよ」という就活生の中には、焦って多くの企業にエントリーした結果、パニック状態となっている人も少なくありません。なぜなら、志望動機はその企業への志望度を見極められる材料となるので、すべての企業に同じ志望動機を使い回すわけにはいかないからです。
エントリーした企業の数だけ、異なる志望動機を用意する必要がありますが、エントリー先が多いとだんだんネタも尽きてきます。特に志望順位の低い企業に対しては、特別な思い入れもないですから、やはり「志望動機なんてねーよ」となってしまうわけです。
就活で初めて知った企業ばかりで情報不足
そもそも日常生活で、食べ物の好き嫌いや「○○したい」「△△に行きたい」と思うことはあっても、「この企業に入りたい」とまでは思わないのが普通です。したがって志望度の高い企業はともかく、志望度の低い企業に関しては、就活で初めて知る企業が多くなります。
つまり、その企業のことをよく知らないまま志望しているのですから、「志望動機なんてねーよ」となるのは当然です。志望度の低い企業については、むしろ「志望動機なんてねーよ」が就活のスタートとなります。
しかも大手企業やPR力に長けた企業などは、わかりやすい差別化ポイントを前面に打ち出していますが、PR力の低い中小企業の場合、特色を見つけにくい傾向があります。志望動機の根拠となる情報を見つけ出せないまま時間が過ぎていくもどかしさもあるでしょう。「志望動機なんてねーよ」と逃げたくなるのもうなずける話です。
そんなときは行動あるのみです。外に目を向け、就活相談サポートやイベントに参加し情報収集に努めましょう。
キャリchでは、プロのアドバイザーによる「就活相談サポート」を無料で実施しています。「志望動機なんてねーよ」と悩んでいる人は、ぜひ相談してみてください。
「志望動機なんてねーよ」は、はてな匿名ダイアリーから広まった
「志望動機なんてねーよ」は、2015年の「はてな匿名ダイアリー」から広まったといわれています。以来、多くの共感を呼び、就活生の暗黙の流行語のようになりました。就活生の魂の叫びとして検索数の多いキーワードです。
以下、はてな匿名ダイアリーに掲載された「志望動機なんてねーよ」からの抜粋になります。
「就活が憂鬱だ。自分をよく見せることを恥ずかしいと思ってしまうし、夢を語ることもできない……私は仕事を通した自己実現なんて求めていないし、社会を良くするというような使命感も持ち合わせていない。仕事に求めるのは、自分一人の生計が立てられて、1ヶ月に1回ぐらいお寿司とか焼肉とかおいしいものが食べられて、1年に1回ぐらい国内旅行(18きっぷでかまわない)に行けるぐらいのお金を稼げて、休日には家でゆっくり読書とネットサーフィンができる時間があって、こころと身体の健康を損なわないこと、である。だから、志望理由を聞かれたって、上記が満たせそうだからということしか言えないし、ほかの企業でもいいんじゃないのって言われたら、そうですねとしか返せない‥…」
引用元:はてな匿名ダイアリー2015‐03‐15
まさに就活生の本心でしょう。ずばり、多くの就活生が「そう、その通り」とうなずく言葉が連なります。けれども、決して投げ槍にはなっていません。さりげなく自身をアピールし、採用されたい気持ちも伝わってきます。
私にできないのは、自分をアピールすることと仕事に関する夢を語ることだ。仕事をするにあたっての素質、みたいなものは、まあ人並みにはあるんじゃないかと思うけれど、この2つができないことは、どうやら就活の場では致命的らしい。適当に何かでっち上げてしゃべることをよしとしなければ、フリーターや一般職になることだってプライドが許さない、そんな自分がもうどうしようもなくて、なかなかしんどい。ばかだなあ、適当にやっとけばいいのにって、そう自分でも思うけど、やっぱりできないのだ。
引用元:はてな匿名ダイアリー2015‐03‐15
つまり「志望動機なんてねーよ」の気持ちでありながらも、しっかり役に立ちますから採用してくださいといったスタンスです。「志望動機はどうしても必要ですか」という問いかけにもなっています。
それでも企業が志望動機を聞く3つの理由
志望動機の答えに詰まる就活生や、明らかに嘘とわかる志望動機にうんざりしつつも、大多数の企業が志望動機を聞くのはなぜでしょう? その主な理由として、次の3つが挙げられます。
- 会社との相性を知りたい
- 長く付き合うために人柄を知りたい
- 会社で何をしてくれるのか、何をしたいのか知りたい
ここからは、これら3つの理由についてそれぞれ解説します。
会社との相性を知りたい
厚生労働省発行の「新規大卒就職者の事業所規模別離職状況」によると、令和2年度の新規大卒就職者の3年以内の離職率は31.2%となっています。例年より低い水準となってはいますが、平均的に3割以上が3年以内に離職していく現実は、企業にとって頭の痛い話でしょう。
また、企業規模での下記のようなデータもあります。
事業所規模 | 新規大卒就職者3年以内の離職率 |
---|---|
5人未満 | 56.3% |
5~29人 | 49.4% |
30~99人 | 39.1% |
100~499人 | 31.8% |
500~999人 | 28.9% |
1,000人以上 | 24.7% |
上の表では、企業規模が小さいほど離職率が高く、規模が大きくなるにつれ離職率も下がっています。その理由の1つとして考えられるのが、中小企業における経営者の個性です。
規模の小さな企業では、経営者の個性がそのまま企業の個性として反映され、ときにワンマン経営ともなりがちです。社内では多様な意見が育ちにくく、経営者の目指すものと合う・合わないが運営の鍵を握るといっても過言ではありません。
当然のように、目指す方向性の「合わない社員」は淘汰されていきます。
採用担当者は、このようなミスマッチを防ぐためにも志望動機を聞いて、経営者との相性、企業との相性を確かめているのです。
長く付き合うために人柄を知りたい
企業は、せっかく採用するのなら、長く働いてもらいたいと思っています。共に働き、付き合う時間が長くなるのであれば、人柄について知りたくなるのは当然でしょう。
仕事は、ほとんどの場合が共同作業であり、周囲との連携が必要です。したがって、周囲とコミュニケーションをうまく取れるかどうか、何より職場に馴染める人柄であるかどうかは、採用の大きなポイントとなります。
むしろ人柄は、仕事のスキル以上に求められるといっても過言ではありません。なぜなら、能力だけで採用しても、いざ仕事をする段階で戦力となるかどうかは未知数だからです。
採用担当者は、志望動機の内容や、面接での話しぶりから就活生の人柄を推測します。そして、自社に合うかどうか、長く付き合える人柄かどうかによって採否を決めるのです。
会社で何をしてくれるのか、何をしたいのか知りたい
企業としては、就活生が具体的に何をしてくれるのか、何をしたいかを知るために「志望動機」を聞きます。なぜなら、志望動機はその就活生の入社後の未来を想像しやすいからです。
企業側は就活生が語る志望動機の内容から、どのような仕事ができて、どのような仕事をさせたら存分に活躍できるかを想像し、ともに企業を盛り立てていくシーンをイメージします。
また、自社についてどの程度知っていてくれるかを探るのも、志望動機を聞く理由の1つです。企業は、自社についての豊富な情報収集を熱意の表れと受け止めます。入念なリサーチをした就活生は、入社後の自分をイメージしやすくなり、活躍のビジョンを熱く語れるでしょう。そういう就活生こそが、採用担当者にとっては待望の人材というわけです。
「志望動機なんてねーよ」解決のステップ①双方の理由を紐解く
まずは就活生が「志望動機なんてねーよ」と思う理由と、企業がどうしても志望動機を聞く理由を合わせて確認していきましょう。
なぜ嘘つき大会と思うのか、なぜ情報不足なのかを紐解いて、現在の立ち位置を認識しさえすれば、志望動機を書くのはそう難しくありません。
理想と現実の折り合いをつけながらステップアップすることこそが、社会人への第一歩です。1つずつ丁寧に検証していきます。
面接・志望動機は嘘つき大会ではない
面接や志望動機を「嘘つき大会」と思うのは、志望動機について、難しく考えてしまっているせいではないでしょうか。
企業側も、就活生の盛った話を楽しみながら聞き、採用するケースもあります。自分に対する評価を上げようと、事実に多少の話を盛ることは、強い入社意欲の表れや血気盛んなやる気の表れと受け止め、許容範囲としている企業も多いようです。また中には、多少話を盛りながらも質問に適切に答え、話のつじつまを合わせられることを、ある種の才能と捉える寛容な企業もあります。
ただし、「ないものをあるようにいう」「0を1とする」などの真っ赤な嘘を許容してくれる企業は基本的にありません。信用のおけない人物をわざわざ採用したいと思う企業はないですから、そこは勘違いしないようにしてください。
志望動機を聞かれて、自分をよく見せようとする・しないは本人の自由です。多少話を盛るくらいなら企業は寛容に受け止め、多様な視点からあなたを評価しています。
自分の立ち位置を認識し、就活の軸を固める
まずは自分の置かれている現状を認識しましょう。卒業して働くことは逃れられない現実です。給料や待遇面も軸の1つではありますが、それだけでは自分と相性のよい企業なのかどうか判断がつきません。ここでは「働く」をテーマとしたこだわりから就活の軸を考えてみます。
- 好きなこと嫌いなこと
- これからもやり続けたいこと
- 得意なことできること
この3点を合わせると、まさに自分の今の理想となる軸が浮き上がってきます。
軸に照らし合わせると、志望していた中にも本心から選んでいた企業と無造作に選んでいた企業があると気づくはずです。軸に適合した企業に対し、やりたいこと、できることをアピールすれば、志望動機は完成します。
業界・企業情報を収集し、応募先企業と他社との違いを掴む
志望する企業と、同業界の他社との違いを掴むことが大切です。そのために、企業と業界の情報収集が欠かせません。
マイナーな企業では情報が不十分なケースもありますが、募集しているからには何らかの接触手段があるはずです。インターンシップや会社説明会、OB・OG訪問、直接の会社訪問も視野に入れて積極的に行動し、情報収集しましょう。
業界情報として知っておきたいポイントとしては、以下の4つが挙げられます。
- 業界の市場規模
- 現状と動向
- 将来性
- 業界有名企業
企業について押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。
- 設立・事業内容などの基本情報
- 平均勤続年数
- 離職率
- 具体的な魅力
ポイントを押さえておくと、他社との違いが浮き彫りになり、志望動機も書きやすくなります。
動機が後付けでも立派な縁!業界・企業と自分との接点を探す
志望動機が後付けになっても立派な縁です。まず、自分がなぜ、その企業に応募しようと思ったのか、最初のきっかけを振り返ってみます。
例えば「なんとなく面白そう」がきっかけの場合には、以下のような流れで自分に問い正してみましょう。
- なんとなく面白そう
- なぜ面白そうに見えた?
- △△の仕事が楽しそうだから
- なぜ楽しそうと思った?
- 子どもの頃、△△の仕事場が近所にあって、従業員に遊んでもらった記憶がある
「なぜ?」を繰り返すと、根拠が具体的になってきます。通常では気づかない思いを発見できるかもしれません。
ここまで来たら、あとは言葉にするだけです。
「志望動機なんてねーよ」解決のステップ②志望動機の言語化
自分の軸も就活の軸も定まり、企業情報の収集も抜かりありません。「なぜ?」の繰り返しにより、企業との接点も浮かび上がってきました。
軸と企業情報・接点を、秩序立てて、つなげさえすれば志望動機は簡単です。ここでは、就活に用いられる「志望動機の書き方の型」について解説します。
Will ・Only・Canをつなげれば誰でも志望動機が書ける
志望動機は、Will(~したい)・Only(独自性)・Can(~できる)に自分を当てはめるだけで簡単に書けます。
Willに当てはめるのは、以下のような内容です。
- ~に挑戦したい
- ~の第一人者になりたい
- 将来的に〜になりたい
Onlyは独自性、その企業でしかできないことについて書きます。もちろん企業情報はしっかり把握しておかなければなりません。
- 御社でしか実現できない
- ~の設備が整っている
- 夢を実現できる数少ない企業である
Canは「~できる」つまり自分にできること、企業で活かせる自分のスキル・能力についての記述です。
- ~ができる
- ~の経験がある
- ~の資格を持っている
Will・Only・Canを順につなげると、下記のようになります。
- 私は◇◇の分野の第一人者になりたいと思っています。
- 御社なら、◇◇の夢が実現できると確信しての応募です。
- 現在△△の資格を有しているので、○○ができます。
これで、志望動機は、ほぼ完成したようなものです。
志望動機をきれいにまとめる方法
志望動機を伝わりやすくきれいにまとめるには、まず結論から述べましょう。なぜならば、結論の見えない話はまわりくどく、聞き手を退屈させてしまうからです。
以下は、結論から志望動機を考える例になります。
- 私は○○の理由により御社を志望しました。(結論)
- なぜならば、御社の◇◇への取り組みが、私の知るかぎり、その分野の最先端と映ったからです。私自身、△△のサークル活動で○○に関わることも多くありました。(エピソードを交えた理由・根拠)
- やがて、○○にもっと深くかかわり、✕✕の分野の第一人者になりたいとの思いが強くなっていったのはいうまでもありません。設備環境の整った御社で、その夢を達成したいと思います。(意気込みを示し、ふたたび結論へと導く)
このように結論から述べることで、志望動機をきれいにまとめられます。また、下記サイトは、より具体的な志望動機が作成できるマニュアル集です。選考を勝ち抜く志望動機を作成したい人は、ぜひ参考にしてください。
【就活対策資料】
志望動機作成マニュアル
「志望動機なんてねーよ」といわせない!業界別例文とポイント
ここでは、以下の7つの業界それぞれの志望動機のポイントと例文を紹介します。
- IT業界
- 製造業
- 商社
- ゲーム業界
- 食品業界
- 介護・福祉業界
- 物流・運送業界
自分の環境や経験に置き換えて、参考にしてください。
IT業界の志望動機作成のポイントと例文
今をときめく業界であり、今後も安泰が続くと思われるのがIT業界です。日々新しい技術が生まれるほど成長速度が速いため、あくなき向上心と旺盛な好奇心が求められます。
たとえ、業界でのアルバイト経験や多少の知識があったとしても、知らないことを積極的に吸収する意欲や熱意を大いにアピールしましょう。また、関連する資格や勉強中の関連事項もアピールポイントになります。
以下は、IT業界の志望動機例文です。参考にしてください。
IT業界に就職したいと思いながらも、未経験でどこまでやれるかと踏み出せずにいたところに、貴社の「まじめにコツコツ仕事ができること」の応募要件が目に留まり、志望させていただきました。デバッグ業務はまったくの未経験ですが、学生時代はほぼ毎朝、自宅近くの河川敷をジョギングしてきたので、健康と根気・持久力には自信があります。貴社では、ITに関する専門知識の研修もあるので、スキルアップできるのが楽しみです。スキルアップしてどんどん会社に貢献していきたいと思います。
製造業界の志望動機作成のポイントと例文
製造業界の特色は、志望動機に割かれる文字数が多い点と、業界・企業の両方の志望動機を聞かれる点です。
企業側が「なぜ製造業なのか」「なぜ自動車産業なのか?」「なぜ弊社なのか?」と細かく聞くのは、自社や自社製品への愛着心が強いからにほかなりません。これから一緒に、よりよい製品を開発していく誘いでもあります。
志望動機の作成ポイントは、企業の情報収集の徹底、社会情勢と業界動向を踏まえた記述です。
以下は、製造業の例文になります。
私が貴社を志望したのは「縁の下の力持ちでありたい」という、貴社のスローガンに魅かれたからです。私自身、ひとつのことをコツコツと積み上げていくのが好きで、子どもの頃は折り紙や工作などで遊んでいました。両親や友達から「飽きないの?」といわれますが、私自身は褒め言葉として受け止めています。なぜならコツコツ積み上げていく作業こそが社会を支えていると思っているからです。その最たる仕事が製造業であり、貴社のような「縁の下の力持ち」だと思います。採用していただければ、必ず戦力として貢献できると思っています。
実際に、自動車業界で内定を獲得した例文集がこちらです。ぜひ参考にしてください。
【就活対策資料】
志望動機集 〜自動車業界〜
商社の志望動機作成のポイントと例文
商社には総合商社と専門商社があり、どちらも高い語学力と人間力が求められます。人間力とは、まわりに左右されず自立して生きていく力です。世界を舞台に活躍する商社業では必須でしょう。
商社ではグローバルな視点が必要なため、世界と日本と私の位置関係を意識した発言が有効です。
過去に内定となった志望動機には、下記の2点が共通していました。
- 日本の発展に貢献したい
- 自分の力で事業を成長させたい
以下は商社の志望動機例文です。参考にしてください。
私が貴社を志望した理由は、貴社のような活気溢れる職場でグローバルな視野に立った仕事をしたいと思ったからです。以前、会社訪問させていただいた際、弾むような職場の活気に圧倒されたのを今でもはっきり覚えています。そのとき、いつかこういう方々と一緒に仕事をしたい、と強い憧れを抱きました。学生時代は英語とドイツ語の勉強に力を入れ、ドイツへの短期留学の経験もあります。ドイツにも多くの友人ができました。これからも語学スキルをいっそう磨き、貴社のさらなる発展を担えるよう精一杯頑張ります。
ゲーム業界の志望動機作成のポイントと例文
ゲームが好きだからゲーム業界に就職したいと思う人は多いでしょう。しかしながら、企業が求めるのは「ゲームファン」ではなく、共に開発したりシェアを広げたりする戦力です。
ゲーム業界には企画に関わるプランナーやディレクター、制作部門を担当するプログラマー・デザイナーなど、多彩な職種があります。それぞれの分野における資格や経験があれば、大いにアピールしましょう。
集中力や注意力、コミュニケーション能力などもアピールポイントとして有効です。ゲーム業界例文も参考にしてください。
私は子どもの頃から今に至るまでずっとゲーム好きです。流行りのゲームや面白いと思ったゲームはすべてやってきました。そのうちに、もっと面白いゲームはないか、もっと面白いゲームならもっと多くの仲間ができるかもしれない、それなら、自分で作ってみようと思うようになりました。ゲームの面白さを徹底的に追求しようとする貴社の理念こそ、まさに私の理想とするところ、貴社への応募を決意した次第です。分析するのが好きで、なぜできないのか、どこが面白かったか、などをノートに書き留めて、もっと面白いゲームへの構想を練っています。貴社で、スキルを高め、より面白いゲームを制作していきたいと思います。
食品業界の志望動機作成のポイントと例文
食品業界の志望動機を書く際には、企業情報と業界情報のほか、世の中の動向にも注意する必要があります。なぜなら、食品業界は社会情勢に影響されやすいからです。
企業商品の魅力やエピソードは、志望のきっかけになります。ただし、アピールすべきポイントは、食へのこだわりや分析力です。アルバイト経験やソムリエ・インストラクター資格などあれば、大いにアピールしましょう。
例文を紹介します。
私は食べることこそ生きることだと思っています。食へのこだわりは強く、食品を買う際は必ず成分表示を確かめるほどです。よい食材でよい食品を届ける貴社のサービスは私の理想と思い、応募させていただきました。学生時代は自然食品の店舗スタッフとしてのアルバイト経験があります。その頃から、貴社の食品の好調な売れ行きに魅力を感じ、自分でもその味の虜になったのはいうまでもありません。採用されたら、お客様の「これ、美味しかった」との笑顔に囲まれた店舗スタッフとしての経験が、必ず生きてくると思います。よろしくお願いいたします。
下記は、実際に食品業界で内定を勝ち取った就活生の志望動機例文集です。ぜひ、参考にしてください。
【就活対策資料】
志望動機集 〜食品業界〜
介護・福祉業界の志望動機作成のポイントと例文
介護・福祉業界は、生身の人間を相手にするため人間性と想像力が必要です。相手を理解し、さらにその人を取り巻く環境までを想像できる力は、大きなアピールポイントとなります。家族との体験やボランティア経験などがあれば、積極的に伝えましょう。
以下、参考例文になります。
曾祖母の介護を経験したことが応募のきっかけです。その際、最期まで優しく付き添ってくださったヘルパーの方がとても眩しく「私もこうなりたい」と強く思うようになりました。貴社の事業理念である「最期まで人に寄り添う介護」はまさに、曾祖母を看取ってくれたヘルパーの方を彷彿とさせます。曾祖母の介護とはいえ、ほぼ未経験です。でも、自宅で犬や猫を保護するなど、世話好きでひたむきに取り組むタイプなので適職だと思っています。未経験からのスタートですが、一日も早く戦力となれるよう頑張ります。
介護・福祉業界は、ネガティブな表現を避けるなど言葉選びが重要なポイントです。詳細については、下記コラムにて解説しています。
物流・運送業界の志望動機作成のポイントと例文
物流業界は陸・海・空があり、また運送業と倉庫管理との企業に分かれます。どの分野においても必要なのが体力です。まずは体力関係のエピソードをアピールしましょう。
また、職種によっては語学力も必要とされます。検定試験やコミュニケーション力もアピールポイントです。
近年は自然災害の発生が多く、援助物資の配送のあり方が問われています。災害時にどうするか、に想像を巡らすのもよいかもしれません。下記は例文です。参考にしてください。
私は、物流の安定こそが豊かな社会づくりに欠かせないと考え、この業界を志望しました。御社は、陸海空全ての運送を手がける総合物流企業として、国内の物流業界になくてはならない存在です。特に食品輸送に強みがあり、西日本豪雨や胆振東部地震の災害時に、いち早く被災者へ食品を届けられたとのニュースを拝見しました。食品物流の大切さを知り、御社の迅速な対応に感動を受けた次第です。私もその一員となり、お手伝いできればと思います。
面接で志望動機を聞かれたときの答え方
面接では身だしなみと姿勢、話し方をチェックされます
しかし、元々人と接するのが苦手だったり、緊張しやすかったりすると十分に力が発揮できないかもしれません。そのような就活生には、面接が苦手な人でも内定が取れるイベント「求人紹介&面接サポート」を用意しました。ぜひ、参加してください。
また、面接対策の具体的な内容については、下記コラムでも紹介しています。当コラムと合わせて読むと、より理解が深まるでしょう。
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面接対策「なぜ同業他社ではなくうちなの?」にはこう答えるのが正解!
ここからは面接の具体的な対策を解説していきます。
目を合わせて笑顔でハッキリ喋る
言葉は、伝え方によって印象が変わります。どんなに内容の優れた志望動機でも、うつむいて小声で話すと気持ちが伝わりにくく、相手への印象もよくありません。面接時の印象は、以下の3つができているかどうかに左右されます。
- 背筋を伸ばし、面接官と目を合わせる
- 大きくはっきりした声でしゃべる
- 表情は常に笑顔を意識する
まずは背筋を伸ばし、目を合わせて話しましょう。多少の脚色や嘘は、面接官も容認してくれるかもしれませんが、目を逸らさなければ話せないような嘘は避けた方がよいです。
そして、わからないことは曖昧に答えず、素直に勉強不足と認めます。もちろん背筋を伸ばし目を合わせて、大きな声ではっきりと、です。
PREP法で話すと誰にでも簡単に伝わる
PREP法とは、結論⇒理由⇒具体例⇒結論の順序からなる、相手に伝わりやすい情報伝達のフレームワークです。PREPは、以下の英文字の頭文字から構成されています。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論を繰り返してまとめる)
志望動機もこのPREP法を使用して伝えるのです。「P=結論」から話すことで聞き手のストレスを減らし、その後の話の展開への興味をそそります。続けて「R=理由」を述べると、聞き手はある程度納得するでしょう。
そして、提示される「E=具体的な事例」で、自分の人柄や個性を知ってもらいます。 最後に再び「P=結論」を繰り返して入社への熱意を伝えれば完璧です。
PREP法は、相手に伝わりやすいだけでなく、自分の頭の中を整理できるメリットもあります。就活だけでなく、日常の会話においても大いに役立つため、ぜひこの機会に覚えておいてください。
志望動機を聞かれたときの絶対NGとは?
「志望動機なんてねーよ」だから適当にコピペでもしようか、と思うくらいなら書かない方がよいでしょう。中途半端な態度は、嘘以上に扱いにくいからです。
そうはいっても「志望動機なんてねーよ」と答えるわけにいきません。また、まったくのでたらめも論外になります。
以下は志望動機の絶対NGの4例です。
- 短すぎるのはNG
- 自分の話ばかりはNG
- どこでもよいような話はNG
- 根拠のない話はNG
それぞれについて解説していきます。
あまりに短いのはNG
書くスペースによりますが、あまりにも短い志望動機はNGです。余白が多すぎるとやる気がないように思われてしまいます。文字数だけで、自分の価値を判断されるのは心外でしょう。
志望動機が文字数指定される場合もありますが、指定のない場合は200~400文字が目安となります。なぜなら、人が1分間に読める字数はおよそ600文字といわれているからです。人事担当者は何枚ものESに目を通すため、志望動機が長すぎると流し読みになる可能性があります。
また、別紙を用意できる場合には、最大800文字くらいに収めると、まとめやすく読み手の負担にもなりません。
短すぎず長すぎず何事も適量が大切です。
内容がほぼ自分のことになっているとNG
わかりやすいNGワードとして紹介したいのが「成長したい」「学びたい」です。耳障りもよく、向上心に満ちた優等生発言のように聞こえます。しかし「成長したい」「学びたい」といって褒められるのは、お金を払って教えてもらう学生時代までです。
確かに、入社後は戦力となるまでの研修期間が設けられ、仕事のスキルやノウハウ、企業精神などを教えてもらえます。けれども、企業にとって研修期間は、戦力としてしっかり働いてもらうための先行投資に過ぎません。
研修期間中も給料は支払われ、やがて戦力としての能力に応じたベースアップも見込まれます。給料をもらううえに「成長させてほしい」「学ばせてほしい」は、いささか虫がよすぎるでしょう。
成長したいのは、むしろ企業であり、企業が成長するためにあなたを必要としているのです。
どの企業にも当てはまるような答えはNG
どの企業にも当てはまる志望動機は避け、その企業でなければならない理由(その企業だからこそ志望している理由)を述べる必要があります。
多くの企業にエントリーしてしまうと、つい同じ志望動機を使い回したくなるものです。けれども、採用担当者は多くの就活生を相手にするため、使いまわしの定番志望動機をすぐに見抜きます。
例えば、定番の「社風に魅力を感じました」と回答しただけでは、漠然としすぎていて、具体性がありません。どの企業にも当てはまってしまうので「うちの社風のどこに魅力を感じたの?」と切り返されるでしょう。そこで答えに詰まってしまえば、熱意がないと思われ、多くは不採用となります。
根拠のない答えもNG
志望動機の中では、あまりに非現実的な夢や、「何でもやります」のような根拠のない自信を示すのもNGです。志望動機とは何の関係もないため、聞き手である採用担当者は困ってしまいます。
たとえ壮大な夢であったとしても、自社の置かれている現実と合わない人物を採用する企業はありません。企業にとって、何のメリットもないからです。
また、「何でもやります」は、やる気があるように捉えられなくもないですが、漠然としているため、前後関係やケースバイケースと合わせての判断になります。
志望動機で語るなら、実現可能な夢、根拠のある回答がベストです。
それでも「志望動機なんてねーよ」の就活生のための逃げ道
ここまで「志望動機なんてねーよ」の悩みを取り除くため、あらゆる対策を伝えてきました。実際、これほどのノウハウを習得してまで、似たり寄ったりの志望動機を書く意味を改めて問いたくもなるのも事実です。
ここでは、それでも「志望動機なんてねーよ」といいたい就活生のための効率的な就活の方法、志望動機が不要な求人を紹介します。
志望動機の不要な求人サイトやスカウト求人への登録
近年は志望動機の不要な求人や、逆に企業からスカウトされるサイトも増えています。企業としても、欲しい人材かどうかの適性を見極める方が効率的だからでしょう。
ある企業では、チーム編成における個々の特性を客観的に把握するFFS理論に基づいた求人を実施しています。すなわち、人材ポートフォリオを作成し、チームの中で必要な個性を補充していく求人方法です。
就活生の考え方が多様なように、企業の視点も多様化しています。以下のサイトは、志望動機不要の求人やスカウトサイトです。
どうしても志望動機が見つからない場合には、利用するのも1つの手段でしょう。
イベント参加や就活エージェントへの登録
就活シーズンの春先には、就活生の悩みを解消するイベントや誘惑が目白押しです。考え込んだり、意固地になったりせずに気晴らしに出かけましょう。
「志望動機なんてねーよ」を共有できる仲間は大勢います。2022年2月には「就活アウトロー採用」と称した就活イベントが開かれ、同調圧力に屈しない個性的な就活生たちが集いました。
そうしたイベントへ出かけられない場合には、オンラインでも参加可能なキャリchの「就活相談サポート」をオススメします。家に居ながら、無料で就活のプロに相談できるメリットは大きいですよね。
またキャリchでは、「志望動機なんてねーよ」どころか、就活そのものが嫌な人にも逃げ道を用意しています。
就活を楽に終わらせる「スピード内定サポート」は、SPI、ES不要で面接も1回だけ、ほぼ丸投げで就活を終わらせられるイベントです。ぜひ、参加してみてください。
おわりに
「志望動機なんてねーよ」は、まさに就活生の心の叫びです。しかし、感情的な言葉でもあります。冷静になれば、いくらでも志望動機を書けるキーワードは見つかるはずです。見つかるまでの間はひとまず、プロへ相談したりイベントに参加したりしてリフレッシュし、就活そのものをエンジョイしましょう。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。