御社/貴社の違いと使い分け|その他の敬称表現も合わせて解説
2018年6月29日
書類や面接選考にあたって悩んでいるポイントはありますか?
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Bさん
いまいち、「御社」と「貴社」の使い方がわかりません。企業向けの敬称は他にも種類があるって聞いたから、どれを使えばいいのか、ますます混乱しちゃって…。
確かに、初めて聞く言葉は使い方がわからないから不安ですよね。間違った使い方をして、失礼になってはいけませんし。
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Bさん
そうなんです。どんな時にどんな言い回しをするのか、具体的な使い方を教えてください!
わかりました。このコラムでは、御社と貴社の使い分けについて詳しく解説します。その他の敬称表現やビジネス文書を書く際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください!
キャリアアドバイザー 岡田
御社と貴社の違いとは
企業を表す敬称は多くありますが、就職活動をする上で最も使用する機会が多いのが御社と貴社という表現です。
この2つの表現は、1990年頃から生まれました。元は「貴社」のみを使用していましたが、同音異義語が多いことから、御社・貴社の2つの表現を使い分けるという方法が一般化しています。
コラムの初めに、御社と貴社の使い分けについて、以下の要点に沿って解説します。
敬称を誤って使用しても、就活の上で致命的な悪印象を与えるわけではありません。とはいえ、今後の社会人生活においても必ず必要になる知識なので、今のうちにきちんと理解しておきましょう。
御社は話し言葉
「御社」という表現は、面接相手と対面している時や、OB・OG訪問で先輩社員に会う時、通話で会話をしている時に使用します。人と会話をする時に使う表現なので、文字を書いている時には使用しないと覚えておきましょう。
しかし、就活生は「御社」「貴社」という言葉の使用そのものに慣れていません。そのため、頭ではそれらの違いを理解していても実際の面接やOB・OG訪問などの緊張状態では、うっかり言い間違えてしまうことが多々あります。
そうした事態を避けるには、家族や友人ではなく緊張状態を保てる他人を相手に面接練習を繰り返し、緊張下での言葉の使い分けに慣れていくのが一番です。
キャリチャンでも、プロのキャリアアドバイザーがマンツーマンで面接練習や面接対策を手伝う就活支援サービス「面接サポート」を行っています。利用は無料。オンラインでも参加できるので、気軽に参加してみてください。
貴社は書き言葉
「貴社」という表現は、履歴書やエントリーシート(ES)など就職希望先に提出する書類を書く際に使用します。御社と違って書き言葉なので、面接時に「貴社」という表現は使用しません。履歴書やESを書き終えたら、作成した文書で御社を使用していないか再確認しましょう。
ただし誤字脱字というのは、自分で文章を読み返しても結構気付けないことがあります。とくに「御社」と「貴社」は、どちらを使用しても意味合いとしては間違っていないため、なおさら気付きにくいものです。
そうしたミスを生まないためには、書類を書き終えた後に、第三者の目でチェックしてもらう必要があります。それには、就活エージェントなどのプロの力を頼るのがオススメです。
普通の誤字脱字なら家族や友人でもチェックできますが、「御社」と「貴社」のように気付きにくい間違いは、プロの目で見てもらった方が確実です。それに就活エージェントなら誤字脱字だけでなく、内容が適切かどうかもチェックしてもらえます。
キャリチャンでも、就活のことなら何でも相談できる無料の就活支援サービス「就活相談サポート」を開催しているので、ぜひ活用してください。
その他の似たような言葉
御社・貴社以外にも、企業を表す表現は数多くあります。それは主に、企業側の視点で見た「自分の会社」を表す言葉です。
- 弊社
「弊社」は自身が所属している企業を謙って表した言葉なので、謙譲語にあたります。取引先との打ち合わせや商談などでよく使われる表現です。 弊社は 謙遜する表現であるため、社内で自分の会社のことを指す場合に弊社という表現は使いません。
- 当社
「当社」は対等な関係を表現しており、社内で使用することが多い表現です。 また、広告や報告書に使う場合や、自分の会社の正当性や立場の強さを示す時にも使われます。書類での使用頻度が高いことから、書き言葉として使用することが多い敬称です。
- 自社
当社と同じく、対等な関係を表す敬称の1つで、「自社製品」「自社株」など名詞が後ろに付くことが多いです。
これらは就活生自身が使う言葉ではありませんが、就活の中ではよく耳にする言葉です。社会人になれば必ず使用する表現なので、それぞれの違いや使い分けを覚えておきましょう。
【就活対策資料】
敬語マニュアル
御社と貴社の使い方・読み方を間違えたときの影響
御社と貴社の使い方・読み方を間違えた場合、選考への影響は少なからずあります。
基本的に、選考で重要視されるのは、あなた自身のスキルや経験です。御社と貴社を間違えたからといって、ただちに合否に関わるまで影響するケースは低いでしょう。
しかし、企業の中には一言一句、言葉の使い方・読み方が間違っていないか確認しているところもあります。敬称を間違えることは失礼にもあたるため、最善の注意を払うことが大切です。
スキルや経験、熱量を伝えられれば、少しくらい御社と貴社と間違えても気にせず評価してくれる可能性が高いですが、間違えなければもっと高評価につながる場合があります。あいまいな理解で済まさず、正しく伝えるようにしましょう。
応募先によっては御社・貴社以外の敬称表現を使う
学校や病院など、一般企業以外の一部の応募先では、御社・貴社ではない別の敬称表現を使用する必要があります。
上記にあるような団体・企業に就職を希望している学生は、しっかり覚えておきましょう。
医療関係
医療関係で御社・貴社を使い分ける場合は、以下のとおりです。
機関名 | 話し言葉 | 書き言葉 |
---|---|---|
病院 | 御院(おんいん) | 貴院(きいん) |
診療所 | 御所(おんしょ)・御診療所(おんしんりょうじょ) | 貴院(きいん)・貴診療所(きしんりょうじょ) |
治療所 | 御所(おんしょ)・御院(おんいん) | 貴所(きしょ)・貴院(きいん) |
整骨院・鍼灸院 | 御院(おんいん) | 貴院(きいん) |
話し言葉では「御」、書き言葉では「貴」を頭につけて伝えるのが一般的です。ただし、話し言葉の場合、無理に難しい表現を使わなくても「こちらの診療所」「こちらの治療所」と、頭に「こちら」をつけることで敬意を示せます。
【例文】
- 御院を志望した理由は、規模の大きさから、より多くの方を助けられる機会があると考えたからです。
- 貴院を志望した理由は、働いている従業員の方が他院と比べて楽しく、目的意識を持って取り組んでいたからです。
金融機関
金融機関で御社・貴社を使い分ける場合は、以下のとおりです。
機関名 | 話し言葉 | 書き言葉 |
---|---|---|
銀行 | 御行(おんこう) | 貴行(きこう) |
信用金庫 | 御庫(おんこ)・御金庫(おんきんこ) | 貴庫(きこ)・貴金庫(ききんこ) |
会社は「社」を使いますが、銀行は「行」であるため、御行・貴行と表現するのが正解です。
御行は「おんぎょう」とも読めますが、その読み方を使用する場合は、行者のような装いで物乞いをする者を指す別の言葉となります。読み方によって意味が異なるため、間違えないよう注意しましょう。
【例文】
- 御行が提供しているサービスと、経営理念に共感し志望しました。
- 金庫サービスは他社にはない技術を使用しており、これからの働き方に欠かせないと感じたため、志望しました。
【就活対策資料】
志望動機集 〜銀行編〜
【就活対策資料】
エントリーシート集 〜銀行編〜
公共団体
公共団体で御社・貴社を使い分ける場合は、以下のとおりです。
機関名 | 話し言葉 | 書き言葉 |
---|---|---|
市役所・区役所 | 御所(おんしょ)・御庁(おんちょう) | 貴所(きしょ)・貴庁(きちょう) |
県庁・官庁 | 御庁(おんちょう) | 貴庁(きちょう) |
省庁 | 御省(おんしょう) | 貴省(きしょう) |
労働局 | 御局(おんきょく) | 貴局(ききょく) |
役所を示す際は「御所(おんしょ)」「貴所(きしょ)」が本来の使い方です。しかし天皇陛下のお住まいを示す「御所(ごしょ)」との混同を防ぐために、「御所(おんしょ)」の使用を避けるべきと考える人も少なくありません。
そのため、市役所や区役所も県庁などと同様に「御庁」「貴庁」と表現して問題ないとされています。
また、役所や公共団体の場合、自治体や団体の名称をそのまま使用したり「御自治体(おんじちたい)」などと表現したりすることも可能です。
【例文】
- 御庁の取り組みである〇〇に共感し、私も世に広めたいと思い志望しました。
- 貴省の誇るサービスに魅力を感じたため、志望しました。
- 御局に入社した後は、〇〇に関り、最年少で躍進を続けていきたいです。
【就活対策資料】
志望動機集 〜消防編〜
教育機関
教育機関で御社・貴社を使い分ける場合は、以下のとおりです。
機関名 | 話し言葉 | 書き言葉 |
---|---|---|
学校 | 御校(おんこう) | 貴校(きこう) |
大学 | 御学(おんがく) | 貴学(きがく) |
大学は「御学」「貴学」を使用しますが、小学校・中学校・高校・専門学校などの「校」がつく場合は「御校」「貴校」と表現します。
【例文】
- 御校でいままで培った経験を発揮し、生徒の学びに貢献したいと考えております。
- 貴学の方針に共感し、私も同じ価値を提供したいと考え志望しました。
御社・貴社だけじゃない!メールや郵便物における宛先の使い分け
宛先の表現は、就活中だけでなく会社に就職してからも使用する頻度が高いです。企業や団体の敬称の使い分けと一緒に、宛先の表現方法も覚えておきましょう。
宛先が個人の場合とそうでない場合で表現方法が違うので、混同しないように注意してください。
宛先が個人の場合
書類やメールなどを送る担当者が分かっている場合は、「様」を使用します。また、使用する機会は少ないですが、企業や組織に様を付けるのも間違いではないです。
担当者が決まっている場合は、「〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様」と書きます。
一方、役職が付いている担当者を表す表現には注意が必要です。役職が付いている担当者の場合の宛先は「〇〇株式会社 〇〇部 課長 〇〇様」と書きます。役職に敬称を付けると二重表現になるので、個人名の後ろにだけ敬称を付けましょう。
宛先が企業や部署の場合
書類やメールを送る相手が個人名でなく、企業や担当部署の場合の敬称は、一般的に「御中」を使います。「御中」という敬称は、就職してからも頻繁に使用する表現なので覚えておくと便利です。
御中を使用する場合は、「〇〇株式会社 〇〇部 御中」と書きます。
就活生が間違いやすい表現に「〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様御中」があります。この場合は、「様」と「御中」2つの敬称を二重で使ってしまっているので、表現としては間違いです。個人名が分かっているのであれば、「御中」は付けずに個人宛てとして、「様」のみを使用してください。
御社と貴社を使った例文・使用例
ここからは、実際に敬称を使った例文や使用例を紹介します。履歴書やエントリーシートの作成に役立ててください。
面接・説明会の使用例
まず、御社の使用例を3つ紹介します。御社は話し言葉なので、主に面接や企業説明会、OB・OG訪問での会話の中で使用します。
- 御社で働くやりがいは、どのようなときに感じられますか?
- 御社を志望した理由は、英会話という自分のスキルを最大限活かせると感じたからです。
- 御社の短期的な経営方針に共感しました。
以上のように会話の中で相手の会社の話をするときは、御社を使いましょう。
履歴書・ESの例文
次に、貴社を使った例文を紹介します。貴社は御社と異なり、書き言葉なので履歴書やエントリーシートを作成する際に使用します。
- 貴社を志望した理由は、自分の長所である分析力を活かせると確信しているからです。
- 貴社の製品に対する情熱・企業努力に感銘を受けました。
- グローバル展開を目指す貴社でなら、私の英語力が事業に貢献できると考えております。
以上のように、応募書類で企業を表現するときは貴社を使います。
御社と貴社以外に重要な選考ポイント5つ
御社と貴社の使い分けは、選考において不可欠です。しかし、選考における重要なポイントは、御社と貴社だけではありません。
選考の前は、以下のポイントを意識して対策を行う必要があります。
御社と貴社以外の選考対策も入念に行い、内定を獲得しましょう。
自己アピール
御社と貴社以外に重要な選考ポイントの1つは、自己アピールです。企業の採用プロセスにおいて、自己アピールは避けて通れない重要なポイントであり、就活生が自身の強みや特徴をアピールすることが求められます。
御社と貴社を間違えずに使用できても、自己アピール不足になれば採用には近づけません。就活の選考では、自己アピールに注力する必要があります。
自己アピールをするときは、過去の実績や経験を通じて、具体的な能力・成果を言語化し、企業が求めるスキルをアピールすることが重要です。過去の実績や経験で根拠となる数字がある場合は、定量的に表現をすることで、説得力が増し高評価につながります。
また、志望動機についても具体的な根拠を示すことが大切です。「御社の社風が魅力的です」といった抽象的な表現では、ありきたりな内容に見え、面接官の評価を得られないでしょう。自己アピールでは、社風のどのような部分に惹かれたのか、具体的に伝える必要があります。
御社と貴社を間違えないことは欠かせませんが、自己アピールが足りなければ採用される可能性は低いため、伝わるように具体的かつ定量的に表現しましょう。
関連コラム
「面接が無理」を克服するための対処方法を理由別に徹底解説
入社意欲・熱意
入社意欲・熱意も、御社と貴社以外に重要なポイントの1つです。企業が新しいメンバーを採用するときは、就活生が自社に対してどれだけの熱意を持っているか、入社に対する真摯な意欲が非常に重要視されます。
なぜなら、温度感が合わない人と働いても、成果につながる可能性は低いからです。採用活動において企業は、自社を拡大してくれる人材を求めています。
そこでスキルや経験が少ない就活生に求められるのは、謙虚で素直な姿勢と仕事に対するやる気です。入社意欲・熱意が伝えられない就活生は、「やる気がない」と判断され、採用される可能性が低くなります。
入社意欲や熱意をアピールする際は、志望先に対する深い理解が必要です。企業の歴史やビジョン、事業内容などを綿密にリサーチし、自らの志望動機と一致しているかを示す必要があります。
その企業で働く自分の将来像を伝えられれば、単なる就職ではなく、その企業で働くことへの真剣な姿勢をアピールできるはずです。
企業に入社意欲・熱意を与えるには、志望先についてどれほど理解しているかが欠かせません。自分の個人的な想いや価値観を伝えるだけではなく、志望先に適した志望理由にすることが大切です。
御社と貴社をうまく活用しながら、入社意欲・熱意をアピールしましょう。
誤字脱字
提出書類で誤字脱字をしないのも、御社と貴社以外に重要なポイントの1つです。
誤字脱字は履歴書やエントリーシートでよく見られるミスであり、不採用になってしまう要素です。御社と貴社を間違えずに使用できても、他の部分に誤字脱字があれば「入社後にもケアレスミスをする人」だと思われてしまうため、評価が下がってしまいます。
入社後も丁寧に仕事ができるイメージを与えるには、誤字脱字にも十分に気をつけることが大切です。しかし、気をつけていても誤字脱字をするケースは多くあります。
履歴書やエントリーシートを提出するときは、自分でチェックしても見落としてしまう可能性があるため、他の人に目を通してもらうのがオススメです。第三者による客観的な視点で添削してもらうことで、誤字脱字を発見しやすくなります。
また、提出期限が近い状態で書類作成をする場合、焦ってしまう就活生が多く、最終確認を怠りがちです。結果、誤字脱字に気づけず書類選考を通過できない場合があります。誤字脱字を防ぐには、余裕を持った取り組みが必要です。
第三者の確認を得る際は、大学の教授や就活エージェントに依頼をすると、隅々まで客観的に確認してくれます。信頼性の高い文章を提出できれば、企業側に真剣な姿勢をアピールできるでしょう。
最低限のマナー
最低限のマナーを覚えるのも、御社と貴社以外に重要なポイントの1つです。就活の選考では、正しい言葉遣いや態度、行動などが求められます。企業側から見て不適切と判断された場合は、不採用になる可能性が高いです。
しかし、社会人経験がない就活生の中には、必要最低限のマナーについて知らない人も多いです。もし、ビジネスマナーに不安がある場合は、大学のキャリアセンターや就活エージェントに質問するのがよいでしょう。
社会人経験が長期にわたる人や、就活のプロとして活動している人であれば、正しいビジネスマナーについて理解があります。最低限のビジネスマナーが身についていない就活生は「入社後もクライアントに失礼な態度を取る」と思われてしまうため、選考前に確認しましょう。
選考対策ができているか不安な就活生は、キャリチャンの「就活相談サポート」を活用ください。このサービスでは、プロがあなたの履歴書やエントリーシート、面接選考のサポートをマンツーマンで指導するため、適切な対策が行えます。
正しいビジネスマナーについても教えてくれるため、失礼な態度になる心配もありません。納得する企業への内定を目指す就活生はまず、無料で利用できる就活支援サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
他の就活生との差別化
他の就活生との差別化をするのも、御社と貴社以外に重要なポイントの1つです。企業が求める人材像や価値観に合致するだけでなく、独自の魅力・強みをアピールすることで、他の就活生とは異なる存在としてアピールできます。
他の就活生との差別化の第一歩は、自己分析です。自分の強みや特徴を正確に把握し、ビジョンや経歴にどのように結びつけるかを理解する必要があります。自己分析によって、他の就活生とは異なる独自の価値を伝えることが可能です。
また、他の就活生との差別化には、積極的で柔軟な姿勢も欠かせません。新しいチャレンジや学びに対する意欲を示し、変化に適応する姿勢が差別化の要素となります。企業は成長意欲やポジティブなエネルギーを求めているため、アピールポイントにできるとよいです。
加えて、他の就活生と差別化を図るには、伝え方を工夫することも大切です。たとえば「主体性があります」ではなく「現状を客観的に考え、やるべき行動を自ら探せます」と言い換えれば、より具体的にアピールできます。
企業としては、ありきたりな自己アピールではなく、その人にしかない強みを求めています。伝え方を工夫すれば、独自性があり、他者との差別化にもなるはずです。
企業に魅力的であると思われるためにも、他の就活生にはない具体的な強みを伝えましょう。
ビジネス文書の作成時に御社/貴社の使い分け以外で注意する点
就活中にビジネス文書に関する知識は必要ないと思うかもしれませんが、実は、就活中に記入している文章のほとんどがビジネス文書に当たります。御社・貴社の使い分けだけでなく、ビジネス文書を作成する際の注意点を押さえておきましょう。
ビジネス文書には、作成するにあたって多くのルールがあります。具体的な注意点は、以下の5つです。
それぞれの注意点について解説していきます。
二重敬語にしない
貴社と御社を使う上で注意しなければならないのが二重敬語です。二重敬語とは敬語表現を2つ重ねて使うことで、重複表現とも言われます。
二重敬語になっている代表的な間違いの例は、「貴社の事業に貢献させていただきます」のように「〜させていただく」という表現です。一般的に多く使用されている表現ですが、ビジネス文書を作成するときには、使用しないようにしましょう。
正しい表現は、「貴社の事業に貢献します」や「貴社の事業に貢献致します」のような表現です。また、「御社様」や「貴社様」といった表現も二重表現となるので注意しましょう。
敬称を多用しない
ビジネス文書で、企業や役職などの敬称を多用するのは好ましくありません。
敬称が多用された文書は、まわりくどい印象を与えやすくなります。敬称を使用して履歴書やエントリーシートを作成する場合は、一度作成した文書を読み返し、適切な箇所に絞って敬称を使用するようにしましょう。
語尾を統一させる
ビジネス文書の基本的な表現方法の1つとして、語尾の統一があります。一般的には「です・ます調」「だ・である調」の二種類があり、文書の種類によって使い分けが必要です。
就活で提出するエントリーシートや履歴書では、「です・ます調」「だ・である調」どちらの語尾も使用可能です。「です・ます調」を使用した方が丁寧な印象を与える一方、「だ・である調」を使用した方が字数を節約できます。それぞれメリットが異なるので、目的に合わせて使用しましょう。
ただし、どちらの語尾を使用するにせよ、同一文書内で用いる語尾表現の種類は統一する必要があります。同一文書内で、「です・ます調」と「だ・である調」の語尾を混在させてはいけません。
語尾の表現は、自分では気づかないうちに混同していることがあります。文書を作成したあとの見直しが重要です。
略語・略称や話し言葉で文章を書かない
ビジネス文書では、略語・略称や話し言葉は使わず、正しい文語と省略なしの正式名称を記載してください。特に、就職を希望している企業の商品名や事業名を略称で記載することは、失礼に当たります。
正式名称はインターネット上で調べることで判明することが多いので、事前に調べておくとスムーズです。正式名称が分からない場合は、企業に連絡をして正式名称を教えてもらうようにしましょう。
迷ったら就活のプロに相談しよう
ここまで企業を表す敬称やビジネス文書の注意点について説明してきましたが、そうした言葉の用法で迷ったら、就活のプロに直接相談するのが一番です。
ビジネス用語や引用方法は調べればある程度わかりますが、細かい用法については調べきれず、「こういう場合はどうするの?」と悩んでしまうことも少なくありません。自己判断でミスを犯しては元も子もないですから、就活エージェントなどのプロに直接聞いて、確実に正しい用法を用いましょう。
キャリチャンでも、就活のことなら何でも相談できる無料の就活支援サービス「就活相談サポート」を開催しています。プロのキャリアアドバイザーがマンツーマンで相談に応じますので、提出書類のこと、面接のこと、企業へ送るメールのことなど気軽に相談してください。
疑問や不安に思うことがあると、就活はスムーズに進められなくなります。私たちプロと一緒にそれらを解消しながら、二人三脚で内定獲得を目指しましょう。
その他の就活エージェントと比較検討したい人は、下記のコラムを参考にしてください。
御社と貴社を間違えても中身が大事
就活の中では、御社と貴社を間違えてしまうときもあるでしょう。しかし、企業がそれ以上に重要視しているのは、就活生の中身です。
御社と貴社を間違えていなくても、ありきたりな自己アピールや抽象的な表現が多ければ、採用には至りません。御社と貴社を気にかける必要もありますが、選考対策を入念にすることを優先にしましょう。
「就活相談サポート」に参加しよう!
この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。