内定をもらったけど曖昧で不安…。そんな時の対処法を解説します!
2022年5月10日
就活が早期化されている影響ですでに多くの学生が内定をもらっていることだと思いますが、あなたはどうですか。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
内定はなんとかもらえたのですが早期化の影響からか、「内定通知書」などが送られてきておらず、内定をもらったことを実感できずにいます。なんだか曖昧な内定に不安を感じます…。
そうなんですね。ではそんな悩める就活生のために内定が曖昧な時の対処法について解説していきましょう。早期化の影響から内定出しが早々に慣れているものの、正式に内定を証明する企業が少ないのも確かですので、しっかりと対処できるようにしていきましょう。
キャリアプランナー 平崎
内定が曖昧かもと感じる理由
内定をもらったものの、様々な状況から「内定が曖昧かもしれない」と感じることはよくあります。特に就活が始まったばかりのこの時期にこのような不安を抱く人が多くいますが、具体的にどのような事情から不安を抱くのでしょうか。
ここではそんな、内定が曖昧かもと感じる理由について解説していきます。内定が曖昧なままだと不安を抱いた状態から就活にも支障をきたす恐れがありますので、理由を明確にしていくことで今後の対策を考えていきましょう。
口約束になる内定
内定が口約束の場合、内定が曖昧かもと不安を抱きやすいです。面接の最後に「内定です」「入社後よろしく」などと言われたものの、その後特に連絡がないことで「本当に内定が確立されたのか」と不安を抱いてしまうのです。
近年の就活の早期化もあり、多くの企業は優秀な学生を早期的に確保しておきたいと考えているため、学生を囲い込むために口頭で早々に内定を伝えるケースが多くあります。特に法律的な拘束力のない「内々定」では口約束のものが多いです。
しかし学生にとっては口だけの約束では「本当に内定をもらえたのか不安」「口約束で内定って成立するの?」と不安を抱いてしまうのです。就活では内定を獲得するために活動を行っていますから、その内定が口頭のみだとこのような不安を抱いてしまうのも無理ないでしょう。
どんな約束においても口だけでは不安になるでしょうし、ましてや入社を約束する「内定」において口だけの約束事では曖昧かもと思うのも仕方ありません。そもそも内定は口約束でも成立するのかという不安もあるでしょう。
メールや書類による内定通知がない
口約束の延長として、内定に関する通知がないことで曖昧かもと感じるケースもあります。メールや書類など、形に残るものとしての内定の通知がない場合に曖昧かもと不満を感じてしまうのです。
通常内定は内定を言い渡した後に「内定通知書」を郵送またはメールで送るのが一般的ですが、早期化によって早い時期から内定を出していることもあり、「通知は内定出しがピークのタイミングで」と考える企業が多くあります。
そのため、この時期ではまだ内定を証明する通知がされることがなく、学生にとっては「本当に内定がもらえているのか」「口約束だけの簡単なものではないのか」と不安を抱いてしまうのです。
口約束では内定を証明されるものがありませんから不安を抱くのも当たり前です。のちに形に残るものとして証明が届くとわかっていても、それまでの期間は曖昧かもと感じてしまったり、不安を抱くことでしょう。
内定に関する法律と契約事情
内定が曖昧かもと思う原因は人それぞれであると思いますが、どんな状況の人でも曖昧かもと不安を感じた場合にはしっかりと対処していかなくては不安を解消することができません。
そしてそんな不安を解消するためにはまず「内定」について理解を深める必要があります。ここではそんな内定に関する法律と契約事情について解説していきます。「口約束でも契約は成立するのか?」という疑問にもお答えしていますので、しっかりとチェックしていきましょう。
「内定」の定義と内定が成立される条件
まずは内定の仕組みについて確認していきましょう。内定とは、法的には「始期付解約権留保付」で労働契約が成立した状態のことを言います。簡単にいうと、入社後の雇用契約の合意が企業側と学生側とに得られた状態のことを言います。
そのことから、内定をもらった時点ではまだ働いていませんが、卒業後に会社で働くこと、そして入社日が決められていることから、内定を交わした時点で「入社日以降に雇用する」という契約がされていることになります。
しかし就活の一般的な流れとしては、「内定だよ」と口約束後のちに内定を知らせる「内定通知書」が送られてくることで、内定をもらった実感が湧くことだと思います。
また、内定通知書を受け取った後の内定取り消しは「解雇」と同じ扱いになり、労働契約が成立した状態では、内定承諾をした学生にも法的な拘束力が生じます。そのため、企業側、学生側どちらも簡単には内定を取り消すことはできなくなるほど重要な契約となりますので、覚えておきましょう。
口約束でも契約は成立するのか?
内定が曖昧かもと思う主な原因として、メールや書類によって形に残る内定の通知がない“口約束”が挙げられますが、そんな口約束、内定として成立するのでしょうか。結論から申し上げますと、口約束による内定も法律上では「契約成立」とみなされます。たとえ形に残るものがなくても、お互いが入社に対して合意すれば内定が成立する条件を満たすことができます。
しかし口約束により内定はトラブルが多いのも確かです。口約束でも内定が結ばれるといってもやはり「内定が結ばれた」という形に残る証拠がないことから、トラブルが起きやすいのです。たとえば「内定を出したつもりがない」と言われたり、内定が取り消され、「口約束は正式なものではないから取り消しは問題ない」と言われるケースです。内定を出したつもりがないといわれても実際に証拠として内定を証明できるものがありませんので、こちらも反論することができません。
また内定を取り消しされた際に「口約束は正式なものではないから取り消しは問題ない」と言われも、やはり証拠がないと「内定は成立している」と口だけで反論するのは難しいです。そしてその場合にもたいていは企業側に言いくるめられる形で終わります。
特に口約束でされることの多い内々定ではこのようなトラブルが多いため、不安に感じる人も多いでしょう。ましてや「内定」だった場合には余計に不安は大きくなり、曖昧な状況に不信感を抱くことだと思います。
内定が曖昧で不安な時の対処法
口約束によるものやメールや書類などによって形に残るものがない場合、「本当に内定が成立されているのか」「ちゃんと入社することができるのか」と不安を抱くと思います。曖昧な状況に不安を抱くのは当然でしょうし、今後の就活にも影響を及ぼすことでしょう。
ではそんな内定が曖昧で不安な時、どのように対処していけばいいのでしょうか。ここではそんな対処法について解説していきます。自分の中で納得できるよう、しっかりと対処していきましょう。
企業に問い合わせ、証拠が残る形にしてもらう
内定が曖昧で不安な場合、企業に問い合わせ、証拠が残る語りにしてもらいましょう。メールや書面など、形に残るようにお願いすることで安心できますし、のちにトラブルが起きた場合でも対処することができます。
内定は正式な労働契約ですので、基本的に不当な理由から取り消すことはできないとされているものの、口約束だけでは内定を通知したという決定的な証拠がありませんから、「出していない」と言われてしまえばそれまでです。
ですので、内定取り消しやトラブル回避のためにも、形に残るメールや書類で内定の通知をしてもらうようにしましょう。また、のちに通知書を送るといわれているのになかなか来ない場合にも問い合わせると良いでしょう。
もし応じてもらえない場合には労働相談情報センターなどに相談するとよいですが、そもそもそのような企業は「何かあれば内定を簡単に取り消すつもり」の場合がありますので、書面などの通知を拒否された場合には内定承諾自体を考え直しましょう。
内定先に不信感を抱く場合は辞退も考えよう
内定が曖昧で不安なとき、内定先に不信感などを抱く場合には内定辞退も考えましょう。メールや書面に残る形で通知をもらいたいと申し入れしても受け入れてくれなかったり、曖昧な返事をしたりする場合には、今後入社してもまともに対応してくれない恐れがあるため危険です。
まともに取り合ってくれないと内定が曖昧なままとなるため、まともに就活ができなくなるでしょう。また「そのうち内定通知書を送る」と言われているのになかなか来ない場合には仕事が雑なことが判断できますし、新入社員に対して教育がおろそかな恐れがあります。
このように、内定という就活において重要なものに対して対応が雑、連絡がない、返事が曖昧な場合には入社してもまだ同じようなことで悩みを抱える恐れがありますので、内定先に不信感を抱く場合には辞退も考えましょう。
まだ初期の段階であれば内定を狙える企業もたくさんありますし、そうでなくても就活エージェントを使えば内定は必ず獲得できますので、その内定先に固執する必要はありません。もちろん志望する企業からの内定の場合には簡単に辞退を決めることはできないでしょうが、入社した時のことを考えたうえで判断するようにしましょう。
もし内定を取り消されたら
内定が曖昧で不安な場合、対応をお願いしてもちゃんと対応してくれなかったり、のちに内定を取り消されるというトラブルが少なからずあります。内定を明確にするどころか、内定を取り消されてしまうという事態が発生すれば、就活に大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。
ではもし内定を取り消されたらどうすればいいのか。その対処法として適切なのが「文書回答」を求めることです。文書にて取り消し理由を提示してもらい、「内定をもらっていた」という証拠を残します。企業側は内定取り消し理由を学生に伝える義務がありますので、申し入れを拒否することはできませんから、内定を取り消された場合には必ず「形に残る」証拠として文書回答を求めることができます。
また、そもそも不当な理由から内定は取り消せませんので、不当だと感じた理由と取り消し理由(文書)を用意し、内定取り消しは不当だと企業へ訴えてください。
話し合いの結果、企業が不当な取り消しと認めればそれでOKですが、一度取り消しを提示した企業があっさり「取り消しは無効」と認めることも少ないので、万が一に備えて法的な手段も視野に入れておいてください。
- 地位確認の請求
→内定取り消しを無効にさせるための手段。会社に入るため、従業員としての地位の確定を求めます。 - 損害賠償請求
→内定を取り消した会社への入社を諦める代わりに損害賠償金や慰謝料を求める手段。
おわりに
内定が曖昧だと不安を抱くことでしょう。「ちゃんと入社できるのか」「内定を取り消されてしまわないか」「内定が不確定なら今後の就活のやり方を変える必要がある」など、様々な悩み、トラブルが起きてしまいますので、曖昧だと感じた場合には早急に対応する必要があります。
まずは企業に問い合わせ、メールや書面などに形に残るもので内定の通知をしてもらうよう、交渉しましょう。基本的には企業はこの交渉に応じるはずですので、安心できると思います。
しかし中には対応が曖昧だったり、雑な場合もありますので、その場合には入社しても苦労する恐れがありますので、辞退も視野に入れましょう。もし辞退する場合、次の内定の不安もあるでしょうが、就活エージェントを頼れば必ず内定は獲得できるので安心してください。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。