就活で学生時代に打ち込んだことを聞く理由は?目的と例文まで解説

 2022年9月12日

就職活動をしていると「学生時代に最も打ち込んだこと」を必ずといっていいほど聞かれますが、あなたは上手く答えられていますか?

キャリアプランナー 岡田

就活生 Aさん

正直、話のネタに困っています。コロナ禍で目立ったサークル活動ができてないし、アルバイトもしていません。「学生時代に打ち込んだこと」って言われても、人に話せるようなエピソードが特にないんです。

なるほど。確かに近年はコロナの影響で、あまり活発な活動はしにくいですよね。でも実を言うと「学生時代に最も打ち込んだこと」は、それほど大きなネタがなくても答えられますよ。
この記事では、「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞く目的から、経験した分野別の例文までを解説します。ポイントをしっかり押さえて、学生時代に経験したことから自分だけの強みをアピールしましょう。

キャリアプランナー 岡田

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面接や提出書類で「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞く目的

「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞く目的

学生を採用する企業は、どのような目的で「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞くのでしょうか。適切な回答を返すには、まず質問の意図を把握することが先決です。

「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞く主な目的は、以下の3つが考えられます。

学生の人間性を理解するため

「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞く第一の目的は、学生の人間性を理解するためです。

採用側である企業と学生は面接時に初めて対峙するため、面接官は面接の時点で、その学生がどのような人物なのか分かりません。そのため面接官は選考対象の学生が「学生時代にどんなことに打ち込んだのか」「それにはどんな風に打ち込んだのか」といった話を聞くことで、その学生がどんなタイプの人物なのかを理解しようとしています。

学生の人間性を理解することで自社との相性をはかり、企業と学生のミスマッチを防ぐとともに、採用後自社に馴染んで、長く勤めてもらえるかの判断材料としても活用しようとしているのです。

問題解決能力を知るため

「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞く第二の目的は、学生自身に問題解決能力があるか知るためです。

どんなことに打ち込んでいたにせよ、初めから終わりまでスムーズに進み、何の課題も発生しないということはあり得ません。物事に一生懸命取り組んでいればいるほど、より良い成果を望むはずで、より良い成果を得るには創意工夫が必要だからです。

問題や課題が見つかったときにどのような対策をしたかを知ることで、同じような場面に直面した際の対応が想像できます。

物事に取り組む姿勢や価値観を知るため

「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞く第三の目的は、物事に取り組む姿勢や価値観を知るためです。

仕事に対してどのように取り組むのが「良い」とされるかは、企業ごと・部署ごとに異なります。たとえば、多少時間がかかってもミスのない完璧な作業が求められる仕事もあれば、正確さよりスピードを求められる仕事もあるわけです。あるいは自分の意見をどんどん発信する姿勢が好まれる仕事もあれば、指示に従って周りと協調できる人物が好まれる仕事もあります。

そのため面接官は、学生の価値観や物事に取り組む姿勢や価値観を知ることで適性を見極め、自社が求めている人物像と合致するかどうかや、どの部署の仕事にマッチしそうかといった判断の材料にしています。

「学生時代最も打ち込んだこと」の書き方

「学生時代最も打ち込んだこと」の書き方

企業の内定をもらうためには、まずESを最後まで読んでもらい、興味を持ってもらって、書類審査に通過しなければなりません。

ここからは、採用担当者にしっかり読んでもらえる書き方を解説します。

経験談の中から自分の強みを見つける

エントリーシートに書き始める前に、まずは自分の経験談の中からアピールできる強みを見つけましょう。このとき気を付けたいのは、自分のアピールしようとしている強みが、企業の求める資質(人物像)とマッチしているかということです。

企業の求める人物像とかけ離れてしまうと、学生時代のどんな活動について語っていても採用担当者に興味を持ってもらえず、書類審査を通過することが難しくなります。そのため、事前に企業研究をしっかり行い、その企業の仕事で役立つような強みを見つけることが重要です。

経験から得た成果や実績を具体的な数字にする

次に、自分が学生時代に経験したことの中で得た成果や実績を書き出し、数字として可視化します。

例えば部活動やサークル活動の中から成果や実績を書くときは、「〇年間続けている」「毎日〇時間練習した」「○○大会で〇位になった」など、具体的な数値を加えると良いです。具体的な数字が入っている方が継続力や努力の度合い、成果の大きさなどがイメージしやすく、より分かりやすい文章になります。

その場で見ていなかった人にも自分の取り組みが理解できるように、できるだけ詳しく説明しましょう。

PREP法を意識して文章を組み立てる

エントリーシートに書く内容がある程度決まった次のステップは、文章の組み立てです。文章の組み立てを考えるときはPREP法を意識して組み立てると、簡潔で分かりやすい文章に仕上がります。

PREP法とは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の略で、ビジネス文書を書くための基本的な構成方法です。質問に対するダイレクトな答えを初めに記載し、そのあと理由→具体例→結論の順番で説明することで、論理的かつ説得力のある文章になります。

文章全体の見直しをする

エピソード文が完成したら、最後に文章全体の見直しをしましょう。

誤字や脱字がないか確認することはもちろん、文と文のつながりが不自然でないかや、一文が長すぎていないかなどもチェックしてください。

面接での「学生時代に最も打ち込んだこと」の伝え方

面接での伝え方

ここからは面接時に、学生時代に最も打ち込んだエピソードを伝える方法を解説します。

基本的には面接でもESと同様、PREP法を意識して話を組み立ててください。面接ではESに記載した内容を、より踏み込んで、詳しく説明するわけです。ESに記載がない場合も、あらかじめ話す内容を原稿にしておき、面接前に声に出して練習しておくとスムーズに話すことができます。

打ち込んだ内容の概要を簡潔に伝える

話の初めにまずは、話の概要を簡潔に伝えましょう。

たとえば「○○部の活動に打ち込んでいた」「○○の研究に打ち込んでいた」など、自分が学生時代「何に」打ち込んでいたのかを表す部分です。これはPREP法でいうと、初めのP(結論)に当たる部分であり、質問に対するダイレクトな答えでもあります。

それに加えて、なぜその活動に打ち込もうと思ったのかというきっかけなどについて語ります。PREP法のR(理由)に当たる部分です。

それらを抜きにしていきなり内容から話してしまうと、面接官にイメージが伝わりにくくなり、強みをアピールすることが困難です。面接官が実際の場面を想像しやすくなるように、活動の概要を述べてから本題に入っていきます。

打ち込んでいるときに直面した問題や課題を伝える

概要を簡潔に伝えたら、そのときに直面した問題や課題がどのようなものだったのかを伝えます。

問題や課題が具体的なものだと、物事に取り組む姿勢が伝わりやすくなるので、しっかりエピソードの深堀りをしておきましょう。

問題や課題の解決方法を伝える

問題や課題を伝えたら、その課題に対してどのような解決方法を取ったかを伝えます。

課題や問題を解決するために、コミュニケーション力を駆使したり積極的に話し合いを行ったりしたという話は、自分の強みをアピールするのに有効です。

結果を伝える

次に、課題に取り組んだ結果を伝えます。結果については、具体的な数字で伝えるとよりエピソードがイメージしやすくなり、分かりやすくなります。

結果は必ずしもポジティブなものでなくてもかまいません。解決方法を見つけるまでの過程やその解決方法の内容のほうがより重要なので、具体例を深堀りしておきましょう。

その経験を企業でどう活かせるか伝える

最後に、学生時代に最も打ち込んだことから何を学び、そこで得たスキルを入社後どのように活かせるかを伝えます。面接では、具体例のつぎに重要な項目です。

このとき、その企業が行っている業務や事業展開と自分のスキルを絡めて伝えるようにするとより面接官へのアピールになります。

分野別「学生時代最も取り組んだこと」の例文

例文

ここからは、エントリーシートや履歴書に書くエピソードの具体例を分野別に紹介します。

アルバイト編

アルバイトをエピソードに使う場合は、下記の例文を参考にエピソードを組み立ててみましょう。

私が学生時代に最も打ち込んだことは、飲食店でのアルバイトです。

私が飲食店でのアルバイトをしたのは、消極的な性格を改善したかったからです。幼少の頃から自分の意見を伝えることが苦手で、上手く伝えられるようになりたいと思い、飲食店のキッチンを担当するアルバイトに応募しました。

最初は、他のスタッフとのコミュニケーションが上手く取れず、落ち込む日々でした。しかし、あるスタッフから「言葉使いが丁寧で分かりやすい」と言っていただけたことで自分に自信が持てるようになり、だんだんと積極的に会話に参加できるようになりました。

この経験から、物事の伝え方を学びました。採用されたあかつきには、物事を的確に伝えるスキルを活かし、貴社の商材の魅力を最大限引き出した提案を顧客に提供できるようさらにスキルアップしていきます。

サークル偏

学生時代に取り組んだことがサークルの場合は、下記の例文を参考にしてください。

私が学生時代最も打ち込んだことは、軽音サークルでのライブ運営です。

私が軽音サークルでライブの運営を行っていたのは、自身の企画したライブを通してマーケティングを学びたかったからです。家族が自営業をしているので、高校生の頃からビジネスに興味がありました。事業拡大にはマーケティングが大事だと考え、元々好きだった音楽の分野でライブイベントの運営管理を担当しました。

初めてライブの企画を行ったときは、勝手が分からず集客に失敗してしまい、運営管理の難しさを痛感すると共にリサーチ不足に気づきました。次にライブを企画したときは、出演するバンドの音楽ジャンルと観客層のすり合わせやコンセプトに合わせた会場の手配など、事前準備を徹底しました。その結果、前回のライブと比較して120%の集客率向上を達成しました。

私はこの経験から、計画性の大切さを学びました。入社後はこのマーケティングスキルを活かし、貴社の業績アップに貢献したいと考えています。

学業偏

ゼミや資格取得のための勉強、留学経験など学業に関するエピソードを書く場合は、下記のような例文を参考にしてください。

私が学生時代に力を注いだことは英文学ゼミの活動です。

私が英文学ゼミに入ったのは、イギリスの英語と文化に興味があったからです。

しかし、ゼミ活動では文学を通じて当時のイギリスの貴族のあり方や流行などの研究が主でした。私が純粋に読書が楽しめないことを教授に相談すると、「文学研究には、イギリスという国自体への理解が欠かせない」と教えていただきました。その言葉で「あらゆる視点から総合的な研究ができる」という、文学研究をするうえで大切なことに気づくことができました。

私は文学ゼミの活動を通して、多方面に興味を向けることで自身のスキルアップに繋がることを学びました。入社後も、あらゆる仕事は見えないところで繋がっていると意識し、視野を広げて取り組んでいきたいです。

部活偏

部活動をエピソードとして書く場合は、下記の例文を参考に文章を組み立ててください。

私が学生時代に力を注いだことは、吹奏楽部での活動です。

私は中高6年間トロンボーンを担当しており、大学でも力を発揮したいと思い吹奏楽部に入りました。

高校では常に正規メンバーとしてコンクールに出場していましたが、大学1年のコンクールでは正規メンバーに選出されず、悔しい日々が続きました。以前と同じような練習メニューでは正規メンバーにはなれないことを実感し、先輩に練習内容を聞いたところ、その答えは「1時間の基礎練習と曲の聞き込み」でした。私は今までの練習方法を変更し、基礎練習と曲の聞き込みを毎日続けました。その結果、コンクールに毎年正規メンバーとして出場できるまでになりました。

私はこの経験から、努力を継続することの大切さを学びました。この経験を活かし、入社後も努力を惜しまず業績アップに貢献したいと考えています。

自分の強みを活かして他の就活生と差をつけよう

学生時代を改めて振り返ると、さまざまな経験をしていることが分かります。その中には、自分でも気づかない強みが隠れているかもしれません。大きな成果を上げた華々しい経験でなくても、自分と企業の相性の良さを示せるような、仕事に活かせる強みを語れれば良いのです。学生時代の活動の中に、そんな強みを発揮したエピソードを見つけましょう。

キャリchでは、キャリアカウンセラーとの個別面談を通し、就活生一人ひとりのお悩みを解決する「就活相談サポート」を連日開催しています。完全無料のイベントなので、学生時代に打ち込んだこととして話せるネタがない、上手く説明できないなどで悩んでいる就活生は、気軽に活用して下さい。

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この記事の監修者

監修者:岡田章吾

岡田 章吾

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。

就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。

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