就活におけるスーツの着こなし方はボタンのマナーに要注意!
2019年11月18日
スーツの着こなしについて悩んでるそうですね?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
そうなんです。ネットで調べると三番目のボタンを外すとか外さないとかいろんな説があって、どうすればいいのかわかりません。
スーツによってもボタンの数が違いますし、学生はスーツを着慣れてないので、迷ってしまいますよね。
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
結局、スーツのボタンはどうするのが正解なんでしょうか?
このコラムでは、就活に使うスーツのボタンに焦点を当てて、正しいマナーについて解説していきます。ぜひ参考にしてください。
キャリアアドバイザー 平崎
就活で着用するスーツのボタンで心がけるべきこと
スーツは、男性用と女性用で形やボタンの数が全く異なります。当然、着用時のマナーも男女で違うため、あらかじめ注意して調べなければなりません。
ここでは、就活でスーツを着用する際のボタンの正しい留め方について細かくまとめます。ボタンの最低限のマナーを守りつつ、評価を下げないようしっかりとチェックしましょう。
男女別にスーツのボタンで注意すべきポイント
男女ではスーツのデザインが異なると上記で説明しましたが、特に違う点はボタンの数です。男性は2〜3つ程度あるのに対し、女性は一般的に1〜2つで作られています。
つまり、ボタンの役割が男性用と女性用で違います。また、男女の体つきの違いから、スーツの形もそれぞれで違いがあります。ボタンの留め方は、良くも悪くも第一印象に影響を与えるため注意が必要です。では、男女ごとの着こなしの違いを確認していきましょう。
■ 男性は下のボタンを留めてはいけない
男性のスーツの着こなし方で注意しなければならないポイントは、1番下のボタンの取り扱いです。学校の制服では、全てのボタンを留めるよう指示された人もいるかもしれません。しかし、社会人の常識は全くもって異なります。
男性がスーツを着る場合は、1番下のボタンを留めないのがマナーです。ボタンの数が製品ごとで異なるため、下記の内容を参考にしてください。
- ボタンが3つのスーツ→上2つのボタンもしくは真ん中のボタンのみを留める
- ボタンが2つのスーツ→上のボタンのみを留める
下のボタンを留めてはいけない理由については、さまざまなものがあるので後述します。スーツを着るうえで常識とされている部分です。学校の制服のように全て留めないよう注意しましょう。
■ 女性は基本的にボタンを全部留める
女性の場合は、男性とスーツの違った着こなし方が求められます。女性用のスーツでは、男性用と違って全てのボタンを留めるのが基本です。主な理由として、スーツのデザインが挙げられます。
女性用のスーツは、体つきに合わせてウエストラインを絞るようなデザインとなっている点が大きなポイントです。ボタンを全て留めると、ウエストラインが引き締まって見えるように作られています。
逆にいうと、ボタンを全て留めないとブカブカに見えるということなので、着こなし方には注意しましょう。デザインによってボタンの数が1〜2個と違いはあるものの、「全て留めるもの」と覚えておいてください。
加えて、髪型などもスーツの着こなし方に合わせ、なるべくコンパクトに束ねたほうがスッキリとした印象を与えられます。
面接で着席するときのボタンの扱い
社会人の常識では、席に座るときはスーツのボタンを全て外すものと考えられています。一方で、就活の面接においては、座る時も変わらずボタンを留めたままで問題ありません。むしろ、無理に外そうとしてモタモタすると悪印象を与える可能性もあります。
就活生の多くはスーツに慣れていない人も多いため、ぎこちない仕草から減点対象になるかもしれません。もちろん、細かな評価ポイントは会社によって異なるものの、就活における面接時はボタンを留めたままにした方が好印象です。
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就活においてスーツのボタンを外すことが無難とされた背景
特に男性の中には、せっかくスーツにボタンがあるにもかかわらず、なぜ1番下だけを留めないのかを疑問に感じた人もいるでしょう。実は、さまざまな説が唱えられています。
ここでは、スーツのボタンマナーに関する歴史的な背景を紹介します。就活で必ず覚えるべき内容ではありませんが、知っておくとマナーを理解するのに役立つでしょう。
下のボタンは装飾品の名残
本来、スーツはヨーロッパの文化として日本に持ち込まれた製品でした。スーツは着物が当たり前であった日本に、洋風文化が根付くきっかけのひとつです。
スーツの下のボタンに関するマナーが生まれた理由も、かつてのヨーロッパの風習にあるといわれています。中世ヨーロッパの時代では、スーツのボタンは実用的に使われていたものではありませんでした。
今では、スーツのボタンは寒さをしのぐためやスタイリッシュに見せるためなどの目的があります。しかし、本来のスーツのボタンは単なる装飾品として扱われていたそうです。
このようなヨーロッパ文化の名残で、現在も男性用スーツの1番下のボタンは外すのではないかとも考察されています。要するに、現代でも1番下のボタンは装飾品のひとつだといえるでしょう。
スーツに付けられたボタンが低位置になった
1番下のボタンを外すようになった背景には、スーツのデザインの変化も挙げられます。戦前の日本では、全体的にボタンの位置を高くして作られていたそうです。そのため、全部を留めても見た目に違和感はありませんでした。
時が流れるにつれて、よりデザインを格好良く見せるためスーツのボタンの位置が下げられるようになります。そのため、1番下のボタンを留めてしまうと、見た目のバランスが悪くなる人も少なくありません。
そのため、せっかくのスーツが不格好にならないためにも、あえて1番下は留めないことを前提として作られるようになりました。こうした背景が、ボタンの留め方のマナーとして広まったと考えられてます。
とある国王の体型の悩みが概念を変えた
一説によると、とある国王の体型の悩みがスーツの常識を覆したともいわれています。こちらは、20世紀初頭のイギリスの話です。当時は、エドワード7世と呼ばれる人物が国王として国を治めていました(1901年〜1910年)。
画像検索してみると、お腹が出ているエドワード7世の写真がたくさん出てきますが、少しふっくらした体型の人物です。スーツのボタンを全部留めてしまうと、体型的に非常に苦しかったので、1番下は外すようになったという考察もあります。
無論、あくまで噂の1つです。明確な証拠があるわけではないものの、現代のボタンのルールは1920年頃に生まれたとされています。
馬に乗る文化がスーツの着こなし方を定着させた
日本と同様に、車がなかった時代のヨーロッパでは馬に乗って移動する文化がありました。馬に乗る人を「騎手」といいますが、騎手はスーツを着用するのが当たり前でした。このような歴史的背景も、現代のスーツの着こなし方を定着させた要因といわれています。
皆さんも、自身がスーツで馬に乗っている姿を想像してみてください。もし、全てのボタンを留めてしまうと、居心地が悪く感じるはずです。加えて、特に走って移動するときは、スーツの形を崩さないように工夫する必要があります。
この説が正しいと仮定すれば、現代のマナーは「動きやすさ」と「見た目」の双方を重視した結果です。かつてのヨーロッパ人の考え方が、今の日本にも深く根付いているのかもしれません。
スーツの綺麗な状態を長持ちさせるため
これまではヨーロッパを中心とした歴史から、スーツのマナーの起源について解説しました。一方で、実用的な面でマナーが定着したと考える説もあります。特に最も正しいとされている考え方が、「スーツの綺麗な状態を長持ちさせるため」です。
スーツのボタンを全て留めると、無理やりスーツのラインを引き締めてしまい、スーツにシワができやすくなります。企業では、男性は仕事でスーツを着用している場合が多いです。そのため、普段の着こなし方からスーツのシワには注意する必要があります。
スーツの扱い方も面接では細かく見られるでしょう。なぜ、男性は1番下のボタンを留めないのかについて、素材の特徴を押さえつつ理解しておいたほうが賢明です。
理由はどうあれ、スーツの着こなしには、社会人しかわからない暗黙のルールがあります。自分の着こなしに自信がない人は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」に参加してください。
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スーツのボタン以外に就活において注意が必要な着用品
就活では、スーツ以外の着用品にも注意を向ける必要があります。なぜなら会社の人事は、就活生が想像している以上に身だしなみなどを細かくチェックしているからです。
ここではシャツや靴下、小道具といった就活の必需品のマナーについて紹介します。具体的な注意点は、以下の4つです。
頭から足まで、失礼のないものを身につけているか確認しましょう。
シャツのボタンは全部留めるのが普通
スーツの下に着用するシャツは、ボタンを全て留めるのが基本的なマナーです。人によっては、1番上のボタンを留めるのが、苦しいと感じるかもしれません。しかし、採用試験や面接に参加している間は我慢するようにしましょう。
我慢できないほど苦しいとしたら、シャツのサイズが合っていない可能性があります。男性の場合、スーツの下に着用するためのシャツには首周りのサイズがあるので、自分の体型に合ったシャツを選んでください。
女性の場合は、首周りにボタンのないシャツを着るという選択肢もあります。その際には、普通に着用して問題ありません。なお、シャツの色は清潔感を感じられる白色がベストです。汚れやシワがないかを確認し、綺麗に見える格好で臨みましょう。
ネクタイの長さには気を配ろう
ネクタイを結ぶときは、必ず長さに気を配りましょう。ネクタイには、「大剣」と呼ばれる幅広の先端と、「小剣」と呼ばれる幅の狭い先端があります。双方の長さを上手く整えて、不格好にならないよう注意しなければなりません。
一般的には、大剣が小剣よりも数cm長い状態が望ましいとされています。間違えて、小剣のほうが長くならないようにしてください。また、ネクタイ全体の長さはベルトのバックルを隠すくらいが適切です。
靴や靴下の色はシンプルなものを選ぶ
就活では、靴や靴下の選び方および履き方にも注意が必要です。特に靴下の色は、なるべく目立たない黒や紺色をオススメします。スーツの色に合わせて選ぶとよいでしょう。靴も明るい色は避け、黒などの落ち着いた色にするのが無難です。
女性の場合は、ストッキングを着用するのが一般的なマナーだと考えられています。ストッキングの色はベージュがオススメです。黒やカラフルな色のストッキングは、就活では避けた方がよいでしょう。
バッグや腕時計も目立ちすぎるものは避ける
就活で使用するバッグや腕時計も、どれでもよいわけではありません。まれに高級なものを身に着ける就活生がいますが、かえって人事に悪い印象を与える可能性があるため、避けた方が賢明です。
また、就活で会社にいる間は、ピアスやイヤリングなどの宝飾品を外しておいた方がよいでしょう。下手に目立たないよう、無難な格好で挑む必要があります。小道具を購入するときは、慎重に製品を選びましょう。
その他の就活グッズや持ち物について知りたい人は、下記の対策資料を活用してください。
【就活対策資料】
就活グッズ&持ち物リスト
スーツのボタンマナーを押さえて就活に挑もう!
就活では身だしなみが与える第一印象がとても大切です。スーツのボタンに関しては、男性は1番下のボタンを外し、女性は全て留める点を押さえてください。ほかにも、多くのマナーがあるため、全て網羅して好印象を与えられるよう取り組みましょう。
もし、服装なども含めて就活のことでつまずいたときは、就活エージェントに頼ってみてください。就活エージェントは、就活に関する知識が豊富な頼れる他人です。身近な人ではないからこそ悩みを打ち明けやすいとともに、プロの知識を活かして確実に解決してくれます。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。