就活のエントリー数は20社が適切?多すぎも少なすぎもダメな理由

 2023年3月7日

就活解禁が近づいてきました。業界研究や企業研究を行い、志望する企業は漠然と絞れてきたでしょうか。

まだ全然絞れていない、あるいは、どの程度絞ったらよいかわからないという学生もいるでしょう。

志望順位の高い企業はおのずと決まってきても、就活のエントリーはそれだけで足りるのかと、不安を抱えている学生もいるかもしれません。

「就活のエントリーは何社くらいすればいいの?」
「みんな、どれくらいエントリーしているの?」

キャリアカウンセラーとして学生の相談に乗っていると、そんな声をよく耳にします。

たくさんエントリーすればその分チャンスは広がりますが、エントリー数が多くなるほど、就活スケジュールの管理が大変ですよね。

そこで、このコラムでは8,000人以上の就活生を支援してきた経験をもとに、「就活生の平均エントリー数」や、就活のプロとしてオススメする「適切なエントリー数」について解説します。エントリー企業を検討中の学生は、ぜひ参考にしてください。

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就活生のエントリー事情と平均数

就活生のエントリー事情と平均数

2018年4月に発表された「2019年卒マイナビ学生就職モニター調査 3月の活動状況」によると、2019年卒生の約96.0%が3月中にエントリーを行い、学生一人あたりの平均エントリー数は20.7社でした。

2017年卒の平均エントリー数は30.6社、2018年卒の平均エントリー数は27.9社だったので、学生の平均的なエントリー数は3年連続で大幅な減少傾向となっています。

ただし、そのうち62.0%の学生が「今後エントリーする企業についても引き続き探している」と回答しており、就活初期には20社程度のエントリーに留め、他にも魅力的な企業が見つかれば追加しようという学生が多いようです。

一方で、同調査によると3月末時点で「ESを提出した」「一次面接を受けた」といった項目が前年よりわずかに増加しており、4月以降に実施されていた企業の採用スケジュールがやや早まっている傾向がうかがえます。

また、「企業の情報やデータを知って志望度が下がった経験がある」と答えた学生が、2019年卒では69.7%、約7割近くいました。就活の途中で志望企業が変化する可能性も、考えておく必要がありそうです。

多すぎてもダメ!目指すべきエントリー数

多すぎてもダメ!目指すべきエントリー数

就活のエントリー数は、多すぎても、少なすぎてもよくありません。エントリー数が多ければその分チャンスが広がりますが、スケジュール管理が大変になるなどデメリットもあります。

では、就活のエントリー数は何社くらいが適切なのでしょうか。

ここからは、3,000人以上の就活生を支援してきた就活のプロとして、就活生が目指すべき適切なエントリー数について解説していきます。

エントリー数が多い場合と少ない場合のメリット・デメリットもあわせて紹介しますので、参考にしてください。

エントリー数は20社程度がオススメ!

2019年卒就活生の平均エントリー数は20.7社でしたが、キャリchとしても、就活生には20社程度のエントリーをオススメします。その理由は、20社程度だとスケジュール管理がしやすく、本当に自分に合った企業を見極めるのにちょうどよい数だからです。

もちろんスケジュール管理がしやすい数は、その学生の事情によっても多少変わってきます。すでに卒業研究の始まっている理系学生や活発な部活動を行っている体育会系学生と、比較的時間に余裕のある文系学生とでは、忙しさの感覚も異なるはずです。

エントリーした1社1社にきちんと向き合えなければ、ただやみくもにエントリーの数だけを増やしたり減らしたりしても意味がありません。20社程度を目安として、自分に適したエントリー数を考えましょう。

数によるメリット・デメリットも把握しておこう

エントリー数 メリット デメリット
多い
  • 様々な企業の話を聞ける
  • 業界研究につながる
  • エントリーした企業を把握しきれない
  • 複数社の選考日程が被ることがある
少ない
  • 行きたい業界や企業に集中できる
  • 余裕あるスケジュールで就活できる
  • 一部の企業しか見れない
  • のちのち後悔することも

学生それぞれの事情によっても、きちんと取り組めるエントリーの数は違います。

しかし、ただエントリーの数だけを増やしたり減らしたりしても、内定には結び付きません。ESを書いたり、面接対策をしたりするには、エントリーする1社1社に対する企業研究が欠かせないのです。

オススメは20社ですが、自分に20社のエントリーが可能なのか、自分にとって無理のないエントリー数は何社なのか、メリット・デメリットも踏まえた上で見極めましょう。

エントリーする企業を選ぶ際の基準

エントリーする企業を選ぶ際の基準

エントリー数を20社にするとしても、むやみやたらにエントリーすればよいというものではありません。

目標は20社エントリーすることではなく、エントリーした企業の中から内定を獲得し、その企業に入社することです。エントリーする際の基準をしっかり定め、円滑に就活を進めていきましょう。

ここからは、どのようにしてエントリーする企業を選んだらよいか、その基準について解説します。

プレエントリーは30社程度しておく

20社の企業にエントリーするつもりなら、プレエントリーは30社程度必要です。プレエントリーとは、その企業に興味を持っている学生として、あなたの名前や連絡先などを企業に登録することです。

リクナビやマイナビなどの就活サイトを通じて募集を行っている企業がほとんどなので、たいていは就活サイトを経由して登録することになりますが、ESの提出を求められる本エントリーの前に、このプレエントリーという段階を設けている企業がかなりあります。

そうした企業ではプレエントリーを行ってはじめて、採用情報などの資料請求や説明会への参加が可能になるので、エントリーする可能性のある企業には、必ずプレエントリーを行っておかなければなりません。

始めの章でもお話ししましたが、「企業の情報やデータを知って志望度が下がった経験がある」という学生が、7割近くもいます。

その理由はさまざまですが最も多いのは、給与や勤務地など、採用条件に関するものです。ですから、実際にエントリーする企業数よりも多めにプレエントリーして情報を集めた上で、その中からエントリー企業を選ぶ必要があります。

しかし、プレエントリーも多すぎると情報が整理しきれず、わからなくなってくるでしょう。20社の企業にエントリーするつもりなら、プレエントリーはその1.5倍の、30社程度が適当です。

興味がない業界にも手を伸ばす

自分が興味を持っている業界・企業に多くエントリーするのはもちろんなのですが、それ以外の、興味のない業界・企業にもエントリーすることをオススメします。苦手だな、ちょっと違うなと思う企業にも、いくつかエントリーしてみましょう。

なぜなら、自分が目指している方向とは別の業界・企業も見てみることで視野が広がり、志望業界・企業への理解がより深まるからです。

社会での経験がない学生にとって、自分の将来像を現実的に思い描くことは、簡単ではありません。

大切なのは、たくさんの企業にエントリーして内定への確率を上げることではなく、自分に合った企業を探すことです。

今、漠然と目指している業界・企業は、はたして自分に向いているのか、どれほど興味があるのか再確認することで、本当に自分に合った企業と出会いやすくなります。

また、「やりたい仕事がない」「自分のやりたいことがわからない」という学生は、いろいろな業界を見てみることで、自然と自分に合うものがハッキリしてきます。

あまりにエントリー数が少ないと不安な気持ちにもなるものですから、そういう学生は、いくつか方向性を変えてエントリーし、いろいろな業界の中から自分に合う企業を探しましょう。

上手なスケジュール管理のやり方

上手なスケジュール管理のやり方

エントリー数が増えれば増えるほど、就活のスケジュール管理は大変です。企業説明会、面接、ESなど書類の提出期限、筆記試験…就活では日付や時間の指定された予定が山のようにあります。

エントリー数のオススメは20社ですが、人によっては20社でも、手一杯の状態になることもあるでしょう。

重要な予定や期限を忘れたり、他の予定と被ったりしないよう、しっかりしたスケジュール管理がとても大切です。

これまでの学生生活と異なり、就活では社会人と同様の厳しさ、正確さが求められます。「うっかり」は許されません。

正確なスケジュール管理に慣れていない学生も多いと思いますので、ここからは、就活のスケジュールを上手に管理する方法について解説します。

手帳でスケジュールを管理する

就活のスケジュール管理は、スマホではなく、紙の手帳で行いましょう。その理由は、スマホやタブレットなどの電子機器は、データ破損の恐れがあるからです。

手帳は、予定を色分けするなどして、一目でわかるように記入するのがコツです。手帳は採用担当者の前で使用することもあるので、無難な色柄のものを選び、プライベートの予定は書かないようにしてください。

また、就活が本格的になってくると、一日に何件も予定が詰まることがあります。マンスリーの予定表だけでなく、ウィークリーやデイリーの予定表がついていてるものがオススメです。

マンスリーには「A社ES」など大まかな予定を記入して、就活の全体スケジュールを把握し、何をいつまでにやらなければならないのか、優先順位を決めて取り組みましょう。

ウィークリーやデイリーには予定だけでなく、時系列で、場所などまで細かく記入しておきましょう。

9:00
10:00 A社説明会(渋谷〇〇ビル)
11:00
12:00
13:00 B社面接(新宿△△ビル)
14:00

就活の予定は手帳だけでなくスマホにもメモして、プライベートの予定と被らないよう管理するのがよいでしょう。

就活エージェントを活用する

就活のスケジュール管理に自信がない人は、就活エージェントを活用しましょう。

あなたが就活の予定をうっかり忘れてしまっても、専任のエージェントが代わりに覚えていてくれるので、「ESの提出を忘れる」「説明会に行くのを忘れる」といった致命的なミスがなくなります。

就活エージェントは、就活の知識豊富な「就活のプロ」です。「どうしたらエントリーを突破できるのか」といった相談にも、企業側の意見も踏まえた的確なアドバイスをしてくれます。

また、就活エージェントに頼ればエントリーの相談だけでなく、自己分析の手伝いから企業選び、面接対策に至るまで、就活全般を通してサポートしてくれるのでオススメです。

エントリー(持ち駒)が減ってきたら?

就活を進めていくうちにエントリー数(持ち駒)が減ってきてしまったら、これまでの希望とは違った業界へもエントリーしてみましょう。

前述のように、エントリーの際は自分の興味のある業界だけでなく、違う方向性の企業にもエントリーしておくことをオススメしました。

その中には、始めに希望していた業界とは違うけれど、実際に就活を行ってみると興味がわいたという企業もあったはずです。

持ち駒が減ってきたときには、そうした就活の中で新たに興味がわいた業界に、積極的にエントリーしていきましょう。

また、始めのエントリーで絞り込みすぎてしまい、他の業界を見ていない場合は、合同説明会への参加をオススメします。

さまざまな企業の話を一度に聞くことができるので、効率的に視野を広げられるでしょう。1つの業界に固執するよりも、自分に合った企業が見極めやすくなります。

おわりに

就活のエントリー数についてまとめます。

  • 2019年卒の平均エントリー数は20.7社
  • 就活のエントリー数は、20社程度がオススメ
  • プレエントリーは30社程度必要
  • 自分の希望する業界だけでなく、興味のない業界へもエントリーしておく
  • 就活のスケジュール管理は手帳を活用する

就活のエントリー数は、多ければ多いほどよいというものではありません。目的はエントリーすることでなく、その中から内定を獲得することです。

そのためにはエントリーした企業1社1社の企業研究を行い、ES対策や面接対策など、きちんと選考の対策をする必要があります。

キャリchではそんな内定を狙う学生のためのイベント「再就活サポート」を開催しています!プロ目線から的確なアドバイスをし、必ず満足の行く企業へ導きます。本気で内定を狙う人のためのイベントです。

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この記事の監修者

監修者:岡田章吾

岡田 章吾

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。

就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。

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