グループワークが苦手な就活生のために上手に乗り切るためのコツを伝授します
2023年3月23日
いよいよ選考が本格化してきますね。グループワークやグループディスカッションの対策はできていますか?
キャリアプランナー 廣瀬
就活生 Bさん
正直うまくいく自分が想像できません。経験もないのに苦手意識を持ってしまって……。
それは、グループワークについてよくわかっていないからではないでしょうか?
キャリアプランナー 廣瀬
就活生 Bさん
確かにそれもあるかもしれません。実際には何をするのですか?うまくいくコツがあれば教えてほしいな、なんて。
では、苦手意識を抱く学生のために、グループワークの進め方から役割の決め方・上手に乗り切るための秘訣などを紹介しましょう。しっかり準備して、選考にのぞんでくださいね。
キャリアプランナー 廣瀬
グループワークとは?
グループワーク(GW)とは、複数人の学生がグループとなり、与えられたテーマから結論を導き出すために話し合いを行い、共同で作業を行うことで、それらを評価の対象としている選考のことです。
そんなグループワークはESや筆記試験後に行われることが多く、これを突破しないと面接に進めないことから万全な対策が必要となります。
では、それほど就活において重要視されているグループワークですが、一体どんな目的から行われるのでしょうか?まずは、グループワークと混合されがちな「グループディスカッション(GD)」との違いから確認していきましょう。
グループディスカッションとの違い
グループワークと混合されがちなグループディスカッションですが、一体どのような違いがあるのでしょうか?違いを理解していないと的外れな行動を起こしてしまう可能性もありますので、しっかりとチェックしておきましょう。
- グループディスカッション
→複数人でグループを作り、与えられたテーマから結論を導き出すために行う議論。 - グループワーク
→複数人でグループを作り、与えられたテーマから議論を行い、“共同で作業”を行うことで結論を導き出すワーク。
上記から簡単に違いを述べると、結論を出すために話し合いをするグループディスカッションに「共同作業」が加わったものがグループワークです。
グループディスカッションでは「できるだけ大きな船を作るためには何が必要か考えなさい」というのに対し、グループワークでは「机の上にある材料を使ってできるだけ大きな船を作りなさい」と、話し合いだけでなく共同での作業も求められるというわけです。
そして話し合いだけでなく、共同で作業している過程も評価の対象になるのがグループワークの特徴です。話し合いに参加していないだけではなく、共同での作業にも参加していないようでは選考を通過すことはできないでしょう。
では、企業はそんなグループワークをなぜ選考プロセスとして取り入れているのでしょうか?次項より確認していきましょう。
企業がグループワークを行う目的
企業が選考プロセスにグループワークを取り入れている理由は、「学生の本当の姿」をチェックするためです。面接のように、直接的に企業の人と接触しないことで学生の“素”の部分を見極めるのです。
企業側は長く企業のために勤めてくれる人も求めていますので、本音部分での相性を図る必要があります。しかし、面接では決められた質問から決められたことしか学生を見極めることができませんし、学生自身も緊張しているため、素の部分を見極めにくいです。
そんな「対企業」仕立ての学生ではなく、素の部分を引き出しやすいよう、学生同士の話し合いの場を設けようと、グループワークを選考プロセスとして取り入れるのです。
グループワークからチェックしていること
グループワークでは話し合いはもちろん、共同で作業を行っている姿も評価の対象となります。では、それらから具体的にどのようなことをチェックしているのか。下記より確認していきましょう。
- 発言に責任を持っているか
- 自分の役割を果たせているか
- 対立意見に対してどう対応しているのか
- 相手の意見に聞き耳を持てているか
まず、学生の発言に責任を持っているかどうかをチェックします。グループワークは話し合いや作業を通して結論を導き出すものですので、どんなことを発言するかによって結論までの導かれ方は異なってきます。なんの責任も持たす、「とりあえず発言」するようでは結論は導かれませんので、そのような人は会社という組織で生活していくことはできないのです。
また、グループワークでは学生それぞれに「役割」を担うことになりますから、その役割としての責任をしっかり果たせているかどうかもチェックされています。グループワークでは「どの役割がいい」ではなく、「自分の役割を責任もって果たす」ことが大切なのです。
そして、話し合いの場において自分の意見とは異なった「対立意見」が出ることもありますので、そのような意見が出たときにどう対応するのかもチェックします。社会に出れば自分と違った意見を持つ人はたくさんいますから、どう対応するのかを今のうちに確認します。
そして最後に、“自分が発言していない時の態度“もチェックします。ちゃんと話を聞いているか、また相手の意見をしっかりと吸収できているかどうかを確認します。
このように、個人面接では知りえないことを企業はグループワークを通してチェックしていきます。
グループワークの進め方と役割の決め方
選考プロセスとしてグループワークを取り入れる企業が増えてきていますが、具体的にグループワークとはどのように進められていくのでしょうか?グループワークでは「役割」を担う必要がありますから、自分に適した役割を決めていかなくてはいけません。
ここではそんなグループワークの進め方と「役割」の決め方について解説していきます。具体的な流れやそれぞれのポイントについて解説しているので、しっかりとチェックしていきましょう。
流れ1:自己紹介をする
まずは自己紹介をします。メインは話し合いですので、ここに長い時間をかけず、「名前」「大学名」「一言」程度の挨拶で終わらせます。
しかし、ただただ端的に述べているようでは印象に残りませんので、たとえば、「芸能人と同じ名前です」など、一発で名前を覚えてもらえるように工夫したり、インパクトに残る一言などを述べるとよいでしょう。
また自分だけでなく、これからグループワークを行う学生の名前もしっかりと覚えておくようにしましょう。
流れ2:役割を決める
自己紹介後は「役割」を決めます。グループワークにおける役割は主に「司会」「筆記」「タイムキーパー」「アイディアマン」「発表者」です。それぞれの役割と向いている人の特徴を下記にまとめます。
【司会】
「司会」の役割は、議論の方向性を示し、議論の整理・活性化をすることです。議論の中心となり、司会進行を行うのが主な仕事です。
司会は発言の少ないメンバーがいないかを観察し、そのような人が発言しやすい空間を作り出していきます。“仕切る”のではなく、“全体をまとめる”のが司会です。
そんな司会は、自分が意見を出すよりも、全体に目を向け、時に方向転換できる能力を持った人が向いてます。
【筆記】
「筆記」の役割は、最後に内容をまとめやすくするために議論での内容や結論の書き出しを行います。記録を残す係となりますので、発言などをする機会は少ないですが、結論が左右されるほど重要な役割です。
発言の機会は少ないですが、“話し合いに参加しなくていい”というわけではないので、注意しましょう。
そんな筆記は、単にメンバーの発言を記録するだけでなく、集まった意見をもとに新たな問題点や話し合うべきテーマを見つけやすくするために、論理的に考えられる人や観察力がある人が向いています。
【タイムキーパー】
「タイムキーパー」の役割は、規定時間内に議論が終わるよう、議論内容を調整し、結論を導くことが役割です。
グループワークは“時間内に結論を導く”ことが大切で、結論を導くためには「話し合う時間」「意見をまとめる時間」をうまく調整しなくてはなりません。そんな重大な役割を担うのがこのタイムキーパーです。
そんなタイムキーパーは、ただ、時間経過をチェックするのではなく、時間内でメンバー全員が意見を言える流れを作れるよう、逆算して行動ができる人、計画性のある人が向いています。
【アイディアマン】
「アイディアマン」の役割は、“積極的”にアイディアや意見を出すことです。限られた時間の中で議論を活性化させるために意見を出し、結論を導きます。
グループワークは共同作業と共に議論を繰り広げなくてはならないため、結論を導き出しくするために質よりも数にこだわってアイディアを出す必要があります。
そんなアイディアマンは、よりたくさんの意見を出していけるような積極的な人が向いています。良い意見ばかりではなく、議論の材料となるアイディアを出せる人が重宝されます。
【発表者】
「発表者」の役割は、最終的にまとまった結論を“わかりやすく論理的に説明”することです。司会などが発表を行うケースもあるが、人数が多かったり、適任する人がいたらぜひ役割を設けてほしいポジションです。
そんな発表者は、これまでに議論したことをわかりやすく伝えるために、論理的に話しができる人が向いています。結論から述べ、わかりやすく発表することを心がけていたり、人前で話すことに抵抗がない人も向いています。
役割は基本的に話し合いで決めますが、なかなか決まらない場合には立候補をします。メインは話し合いですので、役割を決めるのにあまり時間を割いてしまわぬよう注意しましょう。
役割は自分の強みを発揮できるものを選びましょう。練習から様々な役割を経験しておくと、自分にはどんな役割が合っているかがわかります。
流れ3:話し合い
役割を決めたら実際に話し合いをします。まずはタイムキーパーを中心に時間配分を決めていきます。グループワークは大きく「議論する時間」「意見をまとめる時間」に分けられますので、発表までに話をまとめ、作業も終えられるような時間配分をしましょう。
そして次にアイディアマンを中心に意見を出し合い、議論をしながら共同での作業も進めていきます。ここでは自分の意見に責任を持ち、積極的に話し合いに参加しましょう。しかし、自分の意見ばかりを押し付けたり、相手の意見を否定することのないようにします。
筆記も書くことばかりに集中するのではなく、しっかりと話し合いに参加します。最後に端的に内容をまとめて書き留めましょう。
全員が話し合いに参加し、共同作業をしていくことが大切です。たとえ役割を担わなかったとしても必ず話し合いに参加するようにしてください。
流れ4:意見をまとめる
話し合いが終わったら次は司会を中心に意見をまとめていきます。様々なアイディアや意見が出ていると思うので、類似する意見をまとめていきましょう。そうすることで結論を導きやすくなります。
また、内容をまとめる際は、“どんなことについて議論し、何を結論として導き出したのか”を明確にします。そうしないと話の軸がズレてしまい、結局何が言いたいのかがわからなくなってしまいます。
しっかりと、何を結論として伝えたいのかを考え、意見をまとめていきましょう。
流れ5:発表をする
内容をまとめたら最後は発表です。これまでの流れからまとめた話を相手に伝わりやすいよう、わかりやすく、そして論理的に発表していきます。
わかりやすく論理的に話す定義は”結論”から述べることです。「結論→理由→具体例→結論」の順で話を展開することで相手に話が伝わりやすくなります。
また、話し方以外にも声のトーンや大きさ、速さに気を付け、笑顔でハキハキと話すなどといったことも意識しましょう。この際、発表者以外の態度も見られていますので、気を付けてください。
グループワークを上手に乗り切る秘訣
グループワークに対して「苦手意識」を持つ就活生がたくさんいます。しかし、「苦手」をそのままにしていると、嫌な気持ちから思うように力を発揮できず、そしてそのような思いは企業側にも伝わるため、当然合格することもできません。
グループワークは序盤の選考となりますので、ここを通過できなければ内定どころか面接にも進めません。ですからそのようなことがないように、苦手意識を払拭し、グループワークを上手に乗り切りましょう!
ここではそんな、グループワークを上手に乗り切るための秘訣をご紹介します。まずは、グループワーク成功の定義から確認していきましょう。
『グループワーク成功』の定義
グループワークは何をすることで「成功」といえるのでしょうか。正しい結論を出すこと?それとも良い発言をすること?
いいえ。グループワークは、“チーム全員で協力し、1つ1つが役割を果たすことで、1つの答えを導き出すこと“が成功の定義となります。つまり、「協調性」と「個人の役割」がグループワークを成功させるためのポイントなのです。
確かに議論に対して正しい結論を導くことは大切ですが、企業側は結果よりも、それまでの過程の方を重要視しているため、みんなでちゃんと話し合えているか、自分の役割に対して責任を持って果たせているのかを確認するのです。
ですから、グループワークに参加する際には、自分の意見ばかりではなく、周りの人の意見をちゃんと聞き、そしてしっかりと話し合うことを意識してください。また、自分の役割に対して責任を持ち、しっかりと役割を果たしていきましょう。
グループワークにおいてどのような動きをすればよいのかわかりましたね。
しかし、あなたが得意な役割とは何でしょうか?もしはっきりしていないなら、キャリchの「面接サポート」でご相談ください。マンツーマンであなたの人柄や強み・性格を把握して、グループディスカッションに向けてのアドバイスを行ないます。ぜひお気軽にご参加ください。
GW前のコミュニケーションが成功のカギ
グループワークを成功させるためには、グループワーク前のコミュニケーションが非常に重要になります。つまり、これから一緒にグループワークを行う仲間と雑談し、仲を深めておくことが成功のためのカギとなるのです。
グループワークを成功させるためには様々な意見を出し合うことが大切ですが、いきなり初対面の前で意見を述べるのは難しいと思いますし、何か反論したいことがあっても遠慮してしまうと思います。
そうなれば、よそよそしい雰囲気の中での議論となってしまい、みんながみんな満足に意見を述べることなく終わってしまうことが目に見えています。
ですから、そのようなことがないよう、あらかじめグループワークで発言しやすい環境作りをしておくことが大切なのです。そのためにもグループワーク開始前にチーム全員と雑談し、緊張感を和らげておきましょう。
役割なしでも“話し合いに参加”する
グループワークでは「司会」「筆記」「タイムキーパー」「アイディアマン」「発表者」の5つの役割が存在することから、5人以上で議論をする場合には「役割なし」の人が出てしまうことになります。
役割がないことに対して不安を感じたり、「役割なし=出番なし」と勘違いしている人がいますが、それは違います。たとえ役割なしでもグループワークはチーム全員で協力する必要がありますので、しっかりと話し合いに参加しなくてはいけません。
いかにメンバー全員が自分の意見を言いやすい雰囲気を作れるかが重要になりますから、役割の有無に関わらず、積極的に発言し、みんなで議論することが個人としての役目です。
「役割なしだから評価されない」ということはありませんが、話し合いに参加しなければ当然、悪い評価を受けますから、しっかりと話し合いに参加し、積極的や協調性、コミュニケーション能力の高さなどをアピールしましょう。
グループワークを行う際の注意点
グループワークは、チーム全員で協力し、自分の役割を果たすことが成功のカギとなりますので、「発言しない」「議論に参加していない」といったことは当然NG行為となります。しかしグループワークには他にも注意すべきことがいくつかあるのです。
ここではそんな、グループワークを行う際の注意点についてご紹介していきます。注意点をしっかりと把握しておかないとグループワークを成功させることはできず、選考も通過できませんので、しっかりと確認しましょう。
グループワークには、すべきポイントとしてはいけないポイントがあります。頭では理解していてもうまく動けるか心配な人は、キャリchの「面接サポート」にご相談ください。
マンツーマンであなたの人柄や強み・性格を把握して、グループディスカッションに向けてのアドバイスを行ないます。不安や疑問があれば、ぜひ吐き出してくださいね。
聞いている態度にも注意する
グループワークは積極的に話すことも大切ですが、「話を聞いている時の態度」も評価の対象となることを覚えてきましょう。
聞いていなかったり、明らかに興味なさそうにしていると協調性を疑われてしまいますし、ちゃんと話を聞いていないと的外れな発言をしてしまう場合もありますから、しっかりと耳を傾け、うなずいたり、発言に対して正しい意見を述べるようにしてください。
それにグループワークは「チーム」としての評価が大切ですから、1人がこのような態度でいれば全体としての評価も下がるため、迷惑をかけてしまうことになります。
時間配分に注意する
グループワークは、決められた時間の中で1つの結論を出すことが最終目的となりますので、時間配分には十分に注意しなくてはなりません。「時間内に結論が出ませんでした」が一番最悪です。
タイムキーパーを筆頭に時間配分を考えるのはもちろん、全員が時間を守れるように意識することが大切です。時間にズレが生じそうになったら気づいた人が調整していくのです。
社会人になった際にも、「決められた時間で結論を出す」といった場面は多々ありますので、今のうちから時間調整がうまくできるようになっておきましょう。
おわりに
学生の素の部分を見れるという事で、グループワークを選考プロセスに取り入れる企業は年々増え続けています。ですから学生も就活を行う上で“グループワークの対策”は欠かせないものとなりました。
まずはグループワークの仕組みや流れを把握し、どうすれば高評価を得られるのか、どんなことをしてはいけないのか、といったことをしっかりと把握しておきましょう。
そしてあらかじめグループワークに慣れておくことも大切です。何も知らないままいきなりグループワークをやってうまくできる人はいませんし、緊張した状態で自分を存分に発揮はできませんから、しっかりと練習を重ねてグループワークに慣れておきましょう。
練習は本番を想定して、緊張感のある雰囲気で行いましょう。そして、いろんな役割を経験し、自分に最適な役割を見つけます。苦手な役割にも積極的に取り組んでおくと本番でも安心でしょう。
このように、まずはグループワークについて知り、そして本番を想定して練習を重ねておくことは非常に大切なのです。
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また、グループワークの練習だけでなく、就活全般のサポートを行うイベント「就活相談サポート」も開催しています。グループワークはもちろん、就活で抱える悩みを一緒に解決します。こちらも合わせて是非ご参加ください。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。