【選考とは】就活における『選考』の種類とその対策方法を理解しよう!
2022年10月31日
就活と言えば避けて通れないのが『選考』です。選考に対する具体的な対策は進んでいますか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
具体的な対策はほとんど進んでいません。漠然と不安ばかり募るのですが、何をどう対策すればいいのか分からないんです。そもそも選考って、一体何をするんでしょう?
うんうん。本格的な就活シーズンがまだ先なので、就活の選考がどんな風に進んで、一体何を対策すべきなのか理解できていない人もいますよね。
このコラムでは本格的な就活が始まる前に、就活における「選考」とは何か、またその全体的な流れがどんなふうに進むのか、おさらいしたいと思います。それぞれの選考段階で具体的に何をして、どんなことを見られているのかといった概要や、その対策法も掲載しておきますので、しっかり参考にしてください。
キャリアプランナー 平崎
目次
就活における「選考」とは?
新卒の学生の多くは3月から就活を本格化させるわけですが、企業によってはもっと早く選考を始めているところもあります。そうした早期選考を受けた人はすでに慣れているので、3月からスタートする皆さんもこれから挑む「選考」のことを事前に詳しく理解し、対策を取らなければ太刀打ちできません。
しかし、そもそも「選考とは何か」や全体的な流れが分かっていないと、個別の対策についてもなぜそれが必要なのか理解が難しいですよね。そこで個別の選考や対策の話に入る前に、まずは選考とは何なのか、企業の目的や全体的な流れについてご説明しておきます。
選考とは?
就活における「選考」とは一言でいうと、学生の“企業との相性を図り、企業にとって必要な人材かどうかを見極める場”です。
入社を希望する就活生全員を迎え入れるわけにはいきませんから、企業はその中から「この人と一緒に働きたいな」と思える人間を選ぶことになります。しかし就活における「選考」は学力試験やスポーツなどと違って、何か統一された基準があって、その得点が高いほど合格できるというものではありません。
あくまでも各企業がそれぞれの考えのもとに、「こういう人が欲しい」と思う人物像に合いそうな就活生を選び出していくのです。具体的には面接や書類選考などを通し、企業は「自社のカラーに合っているか」「入社したら活躍できるのか」「利益に貢献できるのか」といった視点で就活生を見極めていきます。
その就活生の人柄が自社に馴染めるかどうかも重要ですが、企業は遊び仲間ではなく利益の共有体ですから、自社のために働き、その利益に貢献してくれる人が欲しいのは当然です。ですから企業は単に就活生の人となりを見るだけでなく、その学生の“入社後の活躍”を想定して選考を行います。
選考は様々な手段から行われる
人を見極めるのは簡単ではありませんから、就活における選考は何段階にもわたり、さまざまな手段を用いて行われるのが一般的です。就活における選考は主に「履歴書」→「エントリーシート」→「筆記試験」→「GD・GW」→「グループ面接(集団面接)」→「個人面接(3段階が一般的)」の順で行われます。
ただし選考方法は企業ごとに異なるので、一概にどこでも同じではありません。企業の事情や考え方によって一部の手段を用いない場合もあれば、逆に面接段階がもっと多いといった場合もあります。また稀なケースですが、他社とは違った特殊な選考手段を用いる企業も中にはありますから、驚いて慌てないよう頭の片隅くらいには入れておきましょう。
このコラムでは、上に記載した一般的な選考方法について、次項から1つずつ詳しく解説していきます。しかし選考についてもっと詳しく知りたい人や、ここに記載のない特殊な選考の対策について知りたい人は、キャリchの「24卒就活サポート」に参加してください。イベントの利用は完全無料。プロのキャリアプランナーが就活の基礎から面接や選考突破のコツまで幅広いサポートを行いますので、就活について分からないことがあれば何でも相談できますよ。
選考1:履歴書
大抵どの企業でも提出を求められ、就活における選考の第一段階となるのは「履歴書」です。学生の皆さんはアルバイトなどをする際に書いたことがある人も多いので、「履歴書」がどんなものかのイメージは湧くでしょう。
しかし就活における「履歴書」はアルバイトなどよりもっとシビアに見られますので、簡単に考えてはいけません。まずは就活における選考の第一段階、「履歴書」から解説していきます。
履歴書とは?
就活の選考における履歴書は、学生の基本情報を把握するための公的な書類です。まさかそんな就活生はいないと思いますが、公的な書類なので万一記載内容に虚偽があると「私文書偽造」という罪にあたり、解雇の理由となりえることは覚えておいてください。
履歴書の用紙は書店などで市販されているものを購入したり、ネットからテンプレートをダウンロードしたりして、学生自身が用意します。とくに指定がなければどれを選んでも自由なので、記載する内容は選んだものによって若干異なるでしょう。
氏名、住所、電話番号、学歴、資格のほか、志望動機や自己PRなどを書く形が一般的です。選考に落ちた場合は履歴書を学生に返却する企業とそうでない企業がありますが、入社後はそれが人事データとして会社に保存されます。
企業が履歴書を求める意図と狙い
就活の選考で企業が履歴書の提出を求める意図は、学生の基本情報を把握するためです。
企業には募集している人数よりもたくさんの学生が応募してくるので、その全員を一律に検討するには数が多すぎます。
そこで企業は履歴書を選考の第一関門として、学生の人物面を見る前に、ある程度ふるいにかけるのです。
名前や住所で落とされることはないでしょうが、履歴書の内容によってその企業の求める最低条件を満たさないと判断される学生は、検討のテーブルから除かれることになります。
具体的な対策方法
履歴書を書くうえで大事なことは、とにかく字を丁寧に奇麗に書くことです。字が汚い履歴書は十中八九、まず中身を見てももらえません。誤字脱字などは論外、内容についてもミスのない的確な情報を記入してください。
使用した履歴書の種類によっては文章を記入する項目もありますが、枠は小さくESほど詳しく書けませんので、伝えたいことを要点的にまとめて記載しましょう。
履歴書ではどうしても書ける量が限られますが、他の学生と同じような内容では企業にアピールできませんから、良い意味で目立つように書くのがコツです。
自分がアピールしたいことを小さな文字で無理やりに詰め込むよりも、履歴書を見る人の読みやすさに配慮し、要点をまとめてハッキリ書けば良い意味で目立つことができます。
選考2:エントリーシート
就活における選考の第二関門は、エントリーシート(ES)です。ほとんどの企業ではエントリーした際、履歴書と一緒にエントリーシートも提出を求められます。
しかし名前などの基本情報は履歴書で記載していますし、志望動機なども記入する履歴書が多いですから、「ESは履歴書の内容とかぶるな」と感じる人も多いですよね。ですが企業は当然、意味もなく似たようなものを就活生に提出させるわけではありません。
ここでは選考の第二関門となるエントリーシートの概要や対策について、履歴書との違いも合わせて解説していきます。
エントリーシートとは?
選考初期で提出を求められるエントリーシートは、企業が「選考において参考にするもの」です。エントリーシートは、市販されたものを就活生が選んで用意する履歴書と違い、企業が独自に作成しています。
記入項目はそれぞれの企業の考え方によって異なりますが、「氏名などの基本情報」「志望動機」「自己PR」「学生時代に力をいれたこと」などが多いです。
また履歴書と違って記入できるスペースが広く、大抵は質問ごとに回答の字数制限が設けられています。
企業がエントリーシートを求める意図と狙い
就活における選考で企業がエントリーシートの提出を求める意図は、その学生の人柄や個性、熱意や将来の可能性についてチェックすることです。
ですからエントリーシートにはそうした、企業が就活生の選考において参考にしたいと思っている情報を、読み取りやすい質問がまとめられています。
履歴書同様、エントリーシートは直接会ってその人物について詳しく検討する前に、選考初期の段階である程度ふるいにかけるのが目的です。
基本的にエントリーシートは就活における選考のためだけに作られる書類ですので、選考が終われば破棄されます。
具体的な対策方法
「志望動機」や「自己PR」などの記載項目が履歴書とかぶりますが、エントリーシートでは履歴書よりも詳しく書くのがポイントです。
履歴書と違う内容を書くとかえって主張に一貫性がなく不自然ですので、エントリーシートの「志望動機」や「自己PR」も、趣旨は履歴書と同じで構いません。
ただしエントリーシートの「志望動機」や「自己PR」は、企業が自分の人柄を見極めやすくなるように、履歴書よりもっと具体的に詳しい説明を加えて書きます。履歴書と同様、人事に読んでもらうためにはエントリーシートも字の綺麗さが重要です。
そして誤字脱字なく丁寧に記載するのはもちろん、エントリーシートを選考する人事に印象が残るよう、自分の個性を出していきましょう。そのためには、読む人に自分の言いたいことがきちんと伝わるような書き方で、企業に好印象を持ってもらえるような適切な内容を記載する必要があります。
自己流で書き連ねても人事には響きませんので、必ず就活エージェントやキャリアセンターなどのプロに添削を依頼し、何度も添削と修正をくり返してより良いものにしていきましょう。キャリchの「就活相談サポート」でも、プロのキャリアプランナーが履歴書やエントリーシートの添削を無料で行っていますので、ぜひ活用してください。
選考3:筆記試験
就活生の選考方法は企業によって異なるものの、履歴書・エントリーシートなどの書類選考が終わった後は、筆記試験を行う企業が多いです。近年の就活ではこの筆記試験を突破しないと、発言や行動によって企業に自分をアピールできる選考段階まで進むことができません。
就活で企業に門前払いを食わないためには、筆記試験もきちんとした対策が必須です。ここからは就活における選考の第三段階、「筆記試験」の概要や対策について解説します。
筆記試験とは?
就活で行われる筆記試験は正式には「適性検査」と呼ばれ、学生の基礎学力を計る能力検査と、仕事への適性を計る性格検査を、選考の一環として行うものです。就活の筆記試験にはSPIや玉手箱、TG-WEBなどさまざま種類があり、中にはその企業独自に試験を作成する場合もあります。
就活生の選考にどの種類の筆記試験を取り入れているかは企業ごとに違いますが、近年日本で最も導入している企業が多いのは「SPI」です。第一志望の企業かどうかは別にして、どの就活生も必ずどこかの企業でSPIを受けることになるでしょう。
受験方法はその企業で実施するペーパーテスト以外にも、ネットを介して自宅などのPCで受けるWebテストや、試験提供元のテストセンターで行われる場合もあります。
能力検査の内容はほとんどの場合中学・高校レベルの問題で、言語問題(国語)と非言語問題(数学)が中心です。取り入れている筆記試験の種類によっては、英語やその他の科目があるケースもあります。
企業が筆記試験を設ける意図と狙い
企業が就活生の選考に筆記試験を設ける意図は、その学生の基礎学力(基礎知識)を確認するためです。企業は性格検査の面から、学生が職務で優秀な成果を発揮できる行動特性を持っているかを知ろうとしています。
能力検査は、論理的思考能力やコミュニケーション能力といった、仕事に必要な「地頭」を持ち合わせているかの確認です。
また職務上専門知識を必要とするような企業では、それらの専門知識が自社の求めるレベルに達しているかどうか、独自の試験でチェックされることもあります。そのように企業は選考に筆記試験を取り入れることで、さまざま側面から総合的に就活生の能力を見ているのです。
さらに大手・有名企業のような志願者が多い企業では、面接などの本格的な選考を行う人数を減らすための「足切り」として、筆記試験が行われるケースも少なくありません。
具体的な対策方法
選考に取り入れている筆記試験の種類は企業によって異なりますが、まずは最も導入している企業の多い「SPI」についての対策を万全にしましょう。問題自体は中学・高校レベルの難易度と言っても、試験時間が短くゆっくり考えている時間はないので、問題の傾向を把握しておく必要があります。
PCを使った受験も少なくありませんから、時間制限によって問題が切り替わる前に答えられるよう、特訓しなければなりません。
具体的には受験勉強と同様にひたすら問題を解くことが対策となりますが、問題の傾向をつかんで回答に慣れておくことが大切なので、参考書は1冊あれば十分です。
SPIへの対策にだいたい目途がついたら、自分の志望する企業の取り入れている筆記試験の種類を調べ、個別の対策をします。中にはSPIとは全く違う問題傾向の試験もあるので、注意してください。
選考4:GD・GW
書類選考と筆記試験を突破できたら、いよいよ直接企業の人と接触する選考に入ります。しかしまだ、面接ではありません。就活における選考の第四段階は、グループディスカッション(GD)・グループワーク(GW)です。
インターンに参加しなかった就活生には初めての人もいると思いますので、GD・GWがどのようなものなのか、しっかり把握しておきましょう。ここからは就活の選考におけるグループディスカッション・グループワークについて解説します。
「グループディスカッション」「グループワーク」とは?
就活の選考におけるグループディスカッションは、就活生同士が4~10人程度のグループで話し合い、企業から与えられたテーマに沿って1つの結論を導き出すものです。
就活生それぞれが司会、アイディアマン、タイムキーパー、筆記、監視員、発表者などの役割を担い、制限時間内に意見がまとまるよう話し合います。
一方グループワークは、上記のグループディスカッションの要素に加え、そこにワーク(共同作業)がともなう選考です。
グループディスカッションもグループワークも、企業によって与えられるテーマや制限時間、作業内容などは異なります。
企業がGD・GWを設ける意図と狙い
企業が就活生の選考にグループディスカッション・グループワークを取り入れる意図は、学生の協調性の有無や、コミュニケーション能力、思考力、発想力などを見るためです。
また複数人でディスカッションやワークを行うことで、仕事でどのような役割を担って活躍できるのかも見極めています。
グループディスカッション・グループワークは一度に多くの就活生の選考を行えるので、企業にとっては選考を行う時間の効率化にもなるのです。
一人一人を個別に見ているだけでは分からない部分を知れることから、近年就活生の選考にグループディスカッション・グループワークを取り入れる企業が増えています。
具体的な対策方法
複数人での選考となることから、就活生はついつい「目立ちたい」「アピールしたい」という気持ちが先行しがちですが、悪目立ちはしないように注意してください。
他の人が意見を言い終わらないうちに被せて話し始めたり、他人の意見を否定したりするのは印象が悪いです。選考におけるグループディスカッション・グループワークで自分の感情を出し過ぎてしまうと、協調性がないと評価される恐れがあります。
きちんと議論や作業に参加して発言するのは大事ですが、必ずしも発言の機会が多い進行役が目立つわけではありませんし、それが自分の良さのアピールになるとも限りません。
グループディスカッション・グループワークで必要なそれぞれの役割を把握し、その場において自分がどの役割に適しているかをよく考えて担うことが大切です。グループディスカッション・グループワークは模擬などに参加して実体験を積むことで、やり方や雰囲気に慣れ、選考本番にも強くなります。
選考5:グループ面接
就活で個人面接に進む前にもう一つ越えなければならない選考が、グループ面接です。集団面接とも言います。
同じ面接と言っても個人で行うのとグループで行うのとでは、その目的も対策すべきポイントも大違いです。きちんと理解して個人面接まで辿り着きましょう。ここからは、グループ面接の概要と対策について解説します。
グループ面接とは?
グループ面接(集団面接)とは読んで字のごとく、就活生が1人ではなく、グループで面接を受ける選考です。
企業やその場の状況によっても変わってきますが、大抵は面接官1人または複数に対して、学生2~6人程度で面接を行います。
個人面接と違って就活生一人一人に与えられる発言の機会は限られますし、また答えた内容について話を深堀されることも少ないです。
聞かれるのは「自己紹介」「志望動機」「ガクチカ」「自分の強み」といった基本的な質問が多いですが、全員が同じ質問をされるとは限りません。
企業がグループ面接を設ける意図と狙い
就活生の選考に企業がグループ面接を設ける狙いは、一度に多くの学生の選考を行うことで、採用活動を効率化することです。
時間や手間のかかる個人面接に進む前に、企業の求めるレベルに達していない就活生の最終的な足切りを行うためでもあります。
また就活生の選考にグループ面接を取り入れるもう一つの狙いは、協調性の確認です。
企業は一人ではなくあえて他の就活生と一緒に面接をすることで、他の人が話している時にその学生がどのような行動を取っているか見たり、学生同士の比較を行ったりしています。
具体的な対策方法
グループ面接は複数の就活生が同時に選考を受ける場ですから、いくら自分をアピールしたいからといって、自分一人だけ長々と話をするのは印象がよくありません。また就活生一人当たりにされる質問の数も少なく、発言できる時間は限られるので、少ない時間でバッチリ印象に残せるように答えるのがコツです。
グループ面接でよくされる質問はだいたい決まっているので、あらかじめ回答を考え、対策しておきましょう。
グループ面接では他の就活生が発言している間の態度もチェックされているため、手癖や姿勢、表情などにも注意が必要です。
稀に面接官から、他の就活生の発言に対して「今の話をあなたはどう思いますか」などと意見を求められることもあります。「自分には関係ない」などと気を抜かず、しっかりと耳を傾けるようにしてください。
選考6:個人面接(一次面接)
グループ面接を突破すると、いよいよ就活における選考のメインとも言える個人面接となります。個人面接の回数は企業によっても異なりますが、大抵は1次、2次、最終の三段階です。
同じ個人面接でも段階によって企業の見ているポイントは違いますから、それぞれに合わせた対策をする必要があります。ここではその個人面接の中でも、まずは一次面接について解説しますので押さえておいてください。
個人面接(一次面接)の通過率は?
その企業の状況によって変動しますが、就活の選考における一次面接の通過率は、約20~40%くらいです。一次面接の段階ではまだまだ選考を受ける人数が多く、一人あたりに割ける時間に限度があります。
そこで企業は一次面接では就活生を深く吟味するのではなく、その学生をパッと見て少し話したときに感じる「印象」から、可か不可かを効率よく選別するのです。
その後の選考で一人一人にじっくりと時間をかけるためにも人数を絞りたいですから、一次面接は二次面接や最終面接に比べ通過率が低い傾向となっています。
一次面接を通してチェックしていること
企業が一次面接においてチェックしているポイントは、以下のような点です。
- 「第一印象」…身だしなみ、雰囲気
- 「コミュニケーション能力」…面接官とスムーズに会話できるか、笑顔で話せるか
- 「ビジネスマナー」…挨拶、ハキハキと話せるか
一次面接では深く人柄を見極めるというより、身だしなみやコミュニケーション能力などといった「会社に受け入れても恥ずかしくないか」「会社の一員として社外(お客さん)に紹介できるか」をチェックしています。
もう少し学生の皆さんに分かりやすく砕けた表現をするなら、その就活生が「自社の人間としてアリかナシか」ということです。ですから志望している職種が、社外の人と接触するかどうかは関係ありません。
見た目で不快感を与えない、人と支障なく会話が成り立つ、社会人としてのマナーが身についているといったことは、ともに会社で働くうえでの最低ラインなのです。
具体的な対策方法
就活の選考では、見た目でNGを出されるなんてことがないように、就活生らしい清潔感のある身だしなみを意識してください。スーツやシャツは常に清潔に、タバコなどの臭いやシワにも気を配ります。髪型・髪色・化粧などはおしゃれかどうかよりも、だらしなく見えないことが大切です。
また緊張するとつい声が小さくなったり自分が話すことに気を取られたりしがちですが、姿勢を正して相手の話をよく聞き、笑顔でハキハキと話すことを心がけましょう。面接練習を繰り返し、「面接の雰囲気」に慣れることで本番に強くなります。
就活エージェントや模擬面接イベントなどを利用して、面接の雰囲気に慣れるとともに、客観的かつ的確な指摘をしてもらうのが最も効果的です。面接の対策を始めたばかりの人や、面接に対して苦手意識のある人には、キャリchの「面接サポート」をオススメします。
選考7:個人面接(二次面接)
就活も二次面接ともなると選考終盤、しかしまだまだ気は抜けません。二次面接は一次面接よりも時間をかけ、企業が一人一人の就活生をじっくり吟味する選考段階です。
その分、就活生自身もしっかりと準備し、どこから吟味されても心配ないよう体制を整えましょう。ここからは、就活の選考における二次面接の概要と対策について解説します。
二次面接の通過率は?
就活の選考において二次面接から次の最終面接に進める通過率は、約20~50%です。就活生が本当に入社を希望しているなら、その企業についてよく知らないなんてことはあり得ません。
ですから二次面接では、一次面接と違ってじっくり一人一人を吟味し、就活生の「企業理解度」や「志望度」から、次の段階へ進む学生を判断します。
二次面接で人事や現場担当者が、きちんと自社のことを理解した上で強く志望してくれる就活生を選抜し、次の最終面接で重役など上層部の判断を仰ぐわけです。
二次面接は最終面接に進める学生を選抜する中間地点となるため、一次面接でどの程度の人数を残したかにもよりますから、通過率は大幅に変動する傾向となっています。
二次面接を通してチェックしていること
企業が選考の二次面接においてチェックしているのは、以下の2点です。
- 「企業研究ができているかどうか」…志望動機から企業への理解度を図っている
- 「将来像が明確かどうか」…学生の将来像と企業の目指す方向性が合っているかの確認
企業は就活生の「企業理解度」や「志望度」を、その学生が自社を志望する理由、つまり志望動機から推し量ります。
企業研究をしっかり行い、その企業への深い理解に基づいた”その企業のためだけの”志望動機となっていれば、就活生の志望度も高いと判断されるのです。
また企業は選考の二次面接において、その就活生の将来像と企業の目指す方向性が合っているかも確認しています。
なぜなら就活生と自社の目指す方向性が合っていないと、入社後のミスマッチが起こりかねませねんし、自社の目指す方向性を理解していない可能性もあるからです。
ですから企業は選考の二次面接において「企業研究ができているかどうか+将来像は明確かどうか=“志望度の高さ”はどれぐらいか」ということをチェックしています。
具体的な対策方法
就活の選考における二次面接への対策は、企業研究をしっかり行って企業理解を深めることです。二次面接ではただ質問に答えて終了ではなく、さらに突っ込んだ深堀質問をされることが多いので、何を聞かれても答えられるように準備しておく必要があります。
企業のHPだけでなく、書籍や業界団体が発信する情報、説明会、同業他社との比較などさまざまな観点から、その企業についての理解を深めてください。
また選考の二次面接に際しては、自分の将来像と企業のビジョンを明確にしておかなければなりません。
企業の方向性を踏まえたうえで、自分が入社後、そこでどう働いて行きたいのかなどを具体的に述べられるようにしましょう。企業の求める人物像と自分の強みを合わせて、自分が入社後その企業でどう活躍できるのかを述べられると好印象となります。
選考8:個人面接(最終面接)
残りはいよいよ就活の選考におけるクライマックス、最終面接です。これが終われば全ての選考が終了し、合格ならば内定が出ます。
もちろんここまで幾多の選考を乗り越えて来たからには、是が非でも内定を勝ち取りたいですよね。ここからは、就活の選考における最終面接の概要と対策について解説します。最後の最後まで全力を出し切りましょう。
最終面接の通過率は?
就活の選考における最終面接の通過率は約50%です。つまり最終面接を受ける就活生の、二人に一人が内定を勝ち取れる計算になります。
就活の選考において最終面接は、企業の上層部が最終的にその学生が企業とマッチするか、誰に内定を出すかなどを判断する場です。
最終面接に至るまでの選考段階で十分人数が絞られているため、必然的に通過率は高くなります。
最終面接を通してチェックしていること
就活の選考における最終面接で企業がチェックしているポイントは以下のような点です。
- 「企業に馴染めるか・社風に合っているか」…上層部による最終確認
- 「活躍できるか・利益貢献できるか」…本当に企業に必要な人材かの最終見極め
- 「学生の意思確認」…学生は本当に入社したいと思っているのかの確認
それまでの選考で企業の求めるレベルに達していない就活生は排除されていますから、残っているのは優秀な学生ばかり、もう誰が選ばれても不思議ではありません。
ただし企業の社風は結局のところ上層部の方針次第なので、最終面接はその就活生が企業にフィットする人間かどうか、社長や取締役などの上層部が「最終確認」する場です。
また、その就活生がただ優秀というだけでなく、将来的なビジョンを考えたうえで本当に企業にとって必要な人材かどうかも、上層部が最終的に見極めます。
さらにもう1つ大事なことは、その就活生が本当に自社に入社したいかどうかです。いくら内定を出しても辞退されてしまっては意味がありませんし、入社意欲の高い人の方が入社後も企業のために尽力し、活躍する傾向があります。
ですから最終面接では、就活生の入社意志が固まっているかどうかも重視されるのです。
具体的な対策方法
選考の最後である最終面接では、上層部に「この人と働きたい」「活躍できそう」と思わせることが大切になります。そのために必要なのは、他のどこでもなく「この企業に入社したい」という意思をはっきりと伝えることです。
入社意志をストレートに伝えられるのは志望動機ですから、最後の選考には”この企業でなくてはならない”という思いが伝わる志望動機を、再度固め直して挑みます。
志望動機では入社後どう自分の強みを活かして活躍し、どのように企業に貢献していくのかを、将来のビジョンと合わせて語ってください。
そして最終面接の終わりには、必ずと言っていいほど企業から「何か質問はありますか?」と聞かれます。その企業に対する興味が薄いように思われますので、「質問はありません」などと答えたり、調べれば分かるような質問をしたりしてはいけません。
この「逆質問」をうまく使って、自分の入社意欲や仕事に対する姿勢、やる気、自分の強みなど、その企業への最後のアプローチをしましょう。業務内容への具体的な質問や、入社を前提としたような質問をすると好印象です。
選考を受けるうえで意識すべきことと注意点
ここまでは就活における選考の流れと、それぞれの選考段階の概要や対策について述べてきました。個別の選考段階に関しては、より詳しく特集したコラムも掲載しておきましたので、そちらも参考にしてください。
ここからは、就活の選考全体を通して意識すべきことと注意点についてお話しします。本格的な就活が始まる前に把握しておきましょう。
どの選考も“早め早め”の対策が必須
就活におけるどの選考段階でも、とにかく早め早めの対策が必須です。本格的な就活は3月スタートが基本ですが、21卒から経団連による就活ルールが廃止されましたので、企業の採用活動は前倒しが進んでいます。
これまでは3/1に一斉スタートしていた経団連に所属する企業であっても、今年も同じ状況とは限りません。企業によっては他社より早く優秀な学生を確保するため、3/1より早く選考をスタートする可能性もありますので、注意してください。
また近年は、就活生の選考の仕方自体も多様化が進んでいます。ここまでに説明した一般的な選考方法とは違う特殊な選考を行う企業もありますから、それに対応できるようにするためにも、早めの対策が欠かせないのです。
のんびり構えて、直前に焦ることのないようにしましょう。
「自己分析」「業界・企業研究」を徹底して行う
就活のすべての選考において、そのベースとなるのは「自己分析」と「業界・企業研究」です。個別の選考対策を行う以前に、「自己分析」と「業界・企業研究」を徹底してください。
ESや面接の質問にしろGDやGWにしろ、「自分がどんな人物なのか」「受ける企業がどんな人材を求めているのか」をしっかり理解し、適切なアピールをする必要があります。
それができていないと、いくら学力やスキルに秀でた就活生であってもなかなか選考には受かりませんし、入社できても企業とのミスマッチを起こす可能性が高いです。
ですから「自己分析」と「業界・企業研究」は就活開始時に一度やったら終わりではなく、必要に応じて何度でも行います。選考を受けるごとに自分と業界・企業への理解を深め、自分がその業界・企業に本当にマッチしているか、相性を確認しながら就活していくことが大切です。
少しでも不安がある場合は頼れる人に頼ること
就活の選考に対して少しでも不安があるときは、一人で悩むことなく、頼れる人に頼りましょう。就活の選考において、不安や自信のなさは大敵です。少しでも不安が残っているとそれが顔や態度からにじみ出てしまうので、まず選考に受かることはありません。
「マナーはこれで間違いないかな」「アピールはこの方向性で合ってるかな」など、就活・選考に対する不安は、事前に徹底して取り除く必要があります。
就活・選考に対する不安を取り除くには、大学のキャリアセンターや就活エージェントなど、就活のプロに頼るのがベストです。
キャリアセンターや就活エージェントは毎年数え切れないほどの学生を支援していますから、就活生が抱えるあらゆる不安に、迅速かつ適切な回答を導き出してくれます。
学生が一人で不安を抱えてもがくよりも、就活のプロを頼った方がずっと確実で楽に選考を突破できるのです。
キャリchでも「就活相談サポート」という完全無料の就活イベントを開催して、選考突破を目指す就活生を応援しています。キャリchのカウンセラーは、全員が実際に就活の選考を突破してきた経験豊富なプロばかりですから、「選考に自信がない」「頼れる味方がほしい」という就活生にオススメです。
キャリchは今回解説した1~8の選考すべてに対応し、あなた自身の魅力をより効果的に企業へアピールするための対策をお手伝いします。あなたが納得できる内定を獲得できるまでマンツーマンで指導しますので、安心して相談に来てください。
おわりに
就活における「選考」は、その学生の企業との相性を図り、企業にとって必要な人材かどうかを見極める場です。企業は履歴書に始まって最終面接に至るまで何段階にもわたる選考を行うことで、エントリーしてくる大勢の中から、自社の求める人物像に合う学生を選び出していきます。
求める人物像は企業ごとに異なりますし、選考段階によって見ているポイントも違うので、1つ1つの選考に対応する対策が必須です。
「自分がどんな人物なのか」「受ける企業がどんな人材を求めているのか」を理解し、適切なアピールをする必要があります。
就活のすべての選考において、そのベースとなるのは「自己分析」と「業界・企業研究」ですから、徹底して行ってください。どの選考においても早め早めに対策すること、不安と取り除き自信をもって臨むことが大切です。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。