メール?電話?就活における「選考辞退」の正しいやり方をわかりやすく解説
2023年3月20日
就活で選考辞退するとき、きちんと連絡していますか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
正直にいうと面倒くさくて、何社かは連絡がきても無視してしまいました。
それはよくありませんね。社会人としてのマナーはもちろん、同じ業界に就職すると取引先になる場合もあるので、要注意ですよ。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
今後は気をつけます……。ただ選考辞退をうまく伝える方法がわからないので、教えて欲しいです。
わかりました。ここでは「円満に選考辞退するコツ」や「守るべきマナー」について紹介します。就活対策の参考にしてください。
キャリアプランナー 平崎
目次
選考辞退におけるマナーと連絡方法
就活期間が限られる学生が、複数企業の選考を同時に進めるのは当然のことです。企業もそのあたりは承知していますから、選考辞退をすること自体は問題ありません。しかし、選考辞退にも、守るべきマナーはあります。
もうその企業の選考を受けないからといって、相手のことを考えない身勝手な対応をするのは、社会人として許されないマナー違反です。関連業界、同業他社には横のネットワークがあることも珍しくないですし、他社に入社してから仕事でその企業と関わることもありえます。
社会人としての自分の評価を下げないためにも、マナーを守り、良識ある行動をとりましょう。
まず初めに、辞退の旨をどのように連絡すればよいのかなど、就活の選考辞退における、基本的なマナーとルールについて解説します。
選考辞退の守るべきマナー
就活の選考辞退をする際は、辞退を決めた時点で早めの連絡をしましょう。もちろん、無断で選考辞退するなどもってのほか、絶対NGです。
企業の担当者は、あなたの選考を行うためにわざわざ場所を用意し、仕事を調整して時間を作っています。もし当日になってドタキャンしたり、連絡もしないで勝手に辞退すれば、その費用や労力や時間を、すべて無駄にさせてしまうのです。これから社会人になる人間として、このような不誠実な対応はありえません。
選考辞退の連絡が早ければ早いほど、それだけ企業は他の候補者に目を向けられますし、他の仕事に時間を割くこともできます。
就活で選考辞退すること自体は仕方ないとしても、それによって相手に与える損害ができるだけ少なくなるよう配慮するのは最低限のマナーです。
辞退の連絡はメールor電話
選考辞退の連絡手段は、前回の選考結果がメールで送られてきたならメール、電話できたなら電話など、先方からの連絡ツールにのっとるのがよいでしょう。
しかし、必ずしも同じ手段でないといけないわけではなく、基本的にはどちらでもOKなので、自分の連絡しやすい方法で伝えてかまいません。
選考辞退をメールで連絡した場合は、先方やこちらの都合によらずいつでも送ることができますし、文字として残るので、双方ともに目で見て状況を把握しやすいです。
一方、選考辞退は電話で連絡した方が、メールより丁寧な印象になります。しかも、いつ見てもらえるかわからないメールと違い、こちらの通達からタイムラグが発生しません。その場で、互いに選考辞退の意志を確認しあえます。ですから選考辞退の連絡はメールを送ったうえで電話もするとなおよいです。
また選考辞退の連絡方法は、時期も考慮する必要があります。面接などの約束をしている日まで日数がある場合は、メールだけの連絡でも問題ありません。
しかし面接の前日など、時間が迫っている場合は急がなければならないので、電話で連絡すべきです。相手に与える印象や、選考当日までの日数も考えて、適切な連絡方法を選びましょう。
内定辞退の連絡は原則電話!
選考辞退の連絡はメールでも構いませんが、内定辞退の連絡は基本的に電話でしてください。最終選考まで相当なコストと時間を割いてもらったのですし、あなたを高く評価してくれた企業でもありますから、その感謝とお詫びを直接伝えるのが社会人としての礼儀です。
内定辞退した場合、企業は再募集したり他の候補者を検討したりといった対応が必要になりますので、できるだけ早く伝わる電話の方が、先方に与える迷惑も少なくて済みます。
また面接の日程変更なども、電話の方がいいでしょう。メールだと企業担当者がすぐには気付かず、面接の準備を進めてしまう可能性がありますし、互いの予定をすり合わせるにも、メールでやりとりしているとタイムラグがあり、時間がかかってしまいます。
ですから、リアルタイムでやり取りできる電話の方が調整がスムーズなので、このような内容の場合は電話連絡を選ぶようにしてください。
選考辞退のやり方と円満に辞退するコツ
その企業に入社する可能性がなくなるとはいえ、いつかどこかで関わる可能性を考えると、選考辞退においても企業とはわだかまりなくやり取りを終えたいものです。
企業も自分も互いに嫌な思いをしないために、選考辞退を申し出るタイミングや伝えるべき内容、円満に選考辞退する方法について解説します。
辞退連絡をするタイミング
選考辞退の連絡は、「辞退しよう」と決めたらすぐに行いましょう。メール・電話のとちらで連絡するにしても、辞退を決めてから遅くとも3日以内に連絡するようにしてください。
メールで選考辞退する場合は終日送信できますが、できれば先方の営業時間内の方がベターです。採用を担当する人事との連絡が取りやすいですし、たくさんのメールに埋もれて見逃される可能性も低くなります。
電話で選考辞退する場合は、先方の営業時間内にかけるのが当然ですが、バタバタしている可能性が高い始業直後や、お昼休みの時間は避けてください。電話を受ける相手の都合に配慮してかけるのが、社会人としてのマナーです。
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辞退する際に伝えるべき内容
選考辞退の連絡で伝えるべきポイントは以下の通りです。
- 名前+日時や選考状況
- 辞退の意思
- 選考への感謝
- 迷惑への謝罪
どの予定がキャンセルとなるのか、どの人物を今後の選考から外す必要があるのかが、人事担当者の最も知らなければならない情報です。
ですからまず、「〇日に〇次面接のお時間を頂戴している〇〇大学の〇〇です」といった具合に、自分の大学名や名前を名乗り、選考を予定していた日時と選考状況を伝えてください。そして選考を辞退する意志を、曖昧な表現ではなく明確に伝えます。
その際、選考を受けさせてもらうためにお時間をただいたことや、これまで選考を続けてくれたことへの感謝を述べましょう。
それから、せっかく機会をいただいたにも関わらず辞退してしまうこと、予定をキャンセルしてご迷惑をおかけすることに対する謝罪をします。
辞退理由は聞かれたら答える程度でOK
選考辞退の理由は、聞かれたら答える程度でOKです。はじめにも書きましたが、短い就活期間中に学生が複数の企業へエントリーするのは当然であり、選考の途中で辞退する学生が一定数出ることは企業の人事担当者も承知しています。
企業が学生を選ぶ権利があるのと同様に、どの企業の選考を受け、どの企業を受けないか、学生にも選ぶ権利があるのです。ですから、基本的には選考辞退の理由を自分から述べる必要はありません。
しかし企業としてはなるべく辞退者を出したくないですし、今後の参考にと、辞退の理由を聞いてくる人事もいます。ですので、そのような場合は細かく答えるのではなく、端的に答えましょう。
円満辞退のコツは「感謝」を述べること!
選考辞退を円満に収めるコツは、先方への「感謝」をしっかり述べることです。「それまでの選考であなたにかけてくれた時間への感謝」「丁寧に対応していただいたことへの感謝」など、選考辞退する企業への感謝の気持ちを必ず伝えましょう。
日本の社会は、礼儀やマナーを重んじる企業がほとんどです。たとえ仕事上、互いの利益が相容れず交渉が決裂することになっても、相手が礼儀正しく信頼できる人物であればわだかまりを残しません。
ですから選考辞退では、誠意をもって「感謝」「お礼」を述べることが、とても大切なことなのです。
感謝やお礼のほかにも、「苦渋の決断だった」「貴社の発展を心よりお祈り申し上げます」といった、先方への配慮を感じさせる一言を添えると、好印象になります。
選考辞退した企業や担当者とも、今後の長い社会人生活の中で関わらないとは限りません。世間は意外と狭くて、長く関連業界で働く人はネットワークも広いです。選考辞退する企業や担当者にも、不快感を与えないよう気を配りましょう。
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メール・電話それぞれで選考辞退を伝える方法と例文
くり返しになりますが、選考辞退で伝えるべきポイントは「名前+日時や選考状況」「辞退の意思」「感謝」「謝罪」です。
では具体的にどのような言葉で選考辞退を申し出るのか、メールと電話のそれぞれの例文を参考にご説明します。
メールでの辞退方法と例文
件名:貴社◯次面接辞退のご連絡【名前】
株式会社○○○○人事部 △△様
お世話になっております。
○月○日○時から面接のお時間を頂戴しております○○大学○○学部の○○です。
この度、一身上の都合により面接を辞退させて頂きたく、ご連絡を差し上げました。
お忙しい中日程調整をして頂いたにもかかわらず、誠に申し訳ありません。
どうぞご了承くださいますようお願い申し上げます。
末筆ながら貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。
<署名>○○
メールで選考辞退を申し出る場合は、件名で内容が伝わるようにしましょう。メールの件名には「辞退」という言葉を明示し、自分の名前も記載します。
そうすることで「人事担当者は○○さんという学生が選考を辞退するのだ」と分かり、すぐにチェックしなければならないメールだと判断できるのです。
メールの本文にも、もちろん氏名は記載します。先方が把握しやすいように、大学名や約束の日時、辞退する選考内容も合わせて必要です。
内容の部分は、前置きが長くなると重要なポイントが分かりにくくなりますので、文章の前半で「辞退」の意志を伝えます。そのあと「感謝」や「謝罪」を述べ、メールであれば最後に「お祈り」してから、自分の署名を載せることも忘れないでください。
電話での辞退方法と例文
[学生]お忙しいところ失礼致します。私、御社の○次面接のお約束をさせていただいている○○大学○○学部の○○と申します。恐れ入りますが、ご担当の◯◯様はいらっしゃいますでしょうか。
[受付]〇〇ですね、少々お待ちください。
[企業]お待たせしました。〇〇でございます。
[学生]私、◯月◯日◯時から○次面接のお時間を頂戴している○○大学○○学部の○○と申します。ただ今お時間宜しいでしょうか。
[企業]はい、大丈夫です。
[学生]大変申し訳ございませんが、面接を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。これまで貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました。このようなご連絡になり誠に申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。
[企業]そうですか。
[学生]大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。では、失礼致します。
電話で選考辞退を申し出る場合も、先方が把握しやすいよう、まず選考日時や内容と大学名、氏名を伝えるのは同じですが、電話では選考辞退という本題に入る前に「お時間よろしいでしょうか?」など、相手の状況に配慮する姿勢を示してください。
先方が話を聞ける状況であれば、「辞退の意思」「感謝」「謝罪」を述べます。ここで、もし選考辞退の理由を聞かれたら、簡単に答えましょう。答えにくいようであれば、「一身上の都合」でかまいません。
最後にもう一度「感謝」や「謝罪」を述べ、相手が切るのを確認してから、静かに電話を切ります。
選考辞退の注意点とイレギュラー対応法
ここまで、選考辞退のマナーとやり方をご紹介しました。選考辞退の基本を理解したところで、次は選考辞退する際の注意点や、イレギュラーな出来事への対応法について解説します。
無断キャンセル&連絡が遅れるのはNG
これまでにも述べてきましたが、選考の無断キャンセルやドタキャン、選考日時が過ぎてからの連絡などは、絶対にNGです。こうしたことは、選考辞退だけでなく、もちろん説明会や就活イベントにおいても同じことがいえます。
学生を選考するために、企業は会議室を予約し、書類選考を行い、SPIなどの費用や人件費を費やしているのです。あなたは企業から、それだけの手間と時間とコストをかけてもらっていることを忘れないでください。
学生が思うより世間は広くて、しかし意外と狭いです。同じ業界、関連する業界で働くつもりなら、選考辞退した企業や担当者と再会する可能性はかなりあります。
とくに企業の人事を担当するような人物は、その業界の経験が長い人がほとんどです。同業他社や取引先、関連する企業に広いネットワークを持っている人も多いですから、失礼のないように対応しましょう。
ネガティブな理由は控える
基本的に選考辞退の理由を述べる必要はありませんが、もし聞かれて述べるとしたら、ネガティブな理由は控えましょう。
- 面接してみたらイメージと違った
- ネットで気になる噂を見た
- 面接官の印象がよくなかったなど
【NG例】
たとえ、それが選考辞退の本当の理由だとしても、辞退する企業を批判したり、先方に非があるかのような理由を言ったりしてはいけません。これまで対応してくれた企業に対して大変失礼ですし、社会人としての常識を疑われます。
そのようなネガティブな理由はすべて「一身上の都合」と片づけて構いませんので、辞退の理由は先方にあるのではなく、あくまでも”自分の都合で”選考辞退するというスタンスにしてください。
また、企業にとってネガティブな理由でなくても、「体調不良」を理由にするのはやめましょう。本当に体調が悪くて行けないのであれば、まずは日程変更をお願いしてみるのが普通です。体調不良を理由に選考を辞退すると「仮病を使っているのでは?」と勘ぐられ、不誠実な人物と誤解されてしまうこともあります。
もし選考辞退の理由が、他社に内定が決まったということなら、正直にそのまま伝えてもOKです。
辞退をしたら”再選考”できないことを覚えておく
もし選考辞退をしたら、基本的にはその企業の選考をもう一度受けることはできません。仮に後日、その企業が再募集していたとしても、選考辞退した学生を再選考してくれる企業は多くないはずです。
もし日程の問題で選考辞退するのであれば、どうしても予定を調整できないのか、よく検討してみましょう。ネガティブな理由で選考辞退を考えているならば、それで本当にいいのか?選考辞退を申し出る前に、もう一度よく考えてから決めてください。
メールで返事がない場合の対処法は?
選考辞退のメールを送っても先方から返事が来ない場合は、こちらの意思が伝わったかどうか分からないので、何らかの行動をする必要があります。
方法としては、
- 電話で確認
- 返事をメールで催促
- メールの再送
辞退の意思が伝わっていないと、無断で辞退したと誤解され、先方に大変悪印象を残してしまいます。いずれにしても、メールを送ったままいつまでも返事が来るのを待つのではなく、自分から行動を起こしてください。
おわりに
選考辞退は、できるだけ先方に迷惑をかけないためにも、辞退を決めたらすぐに連絡してください無断、ドタキャン、連絡が遅れるなどは、絶対いけません。。
のちのち、選考辞退した企業・担当者と再開する可能性も踏まえたうえで、悪印象を残さない正しいやり方で辞退するのが賢明です。選考辞退した場合の再選考はできないので、辞退する前によく考えてから決めましょう。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。