22卒の就活は3月からが本番?具体的な動き出しとスケジュールを解説します

 2022年3月25日

就活情報解禁の3月まで、いよいよ残り1ヵ月!

本格的な就活のスタートダッシュに向けて、準備は万全ですか?

「自信ない…」そんな弱気になっている就活生は、ここら辺で情報解禁の3月までに済ませておかなければならない準備について確認しておきましょう。

このコラムでは22卒の就活事情と、内定を獲得したい就活生が3月までに済ませておくべきこと、そして3月の就活としてやるべきことについて解説します。

「自分はやるべきことが出来ているかな?」「漏れはないかな?」そんな視点で一つ一つチェックするとともに、3月に向けての心の準備もしていただければ幸いです。

しかし就活生の中には、さまざまな事情で3月まで何も手を付けられない人や、3月までにやるべき準備が間に合わないという人もいるかもしれません。

そんな人のために、3月まで何もしていない就活生がすぐやるべきことと、3月から就活を始める際の注意事項についてもご紹介しておきますので、参考にしてください。

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22卒の就活はいつから本格化される?

22卒の就活はいつから本格化される?

「もうすぐ3月、いよいよ本格的な就活のスタートだ!」そんな風に意気込む半面、「本当に22卒も去年と同じ3/1スタートなのか?」と疑問に思っている就活生もいるようですね。

22卒は経団連の就活ルール廃止後初めての就活生ですから、いろいろと不明瞭で、不安に思うのも当然だと思います。そこで本題に入る前に、まずは就活が一体いつから本格化するのか、22卒の就活事情についてお話ししておきますので、押さえておいてください。

基本的に3月1日からスタート

22卒の就活も基本的には去年と同様、3/1が企業の採用情報の解禁日です。経団連の就活ルールは廃止されましたが、そのルールの大枠は政府が主体となって受け継いでいます。

少し変わったことは、各業界団体を通じて、これまでは就活ルールが関係なかった経団連に所属しない企業にも広く順守を呼びかけていることです。

政府は将来的には通年採用の普及などといったルール変更も検討しているようですが、急な変更は混乱のもとですので、22卒では去年と同様のスケジュールを継続しています。

ですから22卒も去年と変わらず、3/1情報解禁、6/1面接開始、10/1内定出しという就活スケジュールが基本です。

ただし、全体的に前倒しになっているのが現状

実際のところ、政府による就活スケジュールの呼びかけは守らない企業が多いというのが現状で、22卒に対する企業の採用活動は全体的に前倒しになっています。政府はこれまでの経団連の就活ルールと同じスケジュールの順守を呼びかけていますが、それを守らなくても罰則などのペナルティはありません。

もともと経団連以外の企業はこれまで、就活ルールで定めるスケジュールよりずっと早い時期に採用活動を行ってきたので、わざわざ採用活動を後ろ倒しにする企業は少ないです。そして経団連に所属する企業も、近年は優秀な学生の確保が難しくなってきているので、他の企業に遅れを取らないよう、早く採用活動を始めたいと思っています。

ですから経団連に所属するかどうかに限らず、政府の呼びかけるスケジュールを守らずに、3/1よりも前から採用情報の解禁、説明会、面接などを始める企業がかなりあるのです。

従って3/1解禁が基本なのですが、全体的に採用活動が前倒しになっているために、結局3月の時点でまだ何も就活していないと、知らぬ間に”出遅れ”の状態となります。「3月からスタートだからまだ大丈夫」などと油断して、何もせずのんきに3/1を待っているようでは、就活の波に乗り遅れてしまいますので注意してください。

3月までに済ませておくべき事前準備

3月までに済ませておくべき事前準備

企業の採用活動は全体的に前倒しとなってはいるものの、そうはいっても3/1は、22卒の就活が本格化する1つの目安にはなります。ですからもっと早く始まる可能性も視野に入れたうえで、遅くとも3/1までには最低限の準備が整うようにしておかなければなりません。

ここからは、本格的な就活が始まるまでに具体的にどのような準備が必要なのか、22卒の就活生が3月までに済ませておくべきことをご説明します。一つ一つチェックして、漏れのないよう準備できているか確認してください。

Step1:資金調達・貯金

3月からの本格的な就活に向けて準備しておかなければならないものの筆頭が、就活するための資金です。自分の将来について夢を思い描き、そのために惜しみなく就活を行いたいところですが、就活には現実として交通費などのお金が膨大にかかります。

しかも本格的な就活が始まってしまうと選考と学業の両立に忙しくて、とてもフルでバイトなどしている時間はありません。ですから3月になって本格的な就活が始まる前に、あらかじめ就活を行うための資金を用意しておく必要があるのです。

就活には平均的に首都圏の就活生で15~17万円、地方の就活生だと20万円程度かかると言われています。以下にその内訳を記載しておきますので参照してください。

  • 交通費:約1~10万円以上
    →就活する場所などによって金額は大きく変動する。U・Iターン就活の場合はさらにかかる。

  • 宿泊費:約1~10万円
    →宿泊する場所、頻度などによって値段は変動。

  • スーツ等:約8万円
    →スーツ3万+カバン2万+靴1万+備品2万=約8万円が相場。

  • 履歴書:約5000円
    →平均提出数26社×履歴書4枚セット200円=約5000円が相場。

  • 写真:約500円~2万円
    →スピード写真、写真館とで値段が変動。就活が長引き、追加が必要になればその分加算される。

  • 書籍:約1000~5000円
    →1冊1000円程度が相場。

内訳を見てもらえれば分かると思いますが、就活にかかるお金の大きな割合を交通費や宿泊費が占めています。従って遠隔地の企業を受ければ、平均的な金額よりもっと多くお金がかかることになるというわけです。

また遠隔地でなくても、就活が長期化して受ける企業数が増えれば、その分たくさんのお金がかかるはずです。自分の就活する地域や長期化の可能性も考え、3月までには余裕をもってお金を準備しておく必要があります。

Step2:就活グッズをそろえる

リクルートスーツなどの就活に必要となるグッズも、就活が本格化する3月までには必ず揃えておかなくてはなりません。

以下に、就活の際身につける必ず用意すべきものと、カバンに入れて持ち歩く就活必需品、持っていると安心な便利グッズを記載しておきますので、参考にしてください。

■必ず用意する物

    リクルートスーツ

  • 男性:スーツは黒・濃紺・濃いグレー。シャツは夏でも白の長袖が基本。ネクタイは定番のストライプ・ドット・チェックなどとし、個性的な柄は避ける。座って裾が上がった時にも素肌が見えないよう長めのソックスを着用すること。
  • 女性:スーツは黒または紺。シャツは白・薄いブルー・薄いピンクの襟付きカラーのほかオープンカラーも可。ストッキングは必須、素足はNG。スカートの場合はひざ下程度の丈、パンツの場合は足の甲に触れる程度の丈を選ぶこと。
  • カバン

  • 男女共通:A4サイズの書類が余裕をもって収まる大きさ。必ず自立するタイプを選ぶこと。色はスーツに合わせた黒・紺などのシンプルなもの。派手な色柄、ブランドのバッグ、自立しないものなどはNG。
  • 腕時計

  • 男性:文字盤はアナログ表示で、色は黒・白・青などの定番色。ベルトは黒・茶の革製、もしくはシルバーの金属製のものを選ぶこと。ブランド品、文字盤が大きいもの、スマートウォッチなどは避ける。
  • 女性:文字盤はアナログ表示で、色は黒・白・青のほかパステルピンクも可。ベルトは黒・茶の革製、もしくはシルバー・ピンクゴールドの金属製のものを選ぶこと。ブランド品、文字盤が大きいもの、スマートウォッチなどは避ける。
  • 手帳

  • 男女共通:大きさはA6またはB6サイズ、色は黒・紺などの定番色が必須。派手な色や柄物は避ける。週間、月間両方の予定が書き込めるもの、メモスペースが多いものがオススメ。

■就活必需品

  • スマホ・時計→不測の事態に備えて企業の電話番号を登録しておく。充電は満タンに。
  • 筆記用具・メモ帳→黒のボールペン、シャープペン、消しゴムは必須。メモ帳も含めシンプルなもの。
  • ICカード・現金→スムーズな移動のためICカードのチャージを忘れずに。タクシーに乗れるよう現金も用意すること。
  • クリアファイル→持参する書類、配布物などを奇麗な状態で持ち運ぶために必要となる。

  • ES・履歴書→面接前に内容を確認できるようコピーして持っていくと良い。
  • 提出必要書類→提出物は忘れずに。記入漏れ、書き損じなども事前にチェックすること。
  • ハンカチ・ティッシュ→社会人として必須のマナー。ハンドドライヤーがない企業も多い。

■便利グッズ

  • 会場までの地図(印刷)
  • 会社案内・資料
  • 折りたたみ傘
  • 予備の写真

  • 印鑑・朱肉
  • 学生証
  • 充電器
  • ストッキングの予備

  • 手鏡
  • 整髪料・ヘアブラシ
  • エチケットブラシ
  • 化粧ポーチ

  • ミニソーイングセット
  • 口臭ケア用品
  • 衣服用消臭スプレー
  • 携帯用靴磨き

  • 名刺
  • ばんそうこう
  • 汗拭きシート

また、企業の情報をチェックしておくためにも、リクナビやマイナビなどの就活サイトへの登録が必要です。

3/1になってから登録したのでは出遅れてしまう恐れがありますので、必ず早めに行っておきましょう。

Step3:自己分析

実際にエントリーが始まる3月までには必ず自己分析を済ませて「自分」についての理解を深め、自分の「就活軸」を定めておいてください。「就活軸」は自分が社会人としてどのような方向に進みたいのかという方針であり、志望する業界や企業を絞り込むのに必要です。

3月になって企業が情報を公開してから志望業界・志望企業を考え始めたのでは遅いので、自己分析は早めに取り組んでおかなければなりません。自己分析によって自分の性格や強み、長所と短所、ものの考え方や価値観といったことを深く掘り下げ、自分についてきちんと理解するのです。

そこから自分のキャリアプランを考えて、本当の意味で自分に合った業界・企業を探していくことになります。具体的には、過去の時間軸に沿って自分史のようなものを作り、その時自分がどう考えていたのか、その結果どのような行動をとったのかなどを振り返るとよいです。

また、仕事に関することだけでなくプライベートも含め、自分の好き・嫌いと感じることを紙に書き出してみましょう。そのようにすることで自分がどのような性格・考え方をする人間であるか、自分が仕事で発揮できる強みは何なのかといったことを、客観的に把握しやすくなるのです。

なかなか上手くいかない人は、就活情報サイトなどが提供している自己分析ツールを利用するのも参考になります。

Step4:業界研究

情報解禁に合わせてエントリーを可能にするためにも、3月までには一通りの業界研究を済ませ、志望業界を絞り込んでおかなくてはなりません。世の中には無数の企業があるため、ある程度は志望する業界を絞り込まないと、どの企業にエントリーするのか選びようがないのです。

まずは世の中にどんな業界があるのか把握し、その業界が行っている仕事や、何の職種があるのかなど、広く浅く見ていきましょう。その中から、自己分析の結果なども踏まえていくつか志望業界の目星を決めて、それぞれの業界の全体像を把握していきます。

情報収集には、業界地図のような書籍や就活情報サイトの情報、業界団体のHP、合同企業説明会などを利用するとよいです。具体的な仕事の内容、取り扱っているサービスや商品、業界の成長性や安定性、国際性やマーケット、代表的な企業の顔ぶれなどを調べてください。

そして自己分析の結果と照らし合わせ、その業界は自分の強みを活かせるか、自分の性格に向いているかといった、自分との相性をはかることが大切です。業界研究は一度行って志望業界を決めたら終わりではなく、その後のOB/OG訪問や面接対策などの都度、必要に応じて何度も行うことになります。

Step5:企業研究

3月にエントリーするためには、当然その前に企業研究も必要です。企業研究は就活を行う上で、志望する企業の選択を誤らないためにも、ESで志望動機を書いたり面接対策をしたりすることが重要となります。

業界研究で気になった企業の中から志望企業の目星を決め、企業HPや就活ナビサイト、書籍、説明会、OB/OG訪問などを通して、それぞれの企業について研究を行いましょう。

見るべきポイントは会社の基本情報や理念のほか、具体的な事業内容、業績と展望、社風、職種や昇進を含めた組織の仕組み、勤務条件、福利厚生などです。自分が志望する企業を研究するだけでなく、同業他社と比較することで業界内での位置づけや他社との違いを知り、よりその企業への理解を深められます。

そして自己分析から考えたキャリアプランや企業に求めるこだわりから、3月までに本当に自分に合う企業を探すことが大切です。企業への理解度の深さは、ESやその後の選考においても重視されますので、怠らないようにしてください。

企業研究も業界研究と同様、インターンの参加や面接の都度、必要に応じて何度も行うことになります。

Step6:OB訪問

実際にエントリーを行う3月までに済ませておくべきことの6つ目は、OB/OG訪問です。OB/OG訪問は、自分が目星をつけた業界・企業の理解を深めるために必要になります。大学のキャリアセンターや先輩、教職員などを通して志望する業界・企業で働く人を紹介してもらい、カフェなど会社の外で話を聞くというのが一般的です。

OB/OG訪問は基本的に自分でアポを取らなければならないので、面倒がって敬遠する就活生も少なくありません。しかし自分が志望する業界・企業で実際に働いている人から直接、建て前でない本音の話を聞き出せる貴重な機会なので、これを逃すのはもったいないです。

自分が志望している業界・企業について具体的な情報が得られますし、自分が働く姿も想像しやすくなります。また、その企業で働いている人は間違いなくその業界・企業の選考を勝ち抜いた人ですから、自分が志望する企業が求めている人物像も把握しやすくなるのです。

そのようにOB/OG訪問にはメリットが多いので、3月に採用情報が公開されるまでには5社を目安に行って、志望する業界・企業への理解を深めておきましょう。

参考:

Step7:インターンシップ

3月までには、インターンにも必ず参加しておいてください。インターンはOB/OG訪問と同様に、自分が目星をつけた業界・企業の理解を深めるために必要となるものです。

インターンには大きく分けて、1日で行われる1dayインターン、3日~1週間程度かけて行われる短期インターン、1ヵ月以上にわたる長期インターンの3種類があります。

1dayインターンは説明会に近い内容となりますが、短期インターンではグループワークや業務体験ができ、長期インターンだと社員と同等の仕事を任されることが多いです。

実際に職務体験ができる短期や長期インターンでは、その業界・企業について深く知ることができますし、自分がその仕事をどう感じるのかも確認できます。

自分に合う業界・企業をきちんと見極め、イメージだけで選んでしまわないためにも、3月までにはサマーインターンも含め、短期なら3社程度は参加しておきたいところです。また、短期や長期のインターンに参加すると社会人としての立ち居振る舞いが身につきますし、選考の際にもその熱意を評価され、有利に働く場合があります。

企業によっては、その企業のインターンに参加していないと本選考に進めない場合もあるので、注意してください。

Step8:SPIなどの筆記試験対策

3月までには、SPIを中心に筆記試験対策を済ませておきましょう。就活で行われる筆記試験の問題レベルは基本的に中学・高校程度ですが、問題数に対する試験時間が短いうえ高い正答率が求められますので、事前の対策は必須です。対策本などを使って何度も問題を解き、問題の傾向に慣れる必要があります。

就活の筆記試験は学生の文系・理系に関係なく言語問題(国語)と非言語問題(数学)が出題されますので、苦手科目の対策には多少時間がかかるかもしれません。

3月を過ぎるとどうしてもESや面接などで忙しくなってしまい、筆記試験の対策に手を付けられなくなりますから、そうなる前に早いうちから対策をしておくことが大切です。

取り入れている試験の種類は企業によっても異なりますが、日本では筆記試験にSPIを取り入れている企業が最も多いので、まずはそこから取りかかります。志望する企業が決まったらその企業で導入されている筆記試験の種類を調べ、必要に応じて他の筆記試験対策も行ってください。

机上ではなくWEBによる試験を実施している場合は、電卓を使う前提で通常より試験時間が短いので、電卓の使い方に慣れておくことも必要です。

Step9:面接対策

3月までには最低限、どの業界・企業でもよく聞かれるような定番の質問くらいには答えられるよう、面接の対策をしておく必要があります。面接は何度やっても緊張するものですし、何も考えずにふらりと行って、その場で考えながら適切な回答ができる学生などおそらくいないでしょう。

事前にある程度質問を予想し、それに応じた回答を考えておかないと、しどろもどろになってしまって評価が下がってしまいます。それに企業はやみくもに優秀な学生を探しているのではなく、面接を通して、自社の求める人物像に合う人材を探しているのです。

ですから面接ではただ自分の話したいことを話すのではダメで、企業に求められる人材であることをアピールできる内容を話さなければなりません。そのためには志望する業界・企業を研究し、そこで求められる人物像を把握したうえで、それに沿った回答を考えておくことが不可欠です。

また、営業職であれば「今までで一番つらかったことはなんですか?」などといった我慢強さや粘り強さを見極めるような質問が多いというように、業界や企業によっても出題されやすい質問の傾向は違ってきます。

3月までに定番の質問への対策を済ませ、実際の面接が始まるまでには、自分の志望する業界や企業でよく聞かれる質問への対策も行っておいてください。

3月になったらやるべき3つのこと

3月になったらやるべき3つのこと

いよいよ3月になったら、本格的な就活のスタートです。順調なスタートダッシュが切れるように、3月になったらやるべきことを今のうちにきちんと把握しておきましょう。

ここからは、22卒の就活生が3月になったらやるべきことについて解説します。ただし前述のように、企業の採用活動は全体的に前倒し傾向ですので、3月まではやる必要がないのではなく、志望先によっては3/1より早まる可能性もあることを忘れないで下さい。

エントリーをする(選考)

基本的には3月になったら企業が採用情報を公開して、一斉に採用選考へのエントリー受付が始まるので、自分が事前に目星をつけておいた企業を中心にエントリーを行います。3月の時点で行うエントリー数の目安は、だいたい20社程度です。

内定の確率を上げるためにもっと多くエントリーしたい人もいると思いますが、あまり多くても1社1社の選考準備に十分な時間を割けず、かえって内定は遠退いてしまいます。かと言って少なすぎても、それぞれの企業を比較できず、本当に自分に合う企業を見極めることができません。

20社程度が、無理なく選考スケジュールを管理して各企業にきちんと向き合いつつ、それぞれを比較した上で本当に自分に合う企業を見極めるのにちょうどよい数です。いざ選考を受けようと思ってよく調べたら考えが変わるといった可能性もありますので、エントリーに必要なプレエントリーは、その1.5倍の30社程度しておきましょう。

ただし前述のように、経団連の就活ルール廃止によって3月よりも前に選考を始める企業もありますし、また早期選考を終えても後で選考を追加する企業もありえます。

3月になってから企業の採用情報を調べ始めてそれで終わりではなく、気になる企業の募集を見逃してしまうことのないよう、今から随時チェックしておいてください。

説明会へ参加する

3月になったら採用情報の公開と同時に説明会も一斉スタートするので、積極的に参加しましょう。志望する企業・業界がまだ決まり切っていない場合は、合同説明会に参加すると一度に多くの業界を見ることができ、企業同士の比較もできます。気に入る企業があればその場でエントリーもできるので、とても効率が良いです。

自分の志望する企業がハッキリしている人にとっても、志望企業の比較材料や業界研究の一環として参考になります。そして志望する企業が固まった人は、もちろんその企業単体の説明会に参加して、企業への理解を深めてください。

合同説明会でも単体の説明会でも、説明会は多く参加すればするほど業界・企業について理解を深めることができます。しかしだからと言って、無限に説明会へ参加するのは時間的にも金銭的にも不可能です。

1つ1つの説明会を通してより効率良く業界・企業への理解を深めるために、事前に質問したいことをまとめておくことをオススメします。

面接練習を本格化させる

3月からは、面接練習を本格化させましょう。3月までは定番質問への対策が中心でしたが、3月からは自分の志望する業界・企業に特化した質問対策を進めるとともに、本番を意識した面接練習を強化します。社会人としての身だしなみや入退室を含めた面接マナー、適切な話し方、立ち振る舞いなどをしっかり身につけなければなりません。

まずは基本を身につけるために一人で面接練習を行う場合には、その様子をスマホなどで録画し、自分の姿を客観的に確認してください。映像として客観的に見ることで、無意識にやってしまう癖や姿勢の曲がり、声の大きさや活舌、話すスピードといった、自分でなかなか気付きにくい部分を確認できます。

そしてもちろん、緊張した中でも聞かれたことに堂々と答えられるよう、本番を想定した質疑応答の練習も必要です。対人練習は家族や同世代の知人を相手にしても緊張感が得られませんから、自分の知り合いではない他人、それも社会人を相手に、緊張感を持った練習をすることをオススメします。

大学のキャリアセンターや就活エージェントなどの”就活のプロ”にお願いするのが、経験に基づいた適切なフィードバックを受けられ、最も効果的です。

3月まで何もしていない人が今すぐすべきこと

3月まで何もしていない人が今すぐすべきこと

「やろうやろうと思いながら気付いたら3月だった」
「バイトや卒論が忙しくて3月まで何もできなかった」

そんな就活生もいるでしょう。しかし、初めにお話ししたように22卒対象の企業の動きは全体的に早まっていますので、3月まで何もしてこなかった人は、正直すでに出遅れとなってしまっています。

ここからは、そんな3月まで就活に手を付けてなかった人たちが、”今すぐすべきこと”について解説しますので、しっかり参考にしてください。

すぐに自己分析を行い、「就活軸」を定める

3月まで何もしていなかった人が今すぐ最優先で行うべきことは、早急に自己分析を行って、自分の「就活軸」を定めることです。

くり返しになりますが、「就活軸」は自分が社会に出るにあたり、どういう方向に進みたいのかという方針であって、志望する業界や企業を絞り込むのに必ず必要になります。「就活軸」がないと志望する業界や企業を選ぶ基準がないため、迷ってしまって就活を円滑に進めていくことができません。

ですから、たとえ3月になって周りの人や企業が選考をスタートさせていたとしても、焦って手探りで進めようとしないでください。「就活軸」のないまま手当たり次第に受けても、志望動機が曖昧なので内定につながりませんし、自分には合わない企業を選んでしまって早期退職となる恐れもあります。

出遅れているからこそ無駄な行動はせず、まずはきちんと自己分析を行って自分についての理解を深め、自分なりの「就活軸」を定めることから始めましょう。

合同説明会に参加し、どんな企業があるかも把握すること

3月になって「就活軸」を定めた人が次にやるべきことは、合同説明会に参加し、どんな業界・企業があるか把握することです。3月から始める人はすでに出遅れていてじっくり下調べしている時間はありませんから、手っ取り早く合同説明会に参加し、自分に合う業界・企業はどこか見極めていきます。

また合同説明会に参加することで、気に入った企業があればその場でエントリーするところまで一気に進められるので、大変効率が良いです。

本来3月までに済ませておくべきだった準備ができていませんから、遅れを取り戻すためエントリーや企業視察、業界・企業の絞り込みなどを掛け持ちしながらやっていきます。

3月からだと時期的にOB/OG訪問や長期インターンへの参加は厳しいので、説明会を中心に企業の情報を得るようにしてください。

就活エージェントと連携する

3月まで何もせず就活に出遅れてしまった学生に最もオススメな対策は、就活エージェントとの連携です。学生が自分だけでここまでの遅れを取り戻すのはなかなか大変ですが、「就活エージェント」というプロを頼れば、3月までの遅れはすぐにでも巻き返せます。

就活エージェントはESの添削や面接練習といった選考・面接への対策をしてくれますし、プロの視点でアドバイスをもらえるので、あなたの就活力を飛躍的に上げられるのです。

それに就活エージェントはあなたの自己分析や就活軸を定めるのを手伝い、プロならではの情報網を駆使して、あなたに合った良い企業を探し出してくれます。

就活エージェントを頼れば、もう自分に合った業界・企業選びに悩んだり、無限に出てくる企業の情報を精査するのに手間取ったりする必要はありません。ですから3月までに出遅れてしまった人こそ、就活エージェントは絶対に利用すべきです。

3月から就活を始める際の注意点

3月から就活を始める際の注意点

「出遅れ」なんて言われると、早くどうにかしなければと思いますよね。もちろん3月から就活を始める学生は、ライバルたちにこれ以上差を広げられないためにも、のんきに構えている場合ではないです。

しかし就活はあなたの将来を左右する大事なものなので、ただ競争を勝ち抜き、内定が取れればよいわけではないでしょう。それに就活は企業に求められてこそ成立しますから、残念ながら急いでもどうにもならないこともあります。

ここからは3月から就活を始めるにあたり、事前に注意しておくべきこと、覚悟しておくべきことについて解説しますので、よく覚えておいてください。

周りに流され、焦って判断しないようにすること

3月から就活を始める学生は、周りから出遅れていることに焦って、早まった判断をしないように気を付けましょう。3月に入ると他の学生はすでに活発に就活していますし、そうした環境を目にすると尚更「出遅れ」を意識してしまい、焦りを感じるのは当然です。

しかし就活において「焦り」というのは、あまり良い結果を生みません。前述のように、出遅れていることに焦って周りと同じ行動をとろうとしても、きちんと就活軸を定め、企業をよく見極めないままでは就活はうまくいかないのです。

やみくもに受けたところで内定は取れませんし、せっかく選考が進んでいても「なんか違うかも」などと思い直して、就活自体始めからやり直す羽目になることもあります。そうなっては、その時点までに行ったすべてが無駄となり、3月までに出遅れた分よりかえって遅れが広がるだけです。

3月から就活を始める学生は、現時点で出遅れてしまっているからこそ、しっかりと考えて行動し、適切な判断を心がけてください。

自分に必要な情報だけを吸収すること

3月から就活を始める学生は、”今”自分が必要としている情報だけを選んで吸収するようにしましょう。3月から就活をスタートさせると、「出遅れている」という気持ちから、就活の情報をあれもこれも集めようと必死になりがちです。

しかし就活が本格化してくる3月はとくに、企業やその他の関連団体から就活に関する情報がたくさん発信されているため、情報量が多すぎます。そこで直近に必要としていない情報にまで手を出そうとすると、色々な情報に振り回されてしまって、混乱しやすいのです。

ですから3月から就活を始める学生は、遅れているからと焦って、一気にたくさんの情報を取り入れようとしてはいけません。遅れているからこそ、今の自分に関わりのある情報だけを選び、確実に吸収するようにしてください。

企業や業界によっては選考が終わっている場合がある

3月からの就活では、残念ながら企業や業界によって、すでに選考が終わっている場合があります。初めにお話ししたように、政府の呼びかけるルール上は3月からが解禁でも、実際のところは守らない企業も多く、22卒対象の採用活動は全体的に前倒し傾向です。

また以前から、外資系企業や日系企業でも一部の業界、ベンチャー企業などでは、基本的にサマーインターンを通して採用活動を行っています。

それ以外でも、経団連に所属していない企業はもともと、経団連の企業より早く優秀な学生を確保するため、3月までに選考が終了するように採用活動を行っているのです。そのため実は、ルール上”解禁”とされている3月の時点で、すでに選考を終えている企業も少なくありません。

そうした企業を狙っていた場合には、3月の時点でもうすでに出遅れというより手遅れとなってしまう場合があるので、注意しましょう。

おわりに

22卒も3月からが本格的な就活のスタートではありますが、企業の採用活動は全体的に前倒しの傾向にあるので注意が必要です。

そのため3月から就活を始めようとしている人は、その時点ですでに少し出遅れた状態になっていますが、正しい対処をすればまだ巻き返せます。3月までの出遅れを巻き返すのに一番有効な手段は、就活エージェントとの連携です。

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この記事の監修者

監修者:平崎泰典

平崎 泰典

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。

主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。

就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。

~就活生へのメッセージ~

まず何から始めれば良いかわからない。そんな就職活動の一歩目をサポートします。