【プロが教える優良企業の探し方】満足いく企業へ入社したい就活生必見です
2023年3月16日
優良企業をお探しのようですが、条件はありますか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
できれば、世間に知れ渡っている大手企業のように、給料の高い優良企業がいいです。
なるほど。しかし、最近は大企業=優良企業といった考え方は変わってきて、中小やベンチャー企業のような小さな会社でも、安定した業績を出している会社も少なくないですよ。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
そうなんですね。ただ、優良企業の見分け方や探し方がわからないので、中小やベンチャー企業にはエントリーしにくいですね。
わかりました。ここでは「優良企業を見分けるポイント」や「優良企業の探し方」を紹介していきます。企業選びの参考にしてください。
キャリアプランナー 平崎
優良企業の定義と特徴
後悔しない企業選びをするために、「優良企業をどう探すか」というのが、このコラムのテーマです。しかし探し方を知っていても、そもそも自分が何を探しているのか理解していないと、探し物は見つけられません。
そこで優良企業の探し方をご説明する前に、「優良企業とは何なのか」その定義と特徴について解説します。まずは自分の探し物の正体を明確にして、次のステップへと進んでいきましょう。
優良企業の定義とは?
優良企業とは、一般的にブラック企業の反対、すなわちホワイト企業のことを指します。
日本語の解釈からすれば優良企業とは、単に「優れた良い企業」という意味に過ぎず、その言葉自体に具体的な定義が決まっているわけではありません。そのため、何をもって企業を「優れている」「良い」と判断するかは、人それぞれの価値観。
とはいえ、明日倒産する企業に就職したい人はいませんから、企業が安定して長く存続することは、誰から見ても共通する企業の価値となります。
企業が存続するためには、投資する人・利用する人・働く人という、3種類の人間が必要不可欠です。投資する人がいなければ資金がありませんし、利用する人がいなければ収入がなく、働く人がいなければ何も提供できないので、どれが欠けても企業は存続できなくなります。
簡単に言えば、投資する人も利用する人も働く人も惹きつける企業が、長く存続できる安定した企業であり、優良企業ということです。つまりは、経営や業績が安定していて、ユーザーからの需要があり、社員の信頼も厚いような、いわゆる「ホワイト企業」こそが優良企業であるといえます。
優良企業の特徴
優良企業と呼ばれる企業に共通する特徴は、具体的に以下のようなものです。
- 財務状況が良い
- 継続的な成長を遂げている
- 圧倒的な技術力がある
- 社会的に価値のある取り組みを続けている
- 社員のストレスが少ない
- 働き方の柔軟性がある
- 社員に還元しようと考えてくれる
- 定着率が良い
上記をまとめると、「業績が安定するような商品を提供し、消費者だけでなく、社員からも信頼が厚い」というのが、優良企業の特徴といえます。
ヒット商品や消費者の評判は比較的集めやすいですが、社員からの信頼度というのは、なかなか社外に出てきにくい情報です。
これを判断するには、社員がいかに離職せず継続して勤務しているか、すなわち社員の定着率が1つの物差しとなります。
優良企業=大手企業なのか?
「優良企業」という言葉を聞いて、たいていの人が思い浮かべるのは、大手企業や有名企業のイメージです。
親や親せきなどから、「小さい会社はいつ潰れるか分からないからダメ。大手を目指しなさい。」などと言われた人もいると思います。しかし大手企業だからといって絶対安泰とは限りませんし、前述の条件を満たすのが優良企業だとしたら、本来「優良企業かどうか」ということと企業の規模は関係ないはずです。
果たして、安定して長く存続する条件を満たした”優良企業”とは、本当に大手企業だけなのでしょうか。ここからは、「優良企業=大手企業」という噂の真相について解説します。
「優良企業=大手企業」というイメージは定着している
「大手企業や有名企業こそが優良企業である」というイメージが、世間に定着しているのは確かです。ただしそれはイメージであって、根本的に「優良企業かどうか」ということと、企業規模の大小は関係ありません。
そういったイメージが定着した理由の一つは、大手企業や有名企業に、優良企業の特徴に当てはまる企業が多いからです。大手企業には継続的に成長している企業や高い技術力を持つ企業が多いですし、福利厚生を充実させて社員に利益を還元しています。
それらの特徴は、投資する人も利用する人も働く人も惹きつけるという、長く存続できる企業の条件とも一致するものです。もちろん大手企業だからといって、必ずしも優良企業の条件を全て兼ね備えているとは限らないので、「大手企業 ⇒ 優良企業」とは言い切れないでしょう。
また「大手企業や有名企業が優良企業である」というイメージが定着している理由には、自社がブラック企業だと言われないよう、大手企業が事前に対策していることもあります。なぜなら、大手企業のように知名度のある企業が問題を起こすと、ニュースやネットなどを介して世間に悪評が広まり、自社の売上げや株価に影響を与える可能性があるからです。
そのため大手企業の多くは、コンプライアンスを強化してハラスメントや情報漏洩を予防したり、有休・育休を取得しやすいなどライフワークバランスに配慮したりしています。
そうした自社の悪評を広めないための努力が、結果として優良企業の条件を満たすことにつながっているのであって、「優良企業 ⇒ 大手企業」でもないのです。
実は中小企業やベンチャー企業に“隠れ優良企業”が多い!
世間一般にはあまり知られていませんが、実は大手企業に限らず、中小企業やベンチャー企業にだって優良企業はたくさんあります。前項で説明したように、「大手企業が優良企業である」というイメージが定着しているのは、大手企業に優良企業の定義に当てはまる企業が多いためです。
企業が長く存続するための条件は、経営や業績が安定していて、ユーザーからの需要があり、社員の信頼も厚いことですから、必ずしも企業規模が大きい必要はありません。「知名度がないとユーザー需要は低いのでは?」と思うかもしれませんが、ここで言うユーザーとは一般消費者だけでなく、対企業も含まれます。
中小企業やベンチャー企業は一般消費者の知名度こそ低いものの、高い技術力で安定したシェアを築き、社員を大切にする”隠れた優良企業”が意外と多いのです。ですから決して「大手企業“だけ”が優良企業」などと、勘違いしないようにしてください。
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優良企業を見分けるポイント
ここまで読んだら、大手企業だけが優良企業ではないことは理解していただけたと思います。しかし、実際に中小企業やベンチャー企業の中から企業を選ぼうと思っても、大手企業と違って情報を得にくいので、一体どの企業が優良企業なのか分かりませんよね。
なんとなく選んでも、優良企業だという確信がなければ志望度が上がりませんし、入社してから間違いに気づいたのでは遅いです。失敗しない企業選びをするために、ここからは企業が優良企業かどうか見極めるポイントについて解説します。
企業理念やビジョンが明確かどうか
優良企業かどうか見極めるには、まずその会社の企業理念やビジョンが明確かどうか、チェックしてください。なぜなら、企業理念やビジョンが明確だと、社員ははっきりした目標に向かって仕事ができ、成果を出しやすいからです。
結果として、その企業には安定した事業が見込めるので、優良企業の定義に当てはまりやすくなります。それとは逆に、曖昧な企業理念やビジョンは、優良企業かどうか怪しいサインです。
たとえば「やる気」「風通しの良い社風」「社員は家族」などといった言葉は、ブラック企業が使いがちなうたい文句なので注意しましょう。
商品や技術力が安定しているかどうか
安定した商品や技術力を持っているかどうかも、優良企業を見極める重要なチェックポイントです。商品や技術力が安定していると事業が安定するので、企業は目先のコストや利益を追い求めるだけではない、社会的価値のある取り組みをする余裕があります。
そうした取り組みを続けた結果、企業は社会的信頼も厚くなり、優良企業の定義に当てはまることになるのです。
反対に商品や技術力が安定していない場合、良かったり悪かったりと、業績が不安定になってしまいます。業績の良いときは大勢雇用しますが、悪化し始めると誰かが責任を負わされ、部署移動や減給などが発生しがちです。
さらに業績が悪化すると、抱えきれなくなった社員のリストラや、組織の再編といった事態に陥る可能性があります。
社員を大切にしているかどうか
自社の社員を大切にし、社員の満足度が高い企業は働く人にとって魅力的です。働く人を惹きつけることは安定して存続できる条件の1つですから、社員を大切にしているかどうかも、優良企業とそうでない企業を見極めるポイントになります。
「社員を大切にする」とは、すなわち待遇や労働条件を充実させるなどして、個々の社員が働きやすい環境を整えるということです。それには必ずコストがかかりますので、企業の体力を示す指標にもなるでしょう。
社員の満足度を具体的にチェックするのは、たとえば以下のような項目です。
- 福利厚生がしっかりしている
- 研修制度がしっかりしている
- 資格手当がある
- 働き方の柔軟性がある(時短・育休・残業が少ないなど)
- 仕事にやりがいを感じやすい
[例]
上の例がすべて当てはまる必要はありませんが、社員の満足度が高ければ高いほど、社員を大切にしている会社であり、優良企業であると解釈できます。
具体的な離職率はどれぐらいか
優良企業かどうか見極めるのに、「離職率」は必ずチェックしておかなければならないポイントです。前述のように、社員がどれだけ離職せずに定着しているかが、優良企業とそうでない企業を判別する一つの物差しになります。
労働のきつさなどから、職種によって離職率が高くなる場合もあるので、業界の水準と比較してください。会社を辞めるのには様々な理由があるので、もちろん本当に自分の都合で辞めていく人も一定数はいます。
しかし、会社が働く人にとって魅力的であり続ければ、大多数の社員は離れていかないはずです。
労働条件や待遇への満足度だけでなく、「財政状態が悪くて先行きが不安」「会社の方針に疑問を感じる」などといった理由で離職する人もいるでしょう。離職率が高いということは、その理由が何にせよ、会社の内情を知ったうえで「ここで働きたくない」という結論に至った人が多いということです。
逆に離職率が低ければ、その分働く人を惹きつけているわけですから当然、優良企業であるといえます。
優良企業の探し方と手段
10月も終わりですので、そろそろ23卒生も、どんな企業にエントリーするか考え始めているのではないでしょうか。前述の特徴や見極めるポイントを踏まえ、実際に優良企業を探していきましょう。
ここからは、優良企業を探す方法として具体的にどんな手段があるのか、優良企業の探し方について解説します。
求人情報や口コミを参考にする
優良企業の探し方として、求人情報サイトや口コミサイトを参考にするというのも、1つの手です。サイトで得られる求人情報や口コミの中から、前述の優良企業を見極めるポイントをチェックし、その特徴に当てはまる企業をピックアップしていきます。
求人情報サイトからの情報だけだと、人を集めるために良い部分ばかり書かれていたり、誇張されていたりする可能性があるので、正確な判断ができません。
口コミサイトなどで得られる、その企業を知っている人が流した”リアルな情報”と合わせてチェックする必要があります。ただし口コミについても、その人個人の見解や感情が多分に含まれ、情報が偏る可能性がありますので、鵜呑みにしないようにしてください。
”公式情報”と”リアルな情報”の両方を合わせて判断することが大切です。
四季報などで業界や企業動向をチェックする
優良企業の探し方には、就職四季報や業界地図などの書籍を参考にして、企業の動向をチェックする方法もあります。資本、売上、業界内でのポジションといった情報をもとに、事業の安定性や将来性を見極めるのです。
こうした就職情報関連の書籍では、ほかにも「離職率」や「有給消化率」などがチェックできます。
前述のように離職率は、その企業で働いて内情を知ったうえで、「辞めたい」という結論に至った人の多さを示すデータです。また「有給消化率」は、法的に保障されている有給休暇を実際にはどれだけ使えたのか表しており、企業が労働者の権利をきちんと行使できる環境なのか推測する目安になります。
どちらも、働く人にとって魅力ある企業なのか見極める”リアルな情報”となりますので、合わせて確認しましょう。
OB/OG訪問・インターンシップへの参加
優良企業を見極めるには、OB/OG訪問やインターンシップを利用し、その企業の社員から直接話を聞くという探し方もあります。
OB/OG訪問は、その企業で実際に働いている人から“リアルな情報”を聞き出せるので、優良企業の探し方としては最適です。説明会では聞けないような具体的な話を聞けますから、非常に参考になります。
インターンシップは短期でも社員と接触できますが、優良企業かどうか見極めるには、長期の方がとくにオススメです。長期インターンシップでは、実際に現場で社員の一員として働けるので、企業の雰囲気を肌で感じられます。
もちろんインターン生が社員と同じ責任を負わされることはありませんが、仕事をフォローしてくれる社員がいたり、上司に叱責される社員を見たりするかもしれません。果たして働きやすい環境なのか、企業理念どおりの社風なのか、自分の目で見て確認できます。
就活エージェントに頼る
就活エージェントから情報を聞き出すのも、優良企業の探し方としてはかなり有効な手段です。大手企業でない場合、求人情報サイトや書籍には掲載されていないことがありますし、知りたい情報が公開されていないこともあるでしょう。
そんな時、就活を支援するプロである就活エージェントなら、どのような企業なのかなどといった企業の”リアルな情報”を教えてくれるのです。
また、離職率や福利厚生などはもちろん知っていますし、企業に直接聞きにくい質問があれば、学生に代わって上手に問い合わせてくれるので、実はかなりオススメな手段です。
学生の希望や適性を考慮したうえで、それぞれに合った優良企業を紹介してくれるので、企業探しの手間も省けます。
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自分に合った企業と出会うことが一番大切
将来の安定や満足度などを考えれば、学生が「できれば優良企業に入りたい」と思うのは、当然のことです。しかし、キャリアカウンセラーとして多くの学生を支援してきた経験から言って、就活では、優良企業を探すことよりももっと大切なことがあります。
それは、”自分に合った企業と出会うこと”です。
何も優良企業に入社することだけが、就職のすべてではありません。ここからは、自分に合った企業を選ぶ大切さと、その探し方について解説します。
企業選びで一番大切なのは“自分に合っているかどうか”
もちろん優良企業を探すことも大切ですが、企業選びで一番大切なのは、自分に合った企業に入社することです。
何をもって「良い企業」と感じるかは価値観次第ですが、安定して存続することは企業の共通の価値であり、それを実現可能な条件がそろっているホワイト企業こそが、優良企業なのだとはじめにお話ししました。
せっかく入社してもすぐに傾いてしまう会社では困りますから、当然リスクの高い企業より、安定して長く存続する企業の方がいいに決まっています。
しかし、世間一般に「優良企業」と言われている企業が、必ずしも自分に合っているとは限りません。どんなにホワイト企業に勤めても、社風が自分の性格とは合わないかもしれないし、仕事に楽しみを見いだせない可能性もあるでしょう。
如何に企業が存続していて世間的に価値があろうと、自分がその企業に居続けたいと思えず辞めてしまうのでは、結局自分にとってなんの意味もなくなります。
ですから就活では、世間一般に価値のある「優良企業」を探すのではなく、自分にとって価値のある「自分に合った企業」を探すことがとても大切です。
自分に合った企業はどう見つければいい?
自分に合っている企業とは、就活の軸や企業選びの軸など、働くうえで「自分が大事にしたい軸と合っている企業」です。
つまり自分に合った企業を見つけるには、まず自分の中で大事にしたい軸を明確にする必要があります。自己分析をしっかり行って、自分が企業で働くうえで「これは譲れない」「大事にしたい」という条件を、思いつく限りリストアップしてください。
もちろん全ての条件が満たされる企業ばかりではありませんから、リストに上げた条件それぞれの優先順位も決めておきます。
次に企業・業界研究を行い、自分の興味のある業界や企業を、ある程度まで絞りましょう。そして、その中からリストアップした条件に合う企業を選定していくのです。
自分に合った企業の探し方を簡潔にまとめると、以下のようになります。
- 自分の中での大事にしたい軸を明確にする
- 条件をリストアップし、順位をつける
- 興味のある業界や企業を絞る
- その中からリストアップした条件に合う企業を選定する
[探し方手順]
最初から条件や業界を1つに絞り込んでしまうのではなく、広い視野をもって探すのがコツです。
おわりに
優良企業とは企業規模の大小に関係なく、事業が安定していて、ユーザーからの需要があり、社員の信頼も厚い、一般的に「ホワイト企業」と言われる企業のことを指します。なぜならそれが、投資する人・利用する人・働く人の全てを惹きつけ、企業が長く安定して存続することにつながるからです。
優良企業かどうか見極めるには、企業理念が明確で安定した事業が見込まれるか、ユーザーに信頼される商品や技術力があるか、社員を大切にしているかなどをチェックしましょう。
離職率を見ると、実際に働いたうえで「辞める」という結論に至った人がどれくらいいるのか分かりますので、優良企業かどうか推し量る目安になります。ただし、いくら企業が存続しても、自分自身がそこで働きたいと思えなければ意味がありません。
優良企業を選ぶことも大事ですが、就活で一番大切なのは、自分に合った企業を探すことです。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。