【例文あり】面接で「誰にも負けないこと」を完璧に答える方法をプロが紹介
2022年11月2日
就活を進めていくと、面接で「あなたの誰にも負けないことは何ですか?」などと聞かれることがあります。
言葉の通りに受け取るならば、「誰にも負けない=自分より上は一人もいない=世界で一番」という意味になりますが、当然そんなものあるはずがありません。
すると多くの学生は、「世界一とまでいかなくても、自分より上の人間がそうそういないことを答えなければならない」と考えます。
それでも世の中広いですから、「誰にも負けない」なんて断言するのは難しいですよね。心の中で「そんなのないよ!」と困っている学生も多いと思います。
しかし心配しないでください。面接で答える「誰にも負けないこと」は、日本一でも、県内一である必要もなく、むしろ学校一である必要さえないのです。
それでは「誰にも負けないこと」という質問には、いったい何をどう答えたらよいのでしょうか。
今回は、面接で聞かれる「誰にも負けないこと」への答え方と注意点を、例文付きで解説します。
目次
面接で「誰にも負けないこと」を聞く意図
常識で考えても、言葉通りの「誰にも負けないこと」つまり世界で一番か日本で一番か、それに近いようなことなど、普通の学生が持ち合わせているはずがありません。つまり面接官が「誰にも負けないこと」という質問で求めている答えは、必ずしも”一番”ではなく、実際他人と比べて本当に誰にも負けないかどうかは関係ないのです。
「誰にも負けないこと」という質問に適切な回答をするためには、まず面接官がその質問から何を読み取ろうとしているのか知っておく必要があります。コラムの初めに、面接で「誰にも負けないこと」を聞く意図について解説しますので、しっかり押さえておいてください。
自分の強みを把握しているかの確認
「誰にも負けないこと」を尋ねる面接官の意図は、その学生が自分の強みをきちんと把握できているか確認するためです。”誰にも負けない”という言葉通りに受け取ってしまうと、”他の誰よりも優っている点”ということになりますから、この質問への回答は非常に難しく感じるでしょう。
しかし前述のように、面接官が聞きたいのは学生が本当に誰にも負けないかどうかではなく、”誰にも負けない”という表現は単なる比喩なのです。
面接官は「誰にも負けないこと」という質問から、学生が”誰にも負けない”と胸を張れるくらい自信をもって「これが自分の強みだ」と言えることを聞いています。それはつまり、学生が自己分析をしっかり行い、自分自身について正確に理解しているかどうかの確認です。
自分自身について正確に理解できていない人は、自分の強みをどう活かせばよいのか知らず、仕事の上でも十分な活躍が期待できません。自分の活かし方を分かっている人の方が仕事においても力を発揮しやすいので、学生が自分の強みをしっかり把握できているかどうかは、企業にとって重要なポイントです。
ですから、面接で聞かれる「誰にも負けないこと」=自信を持って言える「自分の強み」と考えてください。
企業が求めている能力を持つ学生かどうかの確認
「誰にも負けないこと」を尋ねる面接官の意図は、その学生が企業が求める能力を持つ人物かどうか確認するためでもあります。どんなに素晴らしい強みを持っていて、たとえそれが本当に世界一だったとしても、仕事で活かされる強みでなければ企業にとっては意味がありません。
当然ですが企業は”世界一のすごい人”を求めているのではなく、自社に貢献してくれる人を求めています。ですから面接官は「誰にも負けないこと」という質問から、学生が自信を持って述べる「自分の強み」が、自社の必要としている能力かどうかを見ているのです。
また面接官は同時にその学生が、企業の求めている能力・スキル・人材を把握しているかどうかも確認しています。前述のように、面接で聞かれる「誰にも負けないこと」=自信を持って言える「自分の強み」ですから、学生にとっては企業に自分の良さをアピールする絶好のチャンスです。
それなのに企業が求めているものとはかけ離れた強みを語ってしまう人は、仕事や会社のことをきちんと理解できておらず、入社してもミスマッチを起こす可能性があります。
面接官は学生の語る「誰にも負けないこと」が企業の求める能力・スキル・人材と合致しているかどうかで、その学生の企業理解の深さも判断しているのです。
もし、「誰にも負けないこと」の質問が不安であれば、プロのキャリアカウンセラーに相談することをオススメします。「就活相談サポート」にて、カウンセラーが一緒に回答を考えていきます!
上手に「誰にも負けないこと」を答えるためのポイント
ここまでの説明で、「誰にも負けないこと」を聞く面接官の意図は理解できましたか?きちんと意図が理解できた人は、「誰にも負けないこと」という質問に対して何を答えるべきなのか、なんとなく想像できたのではないでしょうか。
くり返しになりますが、面接で聞かれる「誰にも負けないこと」=自信を持って言える「自分の強み」です。それを踏まえた上で、ここからは実際に面接で「誰にも負けないこと」を上手に答えるためのポイントと、必要な準備について解説します。
誰にも負けないこと=自分の強みを探す
面接で「誰にも負けないこと」を答えるための準備として、まずは自信を持って言える「自分の強み」を探してください。誰にも負けないこと(=自分の強み)は、自分の過去を振り返り、自己分析を行うことによって探します。
ただしここで探す自分の強みは、なんとなく自分が強みだと思うだけではダメです。単純な強みではなく”誰にも負けない”と胸を張れる強みを聞かれているため、自信の根拠となる、強みを発揮した成功体験が必要になります。
また、いくら誰にも負けないからといって「早起きが得意」というような、抽象的なものや誰の役にも立たないものもダメです。面接官の意図からも分かるように、企業は学生の強みがいかにすごいか、実際誰にも負けないかということは重要視していません。
企業は面接を通して自社に貢献できる人材を探しているのですから、「誰にも負けないこと」として語る自分の強みは、仕事に活かせるものであるべきです。しっかり自己分析を行って、過去の自分の経験から、仕事をする上で役立ちそうな強みを探しましょう。
企業にとって必要な強みをピックアップする
仕事で活かせそうな強みを探し出したら、その中から志望企業にとって必要な強みをピックアップしてください。前述のように、面接官は学生の「誰にも負けないこと」が、企業の求めるものとマッチしているかどうかも注目しています。
自分の強みはいろいろあると思いますが、その中でも「誰にも負けないこと」として語る強みは、その企業にとって必要なものの方が好印象です。
そのためには企業研究をしっかり行い、その企業が求めている能力・スキル・人物像を把握する必要があります。そして面接では自分の強みの中でも、企業が求めている能力・スキル・人物像に当てはまる強みを選び、「誰にも負けないこと」として回答しましょう。
その企業に特化した強みが見つからなければ、「向上心」「集中力」「情報収集力」「気が使える」「学習能力」などといった、一般的に仕事で役立つポジティブな強みでもよいです。
「誰にも負けない」ことを裏付けるエピソードを考える
面接で話す「誰にも負けないこと(=自分の強み)」を決めたら、次は誰にも負けないことを裏付けるためのエピソードを考えます。「誰にも負けない」と言うのは簡単ですが、その言葉だけでは面接官に響かないので、それが本当に自信を持って自分の強みだと言える根拠を示す必要があるのです。
そのためには、なぜそれが誰にも負けないと言えるのかという理由や、その強みを発揮したエピソードなど、実体験を交えて具体的に話せるようにしておいてください。
ただし、企業が知りたいのは学生の強みがどれほどすごいかではなく、学生自身が本当に自信を持って自分の強みだと語れるかどうかです。ですから、その強みで「実際に誰かを負かした」「どこかで一番になった」というエピソードでなくても構いません。
自分が「誰にも負けないこと」として選んだ強みを発揮した成功経験を、具体的に語れるエピソードであれば何でも良いでしょう。
誰にも負けないことがどう仕事で活かせるかを述べる
面接で「誰にも負けないこと」を答える際には、その強みが仕事でどう活かせるのか、またはどう活かしていきたいのかを述べることが大切です。単純に「誰にも負けないこと(=自分の強み)」と、それを発揮したエピソードを語るだけでは、ただの自慢話になってしまいます。
企業は面接での回答からさまざまなことを見定めますが、最終的に知りたいのは学生がその自社に必要な人材かどうかという点です。
誰にも負けないことを自慢して面接官に「へえ、すごいね」と感心されても、あなたが会社にとって必要な人材だと思ってもらえなければ内定には至りません。
企業は面接を通して自社に貢献できる人材を探しているのですから、しっかりと企業が知りたい情報を伝えましょう。「誰にも負けないこと(=自分の強み)」を活かして、その企業に貢献できることを伝えてください。
「誰にも負けないこと」がない場合の対処法は?
「誰にも負けないこと」が思いつかない場合は、友達など自分以外の人から”客観的な意見”をもらうのも1つの手です。自分では気付かなかった一面を提示してもらえるので参考になりますし、他人に自分の優れたところを認めてもらうのは自信にもつながります。
もしくは自分の弱みから、逆転の発想で「誰にも負けないこと」を考えていくというのも手です。たとえば「優柔不断」→「柔軟性がある」という風に、「自分の弱み」は「自分の強み」として言い換えることもできます。
自分で自分を「優れている」と評価するのはなかなか難しいものですが、自分を完璧だと思っている人は少ないので、欠点と思うところなら割と簡単に見つけられるでしょう。
それでも「誰にも負けないこと(=自分の強み)」が見つからない人には、就活エージェントの活用をオススメします。
自分ではパッと思い浮かばなくても、「誰にも負けないこと」は誰しも必ずあるはずです。就活エージェントなら、あなた自身が気付かない、あなたの「誰にも負けないこと」を確実に見つけてくれます。
キャリchでも「就活相談サポート」で専属のカウンセラーが対応しますので、お気軽にご相談ください。プロのキャリアプランナーがあなたの「誰にも負けないこと」を見つけ、面接で高評価を狙える上手な回答方法も伝授します!
【例文】「誰にも負けないこと」の回答例文
ここまでに説明したポイントを踏まえ、実際に「誰にも負けないこと」の回答を考えましょう。面接で回答する際には、PREP法という論法をオススメします。
【PREP法】
結論(Point)→理由(Reason)→事例(Example)→結論(Point)
PREP法はビジネスシーンでよく使われる論法で、簡潔で説得力のある主張を展開できるのが特徴です。これを「誰にも負けないこと」の回答に当てはめると、「自分の強み」→「自信がある理由」→「強みを発揮したエピソード」→「仕事でどう活かすか」という順になります。
以下にPREP法に当てはめた「誰にも負けないこと」の例文を掲載しますので、参照してください。
【例文】
私はここぞという時の集中力では、誰にも負けません。(結論)
雑音や雑念に邪魔されることなく、限られた時間で課題に取り組むことができます。(理由)
実際大学2年の時にはこの集中力を発揮し、Word、Excel、Power PointのMOS資格とWEBクリエイターの資格を取得しました。講義やレポートで忙しく資格の勉強をする時間がなかったので、それぞれ2週間ずつ集中的に取り組むと決め、ひたすら勉強に打ち込んだ結果、夏休みだけで4つ全てを取得できたのです。(事例)
仕事の上では覚えることがたくさんありますし、限られた時間の中で結果を求められますから、私はこの集中力を活かして誰よりも早く戦力となり、成果を出せるように頑張りたいです。(結論)
初めに述べるのは、何が誰にも負けない自分の強みなのかという結論です。上の例文ではIT系の職種を想定し、仕事の上で役立つ「集中力」を自分の強みとして上げました。
次に集中力に自信を持っている理由と、それを発揮して短期間に資格を取得したエピソードを語っています。くり返しになりますが、自信を持って言える強みであれば、”一番”になった経験がなくても構いません。
強みを発揮して現実に成果を得た成功体験を語ることで、自分が本当に自信を持っている強みであることを裏付けられます。
資格の名称や数字、どのように取り組んだかなど、話を具体的にすることが大切です。最後に、自分の強みである集中力が仕事でどう活かされるのかまで述べ、自分が企業取って必要な人材であることをアピールします。
「誰にも負けないこと」を回答する際の注意点
「誰にも負けないこと」は面接でよくある質問の中でも、学生にとってやや難しいと感じる質問になるでしょう。”誰にも負けない”という言葉にこだわらず、「誰にも負けないこと」=自信を持って言える「自分の強み」だと置き換えれば、それほど悩むことはありません。
ただし自信を持って言える強みであるためには、自信の根拠となる成功体験が不可欠ですから、注意が必要です。またその他にも、面接で「誰にも負けないこと」を回答する際に注意すべきことがありますので、押さえておいてください。
趣味嗜好に関するものはNG
面接で「誰にも負けないこと」を答える際、「カラオケなら負けない」「○○ゲームでは誰より強い」など、仕事の役に立たない趣味趣向に関する特技を話すのはNGです。学生の中にはどうしても”誰にも負けない”という言葉にとらわれて、誰かを負かせられる特技を語ってしまう人がいます。
しかし面接はあくまで学生を採用するかどうか判断する場ですから、どの質問だって面接官はあなたが会社にとって必要な人間かどうか判断するために聞いているのです。
それなのに、本当に誰にも負けないからといって仕事と関係のない趣味趣向の特技を述べても、面接官は学生の人柄や能力を見極められません。それどころか「質問の意図を理解していない」「企業理解が浅い」と判断される恐れがあります。
また趣味趣向以外にも、「寝なくても大丈夫」などといった仕事と直結しない特技は同様にNGですので、注意してください。
「誰にも負けないことはない」と答えるのはNG
「誰にも負けないことなんてないよ!」という気持ちは分かりますが、だからといって面接で「誰にも負けないことはない」などと答えてはいけません。
前述のように、面接官は学生が本当に一番になった経験を聞いているのではなく、誰にも負けないと胸を張れるくらい自信のある強みを聞いているのです。
ですから「誰にも負けないこと」という質問に対して「ない」と答えるのは、自分には強みがないと言っているのと同じことになります。せっかく企業に自分の良さをアピールできる絶好の質問なのに、自らそのチャンスを潰してしまうなんて、もったいないです。
企業の方も、自分で自信を持って述べられる強みのない学生を、採用したいとは思えないでしょう。そんなことにならないように事前にしっかり自己分析をして、自分が胸を張れる強みを探しておいてください。
おわりに
「誰にも負けないこと」は、自分の強みを面接官にアピールできる絶好のチャンスです。”誰にも負けない”という言葉にこだわり過ぎず、質問の意図をきちんと理解しましょう。「誰にも負けないこと」=自信を持って胸を張れる「自分の強み」だと置き換えれば、きっと見つけられます。
自分の強みに自信を持つ根拠を示すには、その強みを発揮した成功体験が必須ですが、そこで話が終わってしまうとただの自慢話です。
面接ではその強みを仕事でどう活かせるかまで語り、自分がその企業にとって有用な人材あることをしっかりアピールする必要があります。
しかし面接の中で実際に「誰にも負けないこと」という質問を受けると、大抵の学生は緊張してしまい、上手に話を展開するのは簡単ではありません。緊張した中でも「誰にも負けないこと」から上手に自分をアピールするには、普段からの面接練習が大切です。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。