高い初任給には理由がある!30万超えの企業一覧と注意事項を解説

 2019年7月18日

企業選びで重要視している項目はありますか?

キャリアアドバイザー 平崎

就活生 Aさん

私は「初任給」を一番見ています。働いてお金をもらうんだから、多い方が嬉しいですよね。

確かに初任給は、重要ポイントの1つですよね。でも、初任給として掲示されてる金額と実際にもらえる給与が違う場合もあるので注意してくださいね。

キャリアアドバイザー 平崎

就活生 Aさん

え!初めて知りました…。頑張って内定を取ったのに、提示された額と違う金額を渡されたら納得いきません!

初任給について誤解している可能性もありますね。今回は、初任給の仕組みについて紹介します。さらに初任給が高い企業もリストアップしたので、一緒に確認しましょう。

キャリアアドバイザー 平崎

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初任給が高い企業の仕組み

初任給が高い企業の仕組み

初任給が高ければ高いほど魅力的に感じるのは当然ですし、そんな企業に入社したいと思う人もたくさんいるでしょう。ではそんな初任給、「高い」と言われるラインはどれぐらいなのでしょうか?

「高い」と言われるラインに合わせ、初任給が高い業界や企業の特徴。さらに初任給を高く設定する企業の狙いなどを解説します。

「初任給が高い」と言われるライン

初任給が高いと言われるラインは、だいたい25万以上と考えられます。厚生労働省東京労働局の『令和6年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果』によると、都内各公共職業安定所が受理した令和6年3月大学卒業者に対する求人初任給は、平均216,500 円だったそうです。

初任給は年々上昇傾向にあるため、このラインも徐々に上がっていくことが予想されますが、平均よりも月々4万円以上多くもらえるのであれば、高額初任給という認識でよいでしょう。

ただし、なかには30万を超える超高額の初任給を設定している企業もあります。ではなぜ企業はこんなにも高額な初任給を設定するのでしょうか。次項で解説します。

初任給を高くする企業の狙い

企業が初任給を高く設定する主な理由は「優秀な人材の確保」です。初任給を高く設定することで多くの学生を集め、その中から選りすぐりの優秀な学生を確保することが目的です。

とくに「スキルや能力面が特化した学生が欲しい」という理由から高額初任給を設定し、学生を集めているベンチャー企業やIT業界などに多いです。ベンチャー企業やIT業界は「実力主義」を取り入れていることが多いため、このスキルや能力面を特に重視しているのです。

中には、「大手や有名企業にばかり人が集まってしまう」「創立年数が浅いため名が知られていないから」などといった“宣伝”が目的で、高額初任給により学生を呼び寄せる企業もあります。

高額初任給の仕組み

初任給が高くなる仕組みは2パターン考えられます。まず1つ目は、「優秀な学生のためならお金を惜しまない」としているケースです。スキルや能力面のためなら高いお金を払うのは当然と考えている企業の場合は、高額な初任給設定をしています。

そして他に考えられるのが、「諸手当」が含まれた金額が提示されているケースです。基本的に採用情報などには諸手当が含まれていない「基本給」のみが記載されています。ただ、実際にもらえるのはこの「基本給+諸手当」ということになるため、下記のような仕組みになります。(※諸手当=残業代・住宅手当・通勤手当・資格手当など)

基本給+諸手当

しかし、高額な初任給が設定されている企業はあらかじめ、「基本給+諸手当」を含んだ金額を記載していることになるため、初任給が高く感じるのです。

「基本給」としてその金額が提示されていればいいですが、何も書いていない場合は残業代や各種手当なども含まれた金額の可能性もあるので、しっかり確認しましょう。

「初任給を意識した就活をしたい」と考える学生は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」を利用するのがオススメです。キャリアアドバイザーがじっくり希望を聞いて、あなたが理想とする収入を実現できる求人を紹介します。

初任給が高い企業ランキング

初任給が高い企業ランキング

「優秀な学生の確保」という目的から高額な初任給を設定する企業が近年増え続けています。では実際にどのような企業があるのでしょうか。

ここからはそんな初任給が高い企業をランキング方式で紹介していきます。また、上位企業の特徴なども合わせて記載するので、ぜひ参考にしてみてください。

30万円を超える超高額初任給ランキング

東洋経済ONLINEが2015年に発表した『衝撃!これが「初任給が高い」トップ500社だ』から、初任給が高い企業の中でも30万円を超える超高額初任給を掲げる企業をランキングで紹介します。

順位 企業名 初任給
(万円)
1 日本商業開発 50.0
2 Klab 32.0
3 ドウシシャ 30.2
4 ユナイテッド 30.0
4 楽天 30.0
4 サイボウズ 30.0
4 CYBERDYNE 30.0
4 グリーンランドリゾート 30.0
参照:東洋経済ONLINE『衝撃!これが「初任給が高い」トップ500社だ

ただし、近年は企業が給与設定の見直しをする企業も多いため、初任給を企業選びの基準にするのであれば、最新の情報をチェックする必要があります。

初任給が高い企業の特徴

初任給の高額ランキングに入っている企業は、以下のような企業が多いです。

  • IT業界の企業
  • コンサルティング業界の企業
  • ベンチャー企業
  • 外資系企業

これらの業界・企業に共通しているのは、以下の2点です。

■実力主義を取り入れている

初任給が高い業界・企業には、実力主義を取り入れているという共通点があります。

初任給を高くする理由でも述べたように、高額初任給に設定する企業は優秀な学生の確保が目的で、その中でも「スキルや能力面」を重視している傾向があります。なぜなら学歴よりも戦力となる学生を欲しているからです。

つまり、多くの学生を集め、その中からスキルや能力面を重視したうえで優秀な学生を欲しいと思っている「実力主義」の企業こそが、初任給を高く設定している傾向があるのです。

現に、初任給が高い企業ランキング1位「日本商業開発」の代表取締役社長の松岡哲也氏は、「優秀な人材を求めるならばそれに見合った報酬がないとならない。」と話しているそうです。また、ベンチャー企業などの実力主義の企業は能力が認められれば20代のうちに出世できますし、高収入も夢ではありません。

■採用予定人数が少ない

初任給が高い企業にランクインしている企業の多くは、採用予定人数が少ないといった特徴もあります。全体的な人数が少ないと、新入社員一人ひとりにかける人件費を高くすることができる=初任給を高く提示できるわけです。(一部企業は除く)

もちろん、すべての企業でこのような特徴が当てはまるわけではありません。先ほども述べたように、名が知られていないことから初任給を高く設定し、宣伝している企業もあれば、人の入れ替わりの激しさから高い金額を提示し、人を集めておきたい企業など、理由は様々です。

ですので、「ベンチャーだから」「ITだから」という理由だけで初任給が高いと認識するのではなく、あくまでのこのような傾向があるということを覚えておきましょう。

初任給が高い企業の探し方

初任給が高い企業を志望したいという人は上記の「初任給が高い企業ランキング」を参考にしてみてください。先ほども述べたように「ベンチャーだから」「ITだから」という理由だけで初任給が高いとは限らないため、ランキングを参考にすることがベストな探し方だといえます。

また、他の手段として「就活エージェント」に聞くという方法もあります。就活エージェントなら企業の内部情報まで知っているので、初任給の実態はもちろん、残業時間や有給消化率など面接では聞きにくいような情報も入手可能です。

さらに就活エージェントは、企業探しや面接対策のお手伝いといった内定獲得までのサポートを行ってくれるため、初任給が高い人気企業を狙う上で心強い味方となるでしょう。

キャリチャンでも、就活生のさまざまななこだわり条件に合った求人を紹介できる就活支援サービス「就活相談サポート」を提供しています。初任給の額面だけでなく、詳しい事情も把握したうえで就活生とマッチングするので安心です。

内定獲得のためのサポートも含めて完全無料のサービスなので、気軽に相談してください。

初任給が企業を選ぶ際に注意すべきこと

初任給が企業を選ぶ際に注意すべきこ

実は初任給が高いからといっていいことばかりではありません。高額な初任給だからこそ注意しなくてはならないこともあるのです。

では、具体的にどのようなことを注意しなくてはならないのか。「高額初任給=ブラック企業」と言われる噂とともに解説します。

生涯年収を考える

残念ながら「初任給が高い=生涯年収が高い」という方程式が必ずしも成り立つとは限りません。実際に先ほど紹介したランキングで同率4位に入っていた、4社の平均年収を比較してみましょう。初任給は、ともに30.0万円です。

企業名 平均年収
(万円)
平均年齢
(歳)
ユナイテッド 484 31.7
楽天 652 32.5
CYBERDYNE 551 39.6
グリーンランドリゾート 394 36.3
参照:東洋経済ONLINE『衝撃!これが「初任給が高い」トップ500社だ

上記のとおり、同じ初任給30万円の企業でも、平均年収は大きく異なります。平均年収が異なるということは、当然その先の障害年収も大きく異なるはずです。

しかも平均年齢が他社より高いのに平均年収が低い企業もあるので、将来的には大きな収入の差がつく可能性があります。

ですので、高い金額に飛びつきたく気持ちもわかりますが、初任給だけで判断するのではなく、平均年収や生涯年収などもしっかりと考えたうえで企業選びをしましょう。

ブラック企業か見極める

企業選びの際には、初任給が高いかどうかだけでなく、ブラック企業かどうか見極めることも大切です。

「初任給が高い企業はブラック企業」という噂を、皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。残念ながらこの噂に当てはまる企業が存在することは確かです。

具体的にブラック企業として当てはまる事例は、「見込み残業代が高い」「労働環境が悪く、初任給を高く設定しないと人が集まらない」「なかなか昇給しない」などです。 特に、基本給ではなく「諸手当」が高いとイメージが悪いです。下記の例より、よくあるブラック企業の仕組みを解説していきます。

ブラック企業

通常企業は基本給が高く、諸手当が別に設けられているため、税金などを差し引いた金額にプラスして残業代が給与として支払われます。

しかしブラック企業は基本給が15万と低く、その分諸手当が高いです。この諸手当には通勤や住宅手当なども含まれていますが、金額が高くなる要因は主に「見込み残業代」です。

見込み残業代がすでに含まれているということは、時間外労働をしたり、休日出社をしてもその手当はすでに含まれていることになるため、加算されないということになります。つまり、労働環境として過酷であるということが予想できるのです。

さらに企業が見込んでいた残業時間よりも少なかった場合、その分の見込み残業代を支払わないという悪徳企業も存在します。

このような悪徳企業に入社しないためにも、給与額の内訳、とくに「基本給」をしっかりと確認しましょう。基本給は残業の有無に関係なく、必ず毎月支払われる最低給与額ですので、高ければ高いほど安定した収入が見込めます。

求人を出す企業は多いため、初任給が高い企業を探すのは簡単ではありません。さらにそこから志望を絞るには、情報を正確に読み取り判断する力が必要です。

「ブラック企業がどうか判断がつかない」と悩む就活生は、キャリチャンが無料で開催する就活支援サービス「就活相談サポート」を活用してみてください。プロのキャリアアドバイザーが、あなたの企業選びをしっかりサポートします。

初任給が高い理由をふまえて選ぶことが大切

優秀な学生の確保を目的に、「実力主義」を取り入れている企業が毎年高額な初任給を提示してきています。そしてその数字は年々上昇傾向にあります。

しかし、ただ数字に惹かれているばかりではいけません。しっかりと仕組みを理解していないと入社後「思っていた金額よりもはるかに低い」という事態に陥ってしまうかもしれません。また “ブラック企業”に入社してしまう恐れもあるのです。

ですので、数字だけで企業を決めるのではなく、採用情報に記載されている初任給額は基本給なのか、それとも諸手当が含まれた金額なのか、基本給はどれぐらいなのかなどをしっかりと確認してください。

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この記事の監修者

監修者:平崎泰典

平崎 泰典

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。

主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。

就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。

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