「既卒就活は厳しい」は嘘だった?就活の実態と就職を成功させる秘訣
2020年12月14日
先日は熱心に企業研究をしていましたね。そのあと就活は順調ですか?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
実は「既卒は就活が厳しい」という噂を聞いて、就活へのモチベーションが下がっちゃったんです。大学時代は「卒業後3年以内は新卒扱い」と言われてたのに、卒業してからそんなこと言われてもなぁ……。
噂だけで不安な気持ちになってしまうのはもったいないですよ。既卒の就活が厳しいと思うかは、どの程度の厳しさを想像しているかによります。
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
既卒になった途端に正社員として採用してくれる企業が滅多にないとか、選考が進みにくくなるとかって聞きました。違うんですか?
滅多に正社員になれないというのは言い過ぎですね。今回のコラムでは、「既卒の就活は厳しい」という噂の真相や、就職を成功させる方法について紹介します。実態を把握して、もう一度就活と向き合えるようにしましょう。
キャリアアドバイザー 平崎
目次
そもそも就活における既卒とは
就活において「既卒」とは、最終学歴となる学校を卒業してから、まだ一度も正社員としての職歴がない求職者のことです。在学中から卒業後もずっと就活を続けている就職浪人のほか、卒業後何もしていなかったニートの人たち、アルバイトや派遣社員といった非正規雇用の形で働いていた人も含まれます。
現在在学中で翌年の春新規に卒業する予定の人のことを「新卒」と呼ぶのに対して、既に卒業している人だから「既卒」というわけです。このように求職者を分類する背景には、日本企業のほとんどが卒業直後の4月入社を前提にした、新卒一括採用を主体として採用活動を行ってきたことにあります。
日本企業の採用枠は長らく、卒業前の学生を対象とした新卒採用か、年度の途中で入社する中途採用の2種類だけでした。その分類でいくと既に学校を卒業している人は「新卒」ではないですから、本来は新卒採用の選考対象となりません。
しかし中途採用はたいてい欠員の穴埋めやヘッドハンティングを目的としていることが多く、即戦力となる経験者を求めています。そうすると既に卒業していて正社員経験のない人は新卒にも属さず、かといって中途採用でも有力な対象にならないため、「既卒」と分類して考えられているのです。
また「既卒」と同様新卒でもなく、中途採用でも有力な候補にならない求職者に「第二新卒」と呼ばれる人たちがいます。「第二新卒」は卒業後いったん正社員として就職したものの、3年以内に離職した人のことです。
「第二新卒」も既卒と同じく既に学校を卒業しており、中途採用で求められるような実績はありませんが、短期間でも正社員として働いたことがあるという点で既卒とは分けて考えられています。
「既卒就活は厳しい」は本当なのか?
先程述べた「既卒」の概念からいくと、既卒の人は新卒採用の選考対象とならず、かといって中途採用でも不利という宙ぶらりんな状況です。すると「やっぱり既卒の就活は厳しいという噂は本当なのかな?」と考えますよね。しかし、それだけで判断してしまうのはまだ早いです。
日本は少子高齢化やグローバル化の時代を迎え、企業の採用活動も以前とは変わりつつあります。ここからは「既卒の就活は厳しい」という噂の真相を、実際の就活事情と併せて解説しますので、しっかり押さえておいてください。
既卒就活はいうほど厳しくない!
既卒の就活は楽勝とは言えないものの、噂されているほど厳しいものではないです。既卒になった途端どこにも採用してくれる企業がなく、まさに時代劇に出てくる浪人みたいに厳しい状況になるかのように言う人がいますが、そんなことはありません。
確かに一昔前までは、既卒の概念にもあるように卒業後の未就職者にとって大変厳しい就活環境であり、それが大量のニートや非正規労働者を生み出して社会問題化していました。しかし現代日本はもう、そうした状況ではないです。
近年厚生労働省は若者の非正規雇用問題に対応するため、少なくとも卒業後3年以内は新卒の採用枠で応募可能とするよう、国内の主要経済団体に呼び掛けています。それを受けて既卒者も新卒採用に応募できる企業が増えており、厚生労働省の『労働経済動向調査(令和4年8月)の概況』によれば昨年2021年度に新卒採用を行った企業のうち、およそ7割が既卒も応募可能でした。
それに近年はそもそも少子化に入って若手の労働力が不足していますし、仕事もグローバル化して海外大の卒業生を受け入れる企業も増えている時代です。従来の新卒一括採用と部分的な中途採用だけでは対応しきれず、新卒・中途の枠組みを取り払って採用活動を一本化したり、逆に多様化したりする企業もあります。
そうした状況からここ数年は既卒者も選考に参加できる機会が増え、積極的に既卒を採用する企業も徐々に増えています。ですから、既卒になったら正社員として就職できない=人生終了のように語るのは、間違った噂だといえるでしょう。
それでも不安に感じる人は、下記のコラムを参照してください。
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新卒よりも厳しい状況なのは確か
既卒の就活は噂されているほど厳しいものではありませんが、新卒よりは厳しい状況であるのは確かです。『2022年度 マイナビ既卒者の就職活動に関する調査』および『マイナビ 2023年卒大学生活動実態調査(9月)』によると、9月の時点でマイナビに登録している新卒学生の内定保有率が87.3%だったのに対し、既卒者の内定保有率は44.8%でした。
この数字の違いから見ても「卒業後3年以内は新卒扱い」と言い切ってしまうには程遠く、既卒の就活が新卒に比べて厳しいことが分かります。その理由は、例年より増えてきたとはいえ既卒の採用に前向きな企業がまだまだ少ないことです。
前述のように新卒採用を行う企業のうち既卒も応募可能な企業は7割ほどありますが、同じ調査でそのうち6割の企業が結果的には一人も既卒者を採用しなかったと答えています。
その理由は、新卒に比べて見劣りする既卒者を、わざわざ好んで採用したいと考える企業がないためです。既卒の就活生には履歴書上、何をしていたか分からない空白期間が発生しています。どのような事情があったにせよ売り手市場だった中で新卒として就職せず、卒業後もすぐには就職していない人に対し、就労意欲などの面で企業が懸念を抱くのは当然です。
また学校からそのまま入社してくる新卒であれば社会を知らなくても仕方がありませんが、既に学生ではない既卒のためにわざわざ新人研修を行いたくないという企業もあります。そのように企業の目から見れば、既卒の就活生はもともと募集している新卒学生に比べて既に差がある、スポーツでいえばハンデがあるわけです。
加えて企業側には、既卒者に対し「新卒でどの企業にも内定をもらえなかった人だから、重大な欠点があるかもしれない」という固定概念もあります。そのため既卒者は新卒よりも厳しい目線で審査され、自然と合格しにくくなってしまうのです。
ただし、そのような状況であっても実際に4割以上の既卒者は内定を獲得しています。つまり新卒に比べれば分が悪いだけで、きちんと就活すれば既卒でも内定を得られるチャンスが十分あるわけです。ですから既卒での就活は、全く内定が無理というのでなく、新卒に比べれば厳しいというのが正しい認識だといえるでしょう。
とはいえ、まわりに頼れる人が限られている既卒生は、1人で就活の悩みを抱え込みがち。キャリチャンの就活支援サービス「出遅れ就活サポート」では、そんな既卒の就活を就活のプロであるキャリアアドバイザーがマンツーマンでサポートします。ぜひ活用してください。
既卒就活はやり方次第で厳しい状況にもなりうる
先程も述べたように、既卒の就活は新卒に比べれば厳しい状況ではあるものの、内定を獲得するチャンスは十分にあります。適切なやり方でまじめに就活すれば何の問題ないのですから、既卒だから就活が厳しいのではありません。
しかし自分のやり方次第では、既卒の就活が厳しいものになってしまう場合があります。ここからは既卒の就活を厳しいものにしてしまう原因について解説しますので、やってはいけない悪い例として覚えておいてください。
自分に合った企業を見極めきれず、企業選びを間違える
既卒の人は、自分に合った企業を見極めきれず企業選びを間違えてしまうと、厳しい就活となります。当然のことですが企業は自社の利益に貢献してくれる人材を求めているので、自分にその企業で活躍するための適性がなければ決して内定はもらえません。
つまり自分の適性に合った企業を選ばなければ、いくら選考を受けても内定をもらえることはなく、厳しい就活になってしまうわけです。就活が厳しいものになってしまう既卒者は、自己分析不足や企業研究不足によって自分に合った企業を見極めきれておらず、自分が受かるはずもない企業を選んでしまっています。
これは既卒の就活に限ったことではなく、新卒時に内定がもらえなかったのも同じ原因である可能性が高いです。ただし前述のように既卒は新卒に比べて分が悪いことから、企業はそのマイナス要因を加味しても既卒者に採用する価値があるかどうか、厳しい目でチェックします。
そのため既卒の就活では、新卒にもまして自分に合った企業選びが重要なのです。自己分析や企業研究から、自分に合った企業を探すための適切な就活軸を定められていないと、既卒の就活は厳しいものになってしまいます。
自己分析や自分に合った企業選びについて自信のない人は、下記の資料も参考にしてください。
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新卒時の反省を改善できない
既卒の就活が厳しいものになる原因としては、新卒時の失敗を反省・改善できていないということも大きいです。新卒時に納得のいく企業から内定をもらえなかった原因、あるいは新卒時に就活を行わなかった理由などを反省・改善できていないと、既卒者には厳しい就活となってしまいます。
新卒時に就活していたにも関わらず納得のいく内定をもらえなかったのなら、そうなってしまった原因があるので、それを改善しなければ既卒でも就活が厳しくなるのは当然です。内定がもらえなかった原因が分からないという人は改善のしようがないですから、もちろん厳しい既卒就活になります。
ただしそれ以上に企業が問題視するのは、新卒での自分の失敗と向き合い、そこから学ぼうとしない既卒者の姿勢です。「内定はもらえたけど納得できなかっただけ」「就活より優先したいことがあったから仕方ない」などと、自分には反省点がないと思っているかもしれませんが、それは違います。
以前より可能性が開かれているとはいえ日本では新卒一括採用が主流なわけですから、企業から見れば新卒で就職しなかったことそのものが失敗であり、責任は本人にあると企業は考えるのです。失敗から学べない人は仕事でも同じ失敗を繰り返すと判断されるので、どんな事情であれ新卒での反省点を見つけて改善する姿勢を示せないと、厳しい既卒就活となるでしょう。
新卒での就活状況や、そこからどんなことを学んだかは、面接の中でも聞かれることが多いです。下記のコラムでは、既卒の面接でよくある質問と答え方をまとめてあるので、面接対策の際はそちらも参考にしてください。
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既卒就活でよくある質問5選!面接での答え方と例文を紹介します
自分を満足にアピールできず、熱意を感じられない
適切に自分をアピールできておらず、熱意を伝えきれていないことも、既卒の就活が厳しいものになる原因です。自己分析が不足していると自分の強みを正確に把握できず、企業に対して満足に自分の価値をアピールできません。
「これが自分の強み」だと思っていても、自分が本当にその強みを持っていることを示せる根拠がないと口先だけになってしまい、薄っぺらいアピールしかできないです。また企業研究が不足しても、企業が求めている人物像を把握できていないので見当違いなアピールをしてしまいます。
どれほど素晴らしい強みを持っていようと、その企業が求めている強みでなければ企業にとっては無意味です。くり返しになりますが企業は採用活動において、自社で活躍し利益に貢献できる人材を探しています。
自分の持っている強みと企業の求める強みが一致していると語ってこそ、「自分は御社で活躍できる。だから自分を採用してほしい」という熱意が伝わり、内定へつながるのです。それなのに満足に自分をアピールできなかったり、見当違いなアピールをしたりといった様子では、「それほどうちで働きたいわけじゃないのかな」と疑われてしまうでしょう。
既卒は新卒に比べて分が悪い分、それを補うだけの強い熱意がないと面接官の目に留まらないため、アピール不足で熱意を伝えきれないようでは厳しい就活となってしまいます。自己PRに自信のない人は、下記の対策資料を参考にしてください。
【就活対策資料】
自己PR作成マニュアル
覚悟が足りず、働きたいという気持ちが感じられない
社会人になる覚悟が足りず、「正社員として働きたい」という意欲を示せていないことも、既卒の就活が厳しいものになる原因です。そもそも企業は新卒で就職しなかった既卒者に対し、自立心や責任感、就労意欲などの部分で懸念を持っています。
厳しい言い方をすれば「学校を出たら就職して自活するのが当然なのに、考えが甘いのでは?」「そんな怠けている人に責任を持った仕事ができるのか?」と思われているわけです。ですから既卒の就活生は選考において「甘えず怠けず責任を持って働いていく」「絶対就職して社会人として自立する」という決意を伝えられないと、就活が厳しくなります。
企業がそうした既卒者の覚悟や意欲の度合いを判断するための目安にしているのは、卒業後の空白期間の過ごし方です。既卒の就活生には履歴書上、卒業から選考を受けるまでの間に何をしていたか分からない空白の期間が発生します。
その期間は何をするのか決められているわけではない、自分の自由になる時間です。その時間を社会に出るための準備期間として有効活用できたのか、それともダラダラ怠けて遊んでいただけなのか、既卒者の就職への意識によって空白期間の過ごし方は大きく異なります。そのため既卒の就活では、空白期間の過ごし方とそれをどう伝えるかが重要になってくるのです。
「既卒」の肩書に負けてしまうことがあるのも事実
残念ながら既卒の就活では、「既卒」という経歴上の肩書に負けてしまうことがあるのも否定できません。既卒も応募可能である以上、基本的には「既卒だからNG」という理由で選考に落ちることはないですが、新卒の候補者と比べた時に既卒という経歴がハンデにはなります。
既卒の就活では、その「既卒」という肩書のハンデを上回るだけの魅力を企業に示すことができないと、内定に近づけないのです。ここまで説明してきた原因を発端として、あなたの魅力がハンデの分を上回れなければ「既卒」の肩書に負けてしまい、選考に落ちることになります。
また、その「既卒」という肩書をどの程度のハンデと捉えるかは、個々の企業の判断です。小さなハンデだと考える企業もあれば、非常に大きなマイナス要素だと考え、既卒者に対し厳しい目を向けている企業もあります。
既卒者が応募可能な企業でも、「よほど魅力的な人材なら既卒でもいい」という程度で決して既卒の採用に前向きではなく、書類選考で門前払いされることも珍しくはないです。中には「既卒」という肩書だけで、初めから面接で厳しい応対をして来る企業もあるので、それは覚悟しておいてください。
キャリチャンの就活支援サービス「出遅れ就活サポート」では、既卒を積極的に採用している企業を紹介し、内定獲得のための選考対策をプロのキャリアアドバイザーがサポートします。既卒就活の実態を知って「やっぱり既卒の就活って厳しいのかな」と不安を感じた人は、ぜひ相談してください。
既卒就活の厳しい面を乗り越え正社員で就職を成功させる方法
ここまで失敗談を読むと、少し気持ちが暗くなってしまうかもしれませんね。確かに既卒の就活は新卒に比べれば厳しいですし、やり方次第ではもっと厳しいものになってしまう可能性はあります。
しかし前述のように既卒者の就活事情は改善されてきていますし、内定獲得のチャンスは十分あるわけですから、悲観せず適切なやり方で就活することが大事です。ここからはそんな既卒就活の厳しさを上手に乗り越え、内定を獲得する秘訣について解説しますので、しっかり参考にしてください。
“なぜ既卒なのか”を自分の中で明確にする
既卒就活の厳しさを乗り越え内定を得るためには、具体的に動き始める前にまず「なぜ既卒として就活することになったのか」自分の中で明確にしておくべきです。新卒ではなく既卒の就活生になるのには、人それぞれ必ず理由があります。
新卒時に就活していたにも関わらず内定をもらえなかった人もいますし、内定はもらえたものの納得がいかずあえて既卒になった人、あるいは学生時代まともに就活していなかった人もいるでしょう。ただし明確にしなければならないのは、もっと根本的な原因です。
前述のように企業は新卒で就職しなかったことそのものを失敗と捉え、失敗から学べる人間かどうか厳しく見ていますし、そうでなくても原因を改善しなければ新卒の時と同じことの繰り返しになってしまいます。
ですから既卒の就活で内定を得るには、そうした既卒になった理由の背景にある根本的な原因を突き止め、それに応じた対策をする必要があるのです。新卒時に内定がもらえなかったのなら、内定がもらえなかった原因を探り、改善しなければなりません。
新卒でもらった内定に納得いかなかったなら、企業選びに問題がありますので、就活軸や企業に求める条件を見直してください。在学中まともに就活していなかった場合はほとんどゼロからのスタートになりますから、就活に対する姿勢を改め、これまで以上の行動量が求められます。
就活軸を見直し、自分に合った企業を探す
これまでの就活軸を見直し、自分に合った企業を探すことが、既卒就活の厳しさを乗り越えて内定を獲得するための重要なポイントです。企業は自社で活躍できる人材を求めているので、自分に適性のない企業を受けても内定にはつながりません。
既卒就活が厳しいものになる原因でもお話ししたように、既卒も応募可能な企業は増えているものの、実際既卒の採用に前向きな企業はそれほど多くはないです。加えて既卒は新卒に比べてハンデがあるため、企業はそのマイナス要素を考慮しても採用する価値があるかどうか、既卒の就活生を厳しい目でチェックします。
ですから既卒の就活では、新卒以上に自分に合った企業を選び出すことが大事です。そのためには、自分に合った企業を見分けて選び出すための明確な就活が必要になります。
新卒で就活していた人は既に就活軸を定めていると思いますが、その軸が自分に合った企業を選べるものでなかったからこそ、新卒の就活が成功しなかった可能性が高いです。既に就活軸を定めている既卒者も、もう一度初めから自己分析と業界・企業研究を行って、自分に適性のある企業を選び出せるように就活軸を見直してください。
自分が何をしたいかよりも、自分の強みや人柄を踏まえたうえで、どのような企業でなら自分という人間を活かせるのか考えながら軸を定めることが大切です。
既卒就活での企業探しについては下記のコラムで解説しているので、そちらも参照してください。
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既卒採用企業の探し方|効率的な手段と優良求人の見つけ方を紹介
「働く意欲」と「企業への思い」を示す
既卒就活の厳しさを乗り越えて内定を得るためには、志望動機の中で自分の「働く意欲」と「企業への思い」をしっかりと示さなくてはなりません。前述のように企業は新卒で就職しなかった既卒の就活生全般に対し、「社会人になる覚悟ができておらず、就労意欲が低いのでは?」という懸念を持っています。
加えて既卒は新卒に比べて分が悪い分、それを上回るだけの強い熱意がないと面接官の目に留まらないです。そのため既卒の就活では企業側の懸念を払しょくし、自分の熱意を伝えるために、働く意欲と志望企業への思いを示す必要があります。
その中でも特に重要となるのは、志望企業への思いです。くり返しになりますが、企業は採用活動において自社で活躍できる人材を探していますし、本当に自社で働きたいなら会社のことを詳しく調べているはずだと考えています。
就活生がその企業をよく理解していて「自分は御社が求めている強みを持っていて、仕事でこのように活躍できる」と語ってこそ、採用してほしいという熱い思いが伝わるのです。ですから既卒の就活では企業研究から志望企業への理解を深め、企業が求める人物像を把握したうえで、自分の持つ強みの中から当てはまるものを積極的にアピールしてください。
そのためにも、徹底した自己分析と企業研究が不可欠です。働く意欲については前に述べたように、空白期間の過ごし方から厳しい実社会で働くための心の準備がきちんとできていることを示しましょう。
新卒とは異なる既卒ならではの志望動機の書き方については、下記のコラムで解説しているので、そちらも参照してください。
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積極的にエントリーし、実践で力をつける
あれこれ躊躇していないで積極的にエントリーし、実践を通して力を付けていくのが、既卒就活の厳しさを乗り越えて内定獲得へこぎつけるコツです。前述のように応募可能な企業数に対して、実際既卒の採用に前向きな企業の数はそれほど多くありません。
また既卒というハンデをどの程度マイナスと捉えるかはそれぞれの企業判断ですが、企業の採用情報を見ただけでは分からないので、実際に受けてみるしかないのです。しかし前出のマイナビの調査によれば、既卒の就活生の平均ES提出社数は、現役学生の6割程度しかないことが分かっています。
そんな消極的なことでは、受かるものも受からないでしょう。在学中ほとんど就活しなかった人はもちろん、新卒として就活していた人も、もっと意識的に行動量を増やすべきです。企業によっては応募可能でも既卒の採用に前向きでなく、門前払いを食わされることもあると思いますが、内定率を上げるためにもめげずに積極的にエントリーしてください。
実戦経験を積めば確実に就活力がついていきますし、たとえ本命企業でなくても内定を得られれば自信がついて、別の企業の選考の際にも良い影響を及ぼします。ただし「数うちゃ当たる」的な考えで、むやみやたらに受けるだけでは時間の無駄です。
本命と全く関係ない企業を受けても参考にならないですし、選考に向けてきちんと準備して、実践での反省と学びを繰り返すからこそ就活力の向上につながります。少ない企業数の中からでも自分の就活軸に沿った企業を選び、十分準備をして挑むことが大切です。
1つ1つの質が落ちないように行動する
既卒就活の厳しさを乗り越えて内定を獲得するためには、1つ1つの選考に丁寧に向き合って、就活の質が落ちないように行動する必要があります。先程述べたように既卒の就活では意識的に行動量を増やさなければなりませんが、だからといって準備がおろそかになり、雑な就活をしていたのでは当然選考に受からないです。
既卒の就活で内定を獲得するためには、就活の質が落ちないよう1社1社丁寧に取り組みつつも、行動量を増やすことが求められます。また既卒の就活生は新卒に比べれば受かりにくいことや、時には企業から厳しい対応をされてしまうこともあるため、その分精神的な負荷が大きいです。
けれどもネガティブになったり投げやりになったりしてしまえば、やはり就活の質が落ちてしまいます。ですから既卒の就活生は1つ1つの就活の質が落ちないように、新卒の時よりもなおさらスケジュール管理に注意し、精神的にも肉体的にも健康な状態を保つよう心がけてください。
精神的・肉体的に「疲れたな」と感じた時には、就活を休んでリフレッシュすることも必要になります。予め定期的な休みを就活スケジュールの中に組み込んで、それを目安に就活を頑張るというのも1つの手です。心と体の状態に配慮しながら1つ1つ丁寧に取り組んで、就活の質を落とさないようにしましょう。
プロからのサポートを受けると心強い
既卒の就活ではやり方次第で厳しい状況に追い込まれてしまうことがありますので、就活エージェントなど就活のプロのサポートを受けるのがオススメです。就活エージェントに頼れば、あなたの既卒就活が厳しいものにならないように、プロがきっちり管理してくれます。
直接やり取りをしてよく知っている企業の中から、そもそも既卒の採用に前向きで、あなたの強みに合った企業を厳選して紹介してくれるので、就活に無駄がないです。既卒就活を乗り越えるためのノウハウを教えてもらうことができ、ESや面接の対策を手伝ってくれますから、厳しいと言われる中でも内定がぐっと近づいてきます。
それだけでなく既卒の就活は周りに同じ就活中の仲間がいなくて孤独であるため、ネガティブ思考に陥りやすく、実際の状況以上に「厳しい」と感じてしまいがちです。就活エージェントを味方にしていれば、いつでも悩みや不安を相談できて、精神的にも心強いでしょう。
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就活エージェントの選び方や既卒にオススメの就活エージェントについて知りたい人は、下記のコラムも参照してください。
既卒就活の厳しい面はやり方次第で乗り越えられる!
既卒の就活は噂されているほど厳しいものではありませんが、自分次第で厳しい就活になる可能性はあります。ここ最近は既卒を採用する企業数が増えているとはいえ、新卒に比べれば厳しいことには違いないので、既卒の人は既卒に適した対策をするべきです。
まずは自分が新卒で就職せず既卒となった理由を明らかにし、説明できるようにしておくとともに、根本的な原因である問題点を改善してください。次に自己分析と企業研究を行って一から就活軸を見直し、自分に合った企業を探します。
軸に合う企業を見つけたら積極的にエントリーし、選考では働く意欲や志望企業への熱意を強くアピールしましょう。ただし行動量を増やすことで就活の質が落ちないように気を付けながら、1社1社に丁寧に向き合うことが大切です。
既卒に特化した就活サポートを受けよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。