就活で評価される志望動機とは?ポイントと書き方・答え方を解説

 2019年9月18日

ESや履歴書に書く志望動機をどんな風に書いてますか?自信を持って提出できる状態でしょうか。

キャリアアドバイザー 岡田

就活生 Aさん

自信を持って……と言われると、正直自信ありません。志望動機って、やっぱり重要なんですか?

もちろんです。毎日届くたくさんのESや履歴書の中から選ばれる人は、印象に残る志望動機を書いてます。志望動機は内定にかなりの影響を与えるんですよ。

キャリアアドバイザー 岡田

就活生 Aさん

志望動機、けっこう重要だったんですね。書類選考をなかなか突破できないのは、人事の目に留まらなかったからなのかな。具体的に、どんな志望動機を書いたらいいんでしょうか?

それでは、就活で高評価を得る志望動機の書き方を例文と一緒に紹介します。最後まで読んでもらえて、印象に残るコツを知れば、就活を有利に進められますよ。

キャリアアドバイザー 岡田

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目次

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  1. 志望動機は入社したい気持ちを伝える意思表示
  2. 自分に対する企業からの第一印象を決める
  3. 書類選考の合否を大きく左右する
  4. 面接で述べる内容にも影響する

就活における志望動機の重要性

就活における志望動機の重要性

志望動機は、就活において企業が非常に重視している質問項目です。その証拠に、履歴書でもエントリーシート(ES)でも聞かれますし、面接でも複数回にわたって聞かれます。

多くの企業にエントリーするのに、一社一社の志望動機に注力していられないと考える就活生もいるでしょう。しかし、企業がそれほど注目している質問への回答で手抜きをすれば当然、選考を突破できる可能性は下がってしまいます。

そのような人はまず、就活における志望動機の重要性について理解することから始めましょう。就活において志望動機が重要である具体的な理由は、以下の4つです。

それぞれの理由について解説します。

志望動機は入社したい気持ちを伝える意思表示

就活における志望動機の重要性の1つは、「この企業に入社したい」という気持ちを企業側へ伝える意思表示であることです。

企業が採用選考を行う目的は、来年度から自社で働いてくれる人を確保することにあります。裏を返せば、入社するつもりのない人を選考しても企業にとって無駄であり、選考対象にすらにならないということです。

そのため就活の中で企業は、さまざまな形で「本当に入社したいのか」を確認しようとします。その中でも志望動機は、「入社したい」という想いを最もストレートに感じられる項目なのです。

つまり志望動機から「入社したい」という気持ちが伝わらなければ、「選考する意味がない」と思われ、内定はおろか初期選考の突破も厳しいでしょう。しっかりと熱意が伝わる志望動機になるように、対策する必要があります。

自分に対する企業からの第一印象を決める

就活において志望動機は、自分に対する企業からの第一印象を決定づける重要なものでもあります。

新卒採用の選考を行う際は、まず最初に履歴書やESを提出させて、書類選考を実施する企業が多いです。そして履歴書やESでは、必ずと言っていいほど志望動機を求められます。

それも大抵のフォーマットでは、名前や学歴といった基本情報以外の項目の中で、最初に志望動機を記載するようになっているはずです。つまり志望動機は、基本情報以外で初めて企業側が目にする就活生の言葉となります。

そのため、企業側に対して伝える第一声=志望動機で与えた印象が、あなたの第一印象となるわけです。

志望動機で与えた第一印象は、良くも悪くものちの選考にまで影響します。できるだけ良い印象を与えて、その後の選考を有利にしましょう。

書類選考の合否を大きく左右する

新卒の就活では、志望動機の出来次第で、書類選考を通過できるかどうか左右するといっても過言ではありません。なぜなら新卒採用の募集では、一度に大量の応募書類が送られてくるため、短時間で効率よく合否を判断する必要があるからです。

繰り返しになりますが、志望動機は履歴書にも記入欄がありますし、ESでも最初の方の質問項目になっています。ここで悪印象を与えると、選考の効率を高めるためにその時点で判断を下され、その先に書いた内容には目を通してもらえないまま不合格になる恐れもあるのです。

もし書類選考を通過できないことで悩んでいる場合は、キャリチャンの就活支援サービス「スピード内定サポート」で相談するのがオススメです。志望動機の作成は面接のためにも避けて通れませんが、ES選考のない企業は紹介できます。

それだけでなく、履歴書の志望動機作成や面接対策もプロのキャリアアドバイザーが1対1で手伝うため、高い合格率が期待できます。利用は無料なので、ぜひ活用してください。

面接で述べる内容にも影響する

履歴書やESに記載した志望動機は、面接の内容にも影響します。なぜなら面接は基本的に、履歴書やESの記載内容を元に質問が行われるものだからです。

志望動機は履歴書やESを提出すれば終わりではなく、面接でも必ずといってよいほど聞かれるでしょう。複数回の面接が行われる企業では、そのたびに何度も志望動機を聞かれることすらあります。

また、面接におけるその他の質問も、志望動機を含めた履歴書・ESの内容に基づいて決められることが多いです。たとえば、履歴書・ESの内容を見て興味がわいた点や、もう少し詳しく聞きたいと思った点について深掘りするような質問が行われます。

志望動機も含め、書類に記載した内容と異なる回答を面接で述べると、信ぴょう性を疑われてしまうかもしれません。提出書類の作成段階で面接を想定し、十分完成度を上げておく必要があります。

志望動機を求められる就活シーンによる内容の違い

志望動機を求められる就活シーンによる内容の違い

志望動機は履歴書でもESでも求められますし、面接では一次面接、二次面接…最終面接と面接の各段階で何度も聞かれることがあります。毎回同じ答えでよいのか、どのように答え分けるべきなのか迷う就活生も多いでしょう。

基本的に志望動機は、何度聞かれても毎回同じ主旨の回答をしなければなりません。なぜなら、前に述べたことと異なる話をすると、志望動機の信憑性を疑われるからです。

ただし、志望動機を求められる就活シーンの尺により、答えるべき内容の深さが異なります。

ここでは以下の3つの就活シーンに分けて、尺の違いと盛り込むべき内容の違いを解説します。

志望動機の回答内容を考える際の参考にしてください。

履歴書

履歴書で求められる志望動機は、最も短い内容となります。なぜなら3つの就活シーンのうち、最も尺が少ないからです。使用する履歴書のフォーマットにもよりますが、記入欄の大きさから必然的に100~200字くらいに制限されます。

いろいろ書きたいからといって、文字を小さくするのはNGです。採用担当者に読みにくいと感じさせたら、どんな内容であれ高評価は得られないでしょう。読む人に配慮できないこと自体が、入社後の協調性や仕事ぶりの心配要因となり、マイナス評価の理由になり得ます。

そのため履歴書ではあまり細かいことは書かず、志望動機の要点を端的にまとめて記載しましょう。短い志望動機の作成に苦戦している人は、下記のコラムを参考にしてください。

エントリーシート(ES)

ESで求められる志望動機には、履歴書に記載したものよりもう少し充実させた内容を記載します。ESのフォーマットは企業ごとに異なりますが、300~400字くらいの枠になることが多いです。履歴書に記載した志望動機をそのまま写し取るだけでは、文章が短すぎます。

最低でも用意された枠の8割以上、できれば9割くらいは埋めたいところです。志望動機の欄にあまり空白が多いと、志望度が低いと判断される恐れがあります。

企業によっては枠の大きさだけでなく、「○○字以内で記載ください」「○○字程度で記載ください」などと字数を指定されることもあります。「○○字以内で」と「○○字程度で」では、意味が異なる点にも注意です。

以下に、指定字数の9割以上を埋める場合の目安を記載しておきます。

300字指定 400字指定
○○字以内で 270~300字 360~400字
○○字程度で 285~315字 380~420字

言いたいことがたくさんあって書ききれないときは、ESの中のほかの質問項目と合わせて考えるとよいです。ほかで述べられる部分は簡単にまとめたり割愛したりして、ES全体で志望動機を説明している形にしましょう。

面接

面接の段階では、履歴書やESで記載した主旨をなぞりながらも、もっと詳しく説明しましょう。枠による文章量の制限がないので、最も深い内容を述べられます。

ただし面接の時間は限られているので、しゃべりすぎに注意してください。志望動機にばかり時間をかけ過ぎると、ほかの質問ができなくなってしまいます。

志望動機の回答にかける時間は、1~2分程度が適切です。字数にすると300~600字くらいになります。

一次面接から最終面接まで述べる主旨は同じですが、全く同じ回答というわけでもありません。かけられる時間が異なるうえ、面接官も異なります。面接ごとの特性を理解して、志望動機にかける時間(内容の深さ)を調整しましょう。

面接段階 面接の特性 志望動機
一次面接 グループ面接になることが多い あまり時間をかけ過ぎないよう端的に
二次面接 個人面接でじっくり向き合い、能力や人柄を見極める 時間をかけて深い内容を述べられる
深掘り質問への対策必須
最終面接 内定を出すかどうかの最終判断 入社後の活躍図を充実させて、入社意欲とモチベーションをアピールしたい
※3段階の場合

そのほか、面接での答え方に関するコツについては、下記のコラムを参考にしてください。

また、面接では「貴社」ではなく、「御社」と表現する点に注意が必要です。御社と貴社の使い分けや、金融機関や医療関係施設など「社」で表せない場合の表現方法などについては、下記のコラムで特集しています。

就活における志望動機で企業が見ているポイント

就活における志望動機で企業が見ているポイント

実際に志望動機を作成する前に、まずは企業が見ているポイントについて把握しておく必要があります。企業側がどこに着目しているか知らないと、高評価を得られる志望動機は作成できません。

志望動機で企業が知りたがっているポイントは、以下の5つです。

それぞれのポイントについて解説するので、意図に応えられる志望動機にするための参考にしてください。

企業のどこに魅力を感じているのか

就活で志望動機を聞くのには、自社のどこに魅力を感じているかを確認する意図があります。選考時の内定辞退や入社後のミスマッチを避けるためです。

志望動機とは、文字通りその企業を志望する動機ですから、言い換えれば「なぜ当社を志望しているのですか」と聞かれているのと同じです。しかし以下のような志望の理由だと、内定後や入社後に後悔するかもしれません。

  • 魅力に感じている部分が企業の実情と合っていない
  • 給与や待遇しか見ていない
  • なんとなく志望している

企業が困るのは、内定後・入社後に「思っていたのと違った」といって辞退や早期離職につながり、採用活動が無駄になることです。そのような事態を引き起こさないよう、選考段階で就活生の思い描いている企業像を確認しようとしています。

志望度はどれくらい高いか

志望動機で企業が見ている2つ目のポイントは、志望度の高さです。志望動機は「その企業で働きたい」という想いをダイレクトに伝えるものなので、就活においてその企業への志望度をはかる重要な指標となります。

たとえば、以下のような基準で企業は就活生の志望度を判断します。

  • 深い企業理解に基づいた志望動機を述べているか
  • ゆるぎない根拠に基づいた志望動機を述べているか

志望度が低い人=内定を出しても入社する可能性が低い人を選考するのは、企業にとって無駄な作業と判断されます。志望動機を通して志望度の高さを伝えることは、書類選考を突破する必須条件と言えるでしょう。

企業理解が浅い志望動機や根拠があいまいな志望動機では、志望度の高さを示せません。企業の実情に沿った魅力やキャリアプラン、志望の根拠となる就活軸などを示し、志望度の高さを納得してもらう必要があります。

自社の方向性とマッチしているか

企業は志望動機の内容から、自社の目指すビジョンや理念、社風といった企業の方向性と、就活生とのマッチ度を見ていることもあります。

なぜなら企業が目指す方向と就活生の望む方向が異なると、入社後に周囲とうまく連携できなかったり、仕事に対するモチベーションが維持できなかったりして、結局は早期離職につながる可能性が高いからです。

具体的には、以下のような視点で就活生と自社とのマッチ度をチェックしています。

  • 就活生が目指している働き方や将来像が自社で実現できるか
  • 社風に馴染めそうな価値観・人柄か

同じ業界の同じような規模の企業でも、目指す方向性まで同じとは限りません。きちんと企業研究を行って、自分の価値観やキャリアプランにマッチするかリサーチしましょう。

そうすることが書類選考の通過率を高める対策にもなりますし、就活のうえでも入社後の社会人生活においても相性の良い、自分に合った企業を見極めることにつながります。

入社後に活躍できる資質があるか

就活において企業が志望動機を聞くのには、自社の求める人物像に合致し、入社後に活躍できる資質を持っているか確認する意図もあります。

なぜなら企業はただ優秀なだけでなく、入社後に自社の仕事で活躍できる特定の資質を持った人材を探しているからです。

どんな人にも向き不向きがありますが、それは本人の希望や夢とは必ずしも一致しないこともあります。とくに新卒の場合は実際に仕事をした経験がないため、志望の動機は本人の気持ちに基づいており、向き不向きが考慮されていないことが多いです。

結果として入社してから活躍できず、自分にはその仕事に対する適性がないと気づいて、早期離職につながってしまうことも少なくありません。

そのため企業は志望の根拠として挙げられる内容を見て、自社の仕事で活躍できる資質を持っているか判断します。つまり志望動機の中でその企業の仕事に対する適性を示せれば、高評価につながる可能性が高いと言えるでしょう。

働くうえでのモチベーションは十分か

入社したらモチベーション高く働いてくれそうかどうかも、就活における志望動機で重視されるポイントです。

モチベーションが高い人の方が仕事に対する意欲があり、以下のような効果があると企業は考えています。

  • モチベーションの高さが周りに伝染し、職場の雰囲気をポジティブにする
  • モチベーションの高さが自己成長につながり、活躍が期待できる

新卒の就活生には仕事の実績がなく、基本的にはポテンシャル採用となります。入社後のポテンシャルが高い証拠として、仕事に対する意欲的な姿勢を示すことが大切です。

そのため、志望動機では「入社したらこんなふうに働きたい」という具体的なキャリアプランを語る必要があります。入社後の活躍予想図が具体的であればあるほど、高いモチベーションがあるように見えるはずです。

就活における志望動機の評価を上げる5つのコツ

就活における志望動機の評価を上げる5つのコツ

就活の中で、企業へ自分の思いを伝えるために重要なのが志望動機です。就活の中で行われるさまざまな質問の中でもとくに重要視している企業が多いので、人事の目に留まるような志望動機を書く必要があります。

就活で高評価を得る志望動機を書くために必要なコツは、以下の5つです。

必要なコツを押さえて、高評価を目指しましょう。

自分の中での就活軸が明確であること

志望動機を書く際は、自分の中での就活軸が明確である必要があります。就活軸とは、仕事や企業を選ぶうえで外せない条件のことです。自分が何に価値を感じ、どんな将来を夢見て、就活において何を重要視しているのか言語化したものと考えてよいでしょう。

自分の中での就活軸が確固たる明確なものでないと、志望動機はもちろん、熱意や入社意欲、さらに企業選びすら信ぴょう性の薄いものになってしまいます。その結果、内定後や入社後に「やっぱり別の企業がよかった」などと、気が変わることを企業は恐れているのです。

そのような事態になることは、就活生にとっても貴重な就活の時間を無駄にすることになります。自己分析をしっかりと行い、自分の中での就活軸を明確にしておきましょう。

自分の中での就活軸が明確になれば、おのずと「なぜその企業を志望しているのか」も明確になってきます。そして明確な就活軸に基づいた志望動機を書けば、ゆるぎない志望の本気度が伝わり、高評価につながるわけです。

もし自分の就活軸がうまく定められない場合は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」で相談してみませんか?プロのキャリアアドバイザーがあなたの話を聴いて、就活軸を言語化するのを手伝います。

また、その就活軸にぴったり合った企業も紹介するため、企業探しの手間が省けて一石二鳥です。志望動機の添削も無料で行うので、ぜひ活用してください。

その企業だからこそ志望する理由があること

就活において高評価を勝ち取るには、その一社に対する志望度が伝わるよう、その企業だからこそ志望する理由を志望動機に盛り込むのがオススメです。

しつこいようですが、入社する気のない人を選考しても無駄なので、企業は自社への志望度の高い就活生を求めています。それを測る指標の1つが、その企業への深い理解に基づいた、その一社のためだけの志望動機になっているかどうかです。

就活生の中には、業種や職種に対する熱意ばかりで、その一社に対する想いを記載できていない人も見受けられます。業種や職種への志望動機を記載してはいけないわけではないですが、それだけだとその企業に対する志望度は伝わりません。

そのような志望動機は同業他社のどこにも使いまわしができるため、企業側に「同業他社から内定をもらえたら、そちらを選んでしまうかも」といった不安を与えます。

同じような事業を行っていても、それぞれの企業で違いはあるはずです。以下のような点に着目して情報を集めてみるとよいでしょう。

  • 企業理念
  • 目指すビジョン
  • 業界での立ち位置
  • 働き方

同じ業界の中でも、他社とは異なる独自の魅力・特色に対する思いを盛り込んで、その企業だからこそ志望していることがわかるような志望動機にしましょう。

自分と企業の親和性で差別化すること

就活で高評価を得る志望動機を書くには、自分と企業の親和性を語ることで、他の就活生との差別化を図るのがコツです。

志望動機において企業の特色が魅力だと語ることは大事ですが、企業側が既に知っているその企業の説明を延々とするのは意味がありません。それに、どの就活生も同じことを書いている状態になるため、採用担当者にとってはありきたりで、興味をひかない志望動機になってしまうでしょう。

多数の応募書類の中から自分のものに注目してもらうには、ほかの就活生とは違う独自の志望動機にする必要があります。そのためには、自分に関する情報をたくさん盛り込んで、その企業との親和性を語るのがオススメです。

たとえば、以下のような主張を盛り込むことが考えられます。

  • 自分のキャリアビジョンがその企業でなら実現できる
  • 自分の強みをその企業の仕事でなら活かせる
  • 自分の意見とその企業の理念が一致する
  • 自分の価値観とその企業の社風が一致する
  • 自分の理想とする働き方とその企業の実情が一致する

上記のように、自分と企業の親和性が高いことを志望の理由に挙げれば、オリジナリティのある志望動機になり、他の就活生と差別化できます。よくあるありきたりな志望動機にならず、採用担当者の目に留まりやすくなるはずです。

論理的かつ簡潔でわかりやすい文章であること

就活で志望動機を書く際は、論理的かつ簡潔で、わかりやすい文章にする必要があります。なぜなら、わかりにくい文章だと自分の伝えるべきことが企業側に伝わらないからです。

それに、わかりにくい文章だと読み手の採用担当者にストレスを与えます。採用担当者は短時間に多数の書類を選考する必要があるため、わかりにくいと判断された時点で、その先に目を通すことなく不合格になってしまうかもしれません。

志望動機も含め、書類選考では以下のような資質も見られています。

  • 論理的思考力があるか
  • 文章による意思伝達能力があるか
  • 相手に配慮する姿勢があるか

上記の資質は報告書の作成やビジネス文書の作成、プレゼンなど入社後の仕事に関わる能力でもあるため、選考での評価に影響します。入社後の仕事に支障がないと示せるよう、論理的かつ簡潔で、読み手にとってわかりやすい志望動機を作成しましょう。

実際の文章構成については、あとの『【実践】就活で説得力の増す志望動機の書き方』で説明します。

具体的な説明がありイメージしやすいこと

就活で志望動機を書く際は、できるだけ具体性を持たせて、相手がその内容をイメージできるようにしましょう。

自分の気持ちを言葉で言い表すことは、意外と難しいものです。説明が具体的であればあるほど、相手は内容をイメージしやすくなり、言いたいことが伝わりやすくなります。

志望動機の中で語る志望のきっかけや自分の強み、仕事に対する意気込みといったものを理解してもらいやすくするために、具体的な説明が不可欠なのです。

たとえば、その企業の理念に共感したことを志望の理由に挙げるなら、以下のような説明が必要になるでしょう。

  • 企業理念のどこに、どう共感しているのか
  • それに共感を覚えるのはなぜか
  • 共感を覚える元となっている自分の価値観や経験は何か
  • その価値観や経験はどこで、どのようにして身につけたものか

また、その中で語るエピソードについても、具体的な名称や数値が入っているといっそうイメージしやすくなります。それと同時に、志望動機の信憑性も上がるのでオススメです。

就活で高評価を得る志望動機を書くための下準備

就活で高評価を得る志望動機を書くための下準備

前述のように、就活の志望動機で高評価を得るには「自分の中での就活軸が明確であること」や「その企業だからこそ志望する理由があること」など、5つのコツを押さえた書き方が重要となります。

しかし、コツ自体を理解しても、実際にはうまく志望動機が書けないという就活生もいるのではないでしょうか。実をいうと、それらのコツを押さえた志望動機を書くためには、以下のような4つの下準備が必要なのです。

これらの下準備をしっかりと行えば、自分の中での就活軸やその企業だからこそ志望する理由が自然と明確になってくるはずです。

それぞれのポイントについて解説します。

徹底した自己分析で自分を知る

就活での志望動機を書き始める前に、まずは徹底した自己分析を行い、“自分”についての理解を深める必要があります。なぜなら自分のことをよく知らないと、説得力のある志望動機を書けないからです。

たとえば「貴社の理念に共感した」などと言っても、そもそも自分の価値観を理解できていなければ、なぜ共感を覚えるのか説明できません。そのため、まずは自己分析から自分の価値観や能力、経験などを洗い出して、自分と企業のマッチ度をアピールできる材料を探すことが大切です。

また、自分について理解を深めていけば、自分が企業や仕事を選んでいくうえで、何が譲れないものなのかが見えてきます。自分の中での就活軸についても改めて確認し、志望動機を補強する材料にしましょう。

自己分析の深め方に不安を感じる人は、下記の対策資料を活用してしてください。

企業研究で志望企業の特徴や強みを把握する

徹底的な自己分析を行ったら次は、企業研究で志望企業の特徴や強みを把握しましょう。志望動機の中で自分と企業のマッチ度をアピールするには、深い企業理解が不可欠です。

その企業が手掛けている事業内容のほか、企業理念や目指すビジョン、求める人物像、社風、実際の働き方などを調べて、自分の就活軸とマッチする部分を探してください。それこそが、あなたが今その企業に対して感じている魅力のはずです。

しかし、それらを深く説明するには、ネットや本で調べた情報だけでは足りません。以下のような方法で、志望企業で働く社員の生の声を集めるとよいです。

  • OB/OG訪問
  • インターン
  • 企業説明会

とくにインターンは、社員の声を聴けるだけでなく、実際の職場を見たり仕事を経験できたりするのでオススメです。本当に就活軸に合っているのか確かめ、志望の気持ちをさらに固めるのにも役立つでしょう。

企業側から見ても、インターンを経験したうえで志望している人は企業理解が十分深まっており、ミスマッチが起こりにくいと判断されるので、選考でも有利になります。

業界研究で同業他社と比較をする

志望動機を書く前には、自己分析や企業研究だけでなく、業界研究も行ってください。

なぜなら、企業が属する業界を知ることで置かれている背景がわかり、その企業への理解もいっそう深まるからです。そうすれば志望動機に書く内容が具体的になり、説得力のあるものに仕上げられます。

とくに、その企業の業界での立ち位置や、同業他社との比較を行うことが重要です。同じ業界の中でも条件が似ている企業と比較すると、その企業の特色が浮かび上がり、「その企業だからこそ志望する理由」を見つけるのに役立つでしょう。

また、業界での立ち位置や他社との違いを理解するためには、その業界全体の動向についても知っておく必要があります。まずは業界全体について大まかに把握して、それから志望企業以外の同業他社についても詳しく調べてみましょう。

雇用条件の違いだけでなく、業界のトレンドに対する取り組み方の違いを把握して、志望動機に盛り込めるとなおよいです。

自分と企業が重なる点について考える

自分と企業・業界に関する情報を一通り集めたら、自分と企業が重なる点について考えてみましょう。それが自分と企業の親和性を示す根拠となり、オリジナリティのある志望理由を語ることにつながります。

自分と企業のマッチするポイントがすぐに思いつかない人は、以下のような視点で集めた情報を見直してみるとよいです。

  • 大事にしている価値観
  • やってみたい仕事
  • 叶えたい夢
  • 働きたい環境
  • やりがいを感じる働き方
  • 活かしたいスキル
  • 将来のキャリアビジョン

自分と企業が重なる部分を志望動機の主旨に盛り込めば、志望の信憑性が高まりますし、入社後の活躍もアピールしやすいでしょう。

もし、ここまでやっても自分と志望企業の親和性が見当たらない場合は、そもそも企業選びの方向性が間違っているかもしれません。

そういう場合は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」に参加してみるのがオススメです。プロのキャリアアドバイザーがあなたの希望や資質をヒアリングし、就活軸を明確にしたうえで、もっと親和性の高い企業を紹介します。

また、選考対策も1 on 1で支援するので安心です。利用は完全無料なので、ぜひ活用してください。

【実践】就活で説得力の増す志望動機の書き方

【実践】就活で説得力の増す志望動機の書き方

志望動機を書くための準備をしたら次は、実際に志望動機を書いていきましょう。

就活で高い評価を得るような説得力のある志望動機を書くには、PREP法という文章構成を応用するとよいでしょう。

PREP法は論理的かつ簡潔に、わかりやすい説明をおこなえるため、プレゼンなどでよく用いられる構成です。具体的には、以下のような順番で主張を展開します。

最初に自分の主張を結論として宣言し、その理由を具体例とともに説明するのがPREP法の特徴です。これを就活の志望動機の構成に当てはめると、以下のような4ステップで述べていくことになります。

順番 PREP法 志望動機
1 Point(結論) 企業のどこに魅力を感じたのか述べる
2 Reason(理由) 企業の魅力と自分を結び付ける
3 Example(具体例) 具体的な事例をあげて根拠を掘り下げる
4 Point(結論) 入社後どのように活躍したいか述べる

ここでは具体的な手順と共に、人事の目に留まるような志望動機の書き方を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

Step 1:企業のどこに魅力を感じたのか述べる

志望動機の書き出しではまず、その企業を志望した理由として、企業のどこに魅力を感じたのかを述べます。

志望動機は「なぜ当社を志望したのですか」と聞かれているのと同じなので、その質問に対する答えに当たる部分が、真っ先に伝えるべき内容です。質問に対する回答が後回しになると、回りくどい印象を与える恐れがあるため注意しましょう。

具体的な書き出しは以下のように、シンプルかつ端的な表現がオススメです。

「私が貴社を志望した理由は、〇〇に魅力を感じたからです。」

書き出しの一文が長くなると、何が言いたいのか伝わりにくくなりますし、回りくどい印象を与えます。PREP法の最初のPは質問に対するダイレクトな回答であり、これから述べる内容を宣言するものなので、端的でわかりやすい方がよいです。

その方がインパクトもあり、採用担当者の印象にも残りやすいでしょう。ただし、「企業のどこに魅力を感じたのか」を具体的に述べないと思いは伝わりません。短い言葉の中にも“その企業だからこその魅力”をしっかりと述べられるようにしましょう。

Step 2:企業の魅力と自分を結び付ける

就活の志望動機では、企業のどこに魅力を感じているのか述べたら次に、企業の魅力と自分を結び付け、なぜ自分にとってそれが魅力に感じるのか根拠を示します。

口先だけなら何とでも言えるので、ただ魅力を感じたと述べるだけでは信ぴょう性が薄いです。以下のような自分に関する情報をあげて、企業の魅力と自分を結び付け、それが自分にとって魅力的である理由を説明してください。

  • 志望のきっかけになったエピソード
  • 自分の価値観
  • 強み
  • 経験
  • 就活軸
  • 目指す将来像

これはPREP法の「R(理由)」に当たる部分です。詳細はこのあとで説明するので、これから述べる内容を端的にまとめた形にするとよいでしょう。

Step 3:具体的な事例をあげて根拠を掘り下げる

就活の志望動機では、企業の魅力と自分を結び付けたら次に、先に挙げた志望のきっかけや自分の価値観・強み・経験・就活軸・目指す将来像などを具体的に説明します。

これはPREP法の「E(事例)」に当たる部分です。志望の概要だけでは言いたいことが伝わりにくいため、具体的な事例をあげることによって、企業と自分の親和性を強調します。

企業は自社と就活生のマッチ度を重視するので、それを示せるような具体的な話を盛り込みましょう。

話の中に出てくる物事も、できるだけ具体的な名称や数値を入れられるとよいです。具体的であればあるほど信ぴょう性が出ますし、企業も学生の人柄を理解しやすくなります。

Step 4:入社後どのように活躍したいか述べる

就活の志望動機では、最後の締めくくり方として「入社後どのように活躍したいか」を述べます。PREP法の2度目の「P(結論)」に当たる部分です。

最初の結論と同じことを述べても間違いではありませんが、短い文章の中で全く同じ言葉を繰り返すのも芸がありません。「なぜその企業を志望するのか」という質問に対する回答を、最初の結論とは異なる形で言い換える必要があります。

その言い換えに適しているのが、「入社後どのように活躍したいか」というキャリアビジョンです。入社後の抱負を語れば、その企業に対する志望の本気度を示せるだけでなく、仕事に対するモチベーションの高さも示せるでしょう。

企業は就活生の志望動機から、「志望度はどれくらいか」「仕事に必要なモチベーションはあるか」「企業に貢献できるポテンシャルはあるか」などとチェックしています。

ですから、入社したらどう活躍したいのか、自分の強みや経験は具体的にどう活かしていけるのかなどを考え、企業が求めるものを持っているとアピールできる締めくくり方にしましょう。

【例文】新卒の就活で参考にしたい志望動機

【例文】新卒の就活で参考にしたい志望動機

ここまでは就活における志望動機の書き方について説明してきました。しかし理論だけだと、自分の志望動機にどう落とし込めばよいのかわからない人もいるでしょう。

そこでここでは、企業に感じた魅力ごとに、以下の5つの例文を紹介します。

いずれもESでの回答を前提に、400字指定を想定した例文にしました。履歴書や面接では内容量が違ってくるため、『志望動機を求められる就活シーンによる内容の違い』で説明しています。

また、ここで紹介する以外にも、さまざまな魅力を持った企業がたくさんあるはずです。ここに当てはまる例文がない場合は、下記のコラムを参照してください。

商品やサービスに魅力を感じた場合の例文

【例文】

私が貴社を志望した理由は、貴社が快適なスポーツウェアを手ごろな価格で提供するユーザーの味方だからです。スポーツウェアは単に過酷な運動環境から身を守るだけでなく、運動する楽しみをサポートするものでもあると私は考えます。

私は高校時代から部活動で登山ウェアを使用しておりましたが、運動性を妨げず、蒸れにくいレインウェアは高額で手が出ませんでした。そのため以前は、動きにくくて蒸し暑く、ガサガサと不快な音のするウェアに悩まされ、雨が降るたびに部活動が憂鬱に感じていたのです。

それが、貴社の商品と出会ったことで雨の日の山行も楽しめるようになり、先の天候が読めない数日間に及ぶ縦走も実行できるようになりました。

私の強みは情報の発信力ですので、入社後はぜひ広報やマーケティング戦略に携わり、貴社の商品を利用したスポーツの楽しみ方を広く伝えていきたいと考えております。

上記の例文は、スポーツウェアを製造・販売する衣料品メーカーを例にして志望動機を作成しました。志望先の商品に出会うまでの悩みが具体的に説明されており、なぜ魅力に感じているのかイメージしやすいところが高評価となるでしょう。

面接では志望動機の信ぴょう性を確かめるために、具体的な商品名を聞かれたり、部活動の活動状況について深掘りされたり、強みとして挙げた情報発信力を発揮した事例を聞かれたりすることが予想されます。きちんと説明できるようにしておきましょう。

社風や企業理念に魅力を感じた場合の例文

【例文】

私が貴社を志望する理由は、医療用薬品事業でもトップクラスのシェアを持ちながら○○○○という理念を掲げ、セルフメディケーション事業に注力していることに魅力を感じたからです。

私はコロナの流行以来、いずれは病院での治療よりも、セルフメディケーションが重視される時代になるだろうと考えております。

私の母は糖尿病なのですが、パンデミック時も院内感染のリスクを承知の上で通院しなければならず、私たち家族も大変不安な思いをしました。医師による治療が必要な状態になる前にOTC医薬品を利用できていたら、そのような苦労はせずに済んだかもしれません。

もし貴社にご採用いただけたら、私もぜひセルフメディケーション事業に携わりたいです。そして貴社のOTC医薬品や健康食品を、医師の治療を要する状態になる前に予防する手段として広めることに貢献していきたいと考えております。

上の例文は、製薬会社を想定した志望動機になっています。なぜその企業の理念に共感できるのか、具体的な説明があるのが就活における高評価のポイントです。

字数制限に合わせるために省略しましたが、面接では入社後どのように活躍するつもりなのか、自分の強みも合わせて具体的に説明できるとなおよいです。ESには自己PRなど他の質問項目もあるはずなので、そちらと合わせてキャリアプランを語るようにするとよいでしょう。

メーカー向けの志望動機の書き方や例文を見てみたい人は、下記のコラムと対策資料を参照してください。

仕事内容に魅力を感じた場合の例文

【例文】

私が貴社を志望する理由は、鉄道という身近な乗り物で市内に点在する観光資源や宿泊拠点を不自由なく移動可能にし、地方経済の発展に寄与する仕事に魅力を感じたためです。

私も地元○○市の生まれですので、観光資源を活用し、地域経済を発展させたいと願っています。しかし雪の多いこの地域を繰り返し訪れたい旅先だと思ってもらうには、雪の風情を楽しむ余裕があるくらい、移動手段の利便性と安全性が不可欠です。

私は上京して都心の大学に通っていますが、少し雪が降るだけで交通機関が麻痺し、移動困難になってしまうことに驚きました。そのことで初めて高校時代まで利用していた貴社の路線が、地元のみならず観光の足としても、いかに優れた輸送機関であるか気づかされたのです。

ご採用いただけたら都会での生活も経験したからこそ培われた視点を活かし、地元民にとっても観光客にとっても利用しやすい鉄道の運営に貢献していきたいと考えております。

上記の例文は、地方の鉄道会社を想定した志望動機となっています。自分の経験に基づいて、独自の志望理由を述べられているところが高評価となるでしょう。

面接では、都会の交通機関に対して感じたことや、都会で生活する人から見た志望企業の良い点・悪い点といったことを深掘りされるかもしれません。自分の中での考えをまとめておきましょう。

志望職種に関する志望動機の書き方を知りたい人は、下記のコラムも参考にしてください。

人事・教育制度に魅力を感じた場合の例文

【例文】

私が貴社を志望する理由は、若手社員の教育やキャリア開発に力を入れており、多彩なキャリアパスが開かれている点に魅力を感じたためです。

私は大学で学んだ金融の知識を活かせることを就活の軸とし、近年需要の高まっているキャッシュレス決済への興味から、クレジットカード業界を志望しております。しかし入社後のキャリアパスについては、実際に業務を経験する中でじっくり検討したいと考えていたのです。

貴社では選択型の研修制度のほか、ジョブローテーションを行うことでさまざまな職務を経験でき、公募により自らのキャリアパスを選択する機会が設けられていると伺い、まさに私が求めていた職場環境だと感じました。

私はこれまでもさまざまな習い事に挑戦し、学びながら自分の適性を見極めてきました。入社後も貴社の制度を活用して積極的に自己成長を図りながら、最も私自身を活かせる職務を見つけて、貴社の成長に貢献していきたいと考えております。

上記の例文は、クレジットカード業界の企業を想定した志望動機になっています。就活の軸とその企業に感じた魅力が具体的に盛り込まれていることで、志望の根拠が明確になっていることが好印象となるでしょう。

面接では、志望動機の中に出てくる金融の知識や習い事について深掘りされる可能性が高いです。何をどのように学んできたか説明できるように、整理しておく必要があります。すでに取得した資格があれば、自発的に学べる裏付けとなるので、ぜひ記載しておきましょう。

そこで働く社員に魅力を感じた場合の例文

【例文】

私が貴社を志望した理由は、貴社のシステムセキュリティ部門で責任者を務めていらっしゃる○○さんのようなエンジニアになりたいと思ったためです。

私は○○さんと同じ大学で学んでいるため、卒業生として講演してくださる機会がありました。大学2年の秋ごろです。そこでシステムセキュリティの重要性やサイバー攻撃のトレンドなどについて熱く語っておられ、大変感銘を受けました。

おっしゃる通りこれからはシステムセキュリティに特化したエンジニアの需要がますます高まると感じ、その仕事に興味をそそられたのです。それまで私は漠然とシステムエンジニアを希望していましたが、講演後に自分でも勉強を始め、セキュリティエンジニアを目指すことに決めました。

貴社では○○さん以外にも多数のセキュリティエンジニアがおられ、対策に力を入れていると聞いております。入社後は私もぜひ対策チームの一員となり、セキュリティ強化に貢献していきたいです。

上記はIT系企業のエンジニア職を想定した志望動機となっています。社員全般に対する漠然としたイメージではなく、具体的な情報が盛り込まれ、信ぴょう性の高い志望動機になっているところが評価されるでしょう。

面接では、目指すエンジニアになるためにどのような勉強をしているか深掘りされる可能性があります。あらかじめ、履歴書の資格欄やESのガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などに記載し、一貫性を持たせられるとなおよいです。

新卒就活の志望動機でよくある間違い

新卒就活の志望動機でよくある間違い

新卒の学生は就活そのものが初めてなので、志望動機の書き方に慣れておらず、企業の評価を得にくい間違いをしてしまうことがあります。

新卒の就活生がやりがちな志望動機の間違いは以下の3つです。

上記のような志望動機がなぜ評価につながらないのか説明するので、よりよい志望動機を書くために理解しておきましょう。

勤務地や条件面を魅力として書くのはNG

就活における志望動機で、企業の魅力として「家から近いから」「残業がないから」「手当がたくさんつくから」といった、勤務地や条件面を語るのはNGです。

条件面を魅力として語ってしまうと、「その条件さえ満たせばうちじゃなくてもいいのでは?」と思われてしまいます。企業そのものではなく「企業の条件面に惹かれた」と解釈され、熱意があるとは見なされません。

前述のように新卒採用において企業は、自社に対する志望度や仕事に対するモチベーションを重視します。条件面の話に終始し、熱意がないと判断されれば、内定は遠のいてしまうでしょう。

条件面も志望した理由の1つだったとしても、それらを企業の魅力として語るのは控えた方が賢明です。働き方や企業方針など、別の部分を魅力として語るようにしましょう。

どの企業にでも使いまわしできる抽象的な内容はNG

就活で提出する志望動機として、どこの企業にでも使いまわしができるような、抽象的な内容はNGです。先ほどの条件面もそうですが、具体性のない志望動機も熱意を感じられません。

たとえば、「人との関わりを大事にしている」という社風に魅力を感じた場合、具体的にどう人と関わり、どのように大事にしている点が自分にとって魅力的なのか述べ、自分と企業の親和性について説明する必要があります。

そうでないと、「人との関わりを大事にしている企業ならどこでもいい」と思われ、評価されることはないでしょう。

“その企業だから選んだ”という思いを伝えないと、内定を出しても辞退する可能性が高いと判断され、選考対象から外されてしまいます。企業研究や同業他社との比較から、具体的にどう魅力を感じたのかを考えることが大切です。

誰かのコピーと思われるありきたりな内容はNG

就活で提出する志望動機として、誰かのコピーと思われるような、ありきたりな内容はNGです。

就活生は書き方に自信がないために、例文や他人が作成した志望動機を参考にするあまり、ほとんどコピーのような内容になってしまうことがあります。しかし同じような志望動機を提出する就活生が多いため、独自性のないありきたりな内容だと、採用担当者の興味をひきません。

採用担当者の興味をひかないということは、「直接話を聴いてみたいな」と思ってもらえず、面接にたどりつかない可能性が高いということです。

そのような事態を避けるには、自分なりの考えや経験談などを盛り込み、オリジナリティを出す必要があります。自己分析をしっかり行って、自分に関する情報をベースにした志望動機にしましょう。

就活における志望動機の書き方で守るべきマナー

就活における志望動機の書き方で守るべきマナー

志望動機は面接でも述べますが、その前にまずは履歴書やESで記載する必要があります。志望動機を履歴書やESに記載する際には、以下の4つのマナーを守りましょう。

いくら志望動機の内容がよくても、マナーが守れていないと悪印象を与えてしまうことがあります。書類選考を突破するために、しっかり確認しておいてください。

文字の読みやすさに配慮する

志望動機も含め、就活で履歴書やESを提出する際は、文字の読みやすさに配慮する必要があります。記載する文字の大きさや書体に気を配りましょう。

その理由は、以下の3つです。

  • 採用担当者にストレスを与え、最後まで読んでもらえない可能性がある
  • 相手の立場に立って考えられない人だと思われ、入社後の働き方に不安を感じさせる
  • 志望度が低いと判断される

いろいろ書きたいからと言って文字を小さくしたり、急いでいるからと言って雑な字で記載したりすれば、相手にとって読みにくい書類になってしまいます。そのような状況だと上記のような理由から、書類選考を通過できないでしょう。

とくに手書きによる書類には自信がない就活生もいると思いますが、「相手にとって読みやすい字を記載する」という意識が大切です。たとえ書道家のような美しい文字が書けなくても、読みやすさに配慮し、丁寧に記載されていれば、あなたの思いは必ず伝わります。

言葉遣いは統一する

履歴書やESなど、就活の上で提出書類に記載する言葉遣いは統一しましょう。提出書類に記載する志望動機は、「です・ます」調で書いても「だ・である」調で書いても問題ありません。しかし、1つの書類の中で異なる言葉遣いが混在するのはNGです。

「です・ます」調で記載する場合と「だ・である」調で記載する場合では、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
です・ます調 丁寧な印象を与える 文章が長くなる
だ・である調 多くの情報を盛り込みやすい 冷たい印象を与える

どちらを使うかは、盛り込む情報量や与えたい印象を考えて決めるとよいでしょう。

誤字脱字は厳禁

就活で提出する履歴書やESの志望動機において、誤字脱字は厳禁です。

採用担当者は「志望度が高ければ失礼にならないようよく確認するはず」と考えています。志望動機の中に誤字脱字があると、以下のような印象を与える可能性が高いです。

  • 志望度が低いから手抜きをしている
  • 不注意な人物だから仕事を任せられない

手書きの場合、書き損じの修正はNGです。間違えに気づいたら、新しい用紙で初めから書き直す必要があります。

パソコンで作成する際はそのような心配がないですが、手書きに比べ誤字脱字を起こしやすいです。変換ミスやタイピングミスに注意してください。

いずれにしても、書き上げたら必ず何度も見直して、誤字脱字がないかよく確認しましょう。

第三者の添削を受けるのがオススメ

志望動機を書きあげたら、第三者による「添削」を受けるのがオススメです。自分で見直すのももちろんですが、セルフチェックだけでは誤字脱字や表現の間違いなどに気づけないことがあります。

また、セルフチェックだけでは、熱意が伝わる文章かどうか判断が難しいです。書いた本人は何が言いたいか知っているため、それを読んで主旨がわかりやすいかどうか判断できません。自分以外の第三者による客観的な判断をあおぐ必要があります。

そのため、志望動機を書き終えたら大学の教授や親、OB/OGや先輩など、客観的にあなたの文章をチェックしてくれる第三者に添削をお願いしましょう。

その中でもとくにオススメなのは、就活エージェントによる添削です。就活エージェントは就活のノウハウに詳しいので、それぞれの業界や企業に特化したアドバイスをしてくれます。就活全般のサポートを行ってくれるため、心強い味方になるはずです。

キャリチャンでも、志望動機の添削も含めた就活全般のサポートを行う無料サービス「就活相談サポート」を開催しています。あなたと親和性の高い企業を紹介し、あなたの魅力を最大限にアピールする対策をお手伝いするサービスです。ぜひ参加してみてください。

就活で志望動機が書けないときの対処法

就活で志望動機が書けないときの対処法

ここまで志望動機の書き方について説明してきましたが、それを読んでも、志望動機が書けないと悩む就活生もいるかもしれません。

書き方が理解できているのに志望動機がうまく書けない原因は、いくつか考えられます。

状況 原因
なぜ志望したのかわからない 自己理解や企業・業界への理解が足りない
その企業独自の魅力がわからない
企業の魅力と自分を結び付けられない
入社後のビジョンが語れない
自分の思いを言語化できない 文章の書き方に関する対策が足りない
文字数の調整がうまくいかない

上記のように、志望動機が書けない人には大きく分けて、自己理解や企業・業界への理解が足りない場合と、文章の書き方に関する対策が足りない場合の2種類のタイプがあります。

ここでは上記の2タイプに分けて、それぞれの対処法について解説します。もっと詳しく知りたい人は、下記のコラムを参照してください。

自己理解や企業・業界への理解が足りない

自己理解や企業・業界への理解が足りないために志望動機が書けない人は、自己分析や企業・業界研究をやり直しましょう。自分ではきちんと理解しているつもりでも、上記のような状態になっているということは、自己理解や企業・業界理解が足りてない可能性が高いです。

一通りはすでに分析や研究を済ませているはずなので、今までとは別の角度から分析・研究するのがオススメです。自己分析の方法も企業・業界研究の方法も1つきりではありません。まだやったことのない方法を試してみましょう。

そうすれば今まで見えていなかった情報が増え、志望動機が浮かんでくる可能性があります。そのうえで情報を整理し、あらためて自分の就活軸と照らし合わせてみるとよいでしょう。

自己分析や企業・業界研究の詳しいやり方については、下記のコラムを参考にしてください。

文章の書き方に関する対策が足りない

履歴書やESなどの文章の書き方に関する対策が足りないために志望動機が書けない人は、もう一度このコラムをよく読んで、何度も練習しましょう。

何事にも慣れが必要です。練習もなしに、論理的かつ簡潔でわかりやすい志望動機をかける人はいません。書き方を理解したら、例文を参考にしながら自分の状況と志望企業に当てはめて実際に志望動機を書き、満足のいく文章を作成できるようになるまで練習する必要があります。

とはいえ前述のように、自分で書いた文章が説得力あるものになっているか、どこが良くないのか、自分で判断するのは難しいものです。志望動機の書き方や内容に自信の持てない人には、就活エージェントのような就活のプロに添削を依頼し、徐々にブラッシュアップを図っていくことをオススメします。

キャリチャンでは、就活における書類の作成に強くなれる無料のオンラインセミナー「履歴書・ES書き方WEBセミナー」を開催しています。書類作成のセオリーやノウハウを学べるチャンスなので、ぜひ活用してください。

志望動機は就活の成否を左右する

志望動機は「入社したい」という気持ちをストレートに伝えるものです。就活生の思いを伝えるのに最も重要な部分であり、企業側も志望動機を重要視しています。

大量に送られてくるESの中から人事の目に留まるような志望動機を書くためにも、しっかりと事前準備などを行い、書き方も練習しましょう。

また、志望動機を書き終えたら第三者に添削をお願いすることをオススメします。セルフチェックだけではミスを見逃しやすく、“相手に熱意が伝わる文章かどうか“も判断がつきません。

大学のキャリアセンターや就活エージェントなど、就活のプロに頼ると心強いので、ぜひ利用してみてください。

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この記事の監修者

監修者:岡田章吾

岡田 章吾

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。

就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。

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