【21卒7月の就活事情まとめ】就活を続ける学生の実態と動き出す22卒
2022年3月25日
落ち着く気配のない新型コロナウイルス。むしろ都内では新規感染者数も増えてきていることから、就活においても様々な影響を受けている。
コロナ禍の7月就活はこれまでに受けていた影響と合わせ、特に変化の大きい月となった。実際に夏採用に挑む就活生も身にしみて感じていることだろう。
中にはすでに「秋採用まで続ける覚悟」という学生もいるなど、思うように就活ができていない学生が多く目立つ。実際に7月の内定率は4年ぶりに8割を下回ったそうだ。
このように、本来であれば多くの学生が内定を所持し、就活を終えるための準備をしているはずなのに7月の様子から大波乱なのが予想できるだろう。
では具体的に7月の就活ではどんな変化が起きていたのか。
このコラムでは21卒7月の就活事情についてニュースをまとめることで詳しくひも解いている。これを読めば全体の流れがつかめるし、これからの就活に備えることができるだろう。
目次
【7/5】「インターン組」と「出遅れ組」の格差
「体育会学生は就活で有利」誰もが一度は聞いたことのあるこの言葉。実際に新卒市場において人気が高いのは確かだが、“ただの体育会学生”ではいけないことを知っているだろうか。また、インターン組が体育会学生と同じほどの価値があることも知らない学生は多いだろう。
「部活」だけでは就活として武器にならない
Yahoo!ニュースで先日、「インターン組と出遅れ組の格差」についての記事を掲載した。その記事には、就活早々からインターンに取り組んでいた学生の内定率の高さと、部活に専念していた学生の出遅れ問題についてまとめられている。(出典:コロナで売り手市場から一変 就活は長期化、インターン組と出遅れ組の格差社会へ【#コロナとどう暮らす】)
就活市場においての人気の高い体育学生。この記事に登場するA君も野球部に所属し、部活を頑張っていた。そんなA君はインターンシップやセミナーが開催していることは知っていたものの、部活の忙しさと“先輩からの話”によってこれらには参加しなかったそうだ。
その先輩は、『就活なんて楽勝。お前らもまずは部活をしっかりやれ。就活なんて情報解禁後でも間に合う』と述べた。実際にその先輩は4年4月から就活をはじめ、野球部としての活動が認められ、地元銀行から内定をもらっていたのだ。
しかしA君には内定がない。新卒市場において人気の高い体育学生で、かつ先輩が実際に部活を頑張ったことで内定をもらえているのに、なぜA君には内定がないのか。
部活をしていても格差が生まれる理由とは
A君は「インターンに参加していたゼミの同期は全員、内々定を貰って、もう就活を終えています。僕だけがまだ内々定を貰っていません。それどころか、どこを受ければいいかもよくわからず、空回りしています」と述べた。
当然、部活をせずにインターンに力を入れていれば内々定が早く手に入る可能性が高いだろう。しかし、部活をしていても先輩のように内定をもらえる人もいる。
そんな、内定がもらえる人ともらえない人との差はつまり、“いかに就活と関われるか”だ。確かに新卒市場において体育会学生は価値が高いが、ただ部活だけを極めても今後の社会人とての期待は持てない。
つまり、体育会学生という肩書をいかに武器として使うかは、就活力をどれほど高められられるかによって変わってくるということだ。そしてそんな就活力を高めるのに最適なのが「インターンシップ」というわけだ。
しかし、正直部活とインターンとの両立は大変だ。いくらインターンに参加したいと思ってもできないという人もいるだろう。ここでどうして、部活によってインターンに参加できなかった人が“出遅れ組”として部類分けされ、格差が生まれてしまうのだ。
体育会学生も長期化によってまだまだチャンスはある
部活を終えるころには既に本格的な夏を迎えている。就活でいえば夏は就活中盤。多くの学生が内定をゲットし、採用活動を終える企業も少なくない。つまり、何も就活に手が付けられないまま夏や秋から就活を行うのはかなり出遅れていることになる。
実際にA君のように周りに遅れを感じ、内々定すら手元にないことで焦っている人もいるだろう。しかし心配はいらない。今年の就活は新型コロナウイルスによって長期化されていることから、出遅れている学生にもまだまだチャンスがあるというのだ。
ただ、出遅れているということはインターンに参加している学生と就活力とに差があることや、すでに採用活動を終えている企業も少なからずあることを自覚しておかなくてはならない。
いくら長期化しているからといっても出遅れている以上は、万全な対策が必要だ。追いつくための下準備はもちろん、大学のキャリアセンターや就活エージェントなどのプロの手を借りることも効果的。
「部活経験が武器になるから」「部活をやっていれば就活も余裕でしょ」という考えが本当になるかどうかはこれからの行動次第。体育会学生という肩書を存分に使いたいのであれば、プロの手も借りて出遅れ挽回を狙おう。
弊社においても出遅れた学生をサポートするためのイベント「出遅れ就活サポート」 を開催している。インターンに参加できなかった学生も、インターン組との格差を一瞬で埋めることのできるイベントだ。ぜひ参加してみてほしい。
【7/6】4年ぶりに7月の内定率が8割を下回る
もともと就活ルール廃止やオリンピック開催から「オリンピック開催前に採用活動を終えたい」と考えた企業が多いことから就活が早期化されており、5月時点の内定率は例年を超えていた。しかし7月に入り、内定率が例年を下回った。ついに新型コロナによる影響が数字によって表されたのだ。
H3 4年ぶりの下落「7月の内定率77.7%」
先日ディスコ社が7月の内定率を発表。その発表から4年ぶりに7月の内定率が8割を切ったことがわかった。ちなみに2か月前の5月は例年以上の内定率だった。その理由は「就活ルール」の廃止や、オリンピック開催だ。
経団連によって定められていた就活ルールは21卒から廃止となった。その結果、縛られたスケジュールがなくなったことで多くの企業が早期から動き出したのだ。また、オリンピック開催に合わせて、「オリンピックが開幕される前には採用活動を終えていたい」と考える企業も多く、夏前に採用活動を終えるように動いてきた企業などが早々に内定を出し終えていたことで、5月までの内定率は高かったのだ。
しかし実際は新型コロナウイルスによってオリンピックは延期、さらには緊急事態宣言によって思うように就活ができなくなってしまったことで、「一時停止」状態となったのだ。
そしてそんなツケが今となってきたというわけだ。緊急事態宣言が解除され、少しずつ採用活動が復活してきたものの、減ることのない感染者数に対して、これまでのように活動ができていない企業も多く、その結果内定を出すのに時間がかかっているのだ。
しかし内定を持っていないのはただ単に採用活動が活発されていないことだけが理由ではないようだ。
例年とは違った内定の有無による事情
行動が制限されたことによって企業側が採用活動を一時停止していたことが内定率を下げた要因ではあるが、それだけではないようだ。
上記のアンケート結果を見てみると「本命の企業がまだ選考中」「自分と合っているかわからない」が上位を占めた。この2つはまさに新型コロナウイルスによる影響だ。
新型コロナによって就活は長期化されたことで、「本命企業の選考が始まったばかり」「本命企業が採用活動をまだ再開していない」企業が多くあるのだ。これまでにも「まだ選考中」という理由から7月時点で内定がない人も多くいたが、今年は例年以上に多く、これからも増えることが予想されるのだ。
まだ、「自分と合っているかわからない」というアンケート結果も21卒ならではだ。感染拡大防止を目的に合同説明会が中止され、対面による選考もなくなりオンラインが起用された。そのことから学生側が企業側を知る機会が減ったことにより、企業への知識不足から「自分と合っているかわからない」と悩んでしまったのだ。そしてその結果、内定を所持しないことへとつながる。
このように、内定を持てるチャンスがありながらあえて承諾しない人がいることを考えると、内定率の減少は採用活動の一時停止ばかりを言い訳にはできないようだ。
ただ、これからしばらくは新型コロナの影響を受け続けることを考えると、本命企業以外にも視野を広げておくことや、少ない情報から企業を見極める必要が出てくるだろう。
【7/10】コロナ禍によって「採用直結インターン」の需要高まる
もともとベンチャー企業を中心に行われていた「採用直結インターン」だが、コロナ禍によって大手企業なども取り入れるようになったというのだ。一体、採用直結インターンと新型コロナにどのような関係性があるのだろうか。
大手企業も採用直結インターンを起用?
Yahoo!ニュースが先日、「採用直結インターンシップ」についての記事を掲載した。この記事では、これまでベンチャー企業や中小企業が中心に行っていた、「採用直結インターンシップ」が新型コロナによって大手企業でも需要が高まっているというのだ。(出典:コロナが生んだ「採用直結インターンシップ」という果実、メリットは3つ【就活・転職の常識を疑え】)
そもそもインターンシップは「教育目的に限る」ことを原則とされており、「採用活動には直結させない」つまり、インターンシップを通して内定を出してはいけないとされていた。しかしそれも、新型コロナによってこうにも一部容認する動きが出てきているのだ。
昨今は新型コロナによって採用・就職活動機会が減少したこともあり、経団連と文科省で先行や採用の時期の通年化を目指すこと、そして大手企業も採用直結インターンシップの実施が許される形となってきているのだ。
これまで厳しく制限されていたものの、学生を早期に囲い込もうとしていた多くの企業において「内々定」を出す形でインターンを通して内定を約束していたのが現状だ。しかしそれらも公にも一部容認する動きが出たことで、これまで以上にインターンシップ参加は必須となってきているのだ。
インターンシップは昔からメリットが多い
インターンシップは参加する学生だけでなく、実施する企業側にもメリットが多かった。インターンシップはお互い密に接することができるため、お互いのミスマッチを減らすのに効果的だ。
また、伝えたいこと・知りたいことが通じやすいこともあり、お互いの活動期間も短縮される。それにインターンシップは「面接」といった形式による“作られた学生・企業”ではなく、素の部分を見れることはお互いによって大きなメリットだといえる。
このようなメリットに加え、大手企業も採用直結インターンシップを起用しつつあるということは、就活生なら参加しないわけにはいかないだろう。21卒から就活ルールも廃止され、就活の早期化が見込まれることから、各社において学生の早期確保にますます力が入る。
早期確保はインターンシップを通して行われるため、学生は就活をする上でインターンシップへの対策は欠かせないものとなっていくだろう。
【7/16】1か月遅れの就活 「秋まで続ける覚悟」
新型コロナによって長期化される就活。緊急事態宣言が解除されても思うように採用活動が行えない企業があることを考えると、まだまだ足止め状態だろう。そんな中で既に「秋まで続けるつもり」と覚悟している学生が多くいるようだ。
7月に入っても半数以上が就活を続行
SankeiBizが先日、長期化される就活事情についてまとめた記事を掲載。その記事には内定事情や学生の本音についてまとめられている。(出典:コロナで一変 就活長期化 内定状況1カ月遅れ メンタルケアも)
これまで新型コロナによって就活が一時停止状態にあったことで長期化が懸念され、夏になっても就活を続けている学生が多くいる。実際7月の内定率も4年ぶりに8割を下回るなど、内定の有無によっても就活事情は例年とは大きく変わっている。
さらに新型コロナウイルスの新規感染者数は増加傾向にあり、「第二波」への警戒も広まっていることから、これからの就活の動きにも変化が予想されている。
そんなこともあり多くの学生は焦りを感じ、「秋ごろ続ける覚悟」としているのだ。そして実際に21卒の学生は秋採用に参加することを前提に、早めの対策が必要となってくるだろう。
「秋まで続ける覚悟」今からすべき秋採用対策
実際に今手元に内定がない人や、新型コロナによって足止めされていた人が夏採用で思うようにできなかった場合は秋採用への参加が必要となる。そしてすでに秋採用を視野に入れている場合も“今すぐ”対策する必要があるのだ。なぜなら、第二波によってさらに就活が乱れる可能性があるからだ。
多くの学生は夏採用で手一杯かもしれない。しかし今年の就活は例年とは違って採用スケジュールが大幅に乱れており、なおかつ急な変更も多い。つまり「気が付いたら募集を締め切っていた」なんてことも十分にあり得るだ。
だから、自分が少しでも秋採用に挑む可能性がある場合には秋採用の準備を今すぐしておかないとならないのだ。具体的には企業の選定やこれまでの就活での反省点の改善。他にも、秋採用の仕組みや流れについて事前に把握しておくことも大切だ。
弊社にて秋採用の対策についてまとめたコラムがあるので、ぜひ参考に万全な対策をしておこう。
【7/22】就活の悩みは誰に相談すべきか?
何かと悩み事の多い就活。そんな就活で誰かに相談したくなる時もあるだろうが、一体誰に相談するのが正解なのだろうか。友達、家族、恋人、先輩、キャリアセンター、就活エージェント、いったいどれが一番便りになる?
エージェントは苦手?キャリアセンターはどうなの?
JCAST会社ウォッチが就活における相談相手に関する記事を出した。就活に関する悩みをだれに相談すべきなのかを問う記事だ。(出典:「こじらせ」就活生の大問題! 「就活」の悩み、誰に相談する?)
就活の相談はナイーブな内容のものが多く、相談できる相手も限られているだろう。中にはいくら信頼していても気恥ずかしさから「友達に相談できない」という人もいるだろうし、意見を求めたいが素直に聞き入れられないという人もいるだろう。
友達、家族、恋人、先輩と相談相手はたくさんいるが、この記事に登場する人は「就活エージェント」を選んだそうだ。しかしそんな就活エージェントで苦い思いをしてしまったのだ。
就活エージェントは無料で就活生の相談を聞いたり、ESの添削などを行うサービスのことだが、一番の狙いは就活生に企業を紹介し、その企業に就職してもらうことだ。そして企業側から報酬を得るというのがこのサービスの狙いであって「ビズネス」だ。
そのことをわかっておらずに就活エージェントを利用した結果、思うように相談ができず、苦い思い出となってしまったというのだ。そこで次に頼ったのが大学のキャリアセンターだった。
大学のキャリアセンターなら手軽に相談ができるし、就活エージェントのように「ビジネス」を挟むことがないため、親身になってくれるというのだ。しかしそんな大学のキャリアセンターにも弱点がある。それは「混雑」していることと、「コロナによる影響」だ。
大学のキャリアセンターは手軽に行けることから多くの学生が集まる。その結果、満足に相談できなかったり、忙しさから対応が雑になってしまう場合があるのだ。また、今年は新型コロナウイルスによる影響から大学が休校になったり、大学キャリアセンターを閉鎖する事態があったのだ。このことを考えると。誰に相談するのが一番いいのだろうか。
やっぱり頼れるのは“年齢の近い”就活エージェント
「「こじらせ」就活生の大問題! 「就活」の悩み、誰に相談する?」では、就活エージェントに苦い思い出があるといっていたが、やっぱり頼れるのは就活エージェントだろう。
確かに就活エージェントにはビジネスが挟む。それが仕事なのでビジネスを外すのは難しい。がしかし、それでも就活に関する豊富な知識や企業とのつながりを考えると、就活エージェントに頼るのが一番なのだ。
つまり、ビジネスが挟まっていたとしても自分にとって有益な情報が手に入ればいいということだ。就活エージェントからビジネスを取り上げられないのなら、それを踏まえたうえで相談できる相手を探せばいいのだ。
そんな就活エージェントとしておすすめなのが、“年齢が近い”人だ。年齢が近い方が同じ目線から相談に乗ってくれるし、今の時代に合った解決法を導いてくれる。確かに年齢の離れた就活エージェントも経験があることから頼りになるのは間違いないが、「相談」をメインに考えた場合、自分と考えが近い人の方が相談し甲斐があるのだ。
いくら的確なアドバイスでも自分にとって必要としない情報の場合は「ビジネス」が邪魔しているように感じてしまうため、年齢の近い就活エージェントの方が頼りが甲斐あるだろう。
弊社においても「相談」に特化したイベント「就活相談サポート」を開催しており、このイベントでは年齢の若い就活エージェントを集めているため、必ずあなたの満足のいく相談相手となるだろう。
おわりに
7月も新型コロナウイルスの影響は大きく受けているし、就活の形も例年までとはだいぶ変わった。そして連日のニュースでもあるように、都内の新型コロナウイルス新規感染者数が増えていることを考えると、これからもまだまだ変化は起きる。
そんな変化を常に追っていないとすぐに出遅れることになるだろう。そうなれば内定は遠のくばかりだし、22卒の就活にも影響が出てくる。そのため新型コロナの終息を待つのではなく、新型コロナがある中でどう就活するかが大切なのだ。
夏採用真っ最中の今、焦って就活している人も多いだろう。暑い夏も終わればすぐに秋採用も始まるし、常に気を引き締めて就活を行っていこう。
この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。