23卒のエントリーはいつから?出遅れないための対策スケジュールと合わせて解説
2022年5月10日
就活ルールの廃止やコロナウイルスの影響から就活が早期化されていることもあり、すでにエントリーを開始した企業がちらほら出てきました。あなたもエントリーはもうしましたか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Bさん
いえ、早期化されている自覚はあったのですが、具体的にいつからエントリーを受け付けているのかがわからず、結局何もできていないままです…。
そうなんですね。繰り返しになりますが就活は早期化されていますので急いでエントリーしないと出遅れてしまうことになりますので、今すぐエントリーが始まる時期を把握する必要があるでしょう。今回はそんなエントリーが始まる時期について解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
キャリアプランナー 平崎
23卒のエントリーはいつから始まる?
冒頭にも述べたように、就活は年々早期化する傾向にあります。そこで気になるのが、具体的に一体いつ23卒のエントリーが始まるかという時期ですよね。一番行きたい本命企業の目星はついていても、その他の企業選びはまだ終えていない23卒生が多いと思いますし、場合によっては本命企業選びもこれからだという人もいるでしょう。
いつまでに志望企業を選ばないといけないのか目安を知らないと、どれくらい急ぐべきなのかも分かりません。そこでコラムの初めにまずは、23卒のエントリーが始まる時期について説明します。就活のスタート地点から出遅れてしまわないように、しっかり押さえておいてください。
基本的には3月から!ただし大半はそれ以前からスタート
23卒でも「採用情報の解禁とエントリー開始は3月から」という基本ルールは変わっていませんが、大半の企業はそれより早く、前倒しでエントリーの受付を開始します。なぜなら「3月:採用情報解禁→6月:面接開始→10月:内定式」というルールには、強制力も罰則もないからです。その強制力も罰則もないルールを、多くの企業に守らせていたのが、経団連という巨大な組織からの見えない圧力でした。
当然のことながら、どの企業も自社の欲しい優秀な学生が他の企業に囲い込まれてしまう前に、いち早く採用活動を始めたいと考えます。それでも経団連に所属する企業の多くは、ルールを守らないことで取引先などとの関係が悪化することを恐れ、しぶしぶそのスケジュールに従って採用活動を行っていたわけです。ところが就活ルールの旗振り役が経団連から日本政府に変わったことで、企業の採用活動を抑制する圧力が弱くなり、フライングでエントリーの受付を始める企業が増えました。
それに加え、コロナの蔓延で従来通りの採用活動が行えなくなり、それぞれの企業がそれぞれ独自のやり方で対応してきたことも、就活の早期化にいっそう拍車をかけています。説明会や募集方法、選考過程といった採用活動のやり方が企業独自のものになったのに伴い、選考スケジュールも企業ごと独自性が強くなりました。その結果、どの企業もコロナで身動きが取れなくなる前に採用活動を終えたいと考え、年を追うごとにどんどんエントリーの前倒しが加速しているのです。
そのため「3月:採用情報解禁→6月:面接開始→10月:内定式」が基本ルールではあるものの、もはやエントリー開始時期も面接開始時期も単なる目安でしかなくなっています。エントリーの開始時期は独自化が進んでおり、企業によって異なるため、残念ながら「23卒のエントリー開始時期は〇月から」と一律に明示することはできません。既に採用活動を始めている企業もあれば、人材確保に困らない大手企業にはルール通り3月に受付を始めるところもあるなど、23卒のエントリー開始時期にはバラつきがあります。
しかし誰も就活していない時期に募集を始めても意味がないですから、3月エントリー解禁という目安も、全く無意味ではないです。一斉スタートではないものの、3月より少し前の2月頃にエントリーの受付を開始する企業が最も多くなっています。ただし前倒しの度合いは企業によりますので、これから就活を始める23卒生はそのことを頭に入れて、エントリーへの準備を急ぎましょう。既にエントリーが始まっている企業もあるわけですから、まだ志望先の見当もついていない23卒生は、今すぐ準備を始めるべきです。
すでにエントリーを締め切っている企業も
これから志望先を考える23卒生は、残念ながら既にエントリーを締め切っている企業があるということも、頭に入れておく必要があります。外資系など経団連に所属していない企業の多くは、もともと「3月:採用情報解禁→6月:面接開始→10月:内定式」という基本ルールよりずっと早い時期に採用活動を行っているためです。そもそも「3月:採用情報解禁→6月:面接開始→10月:内定式」という基本ルールは、今でこそ旗振り役が日本政府に代わっていますが、それ以前は経団連だけの独自ルールでした。つまり経団連に所属しない企業には、全く関係のない話だったのです。
日本の大手企業の大多数が所属する経団連が3月からエントリーを開始するなら、それ以外の企業はそれより早く始めた方が、優秀な人材を確保できる可能性が高くなります。結果として誰からも採用活動の時期を縛られていない経団連以外の企業は、慣例的に経団連より早く採用活動を行ってきました。そのルールの旗振り役が経団連から日本政府へと変わっても、強制力のない単なる呼びかけに従って、わざわざ採用活動の時期を遅らせる企業はないです。
特に外資系企業の場合、諸外国には9月卒業の大学が多いですから、それに合わせて採用活動が行われます。日本企業が翌年3月卒業予定の人を大学3年2~3月にエントリーを開始するのと同様、外資系企業のエントリー時期は大学3年の8~9月ごろです。しかも欧米などでは新卒採用の場合、インターンや課題などを通して直に実務能力を見るのが一般的なので、公募制の日本企業のように長い選考期間を設けません。そのため9月の終わりごろには、ほとんどの外資系企業が既に23卒の採用選考を終えています。
また外資以外では、ベンチャー企業なども採用活動が早く、大学3年の秋ごろにはエントリーを開始するのが一般的です。ベンチャー企業の場合は外資と違い、早く始めて長く募集する企業が多いですが、応募者の集まりやすい有名ベンチャーの中には、既に23卒のエントリーを締め切ったところもあるでしょう。
そのほか、一部マスコミなど業界によっては、慣例的に大学3年の夏・秋インターンを通して採用活動を行う企業もあります。これからエントリー先を選ぶ23卒生は、そのように現時点でも既に、選択不可能な企業も一部あるということを理解しておいてください。そうした企業は今はまだ一部に限られていますが、エントリー先の選定が遅くなればなるほど、選択肢が少なくなっていきます。
就活生のエントリー事情と平均数
ここまで述べてきたように、エントリーの開始時期は企業によってバラツキがあり、一概に「23卒のエントリーは〇月から」とひとまとめにすることは不可能です。傾向としては2月頃から募集を始める企業が多いものの、12月の時点で既に始まっている企業もたくさんあるうえ、中にはもうエントリーを締め切った企業さえあります。遅くなればなるほど選択肢が狭くなりますので、まだエントリー先を決めていない23卒生は、その選定を急がなければなりません。
エントリーしなければその先の選考もないわけですから、本命企業だけでなく、その前の練習に充てる企業や滑り止めの企業も含め、今のうちに決めておく必要があります。しかしそうは言っても、いったい何社くらいエントリー先を選べばよいのでしょうか。
コロナも随分と落ち着いてきていることですし、もしも企業に直接出向いて筆記試験や面接を受けなければならないなら、あまり多いと移動に時間がかかって大変そうですよね。そこでここからは、23卒生の就活事情と平均エントリー数について解説します。実際にエントリーする企業を決めていく際の参考にしてください。
23卒の選考は“Web”がメイン
仮にこのままコロナが落ち着いた状態を保っていたとしても、23卒の選考は”Web”がメインです。パンデミックの発生で急遽主流となったオンライン選考は、実際やってみると意外に、企業にとっても就活生にとってもコロナ対策以外のメリットが多いことが分かりました。就活生の側からすると、説明会や選考のために直接出向く必要がありませんから、移動にかかる時間と費用の負担を軽減できます。その分、以前より多くの企業、遠くの企業にもエントリーが可能となったわけです。
企業側からすれば、説明会や面接の会場を用意する手間と費用を削減できますし、就活生がエントリーしやすくなったことで、より多くの幅広い応募者から人材を選べます。そのため、今後たとえ実際23卒が選考を受ける数か月先にコロナが終息していたとしても、オンライン選考は継続される見込みです。ところがオンライン選考には、パソコンなどの画面越しで面接することによって就活生の雰囲気が掴みにくく、その人柄を見極めにくいと感じている企業もあります。
また就活生の方もオンライン選考だけだと、直に自分の目で企業を見ていないため働くイメージが湧きにくく、最終的な入社先の決断に不安を感じる人が多いです。そうしたことからコロナが落ち着いた状態を保っている23卒の選考においては、ほとんどの選考過程をオンラインで行いながらも、最後の最後は対面面接で内定出しを決めるといった複合的な選考方法を取る企業が多いと思われます。特に、幅広い就活生を集めるきっかけとなる説明会や、エントリーとそれに伴うES選考、適性検査(Webテスト)、一次面接くらいまでの初期選考の部分は、オンラインで行う企業が大半でしょう。
ですから、これからエントリー先を決める23卒生は、説明会巡りや対面面接による移動の忙しさなどを心配してエントリー数を減らす必要はありません。ただしWebで気軽にエントリーでき、企業側が応募者を集めやすいということは、それだけ倍率が上がって最初の関門となるES選考の通過が難しくなるはずです。23卒生はそれを踏まえ、エントリーのやり方や企業側に「この人を面接してみよう」と思わせるようなESの書き方をしっかり把握し、ESの質を上げることが大切になります。
平均エントリー数は20社!目安は20~30社
これからエントリー先を選ぶ23卒生は、就活初期のエントリー数は平均20社前後で、最終的には20社~30社くらい受けることになると考えておいてください。マイナビやリクナビといった就活情報サイトの統計を見ても、就活初期(3月頃)における21卒・22卒の平均エントリー数は20社前後でした。とはいえ就活は長期戦ですから、初期に選んだ20社がエントリーの全てではないです。その後の合同説明会や業界研究などで出会う企業もあるため、エントリー数は就活中に徐々に増え、内定式を迎える10月頃までには最終的に30社くらいになっていきます。
そして23卒の就活事情は、21卒・22卒とさほど変わらない状況です。コロナは以前より落ち着いてきたとはいえ、かといって今すぐ企業体力が回復し募集企業や採用枠が増えるわけでもないですし、オンライン選考も相変わらず続いていきます。そのためこれからエントリー先を選ぶ23卒生は21卒・22卒にならい、初期のエントリー数は20社くらい、最終的には20社~30社くらい受けるというのを目安にすると良いでしょう。23卒生の中には「自信がないからもっとたくさん受けたい」あるいは「本命以外受けたくない」という人もいると思いますが、エントリー数は多すぎても少なすぎても良くないです。
確かにエントリー数が多ければ、それだけ内定を獲得できる可能性が多く残され安心感がありますし、幅広い業界を受けることもできるというメリットはあります。しかし就活は確率問題ではありませんから、「数うちゃ当たる」というように、ただエントリー数だけ増やしても内定率は上がらないです。エントリーした企業から内定をもらうには、その一社一社に対して十分な業界・企業研究を行い、その企業の選考で高評価を得られるアピールができるよう準備する必要があります。
エントリー数が多すぎるとただ選考を受けるだけで手一杯で、準備段階に十分な時間を割けず、結局は内定を勝ち取れません。また実際の選考で上手にアピールするには、ある程度の実践経験を積み、場慣れして、コツを身に付けておくことも必要になります。つまりエントリー数が少なすぎると、滑り止めが少なくて不安だという以外にも、就活力不足で内定を得られないというデメリットがあるのです。
他にも、本命企業が自分のイメージと違ったときに逃げ道がない、比較対象がないことで反って本命企業への理解が深まりにくいといったデメリットもあります。どれくらい受ければ十分で、どれくらいエントリーすると許容量を超えるかは人によっても異なりますが、平均的に20~30社くらいというのを目安にしてください。
ただし大抵の企業はエントリーの前に、プレエントリーをする必要があります。プレエントリーは、実際に選考の申し込みをするエントリーと違い、単にその企業に氏名や連絡先を教えて資料請求を行う段階です。プレエントリーを行うと、その企業から説明会やエントリーのやり方、選考方法とスケジュールなどの案内が届くようになります。もらった資料を検討した結果「やっぱり受けるのはやめよう」という結論になることも多々ありますから、プレエントリーは初期のエントリー予定数より少し多めに、30~40社ほどしておくべきです。
エントリーする企業を選ぶ基準
ここまで述べてきたように、就活初期における23卒のエントリー数は、20社前後が目安となります。「20社しか選べないの?」と思った23卒生もいれば、「20社も選ばなきゃいけないの?」と思った23卒生もいるでしょう。しかしいずれにしても、単純にどこでもいいから20社エントリーすれば良いという話ではありませんので、そこは誤解しないでください。多くの就活生のエントリー数が同じくらいになるのには、ちゃんと理由があります。
つまり本命企業も含め、その20社にはそれぞれ就活における役割があるので、それを果たせない企業をいくら受けても何の意味もありません。それではエントリーに当たり、一体どんな企業を選べばよいのでしょうか。これから企業選びをする23卒生のために、ここからは「エントリーする企業を選ぶ基準」について解説します。
就活軸に当てはまる企業
これから23卒生がエントリーする企業を決める上で最も重要となる基準は、まずその企業が「自分の就活軸に当てはまるかどうか」です。就活軸は自分がどのような企業に就職したいか、どのような将来像を目指したいのかという願望を表すものですから、就活および企業選びにおける最も根本的な方針となります。企業選びの上では就活軸以外にも条件面など様々なこだわりがあると思いますが、それ以前に大前提として、就活軸に合わない企業に入社しても自分の望む将来像は叶えられません。そうなれば内定を得ても満足感は得られず、不本意な社会人生活を送る羽目になって、結局は早期退職へとつながってしまうのです。
20社という最初のエントリー数を多いと捉える人もいるかもしれませんが、そこには本命企業も、本命の選考前の練習に充てる企業も、滑り止めの企業も含んでいます。そして本命にせよ練習にせよ滑り止めにせよ、結果として自分が入社する可能性が少しでもあるのなら、それは自分の望む将来像を叶えるための就活軸に当てはまっていなければならないわけです。ですから就活軸を定める際は、漠然と自分が何がしたいか考えるのではなく、しっかり自己分析を行って自分の根本にある価値観を把握し、長期的な展望に基づいて決めます。
自分自身にその企業で働く上で必要な資質がなければ仕事がつらくなり、結局は同様に早期退職へとつながってしまうので、自分の強みを活かせる将来像を目指すことも大切です。その上で、就活軸に当てはまる(自分のもともと持っている価値観や強みを活かした将来像を叶えられる)企業があったら、積極的にエントリーしましょう。最も入社したい本命企業を中心にした第一志望群、その前に練習として受ける同業他社、条件面はいまいちでも滑り止めになりそうな企業などをバランスよく選んでいきます。
ただし、自分がいま進みたいと考えている志望業界以外にも、就活軸に当てはまる企業は存在するはずです。これから志望企業を選ぶ23卒生は、そういう企業にも何社かエントリーしてください。就活生はどうしても初めに思い描いた志望業界に固執しがちですが、実際にはその業界の実情と自分の想像が食い違っていることも少なくないです。
志望業界以外の就活軸に当てはまる企業を受けておけば、視野が広がって自分の可能性を広く保てるとともに、本命視している志望業界の企業群と比較する対象ができます。そうすることで、志望業界への理解も深まりやすく、果たしてこの業界で間違いないかといった自分の適性も見極めやすくなるのです。
気になる業態や自分ができそうな分野も受ける
これからエントリーする企業を選ぶ23卒生は、自分の就活軸に当てはまらない企業の中に、気になる業態や自分が活躍できそうな分野の企業があれば、そちらも何社か受けましょう。先程の話と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、そうではなくて、企業選びの基準である自分の定めた就活軸そのものが適切でない場合があるのです。たとえば自己分析が不十分で自分の根本的な価値観や強みを見誤っていたり、特定の業界・企業・職種に憧れるあまり自分の適性を無視したりして、自分に合った企業(将来像)を目指せる就活軸になっていない場合があります。
採用活動において企業は自社の目指す方向性と同じものを目指し、なおかつ自社で活躍できる資質を持った人材を求めているので、それに合わない人物は採用しません。そのため自分の定めた就活軸に当てはまる企業だけを受けてしまうと、その軸が適切でなかった場合に困った事態になります。軸が不適切なら自分のような人間が求められている相性の良い企業を選べていませんから、エントリーした持ち駒全てで玉砕し、途方に暮れてしまうわけです。
しかも比較対象がないため軸そのものが間違っていることにも気づけず、その後も同じような企業にエントリーしては全滅を繰り返して、最終的に内定ゼロのまま卒業を迎えてしまうこともあり得ます。そんなことにならないために必要となるのが、自分の定めた就活軸が適切かどうか比較検討するための、「軸に合わない企業」へのエントリーです。軸に合う企業と合わない企業の両方を受けておけば両社を比べて、その企業をよく知った上でも軸に合った企業の方が魅力的に見えるか、受かりやすいか、適性を感じるかといったことから、自分の就活軸が適切かどうかを見極められます。
また、今まで目を向けていなかった業界や企業を知ることで視野が広がり、思わぬところでもっと自分に合った企業を見つけられたり、自分自身の気付かなかった強みを発見したりすることもあるのです。自分の思い込みによって将来の可能性を狭めてしまわないためにも、就活軸が適切かどうかを比較検討する材料となる「軸に合わない企業」を何社か受けてください。
ただし軸に合わないとはいえ、100%入社の可能性がないような、絶対に行きたくない企業を受けても意味がないです。自分の決めた軸とは異なる選択肢となるような企業を受けてこそ、先程述べた「軸に合わない企業」にエントリーするメリットが生まれます。ですから軸に合わない企業としては、「自分の軸とは違うけど何となく魅力を感じる」「軸とは違うけどこの分野なら活躍できそう(適性がありそう)」と思えるような企業を選ぶと良いです。そうすればその企業に受かったときに無駄な捨て駒とならず、最終的に入社する1社を考える際の、選択肢の1つに加えることができます。
エントリーを通過するためにすべき対策法
ここまで述べてきたように、エントリーする企業を選ぶ上では、様々な目的の企業をバランスよく組み合わせてください。それらを全て含めて、エントリーの目安は20~30社、資料請求となるプレエントリーは30~40社ほどしておきましょう。とはいえ、いくらそのように選択肢を増やしても、エントリーしたとたん足切りされ、就活の核心である面接へと進めないのでは意味がないですよね。
23卒の場合はコロナ禍による募集企業・採用枠の少なさや、オンライン中心の就活で気軽にエントリーしやすいといったことから、最初の関門であるESを含めた書類選考の倍率が高いと予想されます。そんな厳しい23卒の就活事情の中で最初の関門を突破するには、「この人を面接してみよう」と思ってもらえるように、ESの質を上げることが大切です。そこで、ここからはESの質を上げ、エントリーした選考に通過するための対策法について解説していきます。
ESの基本的な書き方をマスターする
23卒生がせっかくエントリーした選考でいきなり足切りされないためには、まず第一に、ESの基本的な書き方をマスターしてください。なぜなら、最初の関門となるエントリーを通過するにはそもそも、自分が提出したESを最後まで読んでもらい、次の選考に呼ぶかどうか検討する候補者の中に入ることが大前提だからです。企業の採用担当者は、一日に何十通、何百通という数のESを読みます。その企業の人気によっては何千通、何万通となる場合もあるはずです。
そんな中で、少しでも「読みにくいな」「意味が分かりにくいな」と感じさせたら、その時点で十中八九その先の文章は読んでもらえないでしょう。その先にどんな内容が書いてあろうと、どんな才能を持っている人だろうと関係なく、そのESは即座にゴミ箱へ直行となります。厳しすぎると思うかもしれませんが、単純に読むのが面倒というのではありません。読み手への配慮に欠ける人や伝える能力のない人は、会社の一員として働いていくのに最低限必要な資質が足りないと考えられるので、そもそも選考の対象とならないのです。そんな残念な結果にならないためには、エントリー前にESの基本的な書き方をマスターし、読みやすくて分かりやすい文章を書けるようになっておく必要があります。
また、ESでは文章構成だけでなく、書いてある文字そのものの読みやすさ・分かりさすさも大事です。23卒の場合、ESはオンラインによる提出が多いと思いますが、中には就活生の熱意や人柄を見るために、あえて手書きのESを求める企業もあります。そのとき殴り書きのような汚い字だと読みにくく、文章構成が悪いのと同様に、会社員としての資質に欠けると判断されるわけです。特に手書きの場合は、「本当に入社したいと思っているなら殴り書きなんてあり得ない」と考え、字の汚さ=熱意のなさ・志望度の低さだと受け取られてしまいます。
手書きが苦手だという23卒生もいると思いますが、秘書課や総務課といった日常的に手書きを使用する部署でない限り、企業側が求めているのはペン習字のお手本のような字を書く能力ではなく、読みやすさ・分かりやすさへの配慮です。ですからESの提出を手書きで指定されたら、相手にとって読みやすく分かりやすい文字となるよう、精一杯丁寧に文字をつづることが大切になります。もちろん書き損じたら最初から全部書き直さなければいけませんから、企業からもらった専用の紙で提出する場合は特に、別紙に下書きしてから写すなどの工夫も必要です。
基本的な就活対策で基礎を固める
倍率の高い23卒のエントリーを通過するには、基本的な就活対策を万全にし、魅力的なESを書くための基礎を固めましょう。企業側に「次の選考でもう少し詳しく人柄を見てみよう」と思わせるには、読みやすく分かりやすいESの書き方ができるだけではなくて、当然その中身が重要となります。基本の書き方をマスターし、自分の書いたESを最後まで読んでもらえたとしても、それだけではまだ最低ラインをクリアして、ゴミ箱へ直行しなかったというだけです。その大勢いる候補者の中から面接などの次の選考に呼ばれるには、採用担当者の関心を引くような、魅力的な内容を書く必要があります。
そのためにやるべきことは、自己分析や業界・企業研究を徹底し、23卒のESで求められる志望動機や自己PRを書く上での素材となる情報を集めることです。たとえばカレーライスだって、どれほど作り方に卓越した一流シェフが作ろうが、中の具材が乏しければ、ちっとも美味しくないカレー風味の汁になってしまいますよね。それと同様にESも、どれほど書き方に精通していようが、そこで語るための素材がスカスカだったら薄っぺらい内容になり、採用担当者の心を動かすことはできないわけです。
そしてESの場合はその素材となるのが、自分と企業・業界についての情報だと言えます。もちろんESのために集める情報は、企業HPや就活情報サイトなどで簡単に拾える表面的な情報だけでは全く不十分です。志望業界の現状について幅広く情報を集めるとともに、プレエントリーを済ませたら積極的に説明会やOB訪問などに参加し、そこで働く人から聞ける”生”の情報を集めてください。自己分析についてもアプリなどで簡単に済ませるのではなくて、きちんと過去の選択・行動を振り返り、その傾向から自分本来の人柄(価値観や強み)を見出していきます。
自分の主観で解釈を誤らないよう、自分の思う「自分」だけではなくて、他人からどんな人物に見えているのか意見を集めると良いです。そのように自己分析と業界・企業研究がしっかりできていればいるどほど、採用担当者の関心を引く内容の濃いESを書くことができます。ただし、倍率の高い23卒の初期選考は、エントリーした同業他社全てに使いまわせるようなESで通過できるほど甘くないです。ESで求められる質問は、志望動機や自己PR、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などどの企業も似たり寄ったりとはいえ、どの企業にも共通して語れるような回答では結局内容が薄くなります。
そんなESではその企業への熱意が伝わらず、大勢の候補者の中から次の選考に呼ぶべき人間として選んでもらえません。23卒がエントリーを通過するには、それぞれの企業に対して最も効果的なアピールができるよう、自己分析と業界・企業研究を受ける企業ごとにやり直し、”その1社のためだけのES”を1社1社に考えることが重要になります。
内容は“熱意”と“入社意欲”を伝えるように
それぞれのESでは、志望動機の内容からその企業に対する熱意と入社意欲を伝えるように意識して書くのが、次の選考へと選ばれる秘訣です。23卒の高いエントリー倍率の中では、「この業界で働きたい」「この職種に就きたい」という風に、業界や職種に対する熱意がある就活生がたくさんいます。その中で業界や職種に対する熱意をいくら語っても、ありきたりなESと思われ、何の印象にも残らないでしょう。それに「この業界で働きたい」「この職種に就きたい」という人に内定を出しても、同業他社から内定をもらえたら、そちらへ入社してしまうかもしれません。
そうなると企業側からすれば、選考にかけた手間やコストが無駄になるうえ、他の23卒生を選考する機会も逃してしまいます。それでなくても23卒の場合はエントリー段階での候補者が多く、企業は選考を続ける人を選び放題なのに、その中からわざわざ入社の可能性の低い23卒生を選ぶ理由がないです。ところが業界や職種に対してではなく、「この企業で働きたい」という熱意の人なら、内定を出せば実際に入社してくれる可能性が高いと企業は考えます。企業からすれば、それでこそ選考する意味があるというものです。
ですから”その企業”に対する熱意を示してその企業に入社する意欲があると伝えれば、23卒生も多数のエントリーに埋もれることなく採用担当者の関心を引き、「選考を継続してみよう」と思わせられます。そして”その企業”に対する熱意と入社意欲を示せるのが、23卒生自身の価値観・強みと深い企業理解に基づき、自分とその企業との相性の良さをアピールした志望動機です。
「自分がその企業の理念や方針に共感しており、その企業が行う実際の業務で自分の強みを活かしたい」という旨を具体的な情報を入れて語れば、他のどこでもなく”その企業”に対する熱意と入社意欲を伝えられます。志望動機の欄が小さければ、後半部分は自己PRのところで詳しく語れば良いです。ただしそれには、その企業ごとの自己分析と業界・企業研究が不可欠となります。
またガクチカなどの欄でも良いですが、自分の価値観や強みを証明するための具体的な経験談には、誰かにやらされたことではなく、自らの意思で挑戦したことを書いてください。誰かの指示がなければ動けないような人では、社会人として活躍することは不可能です。自発的な経験を述べれば自分で考えて行動できる自立した人間だとアピールできるとともに、その企業への志望も自分で考えた揺るぎないものだと思われ、好印象が得られます。
最後に必ず添削をお願いする!
これからエントリーを始める23卒生は、自分で書いたESを志望企業へ提出する前に、必ず誰かに添削をしてもらってください。ESは自分が読んでどう思うかではなく、他人が読んでどう思うかが大事です。書いた本人は何を伝えたいか自分で分かっているので、書き上げたESを後から見直しても、誤字脱字や読みにくさ・分かりにくさに気付けないことがあります。自分では気づけない点を指摘してもらうために、提出前に必ず誰かに添削してもらわなければなりません。
そしてESの添削は、就活エージェントなどのプロにお願いするのがベストです。家族や友人といった素人では誤字脱字や読みにくさ・分かりにくさなどに気付いてもらえるだけですが、就活エージェントなどのプロならESの書き方を熟知していますから、その適切な改善方法を指導してくれます。しかもそれだけでなく就活エージェントなら、エントリーしている業界・企業や23卒の就活事情にも詳しいので、それぞれにに合わせたもっと効果的にアピールESへとブラッシュアップしてくれるでしょう。
つまり就活エージェントに添削をお願いすれば、ESの質が上がって、倍率の高い23卒のエントリーを突破できる可能性が格段に高くなるわけです。キャリchでも、就活に関することなら何でも相談できる無料イベント「 就活相談サポート」を開催していますので、ぜひ活用してください。このイベントでは、プロのキャリアプランナーが1対1で就活生の相談に乗り、23卒生が抱える悩みや疑問を解決へと導きます。
相談内容は「作成途中のESにアドバイスがほしい」「書き上げたESの添削してほしい」「そもそもESの書き方がよく分からない」などなど、何でも構いません。もちろんESだけでなく「自己分析や業界・企業研究が上手くいかなくてアピールポイントが分からない」「エントリーする企業を上手く見つけられない・絞り込めない」といった相談も可能です。就活のプロがあなたの人柄と希望に合わせ、アピールすべきポイントや適切なアピール方法、エントリーすべき企業を紹介します。エントリーで足切りされてはその先の選考もないですから、まずはプロの力を借りて、23卒の高い倍率を突破しましょう!
おわりに
基本ルール上23卒のエントリーは3月からですが、実際にはもっと早期化しており、企業ごとのバラツキが大きいです。23卒のエントリーは2月頃に始める企業が多いものの、ルール通りに3月から始める企業もあれば、12月に時点で既に始めている企業や締め切っているすらあります。23卒生もその動きに出遅れないよう、エントリーする企業の洗い出しとES対策を急がなければなりません。
しかも23卒の場合、コロナ禍による募集企業の少なさやオンライン就活による応募者の集まりやすさなどからエントリー時の倍率が高くなる傾向があります。そこで足切りされないためには、採用担当者に好印象を与えるような質の高いESが必要です。
ESの書き方をマスターし、自己分析と業界・企業研究をしっかり行って、1社1社に対する熱意と入社意欲を上手にアピールしてください。高い倍率に挑む23卒生は、書き上げたESを提出前に必ず就活エージェントなどのプロに添削してもらい、より高い質になるよう磨きをかけることがエントリーの通過の秘訣です。
就活相談サポートに参加しよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。