【企業選びで重要な基準の定め方】重要性と面接での回答方法を合わせて解説
2023年3月22日
就活を始めたと聞きましたが、どのような基準で企業を選んでいますか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
学生時代の経験を活かせる職種で、一人暮らしを始めるので家賃補助があると嬉しいですね。
企業を選ぶときには“自分の中での基準”をしっかり定めましょう。なぜなら、自分に合った企業と出会うためには比較のための「基準」が必要になるからです。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
「企業選びの基準」はどうやって決めればいいんですか?
ポイントはいくつかあります。それでは「企業選びの基準」を定める方法について確認していきましょう。
キャリアプランナー 岡田
目次
企業を選ぶ際に基準は定めるべき?
企業はただ自分が興味を持ったものを選べばいいのでしょうか?それとも「基準」を定めたうえで選ぶべきなのか。
その結論はズバリ、企業を選ぶ際に基準は定めるべきです。なぜ定めるべきなのか、その最大の理由は「自分に合った企業を見つけるため」です。
就活では数ある企業の中から自分が求めているものや目的を達成できる環境にある企業を探していくことになります。
少しでも自分の求めるものと反した企業へ入社してしまえばミスマッチが起こりかねませんし、早期退職へとつながれば今までの努力はすべて水の泡となります。
そんな事態を避けるためにも、企業を選ぶ段階から自分に合った企業は何かを見極めていく必要があるのです。そこで大切なのがこの「企業選びの基準」です。
たとえば、あなたが「食料品の営業職」を目指しているとしましょう。
- A社:本社は東京。従業員数200名。東京都内の法人相手に営業(ルート営業)。内勤がアポイントを取り、自分は直接営業をかけにいくのがメインとなるため、基本的に一日中外出している。
- B社:本社は大阪。従業員数80名。事前にアポイントを取り、スーパーをメインに全国各地へ営業(アポイント営業)。外出・内勤(アポイント)業務の半々。
- C社:本社東京。従業員数40名。新しい商品を開発しては飛び込みで営業をかける。商品開発がメインとなるため、外出3:内勤7といった業務内容。
このように、「食料品の営業職」といっても企業によって仕事内容や環境は企業によって大きく異なってきます。「食料品の営業職=A社」のような企業を想定していたのに実際に入社したのがB社のような会社であればギャップを感じてしまいますし、ミスマッチから早期退職へとつながるのも時間の問題です。
ですから学生はこのような事態を避けるためにも、企業を比較するための「基準」を設けなければならないのです。自分の中での基準が定まっていないと、比較をしても軸がブレてしまうため、企業選びは成功しません。
表面上の条件がよくても実際に入社したら「思っていたのと違った」ということはよくあることですので、しっかりと企業選びのための基準を設けましょう。
自分の中での「企業選びの基準」を定める方法
数ある企業の中から自分に合った企業を探すために基準を定めるべきと説明しましたが、具体的にどのようにして基準を定めていけばいいのでしょうか。
ここからは自分の中での「企業選びの基準」を定めるための方法をご紹介します。
基準は「自己分析」「業界研究」「企業研究」から探していく
自分の中での基準を定める際は、「自己分析」「業界研究」「企業研究」が重要になります。
まずは「自己分析」からです。企業を選んでいくうえで「将来はこうなりたい」「こんな仕事がしたい」などといった大まかな願望があるはずですので、それらを詳しく自己分析から掘り下げていきます。
自己分析から、「なぜ将来こうなりたいのか」「その仕事をしたい理由は何か」「その仕事を通してどう成長したいのか」「その仕事で活かせる自分の強みは何か」など、なぜ?を繰り返し、自分の性格や強みから1つ1つを掘り下げていきましょう。
そうすれば自分の目的や条件が何なのかが明確になってくるはずですので、次にそれらを活かせる業界を探していきます。
業界すべてを研究していては時間がかかりすぎてしまうので、「自分の興味のある業界」と「自分の強みを活かせそうな業界」を3,4つほどピックアップし、研究していきましょう。
そこから気になる企業をいくつかピックアップし、1つ1つを細かく研究していきます。企業研究をする際は、「なぜその企業に惹かれたのか」「自分の条件を満たしているのか」などと基準に判断してください。
自己分析から自分の譲れない条件を探しだし、それらを実現できる業界、企業の目星をつけることで、自分の中での「基準」がなんなのかが明確になってるでしょう。
直接企業と触れ合うと基準が明確になる
自分の中での「基準」は実際に企業と触れ合うことで、より明確になってきます。具体的な手段は下記のとおりです。
- 企業説明会
- OB/OG訪問
- インターンシップ
合同説明会に参加すれば、一度に多くの企業と触れ合えますので、業界研究にも役立ちますし、企業に求める基準なども探しやすくなります。また、ある程度目星の企業がある場合は個別の企業説明会に参加すれば、「自分の定めている基準はこれでいいのか」という判断がしやすくなります。
また、OB/OG訪問も良いでしょう。OB/OG訪問は説明会では聞けないような「企業の内部」について詳しく話を聞けるので、福利厚生やお金面などを基準にしたい人にとってオススメな手段です。
そしてインターンシップ参加もとても効果的です。これらの手段の中で最も企業に接触できるもののため、たくさんの情報を入手できますし、自分の中での基準も明確にしやすいです。それにインターンシップ参加は今後の就活においても有利になる場面は多いので、積極的に参加しましょう。
地方在住の人で、「就職は都心部でしたい」そんな企業選びの基準がある人にオススメなのが「内定トラベル」です。
カウンセラーとの電話面談で都心部で就活するプランを決めていきます。内定後の引っ越し先も相談できるため、ぜひ活用してください。
企業選びをする上で重要な3つの基準
企業を選ぶためには自分の中での「企業選びの基準」を定めることがとても重要です。しかしキャリchでは、自分の定めた基準にプラスして意識してほしい3つの基準があります。
この3つをすでに自分の中での基準として定めている人もいると思いますが、これらの基準は企業を選ぶうえでとても重要な項目ですので、しっかりとチェックしておきましょう。
会社の雰囲気(社風)
まず意識してほしいのが「会社の雰囲気(社風)」です。これは、会社の雰囲気がいいかどうかではなく、社風が自分に合っているかどうかが重要なチェックポイントです。
残念ながらいくら自分が志望する仕事内容だとしても、この社風が自分に合っていないと長期で働くことが難しいのです。なぜなら仕事は今までの学校生活とは違い、密に人と関わりあって生活していくことになるからです。
つまり、いくら理想的な職場だったとしても、会社の雰囲気や人間関係に苦しんでしまえば、良いと思って居たものさえ悪く見えてしまうということです。
わかりやすくいうと、年収や容姿が完璧な人で理想通りの人と結婚したはずなのに、いざ一緒に住んでみると相手と性格が合わないことに気づき、だんだん良かった部分すら嫌いになってしまうのと同じ感覚です。嫌いだなと少しでも感じてしまえば、その結婚生活(空間)は苦痛なものと感じてしまいますよね?
ですから、このようなミスマッチを防ぐためにも、自分の中での基準を満たせる企業の雰囲気は自分に合っているかという視点から、企業を見極めていきましょう。
待遇面
給料や福利厚生、休暇制度などの待遇面も企業を選ぶうえでは重要な基準です。これらを実際に企業選びの基準としている人もたくさんいると思いますが、これら待遇面はとても大切ですので、全員がしっかりと確認おきましょう。
給与額は生活をしていくうえでとても重要になりますので、その金額で生活ができるのかなどを確認しましょう。また、どのような給与制度なのか、インセンティブは発生するのか、ボーナスはあるのかなども確認します。
福利厚生では、社会保険・厚生年金などの税金類などはもちろん、住宅手当は出るのか、産休・育休の運用実績はあるのかなどもチェックしていきましょう。稀に社会保険がなかったり、産休・育休があるにも関わらず、実際は復帰できないという場合もありますので、しっかりと確認してください。
企業によって変わった制度もたくさんありますが、これだけで企業を選ぶのはリスクが高いので、まずは最低限の制度が設けられているかを確認しましょう。
そして、休暇制度のチェックも大切です。残業は自分の裁量次第なのか、それともみなし残業なのか、休日出勤がある場合は代休・給与の補填はあるのかなど、細かなチェックが必要です。
「残業が多い=ブラック企業」と考えている人もいれば、「残業してもいいからスキルアップをしたい」という人もいますので、自分に合った働き方はどれなのかを考えたうえで、自分の条件に当てはまる企業を選んでいきましょう。
やりがい
仕事をしていく以上、やりがいを感じられるかどうかが非常に大切になります。これらも自分の中での基準にしている人も多いと思いますが、全員が確認してほしい項目の1つです。
なぜやりがいを感じられるかどうかが重要なのか、その最大の理由は「やりがいを感じられないと仕事が続かない」からです。
やりがいとは「心に張り合いを感じられるもの」「自分の価値を見出せるもの」という意味が込められており、これはつまり、「その仕事を心から楽しめる理由があるか」「自分の価値を感じられる場所か」が重要になるということです。
人は「他者から認められたい」という承認欲求を兼ね備えている生き物ですので、自分を必要としてくれる=やりがいを感じられる場所でないと、居心地の悪いものになってしまいます。
居心地の悪い場所に長居したいと思う人はいないと思いますので、自分の価値を感じられる場所、つまりやりがいを感じられる企業がどうかを基準として見極めていきましょう。
たとえ自分の中の基準が定まっても、たくさんの企業の中から選ぶのは大変ですよね。キャリchの「就活相談サポート」は、希望条件に沿った企業を厳選して紹介してくれる無料イベントです。
説明会の日程調整や、選考の対策などのサポートを受けられます。ぜひ参加して、自分に合う企業を探しましょう。
企業選びの基準を定める際の注意点
自分の条件をもとに定めていく基準ですが、何でもかんでも「基準」として定めていいわけではありません。基準を定めるうえでは注意すべきことや、認識してほしいこともあります。
では、具体的にどのようなことに注意すればいいのでしょうか。解説します。
「好き」だけで選ばない
企業選びの基準を定める際、「ただ好きだから」という理由だけで選定するのはNGです。確かに「好き」という感情から自分が働きたいと思う企業を選ぶことも大切です。しかし、それだけでは成り立ちません。なぜなら「好き」と「やりがい」が必ずしも直結するとは限らないからです。
いくら好きで知識が豊富だったとしても、仕事には合う合わないがありますから、いくら熱意があっても合わなければ仕事での成果を上げることはできないでしょう。成果が上げられなければ「やりがい」を感じられないのは当然ですので、承認欲求を満たすこともできません。
人生のほとんどを仕事に費やしていくわけですから、嫌いなものを選ぶ人はいないと思いますが、好きだけではなく、自分に合っているかどうかもしっかりと考えることも大切だということを認識しておきましょう。
ナビやHPの情報だけを参考にするのはNG
企業選びの基準を定める際、ナビサイトや企業HPに書いてある情報だけを参考にするのはやめてください。ナビサイトや企業HPだけの情報では、基準として定めるのに情報不足すぎます。
それに、どの企業も企業を良く見せたいという思いがありますので、よい条件ばかりが書かれていたり、少し盛られている場合もあります。ひどい場合には「記載内容と全然違う」ということもありますので、しっかりと自分の目で確かめましょう。
表面上だけの良い条件だけで基準を定めてしまうと、実際に企業に接触(選考)した際にギャップを感じてしまいますし、もしそのまま入社してしまえばミスマッチから早期退職へとつながることは目に見えています。
ですから説明会やインターンシップに参加し、自分の目で見た正確な情報をもとに、企業選びの基準を定めていきましょう。
基準(条件)すべてが当てはまるとは限らないことを認識する
実際に基準をもとに企業を探していく際に認識しておいてほしいことがあります。それは、「必ずしもすべての基準(条件)に当てはまる企業があるとは限らない」ということです。
確かに世の中には数多くの企業が存在します。同じ職種でも企業によって異なってきますし、本当にたくさんの選択肢があります。
しかし残念ながら、だからといって必ずしも条件を満たす企業があるとも限らないのです。このことをしっかりと認識していないと「他にならこの条件に合う企業があるのではないか」と長々と企業探しをしてしまい、時間を無駄にしてしまう可能性があります。
また、探せば探すほど、自分の中での基準(条件)はどんどん膨らんでしまい、結果として余計に基準に当てはまる企業はなくなってしまいます。ですから、「必ずある」と思わず、「基準にブレが生じない企業があればいいな~」という感覚で企業を探してみましょう。
ここで注意してほしいのが、「ないかもしれないからといって、妥協してもいいわけではない」ということです。
確かに多少の妥協が必要になる場合もあるかもしれませんが、初めから妥協していては基準を定めた意味がなくなってしまいます。しっかりと基準を明確にしたうえで、広い視野で企業を探していきましょう。
「企業選びの基準(軸)」は面接で聞かれることもある
面接ではあなたが定めた「企業選びの基準(軸)」を聞かれることがあります。もちろん面接ですので、ただ「基準は○○です」と答えるだけではNGですし、伝え方も意識しなければなりません。
せっかく企業選びの軸を定めて企業を選んだとしても、その企業から内定がもらえなければ意味がありません。企業からも選ばれるためにも、しっかりと面接対策も行っておきましょう。
面接で「企業選びの軸」を上手に答えるコツ
面接で「企業選びの軸」を回答する際は、“仕事に求めているもの+具体的なエピソード”を話してください。「私の企業選びの軸は〇〇です」といった形から、仕事に求めるもの、そして求めている理由を具体的なエピソードとともに語ることで、話に信ぴょう性が生まれ、面接官を納得させる回答をすることができます。
さらにそこから、入社に対する思いや意気込みなどを語れば、入社意欲をアピールできるため好印象です。「軸に当てはまる御社だから志望した」という思いを伝えられれば内定は近づくでしょう。
しかし、これらの話は「企業選びの基準(軸)」が明確でないと語ることができませんので、自分の中での基準を明確に定め、重要視すべき基準をしっかりと理解しておきましょう。
基準別に伝えるべき内容
面接で企業選びの基準(軸)を語る際は、仕事に求めていることや意気込みなどを語ると好印象です。具体的には「自分の成長」「夢」「課題解決」といった、自己成長が期待できる内容を盛り込めると好印象になります。
ほかにも、それぞれの軸を語る際に意識すべきことを記載しておきますので、話す内容などをチェックしてください。
- [給与]→なぜ稼ぎたいのか、夢を語る。その夢を叶えるために、お金が必要
- [勤務地]→地元やあまり転職をしたくない場合に勤務地を軸に選ぶ場合もあるが、面接ではそこを重視して話はしない
- [福利厚生]→複利厚生の充実さで自分の働き方が変わる場合は福利厚生を重視しても良いが、面接ではそこを重視して話はしない
- [社風]→社風をどう感じたのか自分なりにまとめる
- [企業の規模]→会社の規模で、自分が出来る仕事の内容が変わってくる場合もあるので、その魅力を伝えるか、その会社でしかできない内容を話す
- [社員の人柄]→社員のどこに魅力を感じたのかを具体的に話す
- [社内環境]→その社内環境で、どう自分が仕事に貢献していけるかを話す。
- [やりがい]→どの業務でどうやりがいを感じるのかを具体的に、自分の経験なども話す
- [社会貢献度]→ビジネスがどう社会貢献につながっており、どのような影響を社会に与えたいのか、どのような問題を解決したいのかを話す
- [成長性]→成長し、どう活躍していきたいか、どういうスキルを身につけたいかまで語る
- [専門性]→自分の能力がどう活かせるのか、その専門性がどう魅力に感じるのかを話す
重要視すべき基準を理解し、自分の中での基準が明確であれば自分の思いは伝わりますが、他の学生と差をつけるためにもそれぞれの軸に特化した内容で語るようにしましょう。
また、深く考えていないと思われるような単純な軸や、浅い内容の軸を答えないでください。自分の将来についてきちんと考えていないのか、社会人としての資質を疑われます。
また、福利厚生などの条件面しか見ていないような軸や、どこの企業でも通用するような軸もNGです。そのような軸では仕事に対する熱意や入社意欲が感じられないので、一生懸命働いてくれるようには思えません。
おわりに
企業選びは今後の自分の人生を左右するほど重要なものです。ですから、「ただ好きだから」「名前を知っているから」などとといった曖昧な理由から選んでしまえば、ミスマッチから早期退職へとつながりかねません。
ですから、自分の中でしっかりと基準を定めること、そして重要視すべき基準を理解したうえで慎重に企業を見極めていきましょう。
もし、どうやって企業選びの基準を定めていけばいいのかわからないという人や、基準から自分に合った企業が見つけられないという人はぜひキャリchを頼ってください。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。