【23卒の面接対策】Webや対面による対策と質問例をご紹介します
2022年3月24日
23卒の就活生は今、「年も明けたし、そろそろ就活準備を始めなくちゃ」と考えているところだと思います。
一口に就活準備といっても色々ありますが、中でも23卒の就活生が注意しなければならないのは面接対策です。
コロナの流行で、昨年から一気に就活のオンライン化が進みました。
急遽対応を余儀なくされた21卒と違い、23卒では既にオンラインによる選考が一般的となっていますから、従来の対面面接に加えてWeb面接への対策も事前にしっかり行っておかなければなりません。
またコロナの影響から経営状態が不安定になり、新卒採用を取りやめる企業もあるので、23卒の選考は例年よりずっと厳しくなると予想されます。
それでなくても経団連の就活ルール撤廃によって、企業は採用活動のスケジュールを早めているため、23卒の学生はできるだけ早めに面接対策を始めた方が良いです。
とはいえ就活自体初めてのことですから、面接対策と言っても具体的に何をすればいいか分からない人が多いのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、23卒の面接事情と面接対策を始める時期、具体的な面接対策の方法についてご説明します。
例年にはなかった23卒ならではの質問例も掲載しておきますので、参考にしてください。
23卒はいつから面接対策をすべき?
冒頭に述べたように、23卒の就活生はできるだけ早めに面接対策を始めた方が良いです。しかし一口に就活準備と言っても、自己分析や業界・企業研究、ES対策など、やるべきことは他にもたくさんあります。
面接は書類選考が通過した後の話ですから、その前にやることになる企業選びのための準備やESへの対策を優先しなければならないのは当然です。では先にやるべき他の準備を進めながら、面接対策にはいつ頃から取りかかり始めたらよいのでしょうか。
コラムの初めにそろそろ就活準備を考えている23卒の人に向けて、面接対策を始めるべき時期についてお話ししておきます。
1月には面接対策をはじめよう
23卒の就活生は、遅くとも1月中には面接対策に取りかかり始めてください。冒頭にもお話ししたように、23卒に対する企業の採用活動は早期化する傾向にあるため、早め早めに対策を始めることが重要です。
経団連の就活ルールが廃止された23卒でも厚生労働省や大学側からの呼びかけがあるため、基本的には「3月採用情報解禁、6月面接開始、10月内定式」というスケジュールは変わっていません。
しかし経団連の圧力がなくなったことで動きやすくなりましたから、23卒ではよそに取られる前に優秀な学生を確保しようと、基本スケジュールよりも早く動き出す企業が多い見込みです。また昨年はコロナの流行が本来新卒の採用活動をするはずだった時期に直撃したため、企業は採用活動の後ろ倒しを余儀なくされました。
ところが後ろ倒しにしたにも関わらず、その後も緊急事態宣言などで面接を行えなくなり、21卒の採用活動に乗り遅れてしまった企業がたくさんあったのです。そうした反省から23卒では、またいつ採用活動が中断されてもいいよう、採用できるうちに採用しておきたいと考えている企業が多くあります。
学生の方もコロナで就活がどうなってしまうか不安なため早く動き出すと思われるので、それに合わせて相当早くから動き始める企業もあるでしょう。例年だと実際に募集が始まって就活が本格化するのは3月からですが、23卒ではそれが早まり、2月が募集の多い時期になる予想です。
エントリーが始まれば早急に面接を始める企業もでてきますので、23卒ではそれに間に合うように、1月中には面接対策を始める必要があります。
23卒は対面とWebと両方を対策する
23卒では対面面接とWeb面接の両方を対策しなければならないことも、面接対策を早く始めるべき理由の1つです。昨年からコロナの感染拡大防止のため、説明会や面接をオンラインで行う企業が増えましたが、23卒でもその傾向は大きく変わらないでしょう。
しかも突然発生したコロナの流行で慌ててWeb面接を取り入れた21卒と違い、23卒では面接がWebを介して行われることが当たり前です。21卒のように「Web面接に不慣れ」という言い訳は23卒では通用しませんので、事前にしっかりと対策しておく必要があります。ただし対策が必要なのは、Web面接だけではないです。
コロナに対する企業の対応はさまざまなので、23卒では最終面接までずっとWeb面接とする企業もあれば、一次面接だけがWeb面接で二次面接以降は対面面接、ほとんどWeb面接だけど最終面接だけは対面面接という企業もあります。
しかしWeb面接と対面面接はやり方が大きく異なるため、どちらか一方への対策だけでは上手く対応できません。そのため23卒の就活生は、Web面接と対面面接の両方に向けた対策が必須となります。23卒では面接対策に例年より多くの時間が必要となりますから、就活が本格化する2月に向けて、できるだけ早く対策を始めるべきです。
面接対策に必要な事前準備
面接対策を始めると言っても、Web面接にしろ対面面接にしろ、いきなり面接練習を始めるわけではありません。具体的な面接対策を始める前にまず、やらなければならない準備があるのです。
ここからは23卒の就活生が面接対策を始めるために必要な準備と、Web面接と対面面接に共通して意識しておくべきことについて説明します。
自己分析から自分の強みを明確にする
23卒の就活生は具体的な面接対策を始める前にまず、自己分析を行って自分の強みを明確にしておいてください。面接ではただ面接官と話をするだけではなくて、多くの応募者の中から自分を選んでもらえるように、自分の良さをアピールする必要があります。
ただし面接でアピールする内容は、自分の良いところなら何でもよいわけではないです。企業は自社の利益に貢献できる人材を探しているので、面接では自分の良いところの中の、その企業で仕事をするうえで役立つ能力(=強み)をアピールします。
噛み砕いて言うと「自分はこんなに御社の役に立つ人間なので、ぜひ私を選んでください」という風に話をするわけです。しかし口では何とでも言えますから、面接官は学生が本当にその強みを持っているかどうか、様々な質問を通して見極めようとします。
つまり何となく企業に好かれそうなことを述べるだけではダメで、面接では本当に自分が持っている強みをアピールしないと見抜かれてしまうのです。そこで具体的な面接対策を始める前に、まずは自分自身がどんな強みを持っているのか把握しなければなりません。
そのために必要となるのが、自己分析です。徹底した自己分析を行って、仕事に活かせる自分の強みを見つけましょう。その強みを仕事でどう活かせるのか、どう活かしていきたいのかなどを合わせて考えると良いです。
その企業でなくてはならない理由を明確にする
23卒の就活生は具体的な面接対策を行う前に、その企業を志望する理由についても明確にしておいてください。企業は仕事で役立つ強みを持っているのと同時に、「どうしてもこの企業で働きたい」という、自社への熱い想いも持っている人を探しています。
自社への思い入れが強い人の方が入社後、会社のためになることを考えて働いてくれて、自分のことだけ考えて仕事をする人よりも会社への貢献度が高いためです。ですから面接で企業に選んでもらうためには、自分の強みをアピールするだけでなく、企業に対する熱意も伝えなければなりません。
そのためには徹底した企業研究を行って、自分の受ける企業についての理解を深めておく必要があります。本当にその企業で働きたいと思っているなら、仕事の内容やそこで必要をなる能力を知らないなんてあり得ないことです。
「自分は御社が求めている強みを持っていて、こんな風に仕事で活躍できる」と述べてこそ、採用してほしいという熱意が伝わります。23卒の就活生は具体的な面接対策を始める前に、まず徹底した企業研究を行って、その企業が求めている人物像を把握しましょう。
面接での質疑応答で、その企業が求める強みと関係ない見当違いなアピールをしていると、自社に対する理解が浅い=熱意がないと判断されてしまいます。
面接全体の流れと基礎部分を把握する
23卒の就活生は具体的な面接対策を始める前に、対面面接・Web面接の基本的な流れを把握しておいてください。対面面接とWeb面接は全く違う流れで行われますので、それぞれのやり方を下記に記載しておきます。
■対面面接
- 3回ノック
- 中から応答があってから「失礼します」と言ってドアを開ける
- 部屋に入り、ドアの方を向いて静かに閉める
- 面接官の方を向いて、挨拶をしてから一礼
- 椅子の横に立って、着席の許可が出てから席に座る
- 面接が終わったら立ち上がってお礼を述べ、お辞儀
- ドアの前で面接官に一礼してからドアを開ける
- 退出して静かにドアを閉める
【入室】
【退室】
■Web面接
- ネット環境を整える
- ID取得やツールのダウンロード
- スーツに着替えて着席
- 企業から送られてきたURLをクリックし、左下に現れるアイコンをクリック。表示される指示に応じてダウンロードを行う(約5分)
- ダウンロードが完了したら画面に従って「ミーティングに参加する」をクリックし、ユーザー名に本名を打ち込んで入室する
- 企業側からの入室許可を待つ
- 企業から入室許可が下りたら通話画面に切り替わる。右上の小さな画面に自分が写り、企業側は全面に映し出される
- 初めてzoomにアクセスする場合は、ブラウザでPCのカメラとマイクの使用を許可する
対面面接の場合は、社会通念上決められている入退出のマナーがありますので、緊張した中でも自然と行えるように覚えておかなければなりません。Web面接にはそうしたマナーはないものの、流れを知らないとスムーズに面接を始められず、悪印象を与えてしまいます。
上記ではzoomを例にWeb面接の流れを説明しましたが、企業によって指定されるアプリケーションが異なり、それぞれ微妙な違いがあるため事前の確認が必要です。対面面接とWeb面接のどちらを指定されても困らないように、きちんと流れを把握しておきましょう。
「端的」に話す癖をつける
23卒の就活生は対面面接・Web面接の両方に共通する意識として、「端的」に話をする癖をつける必要があります。面接では様々な質問をされますが、回答の際に長々と説明してはいけません。
話が回りくどかったり、まとまっていなかったりすると結局何を言いたいのか面接官に伝わりにくいですし、コミュニケーション能力が低いと思われてしまいます。どのような仕事においても、企業で働く上では限られた時間を無駄にしないよう物事を簡潔かつ的確に伝える必要があるので、それができないと思われるのは悪印象です。
対面面接・Web面接どちらの面接においても、聞かれた質問に対する結論から答えるように癖づけておきましょう。面接での質疑応答には、PREP法の活用をオススメします。
【PREP法】
Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)
PREP法は、プレゼンなどのビジネスシーンでよく用いられる論述方法です。PREP法では初めに結論を述べて主旨を伝え、その理由を具体例を交えて説明し、最後にもう一度結論を強調して締めくくるという流れで話を展開します。
冒頭に結論を述べることで、これから何を話そうとしているのか面接官が理解しやすくなり、論理的で簡潔な回答ができるのです。
日本語教育で習う論法は起承転結なので学生は結論から述べる習慣に慣れていないと思いますが、面接で好印象を狙うためにPREP法での回答をマスターしておいてください。
まず対策すべきは「Web面接」
23卒の就活生は対面面接・Web面接どちらも対策しなければなりませんが、先に取りかかるべきはWeb面接の方です。対面面接を重視する企業でも、選考する人数の多い一次面接はコロナの拡散防止の観点から大抵Web面接で行われます。
一次面接を通過できなければ、それ以降の面接も内定もないわけですから、23卒の就活生はまずWeb面接を優先して対策しなければなりません。この章ではWeb面接への対策を解説しますので、参考にしてください。
Web面接に必要な準備を整えよう
Web面接への対策の第一歩として、23卒の就活生はまずWeb面接に必要な環境を整えましょう。実際にWeb面接を行える環境が整わないことには、練習もできません。
まず初めに行うのは、Web面接を行うための「ネット環境」を整えることです。ネット環境が不安定だと面接の途中で途切れたり、映像と音声が一致しなかったりして、面接官とスムーズな会話ができなくなります。
Web面接のツールは大抵タブレットやスマートフォンでも利用できますが、PCに比べると端末自体の処理能力が低く、Wi-Fiで接続するため電波の状態にも左右されやすいです。可能であれば端末はPCを使用し、個人回線に有線LANで接続するのが最も安定します。
学生の中には自宅にネット環境がない人もいるかもしれませんが、不特定多数の人が同時に回線をシェアするフリーWi-Fiは不安定になりやすいので避けた方が無難です。ネット環境が整ったら、次は「必要なツールのダウンロードやID取得」を行います。
実際の面接ではどのアプリケーションを指定されるか分かりませんが、zoomやSkypeなどが一般的なので、練習時はそれらに慣れておくと良いです。Web面接への対策を始めるためには、さらに「きれいな服と部屋」を用意してください。
最近のWebカメラは高性能なので、通話者の衣服や背景となる部屋の詳細な様子まで映り込んでしまいます。面接官に余計な先入観を与えないよう背景が白い壁となる場所を用意して、練習時も本番と同様上下スーツを着用し、身を引き締めて練習することが大事です。
面接中は大きな声・大きなリアクションを意識する
Web面接を行う環境が整ったら、大きな声と大きなリアクションを意識してWeb面接の練習をします。Web面接はカメラ映像とマイク音声を通した会話になりますが、画面越しには互いの声や表情など細かな部分が伝わりにくいです。
小さな声でボソボソ話していると面接官が聞き取れませんし、相手に聞き取りやすくしようという配慮に欠けます。本当にその企業に受かりたいなら、自分の言葉を理解してもらうための努力をするはずなので、熱意がないようにも見えるでしょう。
Web面接では自分の言葉を面接官が聞き取りやすいように、大きな声で滑舌よく、ハキハキと話すことが大事です。また学生側からも面接官の音声が聞き取りにくいので、面接官の方も自分の言葉がきちんと学生に伝わったかどうか気にしています。
聞き漏らさないよう注意して耳を傾けるとともに、理解できた時には理解できたことが相手に分かるよう、相槌などのリアクションをした方が親切です。ただし対面面接と違って、画面越しには小さな動きや表情が分かりにくく、無反応・無表情と受け取られてしまうことがあります。大きめのリアクション、大きめの笑顔を心がけて練習し、わざとらしくない程度のほど良い加減を身に付けてください。
事前に目線を把握しておく
23卒のWeb面接の対策としては、事前にカメラを介した目線を把握しておくことも必要です。面接ではアイコンタクトを取りながら話すことが大事ですが、Web面接ではカメラ映像を利用するため、自分の見ている目線と相手に見えている目線が異なっています。
Web面接で面接官が見ているのは、カメラが撮影している学生の姿です。つまりカメラ目線で話さないと、面接官の画面では視線が合っていないように見えます。面接官の話に聞き入るばかりに画面に映る面接官の顔ばかり見ていると、相手の画面では学生が目を伏せているように見えたり、視線が泳いでいるように見えたりするのです。
画面越しに自分の目線がどう見えるのか事前にチェックして、うまく合わせられるようにしておいてください。また同様に、カメラの角度や照明といった見え方にも注意が必要です。
カメラが映し出す角度や照明の位置・明るさによっては、面接官を見下ろすように見えてしまったり、表情が暗く見えたりすることがあります。もしPCを用意できず、タブレットやスマートフォンを利用する場合には、手持ちで行うと映像の揺れが激しいので固定しなければなりません。
目線を合わせると同時に、画面越しに自分がどのように見えているかもチェックして、印象よく見える方法を見つけておきましょう。
トラブルにも対応できるようにしておく
23卒の就活生はWeb面接に際し、いつでもトラブルに対処できるよう対策しておいてください。Web面接は通信機器を使用し、インターネット回線を介して行うという性質上、通信障害や機器トラブルが付き物です。
23卒は21卒と違ってWeb面接への備えができていて当然ですので、簡単に予測できるようなトラブルに慌てているようだと、対応力がない、計画性がないなどと思われかねません。たとえばWeb面接では、通信障害などで音声が途切れたり聞き取りにくくなったりといったことがよくあります。
よく聞こえなかった時は聞き返して正確な情報を得るとともに、あまりその状態が続くようであれば面接官に事情を説明し、再接続するかどうかなど指示をもらいましょう。またWeb面接では、端末やネット環境の処理能力に負荷がかかることで、端末がフリーズしたり突然通信が切断されたりすることも珍しくないです。
そのように完全に接続が切れてしまった場合には、早急に面接官へ電話して、謝罪と対応策の相談が必要になります。Web面接を受けるときは事前に緊急連絡先を聞いて手元に電話を用意し、すぐに連絡が取れるようにしておくべきです。
基本的にWeb面接のトラブルは端末や通信機器の処理能力に起因するので、安定したネット環境を整え、端末の空き容量を増やしておくことである程度は回避できます。ただしそれでも通信機器を使う以上何らかのトラブルは起こり得ますから、何度も練習してトラブルシューティングをくり返し、冷静に対応できるようにしておくことが大切です。
対面面接の対策も行おう
23卒ではWeb面接だけでなく、対面面接を行う企業もありますから、当然対面面接への対策も必要になります。最終面接に近づくほど選考人数が少なくなり、対面面接を指定される確率が上がるので、内定を得るためには対面面接への対策も欠かせません。
Web面接にある程度慣れたら、対面面接の練習もしていきましょう。ここからは23卒の対面面接への対策法をご説明しますので、しっかり参考にしてください。
挨拶やお辞儀などの所作を正す
23卒に限らず対面面接では、挨拶やお辞儀など面接のマナーとして決められている所作を、正しく行えるようにしておくことが基本です。対面面接では会話の内容も当然大事ですが、一見して人に与える第一印象は面接全体の評価に影響するので、基本的な社会人マナーができていないと評価が下がってしまいます。
些細なミスはまだしも、あまりに所作が悪いと最低限の社会常識を知らない人、自社の人間として迎え入れるには相応しくない人だと判断されかねません。入退出のやり方はもちろん、大きな声で挨拶をする、正しい姿勢、言葉遣い、お辞儀の角度といった面接での所作を自然に行えるように練習してください。
それに面接官に好印象を持ってもらうには、型にはまった動作が行えるだけでなく笑顔で話をすることも重要です。たとえ接客業などでなくても、笑顔でのコミュニケーションは職場の人間関係を円滑に築ける人物かどうかの判断材料になります。
頭で覚えていても面接本番になると緊張して忘れてしまうこともあるので、面接での所作を何度も練習し、体で覚えておきましょう。
マスク越しでも好印象を残せるようにリアクション等を意識する
23卒の対面面接では、マスク越しでも好印象を残せるように対策する必要があります。23卒の場合はコロナの感染防止対策として、マスク着用のまま対面面接が行われることが多いです。
通常なら直接顔が出ているので伝わることも、マスクで顔の半分が覆われていると上手く伝わらないことがあります。まず口元が覆われていることで声がこもりやすく、聞き取りにくくなりますから、挨拶だけでなく会話の中でも大きな声でハッキリ発音するように心がけてください。
小さな声でモゴモゴ喋っても、面接官には何を言っているのか聞き取れず、不快感を与えかねません。また顔の表情もほとんど見えなくなってしまうので、目元だけで笑顔が伝わるように練習し、頷きなどのリアクションも取るようにします。
明るい表情や温厚そうな顔立ちといったものがマスクで覆い隠されてしまうため、顔から受ける印象が良い人ほどマスクのデメリットが大きいです。マスク越しでも面接官に好印象を与えられるように、意識して練習を行いましょう。
緊張感に負けないように堂々と挑む
対面面接においては、緊張感に負けないよう堂々と挑むことが大切です。初対面の人にジロジロ見られる対面面接は誰でも緊張するものですが、緊張感に慣れていないと、本来自分が持っている力を存分に発揮できません。緊張のあまり、うっかり基本的な所作を間違えてしまったり、言いたいことが上手く言葉にできずしどろもどろになったりします。
本番の対面面接でそんな風になってしまうと面接官には頼りない学生に見えるので、到底内定獲得にはたどり着けないでしょう。対面面接で堂々と受け答えするためには、普段から緊張感のある練習をくり返し、緊張に慣れておく必要があります。
ただし自分の親しい人を面接官役にして練習しても緊張感は生まれませんので、就活エージェントや模擬面接イベントなどを利用し、本番に近い環境で練習してください。就活エージェントや模擬面接なら、面接官は良い意味で赤の他人なので緊張した状態で練習できますし、就活のプロから面接力を上げるためのフィードバックを受けられるので一石二鳥です。
23卒の就活生は特に、例年の学生に比べて実際に対面面接を経験する機会が少ないですから、そうした緊張感の得られる練習を積んでおくことが重要になります。
掘り下げ質問などにも対応できるように
対面面接への対策としては、掘り下げ質問などの不測の事態にも対処できるよう、対応力を養っておくことも大事です。面接で聞かれる質問はある程度の傾向はあるものの、時には不意を突かれるような変わった質問をされることもありますし、自分の回答に対してさらに深掘りされることもあります。
そうした事態は対面面接でもWeb面接でも起こり得ますが、対面面接の場合は面接官が目の前にいるため、焦ってパニックになってしまう就活生が多いです。面接でよくある質問への対策をしておくことはもちろんですが、対面面接を上手く乗り切るためには、予想外の質問にも動揺しないよう対応力を身に付けておく必要があります。
よくある質問への回答を用意して丸暗記するのではなくて、回答のカギとなる素材だけを覚えておき、質問される角度によって臨機応変に回答を変えられるよう練習してください。
また回答したことに対してどのような深堀質問をされる可能性があるか予測し、何を聞かれても答えられるように、自分の中でもしっかりと深堀りしておきます。そのためには、徹底した自己分析と業界・企業研究が不可欠です。そして本番さながらの面接練習を繰り返し、予想外の質問を受ける経験を積んで、不意打ちにも慣れておきましょう。
23卒ならではの質問対策
例年面接で聞かれることの多い質問は、当然今年の面接でも頻出すると思われるので、対策を行わなければなりません。ただし面接の質問は型通りに行われるのでなく、その時々の世情が反映されます。
世の中の変化が大きかった23卒の面接では例年よくある質問に加え、これまでになかった今年特有の質問をされる可能性が高いですから、そうした質問にも答えられるよう対策すべきです。ここからは例年にはなかった23卒の面接ならではの質問例と回答方法について、回答例を交えて解説しますので参考にしてください。
質問1「緊急事態宣言中は何をしていましたか?」
昨年4月には全国的に緊急事態宣言が発令され、長期にわたり学校が休校となりました。例年にはない大きな出来事ですので、23卒の面接では「緊急事態宣言中は何をしていたか」など、その時期のことについて聞かれる可能性が高いです。
【面接官の意図】
緊急事態宣言中は外出自粛となりましたが、学校も部活も休みになったのでポッカリと予定が空き、学生には自由な時間ができました。同時にテレビでは世界的な経済の混乱や、従業員の解雇、新卒採用の中止、内定取り消しといった暗いニュースも流れていたはずです。
そういう時期にこれ幸いとのんびりしていたのか、それとも将来に危機感を感じて何かしらの行動を取ったのかなど、面接官は緊急事態宣言中の過ごし方を聞くことによって、その学生の考え方や価値観を知ろうとしています。
【回答のポイント】
面接で緊急事態宣言中の過ごし方を聞かれた場合には、急遽空いた時間を有効に活用したことをアピールしましょう。世界的な経済危機の只中にあって、卒論と就活を翌年に控えた大学3年生が、まるで自分には無関係のように吞気に過ごしていたと述べるのは印象がよくありません。
就活に直結する話でなくても構いませんが、ポッカリと空いた時間に、自分はどのようなことを目的として行動したのかを述べてください。
【回答例】
緊急事態宣言で外出できない間は、自宅で就職活動の準備をして過ごしました。
世界的に経済が混乱していると報道されていましたし、先輩たちも就職活動が難航していると聞いて、時間のあるうちに少しでも備えておきたかったからです。
夏のインターンシップも考えていたので、志望業界の目星をつけることを目的にインターネットでどんな仕事があるか調べたり、自己分析したりして自分の将来について考えました。
その中で○○に興味を持ったことが、御社への志望につながっています。
質問2「コロナによって志望業界は変わりましたか?」
昨年から続くコロナの影響で経営状態が悪化し、23卒では新卒採用を取りやめる企業も少なくないです。中には業界全体が不景気になっているところもあるので、23卒の面接ではそうした事情から志望業界を変更したかどうかも聞かれることがあるでしょう。
【面接官の意図】
面接官はコロナの影響で志望業界を変更したかどうかを聞くことによって、学生が本当に志望している業界を知りたいと思っています。
もともとこの業界を志望していたのか、コロナの影響から志望業界を変えた場合には、どのような考えで変更したのかを知りたいのです。そこから面接官は、学生が本気でその業界・企業で働きたいと思っているのか推し量っています。
【回答のポイント】
コロナによって志望業界を変えたかどうか聞かれた際には、「志望業界が採用活動をしていなかったから仕方なくこの会社を選んだ」と思われないようにしなければなりません。
コロナの影響から志望業界を変えた場合には、どのような意志を持って志望を変更したのか述べます。業界は変わっても就活の軸自体はブレておらず、きちんと軸に沿って選んだ企業であることを示してください。
【回答例】
はい。変わりました。コロナの流行前はまだ2年生だったのであまり深く考えず、漠然と観光業界に憧れていました。
しかし業界全体が厳しい状態にあると聞き、本当にそこがいいのかよく考える必要があると感じたのです。
その結果、私が観光業界を目指したのは人の役に立って喜ばれる仕事をしたかったからであり、それが可能な業界は他にもあると気付きました。
そのため今は、直接人の役に立てる介護業界を中心に就職活動を行っています。
質問3「今後世界経済はコロナによってどう変わると思いますか?」
コロナの流行は一時的な経済への打撃を与えただけでなく、人々の生活にも変化をもたらしました。そうした転換期にある23卒の面接では、「世界経済はコロナでどう変わると思いますか」などと、今後の見通しについて尋ねられる可能性もあります。
【面接官の意図】
コロナによって世界経済がどう変わると思うか尋ねる面接官の意図は、その学生にこれから社会人として働いていく意思が備わっているか確認するためです。
当然ですが企業の経営状態は経済の影響を受けますし、社会の変化に合わせて会社も変わっていかなければ生き残れません。面接官は学生が今後の見通しを立てているか聞くことで、そうした働くことの厳しさを認識しているか、社会で生き残るためにアンテナを張っているかどうかを見ています。
【回答のポイント】
23卒の面接で今後の見通しを尋ねられた際は、志望業界・志望企業を中心に、コロナの影響で今後どのように変わると思うのか述べてください。
経済状況や社会情勢、コロナの動向なども知らなければ答えられない質問ですので、普段からチェックしておくことが大切です。就活に関する情報だけでなく、新聞やニュース番組などに目を通し、全体的な状況を把握しておきましょう。
【回答例】
コロナによる影響は一時的なものではなく、世の中の消費の動向を変え、それに合わせられない企業が淘汰されていくと思います。
コロナをきっかけに、人々の生活スタイル自体が見直されているからです。
特に小売業界はこれまでもIT化が進んでいましたが、今後は対人販売よりECサイトが主流になると予想しています。販売スキルによる売り込みができないためニーズに合わない商品は売れなくなり、高額商品には大規模な宣伝が必要になるはずです。
その結果いかに上手くビックデータを活用し、的確なマーケティングと宣伝を行えるかが生き残りのカギになると思います。
おわりに
23卒の面接は対面面接とWeb面接の両方があり、どちらもそれぞれ対策が不可欠です。加えて経団連の就活ルール廃止やコロナの影響で採用活動が早期化されているため、23卒の就活生は例年より早く面接への対策を始めなければなりません。
対面面接、Web面接ともに大切なのは、就活エージェントなどを利用して本番に近い状態で練習を繰り返し、緊張や不測の事態に慣れておくことです。就活エージェントに面接練習を依頼すれば、プロの目線で的確なアドバイスをもらえますから、効果的に面接力や対応力を上げられます。
キャリchでも、完全無料の「模擬面接イベント」を開催していますので、ぜひ参加してください。プロのキャリアプランナーが面接官を担当し、面接対策をお手伝いするイベントです。
基本的な面接のやり方や質疑応答の対策はもちろん、画面越し・マスク越しでも好印象を残せるようにアドバイスします。コロナの影響から企業数が減り、23卒の面接は激戦になると予想されますので、ぜひ私たちプロを頼って一緒に就活を成功させましょう!
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。